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ようこそ知事室へ
【発表項目】
知事:
1番目は「新型コロナウイルス感染症の県内の患者の状況等」です。
昨日、新型コロナウイルス対策本部会議を開催し、大まかな県の当面の方針について決定し、説明したところです。
本日の新規感染者数は8248人で、対前週比で3000人程度減少している状況です。
病床使用率も少し下がってきている状況で、感染状況もここ数日減少傾向が続いていますが、少しピークアウトしつつあるか、というのが今の受け止めです。
ただ一方で、そうは言うものの8000人という多くの感染者が出ている状況ですので、引き続き注意が必要です。感染対策、それからワクチンの接種についての協力を引き続きお願いします。
2番目は「LGBT等性的少数者に関する専門相談窓口の開設」です。
LGBTなど性的少数者の当事者もそうですが、その家族なども対象とした専門相談について、内容的にも様々な専門性を必要とする相談が多いということです。
それらの人たちが社会活動、学校を含めて、いろいろな活動をする中で、様々な悩みを持っている人が多いと思います。それは、相談できる人がいなかったり、孤立している人も多くいるとのことですので、県として相談窓口を今回、設置します。
現状で言いますと、県内の相談窓口については、10市町で開設しています。主に阪神間が中心となっています。そうすると、例えば県の北部や、播磨地域、さらには淡路など、そういった市町が設置していないエリアについては、行政への相談ができない状況になっていますので、ここは県として、新たに全県をカバーする相談窓口を開設するものです。
9月3日から開設します。
資料にもありますように、いろいろな悩み、同性の恋愛関係などを家族などにどのように打ち明けるべきか、学校での悩み、職場でのアウティング、いろいろなケースがあると思いますが、そういったものを匿名で相談できるようにします。相談料は無料。ただ、通話料はかかります。もちろん、秘密を厳守します。
本人のほか、家族、友人、それから学校現場でのケースもありますから、教員など、誰でも相談できるという形にしていますので、県が設置したこの相談窓口を利用してもらえればと思っています。
(受付時間は)毎週土曜日の18時から21時です。仕事をしている人など、いろいろなケースがありますので、休日の方が相談しやすいのではないか、という趣旨で土曜日としました。
あと、専門的な観点からということが大事ですので、県内のLGBT支援団体のスタッフに、この窓口の対応をお願いする形になりました。
そういった形で進めますが、SDGsもそうですが、いろいろな人の悩み、相談を受けられる体制をまずは県が整備し、それを、県内の市や町にも広げていくことをしたい、と思っていますので、理解、協力を引き続きよろしくお願いします。
3番目は「アンテナショップ開店など障害者施設で製作された商品の販売促進」です。
皆さんから見て向かって右側に商品があります。お菓子などいろいろなものがありますが、これらはすべて、県内の障害者が働いている施設で作られたものです。いわゆる授産施設です。障害者が製作する施設は県内各地にあります。
これらで今、いろいろな問題が出ており、コロナ禍で売上自体が少し減っていることと、あとは原材料費の高騰からも、こういった事業所での生産・販売に影響が出ているところです。
そういった観点から、また工賃の確保の観点からも、商品の販売促進を県としても支援をしていくことが重要だと考えています。
6月補正で、こういった授産商品の認知度を向上する経費を計上し、その中の1つがアンテナショップの設置です。9月9日から神戸市の元町でオープンをします。そこで、授産施設で作られたお菓子、小物、野菜などを販売するものです。
販売機会を増やし、県民の皆さんに周知していくことが大事です。そこで作られた商品がやはり、おいしかったり、使い勝手がよい、便利だということであれば、これからも使ってもらえる、ファンを増やしていくことが大事だと思っていますので、今回、開設をすることになりました。
あわせて、県内各地でイベントも開催します。9月17日から淡路のONOKOROでの開催を皮切りに県内10カ所で、こういった商品の販売のPRイベントを開催していきたいと思っています。
アンテナショップは先ほども言いましたが、9月9日11時、元町6丁目(モトロク)でオープン予定です。開設期間は半年間を予定しており、その期間でしっかりとPRしていきます。
これからも、こういった機会を通じて、障害福祉サービス事業所で使える商品について、より多くの皆さんに買ってもらえるよう、消費してもらえるよう、販売強化をしっかりと県としてもサポートしていくことで、障害者が地域でより自立した生活や、労働、雇用の場を維持していけるように、サポートしていきたい、そんな環境づくりをしていきたい、と思っています。
4番目は「兵庫県・地産地消!『おいしい食材の宝庫再発見キャンペーン』の実施」です。
先ほど取材機会も設けましたが、キリンビバレッジ株式会社近畿圏統括本部長の谷井氏と面談し発表しました。
このたび包括連携協定を結んでいるキリンビバレッジ株式会社と連携しながら、兵庫県産の農林水産物、加工品をプレゼントとするキャンペーンを9月1日から実施します。
このキャンペーンは官民連携で実施をし、基本的な実施経費等についてはキリンビバレッジ株式会社に全面的に負担、協力してもらうことになっています。改めて、お礼をします。
キャンペーン内容は資料のとおり、キャンペーンの実施店、こういったチラシやポスターを掲示している店で、キリンビバレッジ商品1点以上を含む800円以上の買い物レシートで応募してもらうと、抽選で兵庫県の認証食品をはじめ、3つのコースがありますが、それが当たります。
応募期間は9月1日から9月30日です。
これは実は2回目になりまして、去年も実施しているのですが、コロナの影響もあって少し規模を縮小していました。今回は、大きな形でやってもらえることになりました。
特色としては2点あり、1点が豊かな海づくり大会の関係をしっかりと盛り込んでいること。もう1点が、農林水産物の中にもSDGsの概念を取り込んでいく、そんな商品ラインナップを加えました。
1点目の豊かな海づくり大会の企画商品としては、これはJF兵庫漁連の協力を得て、商品として、家族で兵庫県の水産業を学び、地元で捕れた魚を料理体験できる「豊かな海体験コース」を用意しました。
先日私も、たまたまJF兵庫漁連でやっているお魚料理体験教室に、豊かな海づくりのPRとして参加し、私はハモを捌きました。まさに同じ場所で、おそらく、家族、子どもとその時期に獲れる海産物を捌いて、1月ごろに実施します。
私はハモカツ丼とお吸い物などを作りました。自分で料理することは、魚のことを知る大事な機会でもあり、作ったものも美味しかったのですが、そういったことをこれから家族でやってもらうような、そんな商品も用意しています。
SDGs賞は、兵庫県産のお米の籾殻を再利用してプラスチックと混ぜ合わせて混合率が過半数以上になってるもので、いわゆる環境にやさしいSDGs型の商品となっています。兵庫県JAとの連携でこういった商品を作っているのですが、これをプレゼントします。
ぜひ多くの人に参加してもらいたいと思っていますので、よろしくお願いします。
5番目は「『ワーケーション知事室in丹波』の実施」です。
ワーケーション知事室は、最初に北播磨で実施しましたが、その時は多可町、西脇市で実施しました。先日は、日帰りワーケーションということで、北播磨で実施しましたが、今回は丹波地域で実施します。
テーマは起業・移住です。丹波地域は、丹波篠山市も丹波市も、最近は「シリ丹バレー」という言葉ができ、丹波県民局を中心に盛り上げていますが、移住者や起業する人が増えている地域です。その地域で、このテーマで9月5日、6日に実施します。
多くの起業家や移住者との交流、どういった理由で起業、移住に丹波を選んだのかを聞き、さらなる丹波地域の活性化のヒント、それから、それを他の地域にも広げていくにはどうすればよいのかも聞きたい、と思っています。
行程は、午前中に丹波篠山市の福住地区へ行き、ここは町並みが再生されているところですが、ここで起業や移住者と意見交換をして散策もし、オンライン協議もします。場所は古民家などになると思います。
午後は、県立篠山鳳鳴高校に行き、高校生との意見交換を実施します。過疎化、高齢化が進む地域ですが、いろいろな取組を高校生がやっているということで、そういった取組をぜひ生で聞きたいと思っています。
夕方には、地域づくり懇話会、この間は東播磨で実施しましたが、丹波でもします。市長や関係者との意見交換を行います。
泊まりは丹波市内になると思いますが、翌日は丹波で仕事をしながら、午前中にオンライン協議、それから、旧小学校利活用の施設も視察します。
そういった形で、ワーケーション知事室、実質的には2回目という形になりますが、それを、いよいよ始動していきたいと思っています。
今回は丹波でやりますが、できるだけ定期的に、淡路、西播磨、但馬など、いろいろな地域でワーケーション知事室をしっかりとやり、県内でのワーケーションの普及促進をやっていく。さらには、今後、企業と連携し、実際に多くの人に兵庫でワーケーションをやってもらえるような仕組みづくりにもつなげていきたい。
また、私自身が各地に行くことで、募集しているフィールドパビリオン、今、私が着用しているフィールドパビリオンのポロシャツも新たに作ったのですが、こういったフィールドパビリオンのコンテンツについても、自分自身の目で確認して、再発掘していきたいと思っています。
私からは以上です。
記者:
LGBTの相談窓口について。支援団体の専門スタッフということですが、他県では、心理カウンセラーの資格を持っていたり、法律に詳しい人が対応しているケースがあります。
専門スタッフはどのような資格があり、例えば、相談を受けてどういうところにつないでもらえるのか、どういった仕組みになっていますか。
知事:
今回は、当事者団体で一般社団法人ENGINE(エンジン)に委託をし、実施する形になります。中心メンバーが、それぞれこれまでLGBT支援団体として活躍して、いろいろな活動をしています。3人のうち2人は、県内の市町のLGBT専門相談の相談員もすでに務めています。すでに当事者支援団体としての活動もしていることと、そういった実績があるので、主にその人々を中心に相談をしていく形になると思います。
その上で、必要な心のケアサービスなど、いろいろな必要な支援があれば、それぞれの行政機関、それから市や町にもつないでいく形で、オペレーションしていきます。
記者:
今回、窓口の設置にあたって、やはり県民からも、こういった窓口を設置してもらいたいといった声があったのか。そこへ至る背景は。
知事:
県民から直接何か大きな声があったわけではありません。もちろん、いろいろな形で相談窓口はこれ以外にもありますので、そういったLGBTに関する相談が、おそらくいろいろなところに、心の悩みの相談など学校現場からも来ていた、ということは聞いています。
そんな中で、改めて県内の状況を確認すると、やはり県内で10市町の開設にとどまっていて、特に阪神間を中心に開設されています。そうすると県全体をカバーできている状況ではないので、県の判断として、やはり県全体をカバーし、県内どこでも住んでいる人々が相談できる窓口をきっちりと作っていくことが大事だと思い、今回の設置を判断しました。
記者:
相談できる対象は県内在住の人になりますか。電話番号ではどこからでもかけられそうな感じではありますが。
知事:
基本は、兵庫県在住の人であれば、誰でも相談できます。番号は携帯番号になっていますが、これは支援する窓口の人々の機動性、利便性を考えたときに、固定電話よりも携帯電話の方がいろいろな形で柔軟に相談が受けやすくなるという当事者支援団体からの声も聞きましたので、この番号を設定しました。基本は、やはり兵庫県内に住んでいる人が対象だと考えています。
記者:
相談形式として、要予約で面接も可能ということですが、電話した上で、例えばどこで面接を受けてもらえるのでしょうか。
知事:
まずは電話相談が基本になります。その中で、面談など、直接会っていろいろな話をして支援につなげていく方がよいということになり、本人の希望があれば、面談にも応じていくという形になります。
記者:
面談というのは、どこかの施設なのか、もしくは直接、などその辺りはどうなのでしょうか。
知事:
今回、委託するENGINE(エンジン)が県内各地域でいろいろな支援活動をしていく中で、活動拠点が播磨地域などですので、そこに来てもらい、直接面談して相談するという形が基本です。
ただいろいろなケースがあるので、やはり、住まいの近くで会い、話をした方がよいケースもあります。その時には、当事者の人にだけではなく、例えば家族や、一緒に話をした方がよいのであれば、事務所に来てもらうよりも、出向いていろいろな相談に応じるケースもあると思います。そこはケースバイケースで、いろいろな形で対応していくのだと思います。
記者:
来月27日の安倍元総理の国葬について。兵庫県として、県の教育委員会に弔意を表明することを要請する方針はありますか。
知事:
来月、安倍元総理の国葬が予定されています。国葬については、国民の皆さんの間でも、いろいろな意見があります。岸田総理も今日、記者会見で言われていましたが、やはり国民の皆さんの大きな理解を得るために、丁寧な説明を国会においてもしっかりとしていくということでした。ぜひ皆さんが納得する形での実施、その環境整備に努力をしてもらいたい、と引き続き思っています。
県としての対応は、今後どのような形で開催するかを踏まえて対応していくという形になります。
教育委員会の関係について。今、岸田総理の記者会見でも、教育委員会などの関係機関に対する弔意表明の協力の要望などを行う予定はない、というように、先般、表明しています。
また8月30日の文科大臣の会見でも、教育委員会に対して文科省からの弔意表明の協力要請はしないと示されています。今、私が聞いている限りでは、県教育委員会としては、県立学校に対して弔意表明を求める通知を発するということは考えていない、と聞いています。
記者:
県からも教育委員会に対してそういう指示を行わないということですか。
知事:
はい。その予定です。
記者:
27日に県庁舎で、半旗あるいは職員が黙祷等で弔意の表明をする意向はありますか。
知事:
総理経験者の葬儀の弔意については、その都度内容を検討して対応していました。過去も、総務省などからの通知をもとに検討し、各庁舎での県としての半旗の掲揚、それから職員の黙祷を行ってきましたが。
今回、国は地方公共団体に対して、弔意表明に関する協力要請を行なわないという方針もあります。そういった国の方針などを踏まえ、県の体制をこれから少し検討します。
記者:
国葬には齋藤知事は出席をしますか。
知事:
先日、この場でも答えましたが、私は公務として出席をする予定です。
前提として、総理も言っていましたが、この国葬に対する県民、国民の理解、そして、環境づくりをしっかりとしてもらいたい、と思っています。
国費を使った国葬という形で政府が決定したものですので、また安倍元総理については、長年にわたり、総理という重責を務められた。そして、地方行政にとっても、本県に対しても、地方分権や地方創生という形で、県の活性化、成長発展に対して大きな力添えをいただきましたので、そういった観点から私は公務として、国葬に出席をする方向で考えています。
記者:
国葬への出席について。前の会見では、国から招待があれば、ということでしたが、それは届いているのでしょうか。
知事:
前提条件は前回の会見時と同じです。国から案内や招待があれば、公務として国葬に出席する方向で考えています。
まだ具体的にはありません。
記者:
27日にあった日本維新の会の代表選で、新しく馬場さんが代表になりました。そして吉村さんが共同代表という形になりました。
2人とも知事は見知った間柄かと思いますが、受け止めをお願いします。
知事:
先日の土曜日、日本維新の会の代表選で馬場代表が新たな代表として選出されました。
個別の党の運営等に関することですので、これが良いか悪いかというような観点よりも、これから国政については、コロナ対策もそうですが、その後の経済をどのようにしていくのか。日本社会の今後をしっかりと前に進めていくことが政治の役割として大事です。
与党野党の皆さんが政治を前に動かしていく議論と決定をしていくことが大事だと思っています。日本維新の会は今、野党としての立場なので、そういった意味でも、政治をより活性化していくことを期待したい、と思っています。
馬場新代表についても、私は知事選挙のときに日本維新の会から推薦をもらい、馬場代表にも応援をしてもらいました。人柄もたいへん良く、(背番号)8番でキャッチャーなども経験され、実直な人柄で党内外からの信頼も厚い。そういった意味でも党運営をしっかりとしていき、国会を含めた政治の活性化、政治を前に進めていくことを吉村共同代表とともに、しっかりとやってもらいたいと思っています。
記者:
新型コロナの妊婦の問題について。受け入れ先がないというケースを受けた対応として、コロナ感染の妊婦を受け入れる病院に関しての補助金があります。
その前は、昨年だったか関東の方で、周産期で子どもを産むのに受け入れ先がなくて亡くなったという事案がありました。その時に、そういうことが起きないようにという議論があり、一定の枠組みができたか、と思っていたのですが。
神戸市内で実際に受け入れ先がなくて、自宅で出産するというケースがあったと。改めて、県の対応、その枠組みについて、しっかりとできているのかどうか、伺います。
知事:
今でもそうですが、昨日の対策本部会議でも議論になりましたが、救急の現場はすごくひっ迫している状況が続いています。これはコロナ対応もそうですし、夏場の熱中症や、あとはいろいろなケースが複合的にあって、救急現場ですごくひっ迫しているということでした。そういった中で、妊産婦のハイリスクな事案の救急受け入れが困難な事例があった、ということだと思います。
これはできるだけ解消していくことが大事で、そのための対策として神戸市も1つの対策を打ったのだと思います。
県としては、個別に補助を引き上げたりなどの措置はしていませんが、県立病院をはじめ、軽症・中等症の事例から、ハイリスクなNICU(新生児集中治療室)を含めた、そういった妊産婦の受け入れ、小さな子どもの受け入れ体制も含めて、ここはしっかりと病院と連携しながら、受け入れ体制を引き続き確保していくことが大事だと思っています。
それ以外にもいろいろなケースが出てきますが、医療現場の負担を軽減していくことが、これからも大事だと思っていますので、様々な手だて、手段をこれからも講じていきます。
当面は改めて、コロナの感染者数が減ってきたとはいえ、まだまだそういったハイリスク事案が出てくるかと思いますから、今一度、妊婦をはじめ、ハイリスクな人の救急の受け入れ体制の、再度の確認はしっかりとやっていきたい、と思います。
記者:
発熱外来とも関わりますが、神戸市や、その前に尼崎市でも受け入れる先がないケースに対して、コロナが直接というよりも、コロナに罹っていて、別の治療が必要な人の受け入れ先がないという問題がこの8月に出ています。
もう1つは、発熱外来もひっ迫をして、コロナで発熱しても診療先がなかなか見つからないという状態が出てきている。
昨日は医療機関の負担軽減ということで、発生届という話がありましたが。受け入れ医療機関を増やすことをあわせて進めなければ、手続き面だけがどんどんと進んでいっても、なかなか県民の不安は解消されないと思うのですが、その点はどのように見ていますか。
知事:
発熱外来を含めた医療機関の負担軽減は、特にお盆前後にはすごく大事な局面だったので、まずはそこをしっかりとやるという意味で、検査キットの配布、それから自主療養制度という県独自の制度を開始しました。2万人ぐらいの人が自主療養登録、検査キット数でいうともっと多かったので、そこは一定の発熱外来の負担軽減につながったかと思っています。
救急を含めた事案の引き続きのフォローアップ体制が必要です。それには、今回の全数把握、発生届の国の方針に沿った見直しは、今の救急がひっ迫している時期に変えることは、かえって救急体制を混乱させる可能性もあるということで、今回は見送りましたが。
そういった形で、ハイリスク事案について、できるだけリスクを少なく受け入れしていくことは、これまでもやってきたつもりですので、これは引き続きしっかりとやっていきます。
今後ですが、コロナ病床をこれまでも増やしてきましたし、直近でも数十床増やしました。発熱外来も増やし、約1800まで増えています。今後、一般診療、一般医療とのバランスがやはり大事になってきますので、そこがかなりぎりぎりのところに今、きている状況です。
一方で、基本的には基礎疾患が悪化した人、その人が陽性であれば、その人をコロナ専用病床に入れなければならない状況になっています。より多くの人が感染するようになった中で、基礎疾患のある人や妊婦など、ハイリスクの人が感染する割合が少し増えてきた状況があり、本来であれば、その基礎疾患者用のベッドや、病院に行って処置をしてもらえればよいのですが。その人がコロナだからということで、コロナ病床に行かなければならないなど、通常の救急や診療で受けられないという、そういった矛盾が出てきているということだと思います。
これは、いずれ大きな方向転換が必要です。今回の発生届の見直しなども1つのフェーズの転換点になってきますが、コロナをどの段階で一般診療の中で受け入れていくのか。その本質的な議論を早く、まずは第7波を通過してから、その間に、医療提供を引き続きコロナの病床でやるのか、やはり基礎疾患があって軽度の人は、一般病床、通常の病床の中で受け入れていくのかという議論を、しっかりとやっていくことがまずは大事です。
記者:
今日の14時の発表資料で、西宮会場でワクチン接種が9月5日から16日までできることになった、との案内がありましたが、17日以降の対応について、何か考えていることがあれば、教えてください。
知事:
ワクチン接種については、国でオミクロン対応ワクチンの供給が10月から9月中に前倒しされることになっています。そういった意味で、市や町と連携しながら、県も一定のワクチン接種会場を10月以降も確保することが大事で、それをしっかりとやっていきたい、と思っています。
一方で、今、県の接種会場は、西宮、姫路でそれぞれ民間の施設などを借りていますが、西宮会場については8月末、姫路会場については9月末と、期限がある状況です。
引き続き、県の設置会場を継続できるように、今、調整を進めているところです。西宮の接種会場については、先ほど記者が言われたとおり、9月16日まで今の会場を延長するということが調整できましたので、発表しました。
9月17日以降に関しては、実は今の西宮の接種会場はおそらく使えなくなりそうです。別の会場を阪神間で手配すべく、今、調整を進めており、何とか確保していきたいと思っています。
姫路の接種会場も、県と姫路市との協働の連携事業という形で実施できないか、調整しているところです。
記者:
先日、関西電力が姫路市内の火力発電所で、水素と天然ガスとの混焼の検討を始めたとのニュースがあり、水素の受け入れ基地なども整備していくような話が出ています。
先日、(県は)播磨臨海地域のカーボンニュートラルポートの協議会も立ち上げたところです。県としての受け止めと、今後、県としてどういった対応をしていかなければならないのか、どういうことを考えているのか、伺います。
知事:
先日、8月26日の経済産業省の調査会で関西電力が、政府の支援が前提になりますが、姫路エリアで液化水素のサプライチェーンの拠点形成をしていく方向性を示しました。これは非常に大きな表明だと思っています。
やはり、水素社会を兵庫県で拡げていく、特に関西も含めて拡げていくことが大事です。姫路を含むこの播磨地域は、まさにご案内のとおり鉄鋼や化学技術、それから発電も含めて、多くのエネルギーを使う産業が集積しています。その地域で、カーボンニュートラルに向けて、特に水素、脱炭素なエネルギー源に変えていくことが本当に大事なテーマです。
そういった意味で、7月に兵庫県がリードする形で、カーボンニュートラルポートの協議会を官民連携で設置しました。その中で関西電力もメンバーになっています。関西電力が、いち早く、姫路、兵庫県で水素のサプライチェーンの拠点を作っていくと。
これは発表資料にもありましたが、オーストラリアからの輸入の拠点を作っていくこと、それをLNG発電に混焼していくという拠点を、兵庫県の姫路に作っていく形になりました。大きな、リーディングカンパニーである関西電力が、姫路でやるということを示したことは、これから本県が進めるカーボンニュートラルポート、カーボンニュートラル社会にとって、大きな一歩だと考えていますので、心から歓迎をしたいと思っています。
そして、大事なのはこれから、その取組を県としてしっかりとバックアップしていくことです。これは政治、それから経済産業省、国土交通省をはじめ、国への働きかけも、官民連携でしっかりとやっていきたいと思っています。
それから、県としても、いろいろな独自の支援策もしっかりと検討していきたいと思っています。具体的には、グリーン水素を製造することですので、オーストラリアとの橋渡しや、そういった国際的な調整、それから港湾整備などのインフラの支援、そういったところをしっかり県としても、これから検討していきたいと思っています。
いずれにしても、関西電力がまず、姫路で、兵庫の地で、水素の拠点施設をつ作ると表明したことは、兵庫県への大きな吸引力がこれから高まっていくことに、間違いなくなると思っています。
この水素もそうですが、人やモノや投資がこの兵庫県に集まってくる、そんな環境づくりに向けた、斎藤県政にとっても大きな第一歩が、今回、進もうとしていると大きく期待するところです。
記者:
新型コロナウイルスの療養証明書について。先日、保険業界が支払対象を縮減して、それは国が指定する、妊婦や入院が必要な人などに限っていくと。それを9月下旬ぐらいから始めるようです。
そもそも兵庫県が始めた自宅療養制度には、療養証明書を発行する負担を軽減するという意味合いも多く含まれていたかと思います。
これは自宅療養制度をやめていく、収束させていくことのきっかけになるかと思いますが、そのあたりの知事の考えを聞かせてください。
知事:
今日の報道にもありましたが、生命保険会社は、みなし入院などをしている人への支払いを、これまでもしてきたところです。基本的には、コロナに感染すれば入院が原則ですと。
入院の場合には、保険の一時金等を支払うような特約があり、1日5000円などですが、それが入院をしなくても、自宅待機やホテル療養でも、事実上、入院しているということで、みなし入院として保険給付の対象にしてきたのがこれまでの流れです。
基本的に全数把握という形で全て届出がされていたので、65歳以上のハイリスクな人も、軽症や無症状の人も、やはり外出自粛をしているという観点から、保険給付の対象にしようというのがこれまでの考え方でした。
一方で自主療養は、検査キットで陽性の人で自主的に療養する場合も、これはもう事実上、就業ができなくなっているということですので、県と保険会社で調整をして、自主療養の場合も一定の証明書を発行して、保険給付を受けられる枠組みとしています。
これから政府が金融庁を含めて保険会社と、最終的に調整していくことなので、それがどのような整理の仕方になるのかによって、自主療養制度の療養証明書発行についても、整理の議論が必要ではないかと思っています。
一方で、就業制限なり外出制限をどのような形でするのかもはっきりさせなければなりません。今、65歳以上でも、低リスクの人でも、それぞれに外出制限があり、外出制限があるということは、事実上の就業制限があるということです。
これは今後、見直しをすることによって、65歳以上の人の外出制限をどうするのか、それから低リスクの人の外出制限をどうするのかをしっかりと議論しなければ。例えば、両方とも外出制限がされている中で、働けないのに、こっちの方だけ保険が給付できるような仕組みにしてしまうと、こことの公平性がやはり担保されません。そこの公平性をどのように整理していくのかを、国はしっかりとしていかなければなりません。
今回、先行の手挙げをしなかったのも、この公平性に課題があったからです。全数把握の届出の見直しをした都道府県では、事実上、療養証明書がもらえなくなる。有料で取らなければならない。見直しをしなかった都道府県では、引き続き療養証明書が発行されて、保険給付がスムーズに受けられるということです。
この水平レベルでの公平性もどうするのかをしっかりと議論しなければならない中で、見切り発車では手挙げができない、と判断したところです。
この低リスクの人同士の保険給付の不公平性をどう解消していくのか。また、縦の、ハイリスクの人と低リスクの人の保険給付の公平性を、どのように国が保険会社と相談をしながら、皆が理解できるような形で説明をして、合意形成を図って制度を切り換えていくのかが、これから大事になってくると思っています。
自主療養制度については、ご指摘のとおり、保険の給付のあり方がしっかりと国から示されて、このような形でしていくというのであれば、そこに合わせて、おそらくいろいろな形で調整をしていくことになります。
記者:
知事は保険会社の方針についても、少し乱暴と言いますか、縮減して払わない方向になるのは、少し違うのではないか、と見ていますか。
知事:
今日の報道にもありましたが、そこはやはり保険会社間でもすごく悩まれると思います。保険加入者が、そうだと思って入っていたのに、急にそれがなくなるというのは不利益になります。
保険会社が、全体の組合なりの方針でそうなったとはいえ、個別の保険会社が、その方針どおりにできるのかどうかは、それぞれの保険会社の判断になると思います。そこはおそらく、加入者との関係で、判断には苦慮するのではないか。何とか皆に納得してもらえる、バランスの取れた形になればよいと思います。
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