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ようこそ知事室へ
【発表項目】
(資料に沿って説明)
記者:
同時流行対策について。今日説明があったように診療時間の延長、休日開院が主だと思います。そもそもなぜ時間延長と休日開院が必要なのか、例えば、1時間当たりに診療できる人数に限界があるからでしょうか。
知事:
今1800弱の発熱外来がありますが、そこで診察できる人数は1時間当たりだいたい4人と言われています。どうしてもその4人が、原則の処理キャパ(診察人数)となりますので、そこを全体として増やしていくためには、診療の時間を増やす。2時間以上ですので、2(時間)かける4(人)で8人増やすことが大事です。
記者:
発熱外来の約半数の協力で、1日当たりプラス5000人程度の外来能力の強化ができるということです。これは1800ある発熱外来のうち、約900の協力を取り付けたということですか。
保健医療部長:
最終調整中ですが、ほぼそういう方向で調整を進めています。
知事:
今日も医師会の先生がいましたが、基本的に1800の発熱外来はたいへん協力的な状況で、コロナ患者を対面でしっかりと診療したいという思いを持っているところが多いということでした。少なくとも半分ぐらいの外来には協力してもらえるのではないかと思っています。
記者:
この同時流行対策に協力するクリニックや病院、医療機関について。どこが協力してくれるのかは、県民にとっても関心のあることだと思います。それはどのように周知するのでしょうか。
知事:
今、発熱外来についてはホームページで掲載をしており、そこに診療時間も含めて、いつからいつまで、例えば15時までだったものが17時になりました、ということを何らかの形で説明することになるのか。
それとも各医療機関、クリニックのホームページがありますから、そこを見てもらうこととするのか。
県民の皆さんに分かりやすいようにしていきたいと思っています。
記者:
北海道や東北などの感染が激増しているところでは、発熱外来に行っても診療を受けられないことが発生しているようです。この同時流行対策をすることで、発熱外来に赴いたけれど断られる、そういう事例を防げるのでしょうか。
知事:
資料4ページの外来のフェーズを県民の皆さんにしっかりと呼びかけていくことが、まずは大事だと思っています。
1点が外来体制の強化で、5000人を超えた段階から時間の延長についてしっかりと準備をしてもらう。それから県民の皆さんにも、リスクの低い人はできるだけセルフメディケーション、自分で検査して自主療養してください、ということを呼びかけていくことです。
自主療養制度は、まだ兵庫県は制度として残しています。今日も第7波の際に医師会からも一定程度自主療養がうまく機能したと評価してもらいました。リスクの低い人は、医療機関にかかることをできるだけ控えてもらう、セルフメディケーションにしてもらうことで、医療逼迫を防ぐこと。また、診療機関の時間延長などをすることによって、キャパ(診察人数)を増やしていくという両方で、なんとかこのピーク時の2万9000人にも対応できるようにしていきたいと考えています。
記者:
協力金の原資は何ですか。
知事:
臨時交付金です。
記者:
同時流行対策として体制強化を図る上で、知事としてどこに一番力点を置いているのか。医療体制の逼迫を防ぐというところなのか、感染の疑いがあって診療を受けたいという県民の不安を取り除くことに力点を置いているのか。そのあたりの思いを教えてください。
知事:
今、オミクロンの亜種がどんどんと新たな株として出てきていますが、全体としては重症化リスクが低い。ただ、感染力は高いという状況です。
前回も病床使用率のピーク時が70%以下だったということで、入院への負荷は、もちろん一般の入院のところがいろいろありますが、コロナ病床でいうと、一定程度受け入れられる状況でした。
ただ、問題は外来がすごく逼迫したことが、第7波の教訓です。
今回、インフルエンザとの同時流行を想定して、最悪・最大のケースを準備しておくこと、発熱外来を体制強化しておくことが、県民の皆さんの不安を払拭する意味でも大事なポイントだと考えています。
そこを医師会と一緒に連携しながら、繰り返しになりますが、医療機関の診療の時間を延ばすこと、休日も開院すること、これは2時間以上の協力をしてもらうことで、全体の既存の医療資源の中でのキャパ(診察人数)をまずは増やしていきましょう、というのが1点です。
あとは検査をしやすくすることが大事です。県でもしっかりと今のうちから備蓄の積み増しをし、流行期に入った場合には、医療機関で足りなくなってきたという場合には、すぐに備蓄を放出できるようにするのが2点目です。
3点目は、できるだけ医療逼迫を防ぐためにも、リスクの低い人は自分で検査し、セルフメディケーションが大事になっていますので、そこを呼びかけると同時に、品薄になってくるケースもありますから、その場合には、県がコロナ検査キットを一定程度備蓄しておいて、それを、前と同じように症状のある人へ配送することで、キャパを増やし、(発熱外来へ)行く人をできるだけ限定していくこと。医療逼迫を(防ぎ)、発熱外来を(高リスク者等の)県民の皆さんに受診してもらえるようにすること、がポイントだと思っています。
記者:
県や医療機関の体制強化を細かく説明されましたが、これだけ同時流行と言われている中で、知事は昨日の全国知事会の後の取材でも、対策強化宣言はできる限り避けたいという考えでした。
医療体制も強化しつつ、行動を制限しない、経済を止めないということには、第8波の中でもかなり重点を置いているということですか。
知事:
今回、強化宣言というものが国からの枠組みとして示されましたが、まん延防止等重点措置、緊急事態宣言をする状況ではなくなってきています。これは、オミクロン株の重症化リスクの低さなどを踏まえたものですが、対策強化宣言の内容も基本的には、今までも県民の皆さんが気をつけていることです。
人混みを避けるなど、そういったことはもう今も県民の皆さんは注意してもらっていると思います。そこをあえて宣言をするべきかどうかは、前回の第7波の際には、少し慎重に考えましたので、BA.5強化宣言はせずに対応したところです。
昨日も言いましたが、県民の皆さん一人一人の基本的な感染対策とワクチンの接種、それからセルフメディケーションへの備えをしっかりとやってもらうことで、社会経済活動と感染対策、医療逼迫を防ぐことをできるだけ両立させていきたい。
今のところは、過度な行動制限的なものはできるだけ避けたい、というのが今の兵庫県としての方針です。
記者:
他に前回と違うのが、インフルエンザとの同時流行の可能性というところで、行動をすればよいのかと思う県民も多いかと思います。先ほど話のあった対策と、ワクチンと、セルフメディケーションというところが、知事からの具体的にやってくださいという対策ですか。
知事:
基本的な感染対策とともに、そういった発熱外来を強化するとともに、県民の皆さんには、検査キットの備蓄、常備薬の備蓄、ワクチンの接種。これはコロナとともにインフルエンザもワクチン接種が大事ですから。そういったところを、一人一人が気をつけてやっていくことが大事だと思っています。
記者:
対策の一つでワクチンとありましたが、今、なかなかコロナのワクチンも3、4回目接種率が低かったり、働いている世代だとインフルとあわせて2回も打ちに行くのは大変だという意見もあります。そういった中でワクチン接種をどうすれば推進できるのか、考えはありますか。
知事:
基本的には、それぞれの県民の皆さんが打つか打たないかを判断するという、自己決定をしてもらいます。強制ではなく、いずれのワクチンも任意接種ですから、そこは最終的にはそれぞれの判断になります。
自身の身を守るということと、それから社会全体のために、医療逼迫も防ぐためにも、ワクチンの接種はできるだけしてもらいたいというのが全体の方向です。特にコロナについては、公費負担で無償となっているので、できるだけ我々としても呼びかけをすることが大事だと思います。
もう1点大事なのが、ワクチンを受けてもらいやすいような、こういった環境整備で、これは市や町とも連携しながらやっていくことだと思います。働いている人には、予約なしで夜間も受けられる日を増やしていくことなどを通じて、環境を整えることが大事だと思っています。
記者:
今後、同時流行への備えとして、抗原検査キットを県で確保するとのことでした。インフルとコロナの検査キットですが、これはどれぐらい確保するのでしょうか。
知事:
検査キットは9万キット用意します。
今から流通調整などを行い、9万キットを用意します。
記者:
9万という数字はどのように算定したのでしょうか。
担当課:
1800の発熱検査医療機関にそれぞれ50ずつ、という計算です。
記者:
主な対策として発熱外来の時間延長とのことですが、その下に書いてある「臨時外来の設置準備」とは何ですか。
知事:
これはかつても事例があったもので、臨時の入院施設とは違い、以前、地域外来・検査センターというものがあったように、テントを立てたりして、PCR検査などをすることがありました。そういったものや、あとは各医師会単位で、医師会の施設などを使って、臨時の外来を設置するといったものを想定しています。
これについても今日、議論がありましたが、こういったものを設置する場合には、新たな医者をどのように確保するのか。あとは医療機関としての指定が必要であったり、どういった財源で運用するのかということを、県だけではなくて、市町との調整など、いろいろなことが必要になってきます。
きちんとカードとして少しずつ準備しつつ、基本的には、既存の1800の発熱外来をしっかりと拡充することを軸にやっていこうというのが、今日の議論での大きなコンセンサスでした。
ただ、不測の事態に備えて、臨時外来というものを、これはかつて兵庫県でも地域外来・検査センター9カ所程度、政令市や中核市において設置したケースがありました。そういった前例もありますので、過去の枠組みをもう1回活用できるのかどうか、準備を進めておいた方がよいということです。
記者:
どういった場所に設けるのですか。
知事:
おそらくケースバイケースだとは思いますが。各地域の医師会の会館にある診療センターなどに設置し、その地域内の医師会の先生が輪番で対応して、何時から何時までと臨時的に設置するケースなど。あとは病院の前にテントを張るなど、いろいろなケースがあるかと思います。
記者:
確認ですが、昨日の定例会見で第8波の入口に立った、という話でした。本日の対策本部会議を経て、初めにも言われましたが、第8波に入ったという認識でよいのでしょうか。今は、入口にあるという状況認識になるのでしょうか。
知事:
やはり「第8波の入口にある」と考えています。数としては、少しずつ増えている状況です。ただ、第7波の急激な立ち上がりと比べるとまだゆるやかな状況で、かつ全国的に見ても、まだ兵庫県は感染者数としては、北海道や東北地方と比べて、10万人当たりの人数もまだ少し低いことを考えると、「第8波の入口にある」ということだと思います。
記者:
第7波の時ほどは立ち上がりが急ではない、その原因については、何か議論はありましたか。
知事:
そこは今、結果としてこうなっているということで、特に議論にはなりませんでした。たまたま、北海道、東日本が季節によって、やはり寒くなってきたので急に増えて。兵庫県ももしかすると、急に増加することになるのかもしれません。
特に原因というものについては、大きな議論は今日はなく、そういう事実だという認識が共有されて。そういった意味でも、第8波の入口か、と一応のコンセンサスが得られたとは考えています。
記者:
この「感染拡大期」や「流行期」はいつごろ、このペースでいくと迎えそうかなど、想定は何かありましたか。
知事:
まずインフルエンザのピークを基軸にしています。これが例年、ここ数年はピークがほぼないのですが、だいたい1月あたりにインフルエンザのピークが来ます。インフルエンザは割と流行の足が速いというのか、2週間ほどで急に増えて、2週間ほどで急に下がっていくということです。そこを、1月あたりと設定しました。
それと、コロナが完全に重なる場合というのが最大のところです。
想定としては、早くコロナの波が立ち上がるケースもあれば、流行が遅くなるケースもあって、そこはまだ読めないところです。
ただし、最悪のケースを考えて1月にコロナのピークと同時流行した場合に備えて、準備はしていこうというのが、今回の対策本部会議での議論の結果です。
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