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更新日:2022年12月2日

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知事記者会見(2022年12月2日(金曜日))

【発表項目】

  1. 新型コロナウイルス感染症の県内の患者の状況等(PDF:213KB)
  2. 脱炭素社会(カーホ゛ンニュートラル)実現に向けたSDGs国際フォーラムの開催(PDF:2,182KB)
  3. 県内量販店での県産農産物フェアの開催(PDF:130KB)
  4. 武庫川女子大学と兵庫県のコラボレーション企画の実施

動画

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知事記者会見内容

知事:

今日は全体で4件です。最初の3件が終わった後に、武庫川女子大学とのコラボレーション企画の説明がありますので、その時には、大学の学生にも入ってもらうという建て付けで実施します。よろしくお願いします。

 

項目に先立ち、サッカー・ワールドカップに関するコメントです。

今朝、ワールドカップのスペイン戦が行われました。私も、試合開始に合わせて起床し、すべて観戦しました。かなり朝が早かったので、若干睡眠不足で目も充血気味だと思います。

前半、早々に点を決められてしまった時には、やはりスペインは強い、と思いました。ドイツ戦ではこの流れで、そこからリカバーしましたが、同じようなことが起こることはなかなか厳しいか、と思っていました。前半戦もかなり厳しい試合展開で、押し込まれて、なかなかゴールの機会がありませんでしたが、後半早々、本県尼崎市出身の堂安律選手が劇的に同点ゴールを決め、三笘選手の奇跡的な1ミリ単位での折り返しも成功し、前半の劣勢を巻き返し逆転勝利を収めたことは、非常にうれしく思っています。

たいへん厳しいグループで、ドイツ、スペインという世界のまさにトップクラスと競合し、決勝トーナメントに進出したことは、歴史的な快挙でもあり、また、本県ゆかりで言うと、ドイツ戦に続いての堂安選手の活躍に、県民の皆さんもたいへん喜んでいると思いますし、我々に大きな勇気、そして、力を与えてもらったと思っています。私も朝から感動しました。

次の戦いはベスト8をかけたクロアチアとの一戦になりますが、堂安選手のみならず、すべての選手にさらなる活躍をしてもらい、日本が勝利して、今までのベスト16の壁を打ち破ってもらうことを心から期待しています。

 

1番目は「新型コロナウイルス感染症の県内の患者の状況等」です。

本日の新規感染者数は3410人で、対前週比で1000人ほど増えています。

第8波に入ったと私自身も捉えており、ここ数日の感染の増加を踏まえると、そういう状況だと思っています。

病床使用率なども徐々に上がってきている状況です。

引き続き、感染対策の徹底とワクチン接種などをお願いしたいと思います。

そういったわけで、さらにこれが大きな波になっていくのか注視が必要だと思いますが、12月に入り、人の往来が増える時期になりました。

この冬は、新型コロナとインフルエンザの同時流行も懸念されています。マスクの着用、手指の消毒などの基本的な感染対策をお願いするとともに、やはりワクチンの接種をコロナのみならず、インフルエンザについてもお願いしたいと考えています。

先日の新型コロナ対策本部会議でも報告しましたが、感染拡大の可能性が非常に高い年末までの期間を、兵庫県としても、ワクチン接種強化期間と位置付け、県接種会場の利便性向上、小児接種の促進に取り組むことを普及啓発していきたいと考えています。

県の接種会場では具体的には12月から予約なし接種を再開するとともに、夜間接種や、ファイザーの2価ワクチンの接種機会の拡大なども実施していきます。詳細は先日の新型コロナ対策本部会議でも説明したとおりです。

今月はワクチン接種強化期間ということで、ぜひ多くの県民の皆さんに、年末を迎えるに当たり自身そして大切な人を守るために、小さな子どもにも対象が広がっていますので、積極的なワクチン接種をお願いしたいと考えています。よろしくお願いします。

 

2番目は「脱炭素社会(カーボンニュートラル)実現に向けたSDGs国際フォーラムの開催」です。

持続可能な社会の実現を目指すSDGs、それから、脱炭素、カーボンニュートラルは、日本のみならず、世界で共通の目標となっているところです。県では7月に「ひょうご水素・脱炭素社会推進本部会議」を設置し、様々な取組を推進しています。

この取組の一環として、県民や事業者とSDGsの理念を共有して、地域から先導するカーボンニュートラルの実現に向けた取組への認識を、県民の皆さんにも深めてもらうことが大事ですので、12月23日にラッセホールでSDGsの国際フォーラムを開催することとしました。

地域から世界を先導する脱炭素の実現に向けて、エネルギーの地産地消、ローカルSDGs、地域循環共生圏をつくっていきたい、ということをテーマに実施します。

地域資源はさまざまで、宍粟の小水力発電であったり、湯村の地熱を使った発電、あとは太陽光もありますが、さまざまな地域資源を活用した再エネの導入を図っていく、それによって、地域が資金も稼いで循環していく、自立・分散型の社会を形成していくことが大事だと考えています。

プログラムは資料のとおり、IGES(公益財団法人地球環境戦略研究機関)の武内和彦理事長に基調講演をお願いしています。また、私も参加し、(理事長と)トークセッションします。そのあとはコーディネーターのもとで、脱炭素、エネルギー、デジタル化、金融、行政といった分野の専門家にパネリストとして参画してもらうことを考えています。

主催は、兵庫県とAPN(アジア太平洋地球変動研究ネットワーク)、そしてIGESです。2つの機関は国際的なSDGsなどに関する研究機関で、地球温暖化対策などの支援を行っています。

今回、国際フォーラムとしたのは、パネリストの中にはヘーラト・スリカンタ氏というスリランカ人も入っていますし、日本語と英語の同時通訳・同時配信で行うためです。

参加費無料、申し込み順で定員は会場60名、オンライン300名ですので、ぜひ多くの人に参加してもらいたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

 

3番目は「県内量販店での県産農産物フェアの開催」です。

9月補正で計上した緊急経済対策です。県産品の、特に農林水産物について、県民に食べてもらうことが地産地消の観点からも重要です。そのため、県内の量販店での地産地消のフェアを今月から来年1月までかけて実施します。

様々な農林水産物が兵庫県にはありますが、多彩な食材を地元の人に食べてもらうことが重要だと思っていますので、そういった機会を増やしていきます。

具体的には、県内のコープこうべ、ボンマルシェ、マックスバリュ・マルナカ、ハローズ、マルハチです。公募した結果、5つのスーパー、124店舗で実施することになりました。

県産のいわゆる青果、野菜を中心に、コーナーを設置し、また、ポイントの付与を行います。

(県統一PRポスターを作成し、)冬の野菜「コレも兵庫」で採りました、と広告してもらったり、あとは、私からもメッセージを発信します。それぞれ具体的な開催日数は2日から4日で、そういったPRをするイベントを実施します。

ぜひ、この機に、この後で紹介する岩津ねぎもそうですが、兵庫県産の食材は冬もたいへんおいしいですから、多くの県民に食べてもらうことが地産地消の推進にとっても大事です。消費の場を地元で拡大していくことが、生産者にとってもプラスになり、それが農林水産物の生産の安定化にも繋がっていく。それが県内の食料自給率の基礎にも繋がりますので、そういった意味でも、今回のフェアをいろいろな人に興味を持って食べてもらうことに繋げていきたい、と考えています。

 

4番目は「武庫川女子大学と兵庫県のコラボレーション企画の実施」です。

(1)武庫川女子大学×兵庫県 消費者トラブル防止啓発グッズを高校3年生全員に配布

令和4年4月から成年年齢が引き下げられ、18歳以上は民法上の成年となり、未成年者の保護の規定が適用されなくなりました。そのため、社会経験の乏しい若い世代の人たちが、いろいろな消費者トラブル、特にエステ(の勧誘)やマルチ商法などのトラブルに巻き込まれることが懸念されているところです。

今年度は年齢引き下げの初年度であり、特に若い世代向けの啓発を強化してきました。11月に公表したアニメを使ったシミュレーションゲームも、若者への消費者トラブルの啓発、注意喚起の一環です。

今回は武庫川女子大学経営学部の西口智美准教授のもと、学生が考案した啓発グッズを、今年度18歳となる県内の高校3年生全員に配布することとしました。人数で言うと約4万3000人です。

啓発グッズは、社会課題の解決策を研究テーマとする武庫川女子大学経営学部の実践学習のカリキュラムの中で、学生がこのような啓発グッズを開発して、若い世代に配り、若い世代の消費者トラブルの防止に繋がるよう、今日、来ている4名を含めた12名の学生で考えた啓発グッズを紹介してもらいます。

それでは、啓発グッズの趣旨や、気づいた点など、名前と学年とともに一言ずつ説明をお願いします。

 

大学生:

武庫川女子大学経営学部、3年松岡祐奈です。武庫川女子大学経営学部と、兵庫県で取り組んだ啓発グッズについて説明します。

啓発グッズは、以下の3点を開発ポイントとして県からの要望で取り組みました。

1つ目は、学生視点のかわいい感性を生かし、思わず使いたくなるもの。

2つ目は、高校生に啓発の内容が効果的に伝わること。

3つ目は、環境に配慮した素材を使用することです。

これらを考慮した結果、文房具の中で、高校生のニーズが高かった付箋を活用し、悪徳商法にだまされないためのスローガンである「相手の意図を見透かそう」にかけて、半透明で透ける付箋とし、環境に配慮し脱プラを意識した紙素材の付箋に決定しました。

 

大学生:

2年の山之内舞です。私からは、グッズ開発にあたって、工夫した点をお伝えします。

裏に消費者ホットラインの電話番号である188と、どんな場合に相談すればよいかの事例を掲載しました。こちらの紙付箋は受験勉強をする際などに、教科書や参考書に貼って活用することで、教科書を汚さずに勉強することができ、受験勉強が終わった後でも、難しい図などの書き写しもできるように工夫しました。

 

大学生:

2年の木戸美沙です。私からは、今回の取組で学んだことをお話しします。

今回、私自身も、消費者トラブルについては、学校でしか学ぶ機会がなかったのですが、今回の取組を通して消費者トラブルについてもっと深く知ることができてとてもよかったと思っています。

また、今回、商品開発を初めてしましたが、条件であったり、商品を作るにあたってのコストであったり、いろいろと考える場面が多く、とても難しかったと感じました。

 

大学生:

最後に私から高校3年生に伝えたいことに関して、私自身もこの活動を通して、消費者トラブルであったり、188(消費者ホットライン)に関しての学びに繋がったので、高校3年生もこのグッズを通して、消費者トラブルについてもっと関心を寄せてもらいたいと考えています。

 

知事:

グッズ考案に参加した学生の皆さんは、どうすれば若い世代に伝わるのかを、本当に自身の感性と経験をもとに考えてくれたので、自身もいろいろな経験に繋がったのではないかと思っています。

兵庫県では、若い世代の消費トラブルの回避に向けて、若い世代からもいろいろと発信してもらうことをこれからもやっていきたいと思います。これから配布する高校3年生には、勉強でも使えますし、裏のQRコードから「18歳になったら成人してた件」というシミュレーションゲームに繋がります。

これは紙ですが、1枚、1枚が透けます。例えば、勉強していて、図を写したいことが結構あります。教科書に貼って(図を写してから)、それをまた別のものに貼るということができます。

普通の付箋とは少し違い、透けることは意外と学習にも役立ちます。高校3年生には受験生も多いかと思いますが、そういった生徒にも便利なグッズにしています。

「透ける」というのは、相手の意図、騙そうとしている人の意図を見透かそうという趣旨で開発したということです。こういったことをこれからもまた広げていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

(2)武庫川女子大学×楽天グループ(株)×兵庫県の連携による県特産「岩津ねぎ」商品の県公式オンラインショップでの販売開始

これも武庫川女子大学とのコラボレーションです。

岩津ねぎはたいへんおいしい兵庫県産品ですが、それをいろいろな形で食べてもらうことが大事です。今回、次世代の食産業界を担う若者の育成、地域の食産業の活性化を図るために、武庫川女子大学と株式会社味来が、岩津ねぎを原材料とした栄養機能食品「ねぎのチカラ」を開発しました。

それを、大学と楽天グループ、兵庫県が連携し、5月からeコマースサイトでの販売促進をどのようにすればよいのか、ということを授業として、武庫川女子大学で実施してもらいました。

商品の「ねぎのチカラ」は、冬にしか採れない岩津ねぎ、ビタミンCや食物繊維たっぷりの商品ですが、これを冬以外にも食べたり、後ほど試食もしますがオニオンスープなど、いろいろなものに組み合わせたりして、消費拡大に繋げていきたいというコンセプトで、今回、実施します。

前期授業には学科の約90名が参加し、兵庫県は楽天市場内で「ひょうごマニア」というeコマースサイトを開いていますが、そこの担当者がeコマースのスキルなどを紹介し、商品のページ案を学生に作成してもらい、投票で2案を選定するということをしてもらいました。

後期では、20名の学生が2案をブラッシュアップし、どのように発信していくかを学んだということです。

これから発信していきますが、岩津ねぎという兵庫県の大切な農林水産物を学生視点でわかりやすく紹介することにより、県の公式アンテナショップからもより多くの人に波及して販売拡大に繋がっていけば、と思っています。

来週の月曜日12月5日には最終授業が武庫川女子大学で行われます。そういったPRページのプレゼンテーションと、それぞれ比較してどれがよいかを最終決定していくことを、オープンで実施しますので、取材についてもよろしくお願いします。

今回デモということで、食べ方を学生と一緒になって紹介します。食べ方(の一例)として、「ねぎのチカラ」は粉末状なのですが、オニオンスープに混ぜて飲んでみます。学生にも飲んでもらい、それぞれから感想を聞きたいと思います。

 

大学生:

初めて飲みましたが、そんなにねぎを感じず飲みやすかったです。美味しかったです。

 

大学生:

オニオンスープの玉ねぎの風味の奥に長ねぎを感じました。

 

大学生:

あまりねぎが得意ではないのですが、これは粉末ですごく飲みやすいです。

 

大学生:

初めて飲みましたが、とても飲みやすいと思いました。

 

知事:

以上、学生の感想でした。

こういった形で、武庫川女子大学の学生をはじめ、いろいろな大学とのコラボレーションで、消費者トラブルや農産品のPRなどいろいろなことをして、若い世代の感性をいろいろなものに取り入れていきたいと思っています。

 

私からは以上です。

 

質疑応答

記者:

学生に伺います。消費者トラブル防止の件ですが、付箋にしようと決めたのは高校生のニーズを調査したからだと思います。どういう調査をして、どういう結果がありましたか。また、皆さんからすると、消費者トラブルについて、今回、初めて知ったとのことでしたが、身近でトラブルに遭った人はいますか。

 

大学生:

県が高校3年生に調査し、そのアンケートを見た結果、文房具のニーズがすごく高く、その中でもさらに付箋のニーズが高かったという結果から、付箋を選びました。

身近に消費者トラブルは、私はあまり聞いたことがなかったのですが、このプロジェクトを通して気をつけなければいけないと思うきっかけになりました。

 

記者:

岩津ねぎに関して。なぜ、岩津ねぎに注目したのか、他の野菜ではなく、岩津ねぎの理由はあるのでしょうか。

 

知事:

いろいろな県産品がありますが、特に岩津ねぎは、11月23日から販売が解禁されたということもあり、これからがシーズンです。

昨年、岩津ねぎは雪の被害で、生産者への被害が大きく、雪折れなどしてしまったこともありましたので、岩津ねぎにひとつ焦点を当て、販売促進を行い応援していこうと。

あとは岩津ねぎの生産者自体が、朝来地区ですが、すごく高齢化している中で、若い世代の次世代の後継者を広げていくためにも、年間を通じていろいろな形で食べてもらえる、そんなマーケットを作っていくことが、消費者拡大とともに生産者への支援になるのではないか、と今回は岩津ねぎにしました。

 

記者:

他のねぎとの味の違いなどはありますか。

 

知事:

それももちろんあります。

岩津ねぎは私も先日食べましたが、非常に甘くておいしいですので、そういったことも是非。これは粉末にしているので、こういうものもきっかけに。

学生たちも岩津ねぎを今回、初めて知ったということですので、本物の岩津ねぎの認知度を高めていくことにも繋げていきたいと思います。

 

記者:

スープは、オニオンスープという話でしたが、玉ねぎの、オニオンスープの味ですか。

 

知事:

少し違う感じがします。青汁のような感じも少しふわっとします。ねぎの感じが、玉ねぎもねぎなのですが、口の中がすごくねぎの感じがします。会見の前には水に溶かして飲んでみたのですが、やはりねぎの風味がすごく強いです。

 

記者:

やはり玉ねぎよりも、長ねぎのような感じでしょうか。

 

知事:

そうです。少し青い風味がするという感じです。

味噌汁にも入れてもよいようですし、あとは、ポテトチップスなどにかけるとのり塩のような感じになるようです。そういう食べ方も大学生などの間ですごく流行っているようです。

ポテトチップスのうす塩味に少し振りかけて、クロアチア戦を見ながらでも食べてもらえればと思います。次戦は0時からで少し夜が遅いのですが、よろしくお願いします。

 

記者:

知事に伺います。11月22日から「ねぎのチカラ」は「ひょうごマニア」で販売しているようですが、売れ行きなどはいかがですか。

 

知事:

販売直後のため、まだこれからです。いろいろなページを使って販売促進の競争をしています。12月5日の授業では、このページとこのページで、どのような売上金の違いがあったかを効果検証するなど、分かるようにするようです。

 

記者:

いわゆる、若者、大学生と共同で地元の県産品の開発及び販売という取組は、これまでもやっていたものですか。

 

知事:

「ひょうごマニア」としては初です。

 

記者:

今後も似たようなことをやっていきたいとの考えですか。

 

知事:

そうです。この「ひょうごマニア」ですることも大事ですが、兵庫県産品、農林水産物も含めて、あとは地場産業もいろいろなものがありますので。そのあたりの新しいブランディングといいますか、新しい商品開発・サービスをしていくという意味で、若い世代、いわゆるZ世代を含めた世代の力やアイデアを借りて、いろいろな魅力アップをしていくことは大事ですので、こういったことを広げていきたいと思っています。

 

記者:

先ほど、学生はこの岩津ねぎを今まで知らなかったと言及しましたが、県内の若い世代などにもっとこの県産品の素晴らしさや可能性などを知ってもらいたいのか。それとももっと県外に発信していきたいのか、どちらにウエイトを置いていますか。

 

知事:

どちらかというと両方です。eコマースで扱うことは、兵庫県以外の人にも多く知ってもらうことに主を置いていますが、一方で、地元の学生に兵庫県産品の商品開発に携わってもらうことで、地元の学生自身も魅力を知り、それが地産地消に繋がっていくことにも繋げていきたいと思っています。

 

記者:

脱炭素社会の国際フォーラムについて。齋藤知事の対談では兵庫県の環境分野におけるSDGsの取組がテーマになっています。具体的に現段階でどういうことをPRしつつ、どういうことを深める会にしたいのか、狙いを伺います。

 

知事:

環境分野におけるSDGsということで、今回は、地域循環型でどのような取組をしていくのか、です。IGESと連携しながら、北摂地域で里山地域循環共生圏構想というものを進めています。これは宝塚市と民間企業とが組んで、環境に配慮しながら、環境林が西谷地域を含めて広いので、そこの間伐材などを使って、木質のチップボイラーなどの実証実験を実施しています。北摂の西谷地区中心の、環境林を使った循環型の社会を作っていく取組を少し紹介したいと考えています。

それ以外にも、兵庫県が進めつつあるSDGsの取組全般についても少し紹介しながら、今回は、こういった地域循環の実証実験についての話をする機会になると考えています。

 

記者:

県営の浄水場の水質事故について、午後に発表があり、各社で取材しているところです。現在もTOC(全有機体炭素)値が高いことが判明していますが、三田市は給水を再開しているとのことです。

今後の値の見込みと見通しについて、知事の受け止めをお願いします。

 

知事:

本日未明に、エタノールの、TOCの上昇値が出てきたということです。

午前0時35分ごろに県営の三田浄水場で取水する河川の水において、エタノールの混入による異臭が確認され、8時までに取水を停止しました。詳細は、先ほど担当から説明があったかと思いますが、今、受水団体である、神戸市、三田市、丹波篠山市を含めた、数市において、給水を停止しており、給水の再開に向けて、様々な対応をしているところです。

今のところ、三田市を含めて、徐々に給水の再開ができるようになってきているところですが、一方で、タイムリミットなどもありますので、そのあたりは鋭意、対応しながら、給水ができない場合には、給水車による給水ができるように、県と市が連携しながら対応しているところです。

今回、まずは給水の復旧に全力で対応していきながら、こういった事態が起こった原因などについても分析をして、再発防止をしていくことが大事だと思っています。県としてもそこはたいへん大事な問題ですし、受水している市とも連携しながら、しっかりと対応していきたいと考えています。

水の供給、復旧状況ついては、また随時、企業庁の担当からレクをしたいと思っています。

 

記者:

コロナ関係で2点教えてください。まず、第8波に入ったとのことですが、グラフを見ていると増え方が第6波、第7波に比べると、緩やかかという感じもします。第6波、第7波と比べた際の第8波の特徴であったり、ピークがいつになるのかということについて、どのように考えていますか。

 

知事:

昨日の関西広域連合でも同様の話になり、第7波の際の上がり方と比べると、少し緩やかであるとの見方です。

このまま波が徐々に高まっていき、そしてピークアウトしていくのか、それとも、これから寒さが厳しくなるにつれて波が高くなっていくのかは、しっかりと注視していかなければならないと考えています。

以前は入口に入りつつあると言いましたが、もう完全に第8波に入ったというのが、今の認識です。ただ、増加率については、まだトレンドとしては緩やかなので、しっかりと発熱外来などの準備をしながら、体制を整えています。何とか経済活動との両立を図りながら、乗り越えていくことを目指していきたいと考えています。

 

記者:

年末年始に向けて、少し気が早いようですが、そろそろ交通機関の予約などを始めたという周りの声も聞きます。こういう人は気をつけてほしいなど、呼び掛け、考え方があればお願いします。

 

知事:

12月に入り、これから寒さも厳しくなってきます。コロナとインフルエンザの同時流行も懸念されています。ご指摘のとおり、これから年末年始、人の往来が多くなってくる時期です。まだ完全には戻っていないかと思いますが、忘年会であったり、いろいろな飲食をする機会も増えてくる時期です。そういった意味でも、感染対策をしっかりとしてもらうことと、ワクチンの接種に協力してもらいたいと思っています。

特に、重症化リスクが懸念される高齢者などについては、しっかりと感染対策やワクチンの接種をしてもらい、年末年始を迎えることが大事ではないかと思っています。

我々としては、発熱外来の強化など、そういったところは、医療機関としっかりと連携しながら、準備を整えていきたいと考えています。

 

記者:

県営三田浄水場ついて。仮に断水等が起こった場合、実際に影響の出る世帯数や人員などは。

また断水が起こるとすると、タイムリミットの話もありましたが、どの時点からそういった状況が起きるのか、また給水再開の見通しについてもお願いします。

 

知事:

世帯数、数値的なところは別途また情報提供します。できるだけそういった断水のリスクがないように、今、作業を進めています。関係する市の住民の皆さんには心配をかけており、改めて、申し訳ありません。

今後については、受水団体への給水が再開できない場合は、断水となる可能性が出てきます。三田市などは復旧して、断水のリスクは減っていっている状況が出てきていますが、ここは努力しながら。

夕方頃には、家庭でも、食事、風呂などで水が必要な時間になってきます。それまでに、しっかりと対応できるところは対応していきます。

仮に断水になる可能性がある場合には、県と市がしっかりと連携し、必要な家庭での水など、そういった給水をしっかりとしていくことに万全を期したいと思います。

 

記者:

三田市では、給水が再開されたということですが、(三田市以外の該当市は)夕方頃、家庭で水を必要とする時間帯で(使用量が)増えると予想されます。今の段階では、夕方までに給水を再開できない場合、断水が起こる可能性が高いということですか。

 

知事:

状況を見ながらです。

 

企業庁水道課:

14時20分の三田市への送水再開に加えて、15時15分丹波篠山市に送水を再開しました。それに続いて15時30分に加東市の一部に送水を再開しています。

今は、まだTOCの値が下がり切っていませんが、健康被害がないということで、送水を順次再開しています。

 

知事:

詳細は後で説明します。エタノールが一部入っている、味に影響するという状況ですが、健康には被害がないということです。例えば、送水管が断裂したというわけではなく、管自体は普通のままで、水は送れる状況です。

今、関係する市に、「健康被害はないので受水しますか」と意向を確認しており、そこで順次確認がとれれば、給水を再開する状況になっています。

それと、できるだけ濃度を下げていくことを同時並行でしている状況です。

 

記者:

丹波篠山市や加東市の一部では再開するということですが、小野市、三木市、または加東市の残った一部については、まだ現地で再開のめどが立っていないという認識ですか。

 

知事:

そういうことです。

各市の意向が確認できて、これで受水します、という意向が確認できれば給水が再開できる、ということです。そこが確認できない、少し待ちたいという状況が発生すれば、給水がストップしたままになります。これでは断水になる可能性がありますので、そうならないようにしっかりとしていきます。

 

記者:

万が一断水が発生した場合でも、現時点で県としては給水車など、対象となる自治体に準備は整っているということですか。

 

知事:

そこはしっかりと県と市で連携しながら、給水車を配備できるように今、準備をしています。

 

記者:

コロナについて。これから忘年会、新年会、また年末年始の帰省等もあります。知事として行動制限や、先ほどの気をつけるべきところをお願いします。

 

知事:

12月に入って、忘年会など、人の交流、人が集まる機会が増えてきています。これ自体は、夏のお盆のシーズンと同じで、経済活動と感染対策を両立していきたいという県の方針は、このまま続けていくことを基本に考えています。

そういった中で、帰省や交流をする場合には、マスクの着用など基本的な感染対策と、それから、ワクチンの接種も含めて、いろいろな対応、常備薬や検査キットを備蓄することも含めて、年末年始に向けて、それぞれが気を付ける事が大切です。

今のところ、何か過度な行動制限をするなど、そういったことはできるだけしない方向です。そのためにも、県民の皆さんの協力が必要になってきますので、よろしくお願いします。

 

記者:

行動制限は、過度なことはしないということで、また今月からは県版Go To Eatも始まります。そういう機会を利用しながら、社会経済活動を回していくために、忘年会、新年会の開催というのも積極的に検討してもらいたい、ということですか。

 

知事:

今日もこの後、県版Go To Eatひょうごで食べようキャンペーンのキックオフイベントを東灘で開催します。

いろいろなところで、集まりや経済活動は徐々に元に戻り始めています。これはオミクロン株の特性などを踏まえて、受容しながら、日常を取り戻していくというのが国全体のコンセンサスになってきています。

その中で、2類相当を5類にするかという議論も国の方でいよいよスタートする兆しも出ています。できるだけ行動制限をせずに、しっかりと感染対策をしながら、経済活動、忘年会やそういった集まりをしてもらうことを目指していきたいと考えています。

 

記者:

最近、明石市の泉市長がX(旧Twitter)を再開しました。知事の所感、受け止めなどをお願いします。

 

知事:

地域政党の話や、いろいろな活動をしていることは報道等で見ていますが、個別の政治活動、個人の活動なので、特に、コメントというものはありません。

情報発信についても、個人としてしていることで、明石市における市政やいろいろなことを、しっかりといろいろな人が、議会も含めて、市政を安定的に運営していくために、市の中でもいろいろな議論が繰り広げられつつあるところの一環だと捉えています。

 

記者:

明石市政や、県内の様々な出来事など、歯に衣着せない発言というのが注目を集めて、知名度を高めていたかと思います。知事も泉市長がどのようなポスト(旧ツイート)をしているかなど、関心を持っていますか。

 

知事:

私は、特に見ていません。自分自身は、今朝もサッカーについて朝早くポスト(旧ツイート)しましたが、日々、だいたい1日に1回ぐらい情報を発信しており、他の人のポスト(旧ツイート)もいろいろと見たりする機会がありますが、泉市長のポスト(旧ツイート)は特に見ていません。

 

記者:

本日、午前中に県・市長会・町村会政策懇話会がありました。市長会サイドから、ひょうご地域創生交付金については、従来の予算規模を確保してもらいたいということと、県下一律の取り扱いをお願いしたいというような要望があったかと思います。

これは、県の方針に対して反対の意見が出されたということですが、これ自体の受け止めを教えてください。

 

知事:

午前中に市長会・町村会との意見交換がありましたが、特に、県版の交付金の扱いについていろいろな意見がありました。

政令・中核市についても同じように交付金の対象としてほしいなど、いろいろな意見がありましたが、基本的には兵庫県の県版交付金(ひょうご地域創生交付金)は、他県でそういう制度をつくっているケースがないので、他県と比べても非常に、いわゆるスペシャルな制度です。

それを県の財政が厳しい中で、果たしてどこまで続けていくべきなのか。地方創生交付金というのは、国の制度としてあります。そちらにシフトすることが大事ではないかというのが私の基本的な方針です。

ただ、そういった中で、一部の多自然地域を含めて財政力の弱い自治体からは、地域活性化を図っていくために大事な財源だという声もありました。財政力の比較的弱いところについては、制度を少し拡充する形で、リニューアルして続けていこうという方針にしました。

一方で、政令市や中核市については、財源も比較的ある自治体ですから、独自にいろいろな施策をする体力がありますので、そういったところは自身の力でしていく、必要な場合には、国の交付金にエントリーする形が大事かと考えています。

市町からの意見も出ましたが、大きな方向性としては県の方針を理解してもらったと認識しています。

 

記者:

大きな方向性についてかなりの市が理解しているとのことですが、どちらかというと、従来の制度を続けて欲しいというような意見です。今回の指摘を受けて、県として、意見をもとに検討し直す考えは、今のところ知事にはないということですか。

 

知事:

基本的には、今の方針についてしっかりと来年度予算に反映できるようにしていきたいと思っています。今回、一部の自治体については、予算、交付金の対象からは外しますが、その分、新しいビルドとして、県立高校などへの環境整備事業に振り向けるということです。

県立高校は本当にある意味、各地域にとっては、いろいろな形の地域活性化の大事な役割を担っている生徒たちなので。大きな視点では、兵庫県の地域活性化にとっても、資する予算の組み替え方になっていると説明しています。

それを理解してもらえるように、説明を続けていきたいと思っています。

 

記者:

一方で、今回の市町サイドからの発言としては、こういう事前の協議の場があってありがたかった、と評価をする声もあります。昨年の意見交換の場で事前の調整や協議が足りないのではないか、との指摘もあったかと思いますが、その意見についての受け止めをお願いします。

 

知事:

去年は8月に就任をし、県政改革方針を年末に作り上げたというように、かなりスピード感を持って、新しい県知事のもとで進めたので、そこのコミュニケーションが少し足りなかったとの指摘がありました。そこは我々も少し反省点として持ちました。

それを踏まえて今回、意見交換の場を2回持ちました。市町の首長と、いろいろな形で意見交換をして、あるべき予算の方向性や、施策の方向性を作り上げていくことはすごく大事です。

今日もいろいろな意見をもらいましたが、養父市の広瀬市長からは新しい知事のもとで、新しい県、予算のあり方を組み替えていくことは当然あるべき方向性だと、そこは賛同してもらっています。

大事なのは、そのプロセスの中で、きちんと説明をしたり、いろいろな意見を聞き、合意形成をしていくことだと思っています。それはこれからも続けていきたいと考えています。

 

記者:

冒頭、ワールドカップのコメントがありました。気が早いのかもしれませんが、県では独自に「誉」賞などの表彰をしていますが、今回のこの堂安選手の活躍に対して、表彰は考えていますか。

 

知事:

まだ予選が終わり、決勝トーナメントのクロアチア戦がこれからという時ですので、まず全力でプレーをしてもらう、頑張ってもらうということをエールとして届けます。

堂安選手の同点ゴール、これはドイツ戦もそうですが、昨日の戦いでも本当にすばらしいものでした。また逆境にある状況をリカバーしていくきっかけを作る原動力という点で、県民の皆さんにも勇気を与えてもらったと思います。

指摘の「誉」賞というのは文化、スポーツ等において、我が国の歴史に残るようなすばらしい実績を残した人に対して送る賞ですので、過去にも阿部一二三選手など、いろいろな人に送りましたが、堂安選手については、また今後の検討になると思います。

本当にすばらしいプレーだと思っていますが、まずは、次のクロアチア戦に向けて全力で頑張ってもらいたいです。

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