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【発表項目】
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知事:
1番目は「児童虐待事案の警察との情報共有の強化 ~リアルタイム情報共有システムの構築~」です。
児童虐待情報を警察との全件共有、リアルタイム化していく取り組みを進めます。
最近では、神戸市西区で児童が死亡する大変痛ましい事件が発生しました。今後、神戸市でも検証委員会を設置して、原因や対策を検証していくと思いますが、児童虐待は小さなシグナルを見逃さない対応策が非常に大事だと考えています。
警察との連携も強化しており、全件共有を7月から既に実施しています。
従前は単なる泣き声など軽微な事案を除いていましたが、県のこども家庭センターが受理した虐待相談情報の全てを警察と共有する取り組みをスタートしました。
ただ、児童相談所と警察の情報共有は、基本的には月1回、共有フォルダやUSBで共有していました。月1回分をまとめて共有するので、神戸市西区のような事案が急に展開したり、小さな変化などを機敏に把握し、スピード感を持って対応するためには、一定の制約がありました。
今回、子どもの安全確保に万全を期したいという私の強い思いもあり、警察本部と協議を重ねて、リアルタイム共有システムの導入を決定しました。
共有システムのポイントは3点です。
1点目が情報更新頻度の短縮です。これまでは月1回の共有でしたが、迅速さなど不十分な点があると思うので、今後、専用の児童虐待情報共有システムを構築します。児童相談所で、個別の情報を入力したものが1時間毎に自動更新され、警察の端末で、リアルタイムで見ることができるようになります。
2点目が共有内容の拡大です。基本情報である氏名、性別、生年月日、住所に加えて、過去の通告状況や一時保護歴などの項目も大幅に追加し、児童の詳細な情報を共有対象にすることで、警察の迅速な対応も可能にしたいと考えています。
3点目が、アクセスの迅速化です。これまで気になる事案は、各警察署が警察本部に電話等で確認をしていましたが、今後は、県下全ての46警察署が共有システムに接続することができるように、専用のPC端末を配備しようと考えています。
現場から名前などが分かれば、すぐに検索できるようにして迅速に対応したいと考えています。
約7000万円の経費を9月補正で計上したいと考えています。議会とも相談していきます。
調査とシステム構築合わせて約1年要します。
本来は、調査費を9月議会で計上して、目処が見えてから来年度予算でシステム構築をすることも考えたのですが、その場合、令和7年度以降の構築になるので、今回は、調査費とシステム構築を合わせて約7000万円を予算計上します。
できるだけ早く、令和6年度の中頃までにはシステム構築をして、実施していきたいと考えています。県がベースとなるシステム構築をします。
政令中核市の神戸市と明石市も、児童相談所を持っているので、両市とも協議を行い、このシステムに参画したいとなれば、県のシステムをオープンにしていきたいと思います。
将来的に他の中核市などが、児童相談所を設置する場合に、設置当初からシステムに入っていただけるように考えています。
今回のポイントは、警察と児童虐待事案の情報共有をリアルタイム化することで、月1回の情報共有では把握できない小さな変化やシグナルを見逃さないことが大事だと思います。
小さなシグナルを見逃さないためにも、リアルタイム化が非常に重要だと思っています。県内の子どもの命をできるだけ守っていくことに全力を尽くしていきたいと考えています。
2番目は「認定こども園・保育所等ホットラインの拡充」です。
県内であったイベントに行った際、保護者と思われる方から声をかけられ、保育園に通わせているが、園の状況がどうなのだろうと感じる場合があり、どこに相談したら良いか分からないと言われました。
県は平成29年度から保育園等で保育士さんの対応も含め、様々な事案があった際に、相談ができるホットラインを開設しています。
ただ、相談体制が平日の9時から17時までだったため、拡充するように指示し、調整を続けてきました。拡充内容が整ったので、9月議会で予算を計上します。
具体的には、平日の9時から17時まで相談員1人が対応していましたが、時間延長をするために、外部の専門業者と連携し、通報相談業務を平日は21時まで延ばしたいと思っています。
また、働いている保護者が相談するには、土日祝日にも拡充することが大事だと考え、新たに9時から17時まで対応したいと考えています。
専用相談を電話とメールを中心にやっていましたが、LINEにも拡充することにより、相談ができるだけしやすい体制にもしていきたいと考えています。
不適切な事案の中には、法的な見解が必要となる事案もあると思います。その際、我々が相談を受けたときに、弁護士に相談できる体制を構築することも、今回、新たに加えたいと思っています。
相談内容としては、保育園の施設に危険な箇所がある、園内での食事の与え方が少しおかしいなどがあります。
また、保育園で働いている方も、施設の運営状況や労働問題も含めて、相談できる体制を今回構築していきます。
事案ごとに保育園を所管している市や町などにもしっかり情報提供して、指導や助言をしていきたいと考えています。
相談件数は、年々増加している状況です。令和2年度が140件程度だったのが、令和4年度には200件を超えています。
保育のニーズが高まっている中で、受け入れ施設での様々な事案を早く察知して、県内の市や町と連携しながら、対応につなげていくシステムを構築することで、保育の質の向上を図っていくとともに、子どもの安全安心、さらには現場で働いている保育士さんの処遇改善などにもつなげていきたいと考えています。
9月補正で約500万円計上したいと考えています。システムの構築を進め、できれば10月からのスタートを予定しています。
3番目は「空飛ぶクルマ実装促進事業の採択事業者の決定」です。
県では、2025年の万博を契機として空飛ぶクルマの社会実装の実現、産業として兵庫県に根差していくシステムの構築を目指しています。
万博まで、そして万博以降にどのような形でやっていくかを検討していきますが、現段階で決まっている取組を発表します。
令和5年度は、検討段階となっており、将来に事業が県内で展開できるかを事業者に検討してもらうフェーズになります。
県内で空飛ぶクルマのビジネス化を目指す事業者を支援するために、今年度から大阪府、大阪市、神戸市と連携して、空飛ぶクルマの実装促進事業を実施しています。
今回審査を行った結果、県と大阪府にまたがる事業を行う4事業者と県内のみで実施する2事業者を採択しました。
兵庫県と大阪で連携する事業者は、丸紅株式会社、住友商事株式会社、三井物産株式会社、エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン株式会社がそれぞれ事業性評価や気運醸成の出前事業の実施、運行管理のプラットフォーム事業、医療の分野での活用検討など、それぞれの特色を持って検討していく形になります。
兵庫県枠は、大阪湾ベイエリアでの観光プロジェクトや神戸市内ウォーターフロントの離発着場の検討をしていきます。
それぞれのテーマとエリアで実施しますが、ぜひ各事業者と連携し、空飛ぶクルマがより身近なものになっていくような仕組みづくり、社会機運の醸成をしていきたいと考えています。
兵庫県の空飛ぶクルマの実装に向けたイメージとして3つのエリアで対応していきたいと考えています。
1つが、大阪・関西万博での実装に向けて、大阪湾・阪神間を遊覧するエリアを作っていくことです。
県として具体的にはフェニックス事業用地を一つの拠点にして、夢洲や神戸ともつないで観光交流の形成をしていきたいと考えています。
もう1つが、瀬戸内・播磨エリアです。これは淡路も含めロケーションが良く、小さな島が点在する地域なので、海が織りなす新たな観光の形態として香川県とともに連携していきます。
先日、香川県の池田知事と連携会議を行いました。
小豆島や高松から空飛ぶクルマを、例えば姫路や淡路とつなげていくような実証を実施したい方向で検討していきます。
それから3つ目が但馬エリアです。城崎も含めて観光の中心地であり、但馬空港を拠点として、いろいろやっていきたいと考えています。
但馬空港は、小型セスナの遊覧飛行のメッカになっており、同じように空飛ぶクルマの個人遊覧飛行のメッカになるような仕組みづくりや観光にもつなげていきたいと考えています。
その中で今回、丸紅株式会社が尼崎のフェニックス事業用地と夢洲を結ぶ2地点間運航を実施する方向性を出ました。
今日、万博協会、内閣官房などから記者発表されることになると思いますが、兵庫県からも発表しました。
丸紅株式会社が万博会場以外のポート候補として、尼崎のフェニックス事業用地を選定して飛ばしていきたい方針を示されています。
使用機体としては、Vertical Aerospaceというイギリスの機体で、全長が13m×15mの大きさで定員が5名となっています。
現在、型式証明を国に申請している状況で、この機体をぜひ万博期間中にフェニックス事業用地と夢洲の万博会場を結ぶ運航を実施したいと思います。
フェニックス事業用地は、すでに県で暫定ポートの整備を始めています。天然芝で整備したポートで9月末には完成予定です。
その際には記者の皆さんにも見ていただけるような機会を作っていきたいと考えています。
空飛ぶクルマを尼崎フェニックス事業用地から飛行したいというのは、私の強い思いでもあり、3月に内閣官房で岡田大臣にも要望させてもらいました。
その結果として、具体的に事業者がこの2地点間でやりたいという意向を示してもらったことは意義が大きいと思っています。
パーク&ライドの拠点になる隣でポートを作っていきたいと思っています。
それ以外にも万博に合わせていろいろなイベントを検討し、フェニックス事業用地が万博の時に、にぎわいの拠点になることを目指していきたいと考えています。
いずれにしても、県内での社会実装に向けて、機運醸成や仕組みづくりを行うことが大切なので、明日(8月31日)に第1回次世代空モビリティひょうご会議を開催します。
学識の経験者のみならず、事業者にも入ってもらいキックオフします。
県内で将来どのような活用があるのか、但馬地域、播磨地域それから神戸・阪神間の3つのエリアをターゲットにして、実装を目指していきたいと思っています。
特に、兵庫県は航空産業も含めて一定の根があるので、産業として根付かしていくためにはどうすれば良いかを考えていきたい。
空飛ぶクルマは新しいシステムになるので、リスクなどを危惧する声もあると思いますが、社会受容性をどのように構築していくのか、次世代空モビリティ会議を舞台に検討していきたいと考えています。
4番目は「「ユニバーサルな福島県産品応援キャンペーン」の展開」です。
先日、福島県産品の対応で処理水が放出された後、中国からの嫌がらせの電話などがあり、風評対策を全国でやっていくため、私も関西広域連合の場で提案をしました。三日月連合長も含めてやっていこうとなり、全国知事会でも吉村知事が提案されました。
その中で兵庫県としても9月1日から県庁の1階のドリームカフェでの提供をスタートしたいと考えています。
ドリームカフェは、県内で障害福祉サービス事業所を設置している社会福祉法人の円勝会の皆さんの協力を得て運営しており、今回相談したところ、喜んで協力いただけるとのことでしたので、提供していくことになります。
福島県水産品応援メニュー第1弾として、福島県と兵庫県を結ぶ「お結美(むすび)定食」を提供していきたいと考えています。
おむすびの具材を福島県の水産物を使い、福島ののりを使っていくことや煮物や漬物も使わせてもらいたいと考えています。今回は福島の伝統的な郷土料理である「いかにんじん」をメインのメニューにしたいと考えています。
限定20食でやっていきます。いかにんじんとは、スルメイカとにんじんを細切りにして、醤油とみりんなどで甘辛に煮付けたおかずです。
ご飯がよく進む一品ということです。福島県の方も100年以上前から食べているソウルフードなので、郷土料理を一つのメインメニューにして提供していきたいと思っています。
9月1日から販売を開始します。私も食べに行きます。
今回、第1弾ですが、第2弾、第3弾ということで、引き続き、福島県産の水産物を活用したメニューも、企画をしていきたいと考えています。
本当に円勝会のドリームカフェの皆さんには、心から御礼を申し上げたいと思っています。
それ以外にも、ドリームカフェや+NUKUMORIマルシェで加工品の販売も行います。
次回は10月26日に開催を予定していますが、そこでも福島県産品を活用した商品を展開することや県内各地でこのような応援キャンペーンを実施していきたいと考えています。
水産物含めた福島県産品を、国民全体、県民の皆さんとも共有して食べていこうという機運づくりが大事だと思っていますのでよろしくお願いします。
私からは以上です。
記者:
福島県産品の関連で1点お聞かせください。
処理水をめぐる問題で、県内での風評被害について何か相談等は把握されていますか。
知事:
県漁連の田沼会長からも、放出された直後に「福島県産品のみならず県内の魚介類への影響が心配だ」とのお話がありました。
今、詳細を分析しているところですが、県内では、例えば、西播磨の相生や室津産の牡蠣、淡路を中心に採れるなまこ、これらが東南アジアや中国、香港に一部輸出されています。
今回の中国の禁輸措置の影響がどれぐらい出てくるのか、分析をしているところです。
そのようなところも踏まえ、県漁連とも意見交換をしたいと思っています。県産の水産物を消費喚起するキャンペーンをしていくことも必要ではないかと検討している状況です。
記者:
全国的にいろいろと中国からのいたずら電話のようなものがかかってきているところで、警察にも被害の相談が出ているようです。
県内でも複数件、相談があったような報道もありましたが、知事の把握されている範囲で、内容、どのような施設にかかってきているのかお伺いします。
知事:
今、把握している限りで2件ほど相談があったと聞いています。
個別の店名を出すのは差し控えますが、警察に相談があったということですから、好ましくない、極めて遺憾な状況だと思っています。
処理水の放出は、国際的な科学基準にも合致した中で、丁寧にプロセスを説明しながら行っているものなので、心ない電話や嫌がらせはあってはならないと思っています。
日本政府と中国政府の国家間で冷静に対応してもらいたいと思います。
兵庫県では、漁連の方の心配もあるので、県産の魚介類などの消費をしっかりと下支えするようなキャンペーンを実施したいと思っています。
記者:
どのような内容の電話があったのでしょうか。
知事:
その点は後ほど担当から説明をします。
記者:
児童虐待のリアル情報共有システムでお伺いします。
全国で3番目、関西の自治体で初とのことですが、他の2自治体はどちらでしょうか。
知事:
埼玉県が最初です。埼玉県が令和元年度に始めています。また、神奈川県も令和6年度に向けて今準備をしていると聞いています。
いずれも、我々と同じような専用の共有システムを構築するものです。
記者:
7月に全件共有に拡大したばかりで、改めてさらに強化するとのことですが、強化を急いだ狙いがあれば教えてください。
知事:
1ヶ月に1回程度まとめて全体共有するやり方では不十分だと感じました。
虐待事案は、今回の神戸市西区の件もそうですが、いろいろなシグナルが随所に出ており、その変化を機敏に、スピード感を持って把握し、警察や関係者が対処していくことが重要です。
そのためにはリアルタイムで全ての情報を、関係者が効率的に共有できる仕組みが、小さなシグナルを逃さず、子どもたちの命を守るためには不可欠だと判断しました。
記者:
リアルタイムで共有する大切さはもちろんですが、児童相談所がまずキャッチできないといけないと思います。
地域の協力、通報も欠かせませんが、その辺りがまだ不十分な面もあるのかと思います。そのあたりの周知はどのように対応しますか。
知事:
児童相談所のマンパワーと業務の効率化をしっかりとやっていきます。
児童相談所を中心に、関係者との個別の枠組みもあるので、市民や県民からの通報をしっかりと拾うことが大事だと思います。
今回のリアルタイムの構築は、そのような意味でも、業務の効率化にも資するものなので、オンライン、リアルタイムでつなぐことによって、自動的にそれぞれが共有できる形になります。
業務の効率化によって、よりきめ細かな情報や変化、また、県民や市民からの情報を把握し、それを共有することにも繋がると考えています。
記者:
このシステムの図を見ると、警察の対応予定についても入力してもらう仕組みになっていると思いますが、双方向でアクセスすることによって連携を強めていくという狙いでしょうか。
知事:
児童相談所からの情報のみならず、警察もどのような対応をするのか、それぞれが同じシステムの中で書き込みあって、個別の子どもに対してどのように対応していくかを一元化することが大事だと思っています。
詳細なシステムの内容は、担当から別途説明します。
記者:
神戸市の児童相談所などもこのシステムを使うのでしょうか。
知事:
その方向を目指したいと考えています。
神戸市もまだリアルタイムは導入できてない状況です。
神戸市は(神戸市西区の事案の)検証委員会を9月2日に実施されるのですが、我々は、このリアルタイムのシステムを構築し、そこに神戸市や児童相談所を持っている明石市も、一緒にやろうというような、オープンなシステムにしたいと思っています。
記者:
今決定しているところでいうと、県管轄の児相でしょうか。
知事:
そうです。県管轄では、システムが構築次第、稼働させていきます。
全県に広げることが非常に大事だと思っていますので、システムの構築準備と同時に、関係する市との合意形成もやっていきたいと思っています。
記者:
空飛ぶクルマの件でお伺いします。
尼崎フェニックス事業用地から会場までのルートは、これから調整を進めていくということですか。
知事:
内定しています。今日、国の方で発表されることになります。フェニックス事業用地の他にも何ヶ所かあるようです。
その中でフェニックス事業用地も入っています。各事業者さんが、それぞれの機体で、2地点間を飛ばしていくことになります。
フェニックス事業用地を含めて3ルートぐらい出てくるんだと思います。その中に兵庫県が入っていたことは、私の目指した方向として良かったと思っています。
記者:
県としては、これから円滑な飛行に向けて、どのように関わっていくのでしょうか。
知事:
まずは、暫定ポートを作っていきます。
県の方で、30メーター四方の着陸できるところを9月末まで作りたいと思っています。
電気設備などのインフラも簡易な形で整備したいと思っています。そのような環境づくりを県としてしっかりとやっていきたいと思っています。
それ以外にも、丸紅株式会社と具体的な連携をどうするのか、よく相談していきたいと思っています。
記者:
空飛ぶクルマの関連でお伺いします。
県で行う実装促進事業の兵庫県・大阪府枠の丸紅とフェニックス事業用地を運航する丸紅の関連性はどうなっていますか。
知事:
実装促進事業は、万博後のステージ(社会実装段階)でどのようなエリアでやるかなどのイメージになります。
関西エリアで実施したいということなので、夢洲や大阪、神戸、尼崎も一部入っていますが、関空、神戸空港、但馬、淡路、瀬戸内などいろいろなエリアで飛ばしていくために、需要がどれぐらいあるのか、ルートごとに運航条件、風、周辺設備がどのようにあるのかなどを調査していくことになります。
フェニックス事業用地と万博会場の飛行は、万博期間中に飛行を実現します。
万博段階と社会実装段階の時間軸が違っています。
記者:
3キロをどれぐらいの時間で飛行するのでしょうか。
知事:
前回、ポートアイランドへドローンを飛ばした時には、2分ぐらいだったので、多分数分ではないかと思います。
記者:
万博開催時に夢洲と兵庫県内もどこかに商業利用として飛んでくることが、初めて公表されましたが、改めて意気込みをお聞かせください。
知事:
現実的には、まだまだハードルがあると思います。
型式証明が取れるのか、その段階で安全性がどこまで担保されるのか。商業運航を実現するためには、これからまだまだハードルがあると思います。
場合によっては、商業運航ではないデモフライトになるかもしれません。
いずれにしも万博の時に、具体的な2地点間の飛行ルートとして、兵庫県が選ばれたということは非常に大きな意義があると思います。
県民の皆さんにとっても、兵庫県から空飛ぶクルマが飛ぶ。しかも万博のパークアンドライド駐車場のすぐ隣から飛ぶことになるので、間近で見ることができ、それを見に来る方も多くなり、わくわくするようなイベントの機会が作れれば良いと思っています。
ひょうごから空飛ぶクルマの社会実装につなげていきたいと考えています。
記者:
ビックモーターの街路樹問題でお伺いします。
街路樹の消失や立ち枯れが確認された3店舗に県として土壌調査実施していたと思うのですが、その結果やその後の対応をお聞かせください。
知事:
県の関係では、宝塚インター店、伊丹北店、加古川店の3つです。
文書による問い合わせを行い、除草剤の使用などを確認しました。それから土壌の調査により実際に使用した痕跡があるかどうかのチェックを行いました。
14日までに回答があり、3店舗のうち2店舗が除草剤を使用したことを認めています。認めたのは、宝塚店と伊丹北店です。加古川店は、使用の事実が認められなかったと言っています。
ただ、枯れてしまったことに関して何らかの関与をしているかの調査も行いましたが、加古川店も含めて、実際、店舗の前だけが枯れているので、何らかの関与があったかもしれないことを3店舗とも認めています。
原状復旧をどうするかの問いには、3店舗とも原状復旧すると言ってくれています。
土壌の調査は、8月28日に結果が出て、伊丹北店のみ検出されました。宝塚店と加古川店は検出されていません。
私も宝塚方面に行った時に、店舗の前を通りましたが明らかにビックモーターの前だけに街路樹がなかったので、不自然だと感じました。
記者:
伊丹北店は、除草剤成分が検出されました。
対応初期の頃、会見で被害届も検討との発言があったと思いますが、被害届についてはどうされますか。
知事:
被害届の提出は検討しています。
時期によって、時効が発生するかどうかの論点もあるようですが、被害が出ているので、被害届の提出をした方が良いと考えています。
また、ビックモーター側が原状復旧をする意思は示しているので、物理的な復旧をしっかりしてもらうことも毅然とやっていかなければいけないと考えています。
記者:
全て被害届を出す方向で検討していくということで良いですか。それとも伊丹北店のみですか。
知事:
3店舗とも明らかに枯れており、関与したことを文書では認めているので、器物の破損になります。
基本的には3店舗とも被害届を出すことを含めて検討していきたいと考えています。
記者:
ビッグモーターに関連して、被害届をいつまでに出したいという目処が決まっていたら教えてください。
また、損害賠償を求めていくかをお伺いします。
知事:
できるだけ早くやっていきたいと思っています。
今日、明日中という訳にはいきませんが、できるだけ早い時期にやっていきたいと思っています。
一つ目は、道路法に基づいて現状復旧をしてもらうように調整していくこと。二つ目は、県が要した伐採の費用と土壌調査の費用の損害賠償を請求していくこと。三つ目は、被害届、器物損壊になるので、刑法261条に基づき、この3つの現状復旧と賠償請求、それから被害届を出すことをできるだけ早くやれるように準備していく状況です。
記者:
最近、愛知県や大分の別府市などでラーケーションという平日に学校を休む許可をとり、家族が一緒に旅行に行ったりできるようにする制度を導入する自治体が出てき始めています。
そのようなことに対して関心があるか、検討していることがあれば教えてください。
知事:
ワーケーションは推進していきたいと思い、ワーケーション知事室もやっているところです。
ラーケーションは、夏休み以外の平日に休んで家族と旅行に行くとのことですが、現時点では、教育委員会に検討してもらうつもりはありません。
私自身も子どもがいますが、大事なのは学校生活をみんなと共に歩んでいくことです。授業をやっている時には、みんなで授業を受けて、同じ時間を過ごしていくことが大事だと思っています。
今の段階で、兵庫県として導入することは考えてはいません。
記者:
ビックモーターに関して、被害届は提出を検討していきたい、という表現でした。「方針を固めた」のか、「準備を進めている」というところなのか。また、損害賠償などをしていくとのことですが、被害届にとどまるのか、刑事告訴や告発に至るのかをお聞かせください。
知事:
被害届を出すということです。
まずは被害届を出すことが優先だと思っています。これは刑法に関することなので、それを踏まえて、警察や司法がどのような判断をしていくかを見守ることが大事だと思っています。
現時点では被害届を出す意向を固めているところです。
記者:
ビックモーターの件で、加古川店の何らかの人為的な関与があったという話ですが、これは何をしたとかは文書で回答があったのですか。
知事:
そこは答えていないと思います。
「除草剤を使用した事実は認められなかった」と加古川店としては回答していますが、ただ、枯れているので何らかの形で関与していたことは認めているようです。
具体的にどのようにするかはさらに聞き取りが必要かもしれません。
担当課:
加古川店は、関与があった可能性があると考えている、というところまで回答しています。
知事:
そこはおそらく被害届などを出す中で、我々もこれから確認をしていかなければなりません。
除草剤は、検出されなかったですが、過去にやっていてその証拠が残ってなかったのか。店舗側も証拠がないので撒いたかどうか分からないと現時点で言っているだけなのかもしれません。
もしかしたら、除草剤を撒く以外の方法で、物理的に切ってしまったとか、そのようなことをしていたかもしれませんが、いずれにしても何らかの関与は認めているので、原状復旧や賠償請求、被害届を出し対応していきたいと思っています。
記者:
新型コロナワクチンに関して、先日弊社から情報公開請求をし、死亡一時金・葬祭料の支給の認定は48件の申請があり6件が認定されているという情報公開の結果がありました。
この件に関して、知事の受け止めと今の気持ちを聞かせてください。
知事:
新型コロナウイルス感染症は、5類になり少し落ち着いていますが、2類であった当時はワクチンが、コロナ全体からこの社会を守るために必要だったので、「みんなで接種していきましょう」と推奨して、県民の皆さんにも応えていただきました。その結果、大きな効果があったと考えています。
ただ、体の都合などにより、体調を崩したり、死亡された方がおられたことは大変残念だと思っています。
申し出に基づいて認定がされた方に対しては、国、市町と連携しながら、医療機関も含めて、適正に対応していきたいと考えています。
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