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【発表項目】
知事:
第364回の県議会定例議会に提出する9月補正予算の内容です。
台風7号に伴う災害の対応として、香美町を中心に被害が出たことよる復旧・復興関係で約54億円、南あわじで発生した豚熱に関する経費と県民の生活の安全安心の確保として約32億円、本庁舎の再編に約5億円、合計で90.4億円を計上します。
一つ目が台風7号関係で、生活再建と中小企業や農林水産業への復旧・復興の支援をしていきます。
香美町に対して、法に基づき災害救助費繰替支弁金の交付に1300万円です。
県独自の災害援護金の支給では、半壊から重傷被災者まで、それぞれの被災者に10万円から3万円を支給します。
現場へ行きましたが、床上浸水の被害に遭われた世帯も高齢者が多い状況です。「洗濯機など家電品を買い替えないと生活に困る」という声もありました。十分ではないかもしれませんが、援護金で少しでも支援できればと思っています。
それ以外の災害復旧の土木工事関係は資料の通りです。県単独の災害復旧事業もそれぞれの路線で崖崩れや流木の撤去を行います。香美町の漁港での海岸漂着物の撤去費も計上します。
7月に南あわじ市の養豚場で発生した豚熱の対応で、まん延防止・発生予防対策に関する予算措置です。
すでに終えたものも含めていますが、殺処分や消毒の費用等を合計で7300万円を計上しています。
県民生活の安全・安心の確保では、県の児童相談所と県警の児童虐待事案のリアルタイム情報共有システムの構築に6600万円を計上します。
神戸市西区で発生した大変痛ましい事件を受け、県としても県警との全件共有をすでにスタートしましたが、リアルタイムで共有することで、小さなシグナルも逃さず機動的に対応することに繋がります。全国では埼玉、神奈川に続き3例目の導入となります。
関西で初めてということで、県警とそのシステムを導入することを合意しました。
令和6年度の秋にはシステムを構築し、できるだけ早くスタートしたいと考えています。
県で共有システムのベースを作り、神戸市や明石市など児童相談所を設置している市にも参加していただけるように、オープンな形でやっていきたいと考えています。
児童の安全対策の二つ目として、認定こども園や保育所のホットラインの拡充をしていきます。
近年、不適切な保育が散見されており、その場合に保護者、職員は処遇も含め、相談できるホットラインをすでに設置していますが、平日限定だったため、土日祝日、LINE相談、さらに、弁護士に相談もできるように拡充をしていきます。
三つ目は、児童養護施設の子どもたちの夢はぐくみ応援事業です。
県の高校生の大学進学率が約63%と比べると、施設の入所児童は約28%で大きく差があります。
差があるということは、本来、大学進学の思いがあっても、経済的な事情や周りの先輩なども働いている人が多いなどの理由で、夢を諦めて働くことを選択した人も少なからずいるのではないかと考えています。
もちろん、就職も選択肢の一つですが、大学に行きたいのに行けない人に対して、行政として応援することが必要だと思い、このプロジェクトを始めます。
小学校や中学校の間から高校や大学進学のイメージを作っていくことが必要だとの声を聞きました。
子どもたちが大学生とのキャンプや座談会をすることによって、大学に進学した人と話ができ、自分たちもそのような進路の選択肢があるのだとイメージを持ってもらいたいと思っています。
県内には、児童養護施設向けに奨学金を支給している団体があり、そのような支援制度は行政以外の民間で充実しているので、連携しながら県内33箇所の児童養護施設の生徒にできるだけ多く交流の場の提供をしたいと思います。
コロナ対策関連では、コロナでがん検診等の受診率の低下というリスクが出てきています。
がんやHPV、インフルエンザ、帯状疱疹のワクチン接種を積極的に広報展開していくものです。
特に帯状疱疹は、議会からも提案があり、帯状疱疹ワクチンを受けることを県民の皆さんにもPRしていくことの重要性を指摘されています。
ヘルメットの着用率のアップに向けた支援に約8億円を計上しています。
令和5年4月から道路交通法が改正され、全世代のヘルメット着用が努力義務となりました。しかし、県の着用率は全国的にも低い状況となっています。
一方で、高齢者の自転車による事故は非常に多くなっています。兵庫県内では令和4年度で22件の自転車の死亡事故がありましたが、そのうちの7割以上が高齢者の事故で、高齢者のヘルメット着用はやはり急務となっています。
今回、国の臨時交付金を活用し、ヘルメット購入費用を支援するスキームを新たに創設することとしました。
具体的には、高齢者、18歳以下の子どもがいる世帯などに対しても、1人当たり4000円を上限に購入支援を実施します。
詳細な手続きは現在も調整中ですが、専用のウェブサイトを作り、購入のレシートなどを含めて申請をすると、PayPayやAmazonギフトなどのキャッシュレスポイントの付与、また、高齢者も想定していることから、今回はQUOカードの直接送付も選択できるようにしたいと考えています。
スマートフォンに不慣れな高齢者へは、県内の市町と連携しながら、例えば、市町に代行入力、入力サポートができる窓口の設置、タブレットを県が準備し、高齢者が窓口で入力できるようなサポートも実施したいと考えています。
自転車に乗る県民の皆さん、特に高齢者の皆さんには、ヘルメットの着用が自身の命を事故から守ることになるので、ぜひ、積極的な活用をお願いします。
プロスポーツクラブと連携した地域活性化プロジェクトでは、ふるさと納税を活用して実施します。
ふるさと納税を財源として活用し、子どもたちのプロスポーツ試合の観戦に無料招待をするようなプロジェクトや、選手によるスポーツ教室などを実施します。
包括連携協定を締結しているヴィッセル神戸、神戸ストークスとスタートしますが、ラグビーワールドカップも始まり、日本は好スタートしているのでコベルコ神戸スティーラーズ、バレーボールではヴィクトリーナ姫路など、他のプロスポーツクラブとの連携を広げていきたいと思います。
昨日、県漁連会長との面談の場で説明をしましたが、美味しい県産水産物の消費喚起キャンペーンを実施します。
福島における原発処理水の放出の影響で、「県内の水産物も買い控えなどが懸念される」という漁業者からの声も受け、県として消費キャンペーンをやっていきます。
小・中学校の学校給食で、兵庫で水揚げされる魚を使い、40万人の生徒に1回から2回分、提供できるようにします。
対面販売の強化や民間の事業者と連携した「ひょうごの魚×福島の魚」コラボフェアも開催します。
金曜日には、県庁3号館地下1階の食堂でシラス丼の提供を1日だけですが予定されています。10月以降には、県庁2号館1階のカフェで新たな商品が出ると思いますが、福島産品は、できることを息長く続けていきたいと考えています。
県内では、牡蠣の禁輸措置による影響が県内でも多く出始めていますが、なによりも県内で取れた魚を県内で消費する県民運動をしっかりと作っていくことが国内消費の下支えになるので、取り組んでいきたいと思います。
生徒への安定的な食事提供に向けた取組は、学校の食堂運営事業者の関係です。
給食や学食の提供事業者が経営破綻になり、県内でも複数校の学食の供給が厳しい状況となっています。
それを受け、教育委員会と連携し、今回しっかりとてこ入れをしていくことにしました。
物価高騰の影響により、学校の給食や食堂の事業者は経営が基本的に厳しくなっていますが、熱意を持って子どもたちに食事を提供したいという思いを持っている事業者もいます。
生徒に息長く食堂を使ってもらうためには、生徒にとって魅力的なメニューを作ることが大事なので、学校食堂の魅力アップ応援事業を実施します。
私も中学、高校時代は学食を利用しましたが、その頃は大体お腹が空いているので何を食べてもおいしかったのですが、最近は、子どもの味覚や嗜好が多様化しており、今は魅力的なバラエティのあるメニューを開発していく必要があると思っています。
県下全ての高等学校(162校)の希望するところに、1校当たり10万円を支援し、アンケートや家庭科クラブと連携するなど生徒の声を反映して、新メニューの開発ができればと思っています。
また、今回の経営破綻の事業者の問題で、食堂のメニュー提供と同時により深刻なのは自販機の運営の問題でした。
食堂を運営している事業者が合わせて自動販売機を運営していることが多く、今回、その給食事業者の運営が厳しくなった場合に、自動販売機での提供も難しくなるというリスクがあります。
生徒にとっては、自販機でドリンクを買うことは非常にニーズが高いと聞いています。
今回、自販機の設置使用料の免除を今年度実施します。1ヶ所当たりの金額は大きくはないのですが、県立高校で設置している402台の使用料の減免を実施します。
次は公共事業関係です。国の内示増に伴い約20億円を計上しています。
最後が本庁舎の再編関係です。
県庁舎の1号館、2号館、西館は、耐震不足が明らかになり、これから解体に着手していきます。
その後、3号館、生田庁舎、公館、職員会館にそれぞれ分散移転していくことを予定しており、所要経費を計上しました。
スケジュールは資料の通りで、今年度から解体設計を行います。それと同時に、3号館などに移転するため、フリーアドレスなど、働きやすい4割出勤に向けた改修をしていきます。
教育委員会事務局などは移転することになるので、契約や入居工事が必要となります。
設計、工事を行い、令和8年度を目処に入居する予定です。所要経費を2億5000万円計上しています。本庁舎再編では全体で仮移転経費や解体経費含めて、約130億円かかります。
財政が厳しい中で、耐震診断が不足しており、フルスペックで建て替えるよりも、働き方改革など、いろいろな観点から新たな取組をしていくことが、今回の本庁舎再編の1つのチャレンジになります。
生田庁舎のモデルオフィスも今のところ順調に進んでおり、若い職員を中心に比較的好評なので、この1、2年間の取組をしっかりと生かし、仕上げていきたいと考えています。
今回、新たに発表するのが、3号館にいる部局が、住吉、中山手に仮移転します。
特に住吉は、神戸市の水道局の旧東部センターが住吉駅のすぐ川向いにありますが、神戸市と調整をし、間借りすることとなりました。
教育委員会事務局などは、基本的にそこに移転します。神戸市とも連携しながら対応していきます。
次のページが、それぞれ解体撤去の経費関係など、もろもろの経費を計上しました。
もう1点が、県民会館の耐震診断の実施です。
築後55年が経過し、老朽化が進んでいる県民会館も、本庁舎の移転の議論と合わせて議論をしておくべきものでしたが、就任した時にその議論は少し様子を見ていました。
一方で老朽化も進んでおり、一定の耐震補強はしていますが、改めて1号館、2号館が時刻歴調査で厳しいという結果になったので、今回、県民会館も改めて調査をしたいと考えています。
時刻歴応答解析は、少し時間がかかりますが、令和6年9月ごろに判明する予定です。
それから、生田警察署の建て替えです。
ここも老朽化と狭隘化がかなり進んでおり、早く建て替えを検討しなければなりません。現地建て替えを行うため、一旦仮移転を行います。
県庁の南側に駐車場があるので、そこに仮庁舎を建て仮移転し、現地建て替えを実施していくことになります。そのための測量費などを計上しています。
これから数年かけて1号館、2号館の解体等していくので、その間はある意味暫定的な状態になるので、その間に生田警察署の建て替えもあわせて進めていくことにしました。
私からは以上です。
記者:
ヘルメット着用支援でお伺いします。
購入支援の対象となる時期は、いつ以降の購入分を対象にされますか。
知事:
議決後になります。予算が成立した後に執行することが原則なので、10月頃になると思いますが、議決したタイミングからの購入を基準としたいと考えています。
記者:
県内の着用率低迷が、今回の支援に繋がっていると思いますが、着用率の目標を聞かせください。
知事:
4月に警察庁が発表した着用率の調査では、本県の着用率は1.9%で、調査対象となった13都府県中ワーストワンという大変危機的な状況です。
また、高齢者がヘルメットを着用していない場合に亡くなるケースが非常に高く、喫緊の課題だと考えています。
今回、補助件数を12万件予定しており、約5%の引き上げを目指し、まずは6%前後を目指したいと考えています。
記者:
県庁舎の解体ですが、1号館、2号館解体後の新庁舎の整備について現時点での考えを教えてください。
知事:
1号館、2号館、議場も含めて、耐震が不足しています。
県庁舎をフルスペックで建て替える計画では試算額が700億円で、現時点ではおそらく1000億円を超えます。
現在の県の財政状況やデジタル化の進展から鑑みても県民の皆さんの理解を得られないのではないかと考え、一旦白紙としました。
今回、DXを導入して、3号館も含めて、庁舎の再改修を行い、4割出勤を大胆に行うことで、働き方改革を進めます。
特に4割出勤を目指すためのリモート化、フリーアドレス化、ペーパーレス化を導入することにより、職員の働き方改革も合わせて目指していきます。
3号館や空いている庁舎を有効活用して、仕事が回るようにしたいと考えています。
当然、災害時などのBCP計画をしっかりと立てながらやっていきたいと思っています。
1号館、2号館は、解体後は緑地に整備して、県民の皆さんにとっての憩いの場であり、かつ、災害が起きた場合の拠点にもなるような場を目指して、元町全体の緑の価値を高めていきたいと考えています。
記者:
県民会館の耐震診断は、仮に1号館、2号館同様に大きく耐震強度が不足していると結果が出た場合の対応は、どのように考えられていますか。
知事:
県民会館は、様々な会議などで利用されており、仮に耐震が不足した場合は将来的なニーズを踏まえて検討します。
現在、入居者は、県の外郭団体などが占めていますが、今後の公社外郭団体の改革により将来的にどれほどの数が出てくるのかも踏まえながら、コンベンション機能がどこまで必要かを議論していくことが大事だと思っています。
先ほども話しましたが、県職員の4割出勤を令和7年度以降取り組んでいきます。
議場も耐震不足があり、9月定例会は公館を使用します。
働き方改革や既存施設の改修などを進めながら、本当に必要なスペックを検討した上で、将来的に建設するのかどうかを判断する可能性はあるとは思いますが、現時点では、可能な限り建てずに、既存の施設を有効活用していきたいと思っています。
記者:
都道府県別のヘルメット着用率を見ると、東京5.6%、兵庫1.9%で結構差があるように見えますが、県としては、そもそもこのような差をどのように分析されていますか。
知事:
これが原因だと、なかなか分かりにくいところがあります。
高齢者もヘルメットの大事さを認識はしていると思いますが、伝わっていないところもあるかもしれません。
我々も県警と連携しながら、交通安全運動などでPRはしていますが着用率が達成できていない状況だと考えています。
記者:
今回、購入を支援することで、実際、着用率は上がると考えていますか。
知事:
そうしなければならないと思っています。
子育て世帯では、子ども用ヘルメットを購入していると思いますが、大人はこれからだと思います。
特に高齢者は、都市部含めて自転車を活用している人も多いので、ぜひ、市や町と連携しながら、高齢者への訴求をしっかりとキャンペーンでやっていきたいと思っています。
他の県では、基本的に市町村事業でやっており、そこに県が2分の1補助をするというやり方で、兵庫県も同じ手法を考えたのですが、スピードが足りないと考え、思い切って県単独で、4000円、10分の10の補助でやっていく判断をしました。
市町にも準備を手伝ってもらいますが、県単独で思い切って実施することによって、着用率を5%ぐらいは上げたいと思っています。
記者:
県庁舎の再編で、改修設計の費用を計上されていますが、モデルオフィスを実施し、実際の働き方などを見ている状況だと思います。
それを踏まえて、今回の設計などに落とし込みたいことや反映されたこと、こだわりなどがあれば教えてください。
知事:
生田庁舎のモデルオフィスを実施し、フリーアドレス、ペーパーレスとストックレスの合わせ技ですが、非常にポイントになります。
特にペーパーレスにこだわっていきたいと思っています。
4割出勤を実現するには、フリーアドレス、リモートを大胆に導入していくことになります。
それがやりやすいオフィスづくりが大事だと思っています。
それから、職員が働く場合にわくわくするようなオフィスにしたいと思っています。
今日からアメリカへ行き、企業も訪問しますが、スタートアップなどアメリカ企業のオフィスもぜひ見てみたいと思っています。
そこで何か面白い取組があれば取り入れていきます。
働きやすいオフィス、出勤率4割を目指します。職員のコミュニケーションがしやすいようなオフィスを作っていくことが大事だと思っています。
全国の自治体のみならず民間が視察にいっぱい訪れてくれるような、先進的なオフィスづくりを目指していきたいと思っています。
記者:
庁舎再編の総事業費は約130億円ですが、当初計画では総コストが700億円でしたが、130億の総事業費の規模感は、どのようにお考えでしょうか。
知事:
100億円を超えるので、金額としては一定かかっているように見えるかもしれませんが、当初計画からするとだいぶ抑えられたと思っています。
もちろん、4割出勤など、これまでやっていないことにチャレンジするので、それに伴う改修も必要になってきます。
当初の700億円から比べると、比較的抑えられていることは良かったと思っています。
記者:
生田庁舎でモデルオフィスを実施していますが、延べ床面積から働ける人数などがある程度計算ができるようになっていると思います。
そうした中で、3号館、生田庁舎、公館、職員会館を改修した場合、目標としている4割で約1200人が収まるのでしょうか。
知事:
今の計画では収まると思っています。
オフィスの立て付けなどを効率化していく中で、基本的に4割出勤の職員がきちんと働けるようなスペースになると考えています。
記者:
収まるというのは、1200人なのか、それとも繁忙期、災害時、大きな会議がある場合など、職員の出勤率が4割以上に上昇してしまう場合があると思いますが、現在改修を予定しているこのエリアでどのぐらいの収容ができるのでしょうか。
担当課:
4割から5割は収まります。
知事:
4割か5割なので、それがきちきちなのか、それなりにゆとりがあるのかは、これから工夫をしなければならないと思っています。
今年の台風7号の時は、土木部がモデルオフィスの対象の部局でした。基本的には現場の事務所が対応しますが、本庁の河川や漁港などの担当課は出勤して対応していました。
危機管理の庁舎があるので、そこを中心にどうやるかは別途検討します。
今回の土木部の対応を検証しながら、災害時には、例えば、公館の大会議室を災害対策のオペレーションのサブルームにしていくなどの工夫が必要だと思っています。
記者:
現有施設を上手く活用することが現状の方針であって、新たな新庁舎の整備は、今のところ考えてないということでしょうか。
知事:
そうですね。
記者:
教育委員会が神戸市水道局の施設を賃借するという説明でしたが、年間の賃借料は幾らぐらいでしょうか。
担当課:
年間4000万円です
記者:
資料のスケジュールにもありますが、教育委員会などの組織が他の施設に入居した場合、県庁舎に戻ってくるのでしょうか。
3号館や生田庁舎以外にも、神戸市水道局や他の県有施設を将来的に活用していく方向になるのでしょうか。
知事:
その可能性はあると思います。
3号館の改修のために、入居している部局が一旦外に出ていきますが、住吉の神戸市の庁舎が空いており、使われてないので、神戸市とうまく合意し、借用することになりました。
働く環境としては良いところなので、仮移転し、平行して改修も行います。場合によっては県民の皆さんにも説明しながら、住吉の庁舎に移転をする可能性もなくはありません。
記者:
その場合は賃借ではなく、購入してしまうことも有り得るのでしょうか。
知事:
神戸市との話し合いになりますが、基本的には賃借だと思っています。
記者:
今回の補正予算案は、台風の支援から子どもまで幅広い支援となっていると思います。
知事としての思いを総括してお聞かせいただければと思います。
知事:
頻発化する災害、物価高や自転車に絡む事故などから県民の皆さんの生活や暮らしを守ることが大事です。
災害や物価上昇から、県民の皆さんの命や暮らしを守っていくための緊急的な補正予算だと考えています。
記者:
警察庁のデータは、ヘルメット努力義務化前の数字だと思います。
努力義務化後は、もしかしたら兵庫県は普及率が伸びている可能性もありますし、マスメディア等でかなり普及のPRもしてきたと思います。
現状、県として、着用率の現状をどのように見ているのかを教えてください。
知事:
4月に公表したデータで1.9%ですが、それよりはおそらく伸びていると思います。
ただ、兵庫県のみならず全国的にも伸びている可能性があるので、全国との差が追いついているのか開いてるのかは分かりません。
ただ、可能性として、急激に兵庫県の率が追いついているとは考えにくいので、全国から比べると数%程度、おそらく5%か6%程度の差があるのではないかと考えています。
その差を埋めるために、今回の補正予算でしっかりとサポートしていくという趣旨です。
記者:
知事は全国・県内含めていろいろなところを視察しており、当然自転車に乗っている人をかなり見ていると思います。
ヘルメットを着用している人が、他のところと比べて少ないなとか、知事としての実感があれば教えてください。
知事:
大人で自転車のヘルメットをつけている人はそんなにはいないと感じています。
今朝も通勤途中で見かけたのは、ロードバイクの人はヘルメットかぶっていますが、いわゆるママチャリでかぶっている人はあまり見かけないと感じています。
高齢者は、神戸、阪神間など自転車の利用率が高い地域なので、そのような地域で着用を高めていくことがポイントだと思っています。
記者:
ヘルメットの関係でお伺いします。
オンライン申請の時に買ったレシート含めて申請してもらうとの説明でしたが、不正をする人が出てきた場合にどうするか、何か考えていますか。
知事:
申請で本人確認をきちんと行い、レシートの添付をしてもらうことです。
注意喚起を行います。本来購入していないのに、購入したように装う場合には法的な対応もあることを周知することで、できるだけ不正がないようにやっていきます。
事業者としっかりと調整し、制度設計したいと思っています。
記者:
仮に他人のレシートを使って申請されても分からないと思いますが、罰則があることをPRされるということですか。
知事:
そうしていくしかないと思います。
記者:
ヘルメットの事業は地方創生臨時交付金を使われると思いますが、基本的にコロナや物価高への対応の交付金だと思います。
そことの繋がり、関係はどのようにお考えでしょうか。
担当課:
今回、活用する地方創生臨時交付金は、物価高騰対策分ではなく、コロナに関連する様々な事業に活用可能な自由度の高いものを活用するため、補助対象となると考えている。
記者:
先ほどの質問で知事は緊急的な補正予算というお話でしたが、いろいろな課題がある中で、今ヘルメットに8億円程度使うのはなぜかと思いました。
なぜ今のタイミングでヘルメットなのか、改めてお聞かせください。
知事:
4月から努力義務化しており、兵庫県の数字が制度施行前ですが、全国ワーストとなっています。
自転車に関する事故は一定程度あり、特に高齢者含めて亡くなる率が7割を超えている状況です。
コロナが5類となり、社会経済活動が日常化していく中で、高齢者含めて外に出る機会が増えており、今の低い着用率のままでは、交通事故による死亡は増えていく可能性が高いので、国の臨時交付金を活用し集中的にやるべきだという判断をしました。
議会からも、ヘルメット対策を県がすべきとの提案が以前からありましたので、議会側からの声も踏まえて、緊急的に対応することが必要だと判断しました。
記者:
県庁舎の関係で、先ほど収容率の質問がありましたが、私が担当者に伺った時は4割出勤を前提として考えているわけではいとの説明がありました。
先ほどの説明だと4割から5割を収容できるイメージになるので、やはり4割出勤を前提とした移転計画を策定している理解で良いのでしょうか。
知事:
令和7年度から8年度以降は、4割出勤を前提に職員が収容できるような計画でやっていくことが、私の今の方針です。
記者:
最終的には、新たな庁舎は建てずに、既存施設を活用した方向性でやりたいという思いでしょうか。
知事:
単純なコストダウンではなく、職員の働き方を変えて多様な働き方を進めることで、県庁を魅力的な職場にしていきたいとの思いがあります。
可能な限り既存の庁舎を活用して4割出勤を進めていきたいと考えているので、新しい庁舎は建てない道を目指していくことが今の私の思いです。
以前の計画は、フルスペックで建て替える計画でした。
近年は、民間事業者もDXや働き方改革が進んでおり、働き方が変わってきています。
1000億円以上をかけて建て替える判断よりも、既存庁舎を活用してやっていくことを模索したいと思っています。
まずは、空いてる庁舎を有効活用することで、出勤率を4割で留め、新庁舎は建てないことを目指していく考えです。
ただ、進めていく中で、庁舎が必要だと判断すれば議論をしていきます。
新庁舎を建てる議論を端から否定していませんので、いきなり建てるのではなく、まずは働き方改革や既存庁舎の活用をし、必要なスペックが出てくれば、議論をして、県民の皆さんと合意形成して判断していく流れです。
記者:
県庁の1号館、2号館が将来的にどうなるかが、県民にもきちんと伝わっていないと思います。
そのような中で、必要であれば新たな庁舎の建設も排除しないとのことですが、1号館、2号館を緑地にしていくことを正式に発表される時期はいつ頃になりますか。
知事:
元町全体の再開発の中で、県庁舎周辺のグランドデザインをこれから作っていくことになります。
元町駅のバリアフリー化の話も地元の要望があるので実務的に進める必要があります。
一方で、このエリア全体をどうしていくかのグランドデザインも行政と民間と連携しながら作り上げていきたいと考えています。
イメージとしては、元町の高架下のリニューアルが進んでいるので、そのようなところと連携しながら元町全体のグランドデザインを作っていきたいと思っています。
基本的には、1号館、2号館は市民、県民が集える緑地広場にして、そこで週末ごとにイベントやマルシェの出店など憩える場を作りたいと思っています。
グランフロントのような大きな建物を建てることも考えられますが、山も近いので緑あふれるフラットな地域にして、県民の皆さんが集まれるような場所にしていきたいと考えています。
これからグランドデザインを官民連携で議論していく中で、イメージなどを早ければ今年度には示していければと思っています。
記者:
これから、官民連携した会議体を作られて、その結論がフィックスされる流れになるのでしょうか。
知事:
まずは、官民連携した会議で議論をして、我々が考える、特に駅の北側のグランドデザインの方向性を素案で出していくことが大事だと思っています。
記者:
その議論が今年度から始まるということですか。
また、結論は、年度をまたぐのでしょうか。
知事:
そうしたいと思っています。スケジュールは決まり次第、お知らせします。
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