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【発表項目】
知事:
1番目は「経済・人材交流に向けたベトナムでのトッププロモーション」です。
県内企業の人手不足解消を目的に、外国人材の就職・定着支援に向けた取組を進めています。
7月に設置した人手不足問題対策会議でも、有識者などから外国人材の獲得と県内定着が非常に大事であるという意見をいただきました。
こうした意見を受けて、来年度以降に外国人材が安心して県内で働けるように優良企業を登録する制度の創設に向けて検討したいと考えています。
他にも、ジョブフェアの試行的実施や人材関係企業との連携など、具体的な施策の検討を進めていきます。
これらの取組を実効性の高い仕組みにするために、当事者の意見の把握とネットワークの構築を進めていきます。
特に、ベトナムからの外国人労働者が兵庫県にも大変増えてきており、県内で働く外国人が安心して暮らすために、兵庫県が一定の基準を満たした企業を登録する制度を構築していきたいと考えています。
それに向け、来週から県内の労働者数が最も多いベトナムに出張し、現地情報の収集と関係機関のネットワーク作りに取組みます。
2月には外国人向けに兵庫の企業魅力の発信のフェアを開催し、企業と留学生のマッチングを予定しています。
また、12月25日に第4回人手不足問題対策会議でさらに整理をしていきたいと考えていますが、今回のベトナム出張で企業の登録制度の創設に向けて現地の現状を把握するため、前倒しで発表させていただきました。
ベトナム訪問は12月19日~12月22日の2泊4日の日程です。
目的の一つは外国人材受け入れの促進です。
県内での就業につなげるため、大学・日本語学校などの教育機関、人材派遣企業を訪問したいと考えています。
どのようなニーズがあるのか、県内企業の人材受け入れにあたり課題などの意見交換を行います。また、現地の学生とキャリアビジョンに関する意見交換も実施する予定です。
二つ目は、平成29年から継続的に実施している「兵庫県・ホーチミン市経済促進会議」を、今年はホーチミン市で開催します。
両国の企業、政府職員によるセミナーなど双方向の経済交流を行います。
3日目の午後には現地で活動した内容をオンラインによる記者会見で報告する予定です。現地の実情などを踏まえた取組を発表します。
外国人向けひょうごの企業魅力発信フェアは、高度な専門知識を有する外国人留学生に県内企業の魅力を知ってもらうため、主に大学1~2年生を対象に県単独主催では初めて開催します。
2月2日に大阪で開催し、日本語能力試験N1、N2の認定を受けている外国人留学生を対象とします。
今後、12月25日に予定している人手不足問題対策会議の中で具体策を検討し、外国人材が安心して働くことができる兵庫の実現に向けた施策を打ち出していきたいと考えています。
2番目は「令和5年度『ひょうご安全の日のつどい』等の実施」です。
来年の1月17日で、阪神・淡路大震災から29年になります。
例年と同様に「ひょうご安全の日のつどい」をHAT神戸で開催します。テーマは「震災を風化させない、忘れない、伝える、活かす、備える」です。
事業の構成は、「1.17のつどい」を追悼行事として開催する他、「メモリアルウォーク2024」も昨年同様に実施します。
それから、「交流ひろば・ステージ」でイベントの他、今回、防災訓練を舞子高校や渚中学校と連携しながら実施します。
また、県民局・県民センターが中心となり、地域版のつどいを実施します。
特に、震災を経験しない若い世代がかなり増えているため、その世代へ、経験と教訓を継承していくことは非常に大事だと考えています。
1月17日は人と防災未来センターを無料で開館しているので、ぜひ、来館いただきたいと考えています。
次に、減災月間事業の展開です。
阪神・淡路大震災の1.17の前後を減災月間とし、県民やNPOなどが様々な関連事業を実施しています。
今年は99の事業が実施されます。詳細は県のホームページで案内するので、ぜひ多くの皆さんに参加いただきたいと考えています。
防災ウォークや国際防災・人道支援フォーラム、国際復興フォーラムなどが実施されます。
今年は、ルミナリエも12月から1月に時期を変更し開催します。亡くなられた方への鎮魂、震災の教訓を、改めて皆さんと共有し繋いでいくため、このようなイベントに、ぜひ多くの方に参加してもらいたいと考えています。
2025年は震災から30年の節目になります。
そのため、創造的復興サミットを開催し、兵庫県の創造的復興の取組、震災の経験と教訓を、宮城、岩手、福島、熊本、また、トルコ、ウクライナからいろいろな方を、兵庫や万博会場に招き、そのような取組を発信する機会を作っていきたいと考えています。
3番目は「太陽光発電施設に係る規制強化」です。
太陽光発電施設は12月県議会でも質問がありましたが、景観や森林環境への影響は住民からも心配や危惧する、という声があります。
兵庫県は、全国的にも比較的早く条例制定しましたが、さらなる規制強化が必要だと、11月22日に開発審査会から答申を受け、今回、全面的な改正となる規制強化案を取りまとめました。
条例制定以降、約300件の届出を事業者から受けましたが、9割以上が適正設置に繋がったことが一定評価できると思っています。
一方で、条例施行から6年が経過し、取り巻く環境に変化も生じてきました。パネルの崩落への不安や生物多様性への関心の高まり、さらには、老朽化したパネルの処理方法など、廃棄の問題が顕在化しました。
これらを踏まえて条例を全面的に見直し、全国的にもかなり厳しい規制へ強化するものです。
一つ目は、防災面として届出制から許可制を導入するものです。これは他県も採用しています。
今回、民有林(県土の63%)を規制対象とします。民有林を許可制とする県条例は、山梨県と奈良県だけなので、手続き面で規制を強化していくものです。
二つ目は、しっかりと自然環境との調和を図っていくことを、条例目的に明示します。アセス法令の事前取得を求めていくものになります。
三つ目は、パネル廃棄の問題に対するもので、廃棄後の適切な措置を事業者の責務として明示します。
この問題は、今後大量の廃棄が出てくることが見込まれるため、リサイクルをどうするかなど、部局横断で取り組んでいきたいと考えています。
四つ目は、実効性を高めていくための罰則の強化になります。
命令や立入権限を付与し罰則を強化します。特に罰金を最大50万円に引き上げますが、刑事罰を課すのは兵庫県だけとなっています。
これらの取組により、悪質な事業者への抑止力を高めていきたいと考えています。
スケジュールは、明日からパブリックコメントを実施し、2月県議会に上程、成立すれば、来年10月からの施行を目指したいと考えています。
4番目は「『大麻グミ』等危険ドラッグ撲滅緊急対策の実施」です。
全国で、いわゆる大麻グミによる健康被害が出ている中で、HHCHについては、すでに国が指定していますが、まだ未規制となっているHHCPでは、健康被害が一部地域で出ており、県内でも販売店が確認されました。
結論から言うと、初となる県条例に基づき知事監視店の指定手続きを、今週をめどに行っていきたいと考えています。
県内では2店舗、そして1つの製造所が危険ドラッグを取り扱う店として、現時点で確認されています。この3つの施設に対して、県警と近畿厚生局麻薬取締部と合同立入検査を実施しました。
12月7日に尼崎、12月11日に姫路の製造拠点の販売に立入検査を実施した結果、尼崎の販売店において他県で健康被害の情報があり未規制の危険ドラッグHHCPの含有が疑われる商品を確認しました。姫路では確認できませんでした。
この結果を踏まえて、兵庫県としては、HHCPを薬物の乱用の防止に関する条例に基づく危険薬物として判断し、当該成分を含有する旨の表示をした製品を取り扱っていた尼崎の販売店を、県条例に基づく知事監視店の指定を行いたいと考えています。
監視店に指定し、健康被害が発生しているなど、危険薬物と判断できれば、知事監視危険薬物として、その販売に対して必要な手続きを義務づけていくことができ、それに違反していれば罰則が科せられます。
この問題は、昨日、厚生労働省に行き、事務次官に要望書を提出しました。条例規制では限界があります。やはり法規制における包括的な類似物質の指定を速やかにやってもらいたいというものです。
それから、新しいものが出てくる可能性があるので、国からドラッグに関する健康被害の情報を速やかに都道府県に情報共有をしてもらいたい。それを確認できれば、県として法規制がない中でも知事監視店の指定ができます。
厚生労働省からは、国と県が連携してやっていく旨の回答があったところです。
今回、知事監視店の指定を行いますが、特に大事になってくるのが青少年への啓発です。安易に使用しないことを学校関係者も含めて正しい知識の普及啓発を行っていきたいと考えています。
他にも、ひょうご地域安全SOSキャッチ電話相談などを引き続きやっていきます。
現下の大麻グミ等危険ドラッグのいたちごっこの状況を見て、おそらく国は年明けぐらいに包括指定の方向で進めていると思いますが、今回、平成26年に条例が制定して以来、適用がありませんでしたが、少しでも規制強化を行うため、今週中にも知事監視店の初指定を行いたいと考えています。
そこで規制の強化とともにメッセージとして、このようなものを買うべきではないことを、県民の皆さんにも改めて発信していきたいと考えています。
私からは以上です。
記者:
「大麻グミ」等危険ドラッグの知事監視店に関して、今週中にも指定するとのことですが、いつ頃を目途にどのような形で行いますか。
知事:
現在、必要な手続きを進めていますが、緊急性が高いため手続きを迅速化できると聞いています。
必要な手続きを経て、今週金曜日もしくは週明け月曜日には知事監視店として指定し、HHCPが危険薬物である旨を告示する予定です。
記者:
告示したことはホームページなどで一般に公表しますか。
知事:
そうです。県のホームページに知事監視店として店名を公表します。
記者:
対象は尼崎の1店舗になりますか。
知事:
尼崎の1店舗になります。
記者:
太陽光発電施設の条例改正で規制を厳しくしますが、風力や太陽光など再生エネルギーが出た頃はいわゆる脱炭素の旗手で、自治体も積極的に推し進めていました。
しかし、最近は地域住民から建設反対の意見が出て、頓挫や中止になるケースも多いと思います。
このような状況を踏まえて、知事としての再生エネルギーを取り巻く環境についての見解を教えてください。
知事:
2011年東日本大震災後の原発事故の問題があり、社会として再生可能エネルギーにシフトしていき、FITの仕組みなどができました。その後、買取価格が高値で設定され、それに基づき設置する事業者が出てきたと思います。
特に太陽光パネルが非常に多かったのですが、設置していく中で、日本は土地が狭いため、森林を伐採しての設置や崖崩れが想定される危険な箇所に設置する問題が出てきました。
生態系の破壊や土砂災害のリスクを高めるなど本末転倒になってきているのが現状だと思うので、規制をして、環境アセスや住民への説明を通じて合意形成することが大切です。
5000平方メートル以上の大規模なものの影響が大きく、規制をしていきます。
太陽光パネル自体は、住宅地や工業地内、施設の空きスペースにパネルを設置する施策も同時に行っているので、自然環境に影響を与えない場所への設置に可能な限りシフトしていくことが、一番良いやり方ではないかと考えています。
記者:
今回の改正案に関して、県民のパブリックコメントを実施しますが、厳しい意見や今回の改正案要素を上回る意見が出た場合は、再度スケジュールも含めて検討し直す考えはありますか。
知事:
パブリックコメントでどのような意見が出てくるか次第ですが、現行案はとても厳しいので、まずは現行案で実施すると思っています。
様々な意見が出てくれば、数年後に検討項目にする可能性はあるので、パブリックコメントを実施しながら考えていきたいと思っています。
記者:
ルミナリエの今後のあり方に関しては、元々、鎮魂と追悼を目的に始まり、年月が経つにつれて、観光イベント化していることや費用の問題などが議論になっていると思います。
今年は一部有料化で場所も変えるなど昨年から変更点がありますが、実行委員会としても震災30年以降の持続可能なあり方を探っていると聞いています。
ルミナリエの震災30年以降のあり方をどう考えているのか教えてください。
知事:
ルミナリエは震災後に三宮・元町を中心に始まりました。大震災での犠牲者の鎮魂と教訓を語り継いでいくことが主な目的として開催されています。
前回まではコロナ禍で通常開催ができませんでしたが、今回は4年ぶりに通常開催します。
神戸市との協議で、開催日が1月17日の直後になったこと、震災の鎮魂と教訓を語り継いでいく一つのメッセージ性を改めて発信していくことになると思っています。
2025年が震災から30年になりますので、新しいルミナリエのあり方を模索していく第一歩ではないかと思っています。
今後、組織委員会・実行委員会で協議をしながら、どのような進め方が財政面も含めて良いのかなど議論していくべきだと思っています。
ルミナリエは神戸市民や兵庫県民にとって一つのシンボルなので、時代の流れに合わせて、持続可能な形で実施することが大事だと思っています。
記者:
大麻グミ等危険ドラッグの件ですが、尼崎市内の販売店でHHCPを含有した疑いのある商品の販売に関して、具体的には何が販売されていましたか。
知事:
尼崎の販売店に12月7日に立ち入り検査を実施し、HHCPを含有しているリキッドとたばこを確認しました。
記者:
実際にその商品を購入した人がいたのか。また、健康被害の報告などがあれば教えてください。
知事:
県内で健康被害があったかどうかは、まだ確認はできていません。購入された方も不明です。
ただ、厚生労働省から他県で健康被害が出たという情報共有があったので、危険薬物だと判断しました。
記者:
他県で被害が出たことを根拠に知事監視店への指定が可能だと判断されたという理解でよろしいですか。
知事:
他県での健康被害が確認できたので、緊急を要するものとして、早急に手続きを進めて、今週中を目途に指定したいと考えています。
記者:
政治資金パーティーの関係でお伺いします。
自民党の派閥による裏金問題が批判を集めて政治不信の高まりにも繋がっていますが、今回の裏金問題について知事はどのように受け止めていますか。
知事:
自民党安倍派を中心とするキックバックの問題など政治資金問題は、物価高騰など県民の暮らしに様々な影響が及んでいる中で、非常に大きな問題となっています。
政治資金パーティーは、法律で認められた一つの政治活動ですが、収支報告書に適正に計上しなかったことが問題だと思っています。
政府与党の最大会派である自民党において、長年の慣習として守っていなかったことに国民から疑惑の目を向けられていると思います。
このような事態が政治不信に繋がりますので、まずは事実関係をしっかり確認し、総理などから国民に丁寧に説明することが大事だと思っています。
記者:
知事自身の政治資金パーティーは、来年1月末に予定していたが見送ったと聞いています。事実関係、見送るのであれば見送った判断の理由を教えてください。
知事:
政治資金パーティーの開催を予定していましたが、案内状はまだ発送していない状況でした。1月末を含めて開催を検討していたことは事実です。
ただ、時期的に予算編成など公務が多忙になっている時期であること、また自民党派閥のパーティー疑惑が問題となり、開催すること自体に対する疑惑の目が大きい中で、適法に開催したとしても、県民にご心配をおかけすることが大いに想定できることを踏まえ、改めて日程も含めて調整をし、見送る判断をしました。
記者:
知事選で推薦を受けた兵庫維新の会も1月22日開催のパーティーは延期になりました。兵庫維新の会の延期判断が知事の判断に影響を及ぼしていますか。
知事:
それはありません。
理由は、公務が多忙であること。現在の自民党派閥のパーティー疑惑がある中での開催自体が大丈夫なのか、との県民の皆さんの心配やパーティーへの疑惑の目があると思いますので、現時点では、開催を見送って、改めて日程を調整する判断をしました。
記者:
知事が開催しても良いと思われる判断の基準などはありますか。
知事:
まだ決まっていません。
私自身はパーティーを7月に開催しましたが、収支報告書の計上も含めて、適正に処理しています。
今後も適正に処理をすることは当然ですが、開催は状況を見ながら、また、公務の状況などを踏まえて、判断していきたいと思っており、現時点でいつ開催するのかは考えていません。
記者:
「ひょうご安全の日のつどい」について伺います。
昨年度からの変更点が多いと思いますが、どのような思いで臨まれるか教えてください。
知事:
ここ数年、コロナ禍で例年通りの開催ができませんでした。
多くの方々が亡くなられた阪神・淡路大震災です。県民の皆さんで亡くなった魂を鎮魂し、震災の経験と教訓を、世代を超えて後世に繋いでいくことは本当に大事であり、「安全の日のつどい」が一つのシンボルとして、これまで長年、関係者に尽力いただきながら続けてきたものです。
ようやく例年通りの通常開催ができることは本当に良かったと思っています。
震災から30年経つと、震災の経験と教訓が風化する懸念が強まってきますので、来年から通常開催をして、震災の経験を、「忘れない・伝える・活かす・備える」ことを県民の皆さんとともに進めることができるのは、大変うれしいことだと思います。
記者:
モデルオフィスの実証の開始から半年ほど経ち、いろいろと現場から声も上がっていると思います。
現状を知事はどのようにご覧になっているか教えてください。
知事:
モデルオフィスは、県議会でもいろいろな議論がこれまでも出ていますが、一つチャレンジとして、ぜひ前に進めていきたいと思っています。
現状、各部局が1ヶ月ごとにモデルオフィスでトライをしているところで、職員からのアンケートや声を聞きながら、今進めているところです。
アンケート結果も今年度には一定まとまると思いますので、その結果を公表したいと思っています。
テレワーク自体も、今の端末で少しやりにくい面や家庭環境にWi-Fiが整っていない場合にはどうするのか、ペーパーレスがまだ進んでいない中で、資料を探すのが大変などの課題はあると思います。
職員と一緒に前に進めていくことが大事なので、庁舎の問題が一つのきっかけとはいえ、4割出勤を目指し、大胆なテレワーク、ストックレス、ペーパーレスを進めていくことが、職員にとっても、これからの働き方改革、働きやすい環境づくりになるので、しっかりと進めていきたいと思っています。
記者:
それに関連して、今3号館の改修に向けた設計なども始まっているかと思いますが、基本的には出勤率4割を前提として改修の計画を進めているのでしょうか。
知事:
出勤率4割、ペーパーレス、ストックレスを前提にし、改修をすることが大事だと思っています。
そうすると、今の職場環境は書庫がすごくウエイトを占めているので、しっかりとペーパーレス、ストックレスを進めていくことで、3号館を中心とする既存の庁舎をかなり有効活用できるようにしていきたいと思っています。
その姿をここ数年かけてしっかりと作っていくためにも、3号館の改修は着実に進めていきたいと思っています。
記者:
出勤率4割の一つの課題として通信環境の問題があると思いますが、それも含めて、来年度の予算措置に新しい働き方の対策で、何か考えているのでしょうか。
知事:
ポイントは端末の更新だと思います。来年からの職員端末の更新をしっかりしていけば、そこにSIMかどうかはわかりませんが、通信機能がオンされると思います。
そうすると、場所を問わず通信が繋がるところで仕事ができますから、それができれば、かなり改善していくと思います。
記者:
ベトナムでのトッププロモーションで伺います。
知事の海外出張は2月のシンガポール、9月のアメリカに続いて今回3回目でよろしいでしょうか。
知事:
3回目です。
記者:
今回その出張に帯同する職員は何人で、経費は幾らぐらいでしょうか。
知事:
今回は、私も含めて7人です。
渡航費用は約300万円です。
記者:
ベトナムでは現地の企業や学生と意見交換とのことですが、兵庫県で働くことについてどんな魅力を伝えたいのか、一言いただけますか。
知事:
すでに兵庫県に多くの人がベトナムから来られているので、一定のコミュニティがあります。かつ、神戸をはじめとして、伝統的に外国人受け入れがあり、多様な社会があることが神戸、兵庫の一つの魅力なので、そのようなこととも伝えていきたいと思っています。
これから詳細は検討ですが、外国人が働きやすいような企業を登録する制度を作っていくことも、しっかりとPRしていきたいと考えています。
今、円安の影響で外国人が日本に来なくなる、他の国を選ぶケースが増えてきていると聞いています。そのような中でも、日本、神戸、兵庫の住みやすさや安全性をしっかりとPRし、いろいろな関係、教育機関との繋がりを作りたいと思っています。
記者:
県の財政指標に関してお伺いします。
実質公債費比率は、今年度の当初予算時の見通しで令和7年度には18%を超えることになっていました。
最近の分収造林などの問題で、今後、早まるかもしれない可能性もあると思います。
総務省の元職員として、許可団体になることへの考えやどのような影響があると思われていますか。
知事:
18%を超えると、許可団体になり、起債(県が借金)をする場合に国に届け出ではなく許可が必要になります。
一定、国の関与が強まる形になりますが、直ちに何か事業が全然できなくなったりするような支障は発生しないと考えています。
一方で、許可団体になることは、県の財政が少し悪くなっている一つの表れになるので、そこはしっかり受けとめて行財政改革などをやりながら、必要な予算を確保し、事業を実施していくことが大事です。
さらに財政運営に対して緊張感を持って、県民の皆さんにきちんと情報を公開していくことが大事だと思っています。
記者:
分収造林の関係で許可団体になることが早まる可能性はあるのでしょうか。
知事:
今後の財政指標への影響については、過去の算定結果の修正の有無なども含めて、これから総務省と協議をしていかなければなりません。その結果によっては、18%を超えるのが早まる可能性も否定できませんが、令和6年度当初予算編成の中で精査していく必要があります。
記者:
政治と金の関係でお伺いします。
知事も政治資金パーティーを開催されていますが、パーティーの必要性を実際政務に関わってみて、どのように感じているのか教えてください。
知事:
やはり政治活動には一定の資金が必要なので、やり方はいろいろあると思いますが、一つは個人から献金をいただく、もう一つは政治資金パーティー、これは政治資金規制法上にきちんと明記されている手法となっています。
政治資金パーティーは、政治活動をしていく以上、私自身も7月にやらせていただきましたが必要性はあると思っています。
ただ、収支報告書の計上には、すごく注意して皆さん行っていると思うのですが、そのような意味でも、今回のキックバックの問題は、きちんと透明性を担保して、政治資金を集めていくことが大事だと思います。
記者:
本県出身の西村大臣も指摘をされていますが、受け止めをお願いします。
知事:
西村大臣も報道では、名前が挙がっています。
ご自身も、記者会見などで適切なタイミングでしっかり説明をしたいと発言されていますので、ご本人の判断でしっかりやっていくのだと思っています。
派閥というものが長年続いてきた中で、いろいろな慣行があったのだと思います。そのようなものが、今回、明るみに出る中で、今おられる閣僚の方々にとってもそこが問題になっているので、説明責任が問われている状況なのだと思います。
記者:
今年の漢字が、「税」と先ほど発表されました。
受け止めと知事の今年の漢字一文字を上げるなら理由とともに教えてください。
知事:
「税」って何だろうと思いました。増税などだと思いますが、選ばれた理由がよく分かりません。私は、阪神の優勝など、喜ばしい事がたくさん関西ではあったので、もっと前向きなメッセージ性があるものが良いのではないかと思っています。
今年の漢字一文字は、私自身もいつも年末に出しているのですが、今日は用意ができていないので、ベトナム出張の会見の時に出せれば良いと思っています。オンラインになるので、あまり絵になるかどうかは分かりませんが、前向きな一字になると思っています。
記者:
政府が多子世帯の大学授業料無償化の方針を出しましたが、国に大学の授業料無償化を求めていた知事はどのように受けとめられましたか。
知事:
県立大学の無償化を表明し、今準備をしているところで、国にもいろいろな形で要望してきた中ですが、多子世帯ということで、6月の「こども未来戦略方針」よりも踏み込んだ案になっていると思います。
多子世帯が良いのかどうかは議論が分かれるところだと思います。子どもが1人、2人の家庭も子育ては大変ですし、何よりも私が授業料無償化をやる方向性は、当事者である若者にとっての経済的負担を軽減するところが本筋なので、そこは少し政府の方針と違う奨学金の返済が課題になっている中で、若い世代にとっての経済的負担を、どう応援していくかの観点でやりたいという趣旨で、今回、県立大学の無償化を実施します。
政府は多子世帯、親にとっての面での政策ですが、そこは私が目指してる政策の目的と方向性、ベクトルが別になっていると思います。
政府も、このような無償化、高等教育の負担軽減、これは若い世代に対する、将来負担を軽減する政策として、どんどんやって欲しいと思っています。
記者:
今、政府の方針とは別のベクトルとの説明でしたが、政府は多子世帯を応援することが少子化対策の側面が強いが、知事はそれよりも、ということでしょうか。
知事:
政府は少子化対策という観点だと思いますが、私はそれよりも今の若い世代、大学に通おうとする当事者に対しての応援が大事だと思います。
今、半分近くの人たちが奨学金を受けながら大学、大学院を卒業し、平均で310万円という借金を15年ぐらいかけて返しています。
日本の経済がどんどん成長している時代は返せましたが、今はなかなか経済成長が見込めない時代で、300万円を超える負担が、将来設計に大きな影響となっています。
これはアメリカなどでも同じで、学生ローンの問題は、学生、当事者、若い世代にとっての問題だと思うので、そのような意味では、若者をどう応援していくかという政策、これが結婚や出産、子育てをしやすくする、そんな環境整備としてやっていくべきだと、政府にも強いメッセージとしてやって欲しいと思っています。兵庫県はそこでやっていくという思いで、今、進めています。
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