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【発表項目】
1.能登半島地震に関する兵庫県の支援の状況(PDF:1,890KB)
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知事:
1番目は「能登半島地震に関する兵庫県の支援の状況」です。
被災地では雪が降り積もり、厳しい寒さが続いています。避難されている方には改めてお見舞いを申し上げます。
前回(1月18日)に報告したものからの変更点を説明します。内容の詳細は資料の2ページ目以降に添付しているので防災部局に確認ください。
人的支援の状況は、1月24日時点で、618人、延べ1319人が派遣されています。
前回の発表後、道路被害状況調査員の派遣のほか、EARTH第2次を派遣したことなどが主な増加要因です。
先ほど報告会を開催しましたが、消防救命救助活動として緊急消防援助隊兵庫県大隊、52隊182名が第1次、第2次に続く第3次派遣として、本日から輪島市で活動します。
機材の支援は、すでに公表されていますが、養父市と協定する民間事業者の協力により、移動式のコインランドリーを珠洲市に設置、稼動しています。
避難所の支援のほか、罹災証明の発行に関する家屋被害認定調査員の派遣なども行っています。
今後、想定されるニーズとしては、応急仮設住宅の建設支援のため、建設支援員を2月12日から4名派遣するほか、DPATも3名の派遣を予定しています。
ボランティア支援は、社会福祉協議会から体制強化が課題との報告を受け、1月20日から珠洲市の社会福祉協議会に2名配置しています。主に電話業務などの様々な対応を現地で行っています。
災害公営住宅は329戸を提供しています。前回1月18日時点では、入居が0でしたが、今回、神戸市で2世帯、小野市で1世帯の合計3世帯の入居が1月23日現在で決定しています。
義援金も増えています。1月24日現在で5720万円を超える義援金をいただいています。改めてご協力への感謝を申し上げます。
今後もニーズに応じた継続的な支援を実施していきます。
2番目は「兵庫県の不妊治療支援の強化」です。
子育て支援策は政府でも充実しています。不妊治療は保険適用となりましたが、それでも、県内で約6000人が生殖補助医療を受けている状況です。
不妊治療は、経済的な負担のみならず、仕事との両立、精神的な負担など、治療を受けている女性だけではなく、男性も感じていると思います。
兵庫県として支援をする必要を、私自身も不妊治療を経験した当事者として強く感じていました。
子どもを産みたいと思っていても、いろいろなハードルがあり、なかなか叶わない方への支援として、不妊治療の支援を重点的に取り組むことが、若者・Z世代支援パッケージの一つの柱になると考えています。
今年度、検討会を立ち上げ、柴原先生をはじめとする専門家と議論しながら、今回、中間報告が取りまとめられました。
中間報告の骨子案は、一つが、経済的支援の強化をしていくべきだということです。
保険適用がされていますが、シート法等の先進医療は保険適用外になっています。このようなものを、43歳未満の年齢制限がある中で、回数がもう少しあればとの声もあり、医療費の負担軽減をどうするかです。
淡路島などで当事者の皆さんと話をしていると、医療機関は神戸、阪神間に集中しており、通院のための交通費も積み重なると大変だという声を聞きました。
目指すべきは、但馬や淡路地域などにも、先進治療を受けられるクリニックができれば良いのですが、医療資源の問題もあります。現実的には、神戸、阪神間に通院する人へ交通費を支援していくものです。
休暇取得の関係では、1回の治療に休暇を取得していくのも大変ですが、例えば、役所の助成金申請のために、もう1回休暇を取らなければならないことがあるので、オンライン申請ができるようにして欲しいとの声もありました。
不妊治療と仕事の両立は大事です。兵庫県も17日間取得できる制度を創設していますが、県内の民間事業者、特に中小企業等にできるだけ理解をしてもらう必要があると思います。
休暇制度の創設が難しくても、不妊治療を理解してもらう機運づくりが、これからは大事だと思います。
また、プレコンセプションケアの推進で、妊娠や出産、不妊治療に対する正しい知識を、早い時点で知っておくべきだったという当事者の声もありました。
高校生や大学生、これから結婚、出産を将来的に考えている若い世代に対して、結婚、出産を含む自分の健康づくりのために何が大事かを推進していくプレコンセプションケアを、しっかりとやっていきたいと思います。
正しい知識の普及や兵庫県で支援制度があることをしっかりと周知していく。それに伴って、県だけではなく、県内市町の制度もぜひ充実させてもらいたいと思っており、一元的にしていく仕組みづくりとして専門サイトの構築を行います。
経済的支援、仕事の両立ができるような環境整備を息長く取り組んでいくことが大事です。その取り組みの枠組みとして、全国で初めてになる不妊治療の支援のための特化条例を制定したいと考えています。
資料の次のページがより具体的なものです。
経済的負担の軽減では、保険適用外の先進医療費を助成していきます。主たるところは保険適用になっており、7割保険で3割個人負担ですが、より確率高く不妊治療をする場合には、タイムラプス法やシート法などの先進医療を受けることがスタンダードになっています。
先進医療による治療が始まってから胚移植までが1クールとなり、先進医療は5万円ぐらいかかるため、保険適用に準じたものとして、7割相当、3万円を助成したいと考えています。
回数制限は、43歳未満が保険適用の対象になっていますが、先進医療による治療開始がそこまでで、40歳未満の場合は6回、43歳までは3回という回数制限がありますが、当事者や先生の声を聞くと、若くして治療を始めた人は6回を超えるケースもあるので、43歳未満における回数制限を外すことが当事者の気持ちに沿ったものになると判断しました。
43歳未満の回数制限を撤廃します。これは全国で初の取り組みです。
先進医療に関わる通院交通費の助成です。淡路や但馬地域から多くの人が、神戸、阪神間のクリニックに通っており、神戸市内に通うには往復で平均5000円程度の交通費がかかります。それ以上かかる経費を助成します。
次に、デジタル化による申請受付の簡便化です。オンライン申請受付をスタンダードにしたいと考えており、「e-ひょうご」を活用したオンライン申請システムをやっていきます。ぜひ県下の市や町にも広げていきたいと思っています。
経済的負担は、昨年のペア検査の助成と同様に所得制限なしとします。
不妊治療と仕事の両立のための企業向けセミナーの開催、高校生、大学生を対象とした妊娠、出産の知識を得るためのプレコンセプションケアの推進をします。
普及促進として、SNSやチラシなどによる情報発信とともに、不妊治療応援サイトを2月1日から新たに立ち上げます。
兵庫県として続けていくことが大事だと思っています。経済的負担の軽減に取り組み、仕事との両立に対して民間事業者への理解の普及をやっていきたいと思います。
そのためにも、この4つの柱をしっかりと継続していくための枠組みとして、不妊治療支援特化条例の創設を目指したいと考えています。
企業の取り組み促進、教育現場の理解促進を図るための条例制定で全国初となります。
検討会の衣替えを発展的にして、1年間かけてしっかり議論をし、企業の理解促進の取り組みをやっていく。来年2月の条例案の上程を目指して議論を深めていきたいと考えています。
ホームページは、兵庫県不妊治療応援サイトを2月1日から立ち上げます。妊娠について考え始めた場合や、妊活を初めてする場合には、いろいろな情報を入手したい、そして、不安があると思います。それを応援する意味で、特設のサイトを開設します。
正しい知識を知り、学ぶと同時に、県や県内の市町でどのような支援事業があるか活用方法の紹介、そこからオンライン申請にも繋がっていく。市町のいろいろな施策も紹介できるようにしていきたいと考えています。
少子化対策、若者、Z世代支援として、不妊治療のサポート支援は大事だと思っています。悩んでいる人を誰1人取り残さない社会の実現に向けて、この不妊治療の支援の強化を、来年度予算から具体的にやっていきたいと考えています。
3番目は「大阪湾MOBAリンク構想の推進」です。
令和4年11月に「全国豊かな海づくり大会兵庫大会」が開催されましたが、これをレガシーとして続けていくために、「ひょうご豊かな海づくり県民会議」や「ひょうごブルーカーボン連絡会議」を令和5年7月に創設しました。
豊かな海づくりのためには、県内の藻場干潟の保全・再生に取り組んでいくことも大事だと考えています。そこで、大阪府とも連携しながら、大阪湾MOBAリンク構想の実現を目指していきます。
大阪湾MOBAリンク構想とは、ブルーカーボン生態系の回廊で大阪湾沿岸をつなぎます。
ミッシングリンクとなっている湾奥部における藻場やSDGsを達成するため生物多様性の回復を目指していきたいと考えています。
体制は、大阪府と兵庫県の共同事務局で、大阪湾における藻場などの創出の意欲がある民間企業や団体、漁業者、大学、自治体などが連携して取り組んでいくためのコンソーシアムになるので、ぜひ情報共有し新たな取り組みを検討・実施していきたいと考えています。
兵庫県では、すでに設置している「ひょうご豊かな海づくり県民会議」にMOBA部会を設置して、議論を進めていくことが中心になると考えています。
私からは以上です。
記者:
能登半島地震の支援の関係でお伺いします。
県内の公営住宅に被災者の方が入居されることが決定しているとの説明がありました。
かなり離れた兵庫県内に避難されるため、今後、行政手続きなど、いろいろ煩雑な手続きがあると思います。
県として、避難された方々に対する支援を何か考えているのでしょうか。
知事:
神戸市に2世帯、小野市に1世帯の入居が決定していますが、おそらく親族がいるなどのご縁で来られることになったのだと想像しています。
例えば、お子さんが住んでいるので近くに避難するなどのご縁があったのだと思います。何もなく来ることは、可能性としては低いと思いますが、この辺りは受け入れをする、神戸市や小野市が、受け入れに際してのいろいろなサポートもしていくと思います。
我々も出来ることをしていきたいと思います。
例えば、家財道具の提供などができるのか連携しながらやって行きたいと思っています。
担当課:
県営住宅にお入りになった方には、家財道具や当座の生活に必要な家電とかを用意する予定にしています。
知事:
県営住宅では、そのようなメニューがありますが、市営住宅や町営住宅でも、そのようなメニューで何か連携することができないか、各市や町の実情を聞きながら連携していきたいと考えています。
記者:
不妊治療支援特化条例の創設は、理念条例になると思いますが、条例化する意義を聞かせてください。
知事:
経済的支援、仕事との両立、教育やプレコンセプションケアなど、きちんと予算に基づいて実施する場合に、条例上の位置付けを明確にしておくことが大事だと思っています。
理念とともに、県が市町や関係機関と連携しながらやっていく体制を構築していくことが大事だと思っています。
不妊治療は、私もそうでしたが、なかなか出口が見えず、これをやったから必ず答えが出るという世界ではありません。
すごく悩み経済的に負担を抱えている方々に、県がしっかりと応援、サポートしていくために条例化することでメッセージとしてもお伝えすることで、不妊治療を受ける方にとって安心できるような環境づくりにも繋がると考えています。
それが当事者にとっての安心に少しでも寄与すれば良いと考えています。
記者:
企業や民間、不妊治療に関わる方への理解を深める意味も条例に含まれると考えてよろしいでしょうか。
知事:
ある程度大規模の企業、経営者の意識が高いところは、不妊治療が、結婚の高齢化などに伴い増えていることや、若い夫婦にとって身近なものになってきていることを理解していただいています。
経営者や企業の上司によっては不妊治療自体あまり知らない方もいるので、まず知ってもらい、民間企業で働いている方の理解促進、休暇を取りやすくすることにもつなげていきたいと考えています。
記者:
令和6年度に検討して、令和7年度の施行を目指すことでよろしいですか。
知事:
そうです。
新たに検討会を立ち上げて、おそらく経済界や支援団体などに入ってもらいながら議論していく形になると思います。
時間をかけて議論していきたいと思っています。そのプロセスそのものをオープンにしていくことが大事で、1年かけて、来年度2月議会に図り、令和7年4月からの施行を目指すことがベースだと思っています。
記者:
不妊治療支援は、令和7年4月から施行だと思いますが、当事者からすると1年間は相当大きな時間だと思います。
対象は、43歳未満の方だと思いますが、年齢の制限がギリギリの方にとってはその1年は長いと感じる方もいると思います。
令和7年4月から施行されるのは、経済界との調整などプロセスを大事にしたいためですか。
知事:
条例の検討と施行は令和7年4月からですが、経済的な支援や取組は予算が成立すれば、令和6年度4月からスタートします。
予算も約2億円を確保しています。取組を予算に基づく事業として実施しますが、条例化に関しては、事業の裏付けを中長期的に行うことが大事なので、1年かけて議論して、令和7年4月からの施行を目指したいと考えています。
記者:
厚生労働省も、2021年度から43歳未満を対象にするとの見解を示していると思いますが、支援団体からは年齢制限などの撤廃を求める声もあると思います。
今回、県が実施する施策でも、対象年齢を43歳未満に設けた理由は何ですか。
知事:
不妊治療は、40代が確率的に一つの分岐点になると医学的にも言われています。当然、43歳を超えても妊娠するケースはあると思いますが、医学的なエビデンスの中で、43歳が保険適用の上限になっているので、兵庫県としての制度もそこに準じて対応していこうと思っています。
今後の取組過程や医学が進歩する中で、それを超えて助成することが合理的になれば、柔軟に対応していくつもりです。
当事者の方と話をする中でもっと早く治療をスタートしておればよかったとの声もありましたので、その意味でもプレコンセプションケアや正しい知識の取得、仕事との両立を促進するこが大事だと考えています。
妊娠のための取組をして、最大1年ぐらい妊娠しないと不妊だと言われているので、その際に早く治療に移行すれば、43歳までに不妊治療を受けることに繋がると思っています。
記者:
今回の不妊治療施策は、モデルケースにもあるように人工授精に対して、1クールあたり3万円の補助となっています。
一般的に、人工授精は、平均で5~6万円かかると書いてありました。一方で、体外受精では、50~60万円と高額になると思いますが、体外受精に関しての支援は何かありますか。
担当課:
生殖補助医療である体外受精や顕微授精、男性不妊手術は、令和4年度から保険適用となっています。
保険適用の治療に追加して行う先進医療は、保険適用外であり、全額自己負担することになります。
保険適用と併用する場合は、自己負担が大きくなるため、先進医療に対して県は補助していきたいと考えています。
知事:
今回、検討会の中で、医療の専門家の皆さんと議論を積み重ねながら、まずは採卵・顕微授精から胚移植まで行うサイクルの中で、タイムラプス・SEET法を中心に支援していこうとなりました。
今後、議論等を進めながら、それ以外の必要性が出てくれば、議論を重ねて充実させていく考えです。
記者:
検討会の意見によっては他のやり方に対しても補助が適用される可能性もありますか。
知事:
その可能性もあります。
記者:
不妊治療に関して、東京都では、卵子凍結の助成などに殺到しているとの報道もありましたが、県では既に卵子凍結の助成について取り組んでいるのか、あるいは今回の施策のなかで卵子凍結への支援も考えていますか。
知事:
検討会でも議論になりました。卵子凍結助成は、専門家の先生からも東京都の事例も紹介されながら一つの選択肢として話がありましたが、検討会の中で議論が習熟してない段階です。
東京都で募集をかけたところ多くの方々が集まったので、キャリアを重ねる中でそのような思いをお持ちの方もいらっしゃると思います。
継続的な検討課題として、報告書の骨子にもありますが、卵子凍結助成は、令和7年度以降に向けて、議論を重ねながら、引き続き検討していきたいと思っています。
記者:
MOBAの主な活動として情報発信や、生態系創出等の取り組み活性化がありますが、何か具体的な創出手段は現時点であるのでしょうか。
例えば、直立護岸を緩やかな護岸に改修していくなどの構想はありますか。
知事:
これから議論になってくると考えています。
すでに大学や研究機関、民間団体の方が藻場再生創出の取り組みをされており、その方々と連携をし、具体的な取り組みを進めていく形になると思っています。
担当課:
具体的には、藻場が生えるようなプレートを直立護岸に設置するなど技術的な方法はあるので、そこは検討しながら進めていきたいと思います。
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