ここから本文です。
ようこそ知事室へ
【発表項目】
知事会見を動画で見る(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
知事:
精算補正と先日の県政改革本部会議で発表した分収造林事業と地域整備会計事業に関する基金運用の是正に伴う補正になります。
精算補正分は大きく減りますが、基金運用の是正分は増える見込みです。
歳出予算は、中小企業への貸付金の実績の減などにより、現計予算から1174億円の減となる見込みです。
歳入予算は、法人関係税を中心に堅調で9176億円となり、過去最高となる見込みです。
令和5年度末の財政基金残高は127億円になります。震災以来、約30年ぶりに100億円を超え、目標は達成できる見込みになりました。
分収造林事業と地域整備事業会計に関して、基金運用の是正を行います。実態に即した基金残高に整理し、是正前が5932億円だったものが、5166億円になります。
両事業のあり方については、来年度、検討していきます。
1点目は、横断歩道等安全対策プロジェクトです。
1月末現在で、交通事故の死者数が16人で、対前年比プラス7人となり全国ワーストになっています。交通事故のリスクが顕在化していると考えています。
交通事故の死傷者数は、令和3年度が1万9300人でしたが、令和5年度は1万8000人となっており、減少傾向です。ただ、横断歩道での事故は、令和3年度が645人でしたが、令和5年度は724人となり、急激に伸びています。
横断歩道を渡っている間の事故のリスクが高まってきており、県民の皆さんからも、家や学校の周りなど日常的に使う横断歩道が消えかかっているので、何とかしてほしいとの声を多く聞きます。
横断歩道の引き直しが、県民の皆さんの安全安心や命を守るためには不可欠だと確信し、横断歩道等安全対策プロジェクトに8億円を計上したいと考えています。
横断歩道以外にも、県管理道路のセンターラインの引き直しも行います。
横断歩道の状況は、A、B、C、Dとランクを付けており、Aが綺麗な箇所で、その段階から摩耗していき、CとDが擦れて見えなくなっているレベルです。
県内全体で約1万ヶ所あるCとDの箇所を、今回、徹底的に塗り直します。
横断歩道は県警の所管となっており、国道、県道、市道、町道問わず、来年度上半期に、摩耗率が高い箇所を重点的に塗り直していきたいと思っています。
データ上、横断歩道の摩耗度が高くなると、視認性が悪化しリスクが高まります。塗り直しにより視認性が向上することで、衝突事故などを低減できるデータが出ています。
神戸と阪神間が圧倒的に多く、住民の皆さんからも改善してほしいとの声が大きい状況です。
神戸市は全体の21%、2066本、阪神間は全体の35%、3486本をそれぞれ塗り直していきます。それ以外に多いのが、中播磨地域で1000本を超えています。
7ページを見てもらえると分かりますが、例えば、阪神南の今津交差点の横断歩道がほとんど消えかかって何も見えず、交通事故のリスクも高い箇所となっています。阪神北の宝塚市道もほとんど消えかかっています。この箇所は、小学校の近くで、生徒たちが普段から通学路として通ることから安全対策を行いたいと考えています。
特に消えかかっているCとDランクの箇所は、今年度補正予算で措置し、来年度上半期に約1万箇所全て塗り直したいと思っています。
交通事故のうち、横断歩道での事故が非常に増加しています。原因は視認性の低下なので、今回補正予算を8億円計上し、横断歩道の塗り直しをしていきます。
横断歩道の安全対策は、県民の皆さんから要望が多い事項ですが、予算が限られていた中で重点的に実施できていませんでしたが、子供や高齢者の命を守る施策として取り組んでいきます。
2点目は、少雪対策緊急プロジェクトです。
先日、ハチ高原を視察しましたが、非常に雪が少なく、昨年も同様の対策をしましたが、今年は昨年よりも悪い状況です。
スキー場は、旅館やホテル、飲食店や交通など、周辺地域の経済にとって非常重要な産業なので、スキー場への対応をしないといけないと考えています。
まずは短期的に物価高騰対策への支援として、7100万円の誘客支援等を実施します。
スキー場運営主体あたり、400万円または500万円の定額支援と観光協会へ1団体あたり100万円の支援をします。
冬場だけではなく、雪がない時期の自然体験や団体の合宿誘致も大事です。地球温暖化の影響で、雪が年々少なくなっていく可能性が高いため、現状を受け止めながら、企業経営の方向性を考える局面になってきています。当初予算でスポーツや文化合宿誘致への支援として1500万円を計上しています。
3点目が、能登半島地震ボランティア活動応援プロジェクトの拡充です。
大規模災害ボランティア活動応援プロジェクトは、5人以上で構成する団体・グループが被災地へボランティアで行く際に、交通費や宿泊費を支援しています。
今回の補正予算で、プロジェクトを拡充し、能登半島地震復旧応援枠を新設します。5人以上だけではなく、10人以上で構成する規模の大きい団体・グループに対して、借り上げバスや宿泊代について1団体あたり上限80万円の支援を行います。
交通費や宿泊費だけではなく、ボランティアには機材が必要なので、1団体あたり5万円を上限に機材のレンタル費用などを支援するため、2月補正で1200万円、当初予算と併せると、計2500万円を計上しました。
ただ、被災地の受け入れ状況が整っていない地域もあります。現状は金沢市を拠点にボランティアを受け入れて現地へ派遣しています。
兵庫県は、珠洲市がカウンターパート先なので、バスの受け入れなど可能になった段階で、新設した応援プロジェクトの募集を開始したいと考えています。
県内のボランティア団体の方も、被災地への支援をしたい思いが強い方も多数いるので、その方々が、現地へ行く際には県としても支援をしていきたいと考えています。
募集開始の具体的なタイミングは、被災地の受け入れ状況を踏まえて改めて発表します。当面は兵庫県のカウンターパート先である珠洲市の活動に特化していきたいと考えていますが、現地の状況やボランティア団体のニーズなどを踏まえて、柔軟な対応を検討していきます。
4点目が、「はばタンPay+」の拡充です。
現在、第3弾の募集をしていますが、申し込みから約2週間経っていますが、既に予算を上回っている状況で、第3弾の予算を確保するため、追加で14億6000万円を計上します。
現在、約190万口・約47万人分の枠に対して、約220万口・約55万9000人の申し込みがあります。
約4億円予算オーバーしており、約14億円を追加補正することで、今後40%ぐらい増加しても対応可能な予算を確保したいと思っています。
県民の皆さんのニーズは非常に高いと思っており、物価高騰の支援をしたいと考えています。
5点目が、新生児マススクリーニング検査です。
新生児のマススクリーンは、病気を早く発見し治療することで、発症や障害のリスクを軽減できます。
現在、20の疾患を対象にして、全額公費で実施しています。
今回、国も方針を示しましたが、脊髄性筋萎縮症と重症複合免疫不全症候群を、マススクリーニング検査の対象に加え、調査研究として一部の医療機関で実施したいと考えています。
既に脊髄性筋萎縮症には、ゾルゲンスマという薬や重症複合免疫不全症候群には酵素補充法という治療法が確立され、国も調査研究の対象拡充を検討しており、県としても、実証していきたいと考えています。
私からは以上です。
記者:
「はばタンPay+」が好調とのことですが、何か理由があるのでしょうか。
知事:
物価高騰です。食料品含めて、県民の皆さんの家計に与える影響が深刻な状況なのだと思います。
また、「はばタンPay+」がすごく広がっています。スーパーや地域の眼鏡屋やクリーニング屋などの小売店でも使えるお店が県内で広がっていることで、使い勝手が良いものになっています。
一般的な電子マネーでは、決済利用の手数料が店舗にかかりますが、「はばタンPay+」の場合は手数料がかからないため、導入がしやすく、非常に使い勝手の良い制度になっているのではと考えています。
記者:
第1弾、第2弾の頃は、スマホを使えない高齢者の方から不満の声があったと思うのですが、第3弾ではそのような声があるのでしょうか。
スマホを使えない人向けのサポート会なども実施していますが、相談窓口なども盛況な状況でしょうか。
知事:
私も何ヶ所か出張相談窓口に行きましたが、非常に盛況です。
特に高齢のご夫妻が一緒に申し込んだりする場面も結構あります。
ただ、一部の方は、やはりスマホを持ってない、使い方が分からない方もいると思います。
後で分析しないと分かりませんが、60代以上の世代の申し込みも増えてきているのではないかと思いますし、県内各地のイオンモールなどで説明会を実施しているので、より多くの方々が使っていただけるようにして行きたいと思っています。
記者:
横断歩道の引き直しの件でお伺いします。
これは、例年は決まった予算額で少しずつ実施している事業なのでしょうか。
知事:
県警が、毎年、3億円程度の予算で実施しています。
ABCDで区分をして、CとDを中心に塗り直しを実施していました。
記者:
例年、年間3億円で実施していた事業を、今回は短期的に5億円を追加するとのことでしょうか。
知事:
そうです。
通常の予算とは別枠で、5億円を緊急的に措置させていただくものです。
記者:
除雪体制確保に関する分析調査の実施は、どのようなタイムスケジュールで進められるのでしょうか。
また、具体的にどのような支援策が実施されることになると想定されるのか、現時点での考えをお聞かせください。
知事:
今年は、ですが、雪のすごい時期は、基本的に建設事業者の方々に除雪対応をしてもらっています。
除雪は、道路すれすれに除雪をしながら道路を傷つけないなど、テクニックがいる作業です。
そのオペレーターの方が高齢化しているため、これからかなり人材が不足してくるのではないかとの懸念があります。
そのような中で、少雪で雪がなく、オペレーターの方が働けない状況になり賃金が減る状況になっています。
兵庫県では、但馬地域を中心に大雪の場合は内陸も積雪するので、除雪の持続可能なあり方を検討する必要があります。
県が所有している機材を事業者に貸し出したりすることになっていますが、それで果たして十分なのか、オペレーターの高齢化に伴いどのように次世代に続けていけるのか、メンテナンスの維持管理費をどのようなにしていくのか、を体系的に議論しようと考えています。
具体的なスケジュールは、来年度1年間かけて、次の冬の時期までに何かしらの方策が出てくれば、予算で対応していく形になると考えています。
記者:
スキー場の関係でお伺いします。
暖冬の傾向は年々強まってきており、今後も雪不足が毎年続くことも考えられます。
県は、雪が少ないことへの対症療法的な支援を続けていくのか、或いはグリーンシーズンの活用などを振興していくような方向にするのか、今後の方向性をお聞かせください。
知事:
2年連続で雪が少ない状況が続いており、スキー場経営にはかなり致命的な打撃になっています。
対症療法として短期的に2年連続でやりますが、中長期的に考えると、気候変動の温暖化傾向は続く可能性があり、県としては、できれば来年度、検討の場を作ろうかと考えています。
具体的には、スキー場経営者や観光関係者とともに、短期的、中長期的なスキー場のあり方をもう一度議論しようと思っています。
ポイントは二つあり、まずは今の冬のシーズンで雪があることが前提ですが、団体客と個人客とインバウンドがすごく大事です。
インバウンドは、これから兵庫県は伸びていく可能性がまだまだあります。一方で、平日の稼働状況をしっかり埋めていくためには団体客の誘客が大事だったのですが、小学校も、例えば、神戸市もスキー場に行くことを見直しています。
昔は、秋ごろに自然学校があり、そこできっかけを作り、5年生や6年生になってから団体でスキーに行く行事がありましたが、団体客、特に小学生、中学生の団体が少なくなっています。それをどのように掘り起こしていくか。例えば、大学生のサークルや企業も含めてどうするか。
それを補うために、個人のお客さんをどのように増やすか、しっかり誘客対策を議論しなければならないと考えています。
もう一点が、スキーシーズン以外の夏場にどう集客をしていくか。雪が少ない時期が増えてきているので、オフシーズンが年間の中で伸びていくかもしれません。
オフシーズンに、いかにスポーツや合宿などを誘致できるかがポイントになると思います。
来年度に、体系的に整理をして持続可能な兵庫のスキー場のあり方を議論していきたいと考えています。
お問い合わせ