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【発表項目】
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1番目は「台風第10号について」です。
台風10号の現状ですが、神戸地方気象台の説明によると8月27日、本日14時現在、奄美市の東約110キロにあり、中心気圧が950ヘクトパスカル、中心付近の最大風速が45メートル、最大瞬間風速は60メートル、ゆっくりとした速さで進んでいます。
兵庫県には、30日から31日にかけて接近する見込みです。大雨による土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫、暴風、高潮に厳重な注意が必要です。
県民の皆様には、気象台や自治体からの情報を継続的にご確認いただくとともに、ハザードマップなどで危険な箇所、避難場所・経路を改めてご確認するなど、事前の備えをしていただきたいと思います。
台風が近づくと、強風にあおられる、飛来物によりけがをする恐れもあります。不要不急の外出を控えるとともに、増水した河川、用水路、海岸など危険な箇所には近づかないようにぜひお願いします。
今回の台風はスピードも遅く、進路予想にも大きく幅があることから、今後も経路や接近時間が変わる可能性もあります。テレビ、ラジオなどの気象情報、そして、市や町が発令する避難情報などにも十分に注意をしてください。
今後、台風の接近にあわせて、ひょうご防災ネット、Yahoo防災などにより、順次呼びかけを発信していきますので、県民の皆さんには安全確保第一に早め早めのご準備をお願いします。
メッセージとしてここに掲げさせていただいております。
30日から31日に接近する見込みです。今後、県民の皆様には、気象台、自治体からの情報を確認していただくとともに、危険箇所や避難場所などの確認、不要不急の外出を控えるなど、危険な場所には絶対に近づかないように、ぜひ事前の備えをしていただきたいと思っていますのでよろしくお願いします。
2番目は「景観遺産の登録【第3弾】~北但大震災からの復興を今に伝える「豊岡震災復興遺産」~」です。
この度、兵庫県景観条例に基づき、景観遺産登録の第3弾として、来年で100年を迎える北但大震災、この震災は、1925年、大正14年に発災しましたが、その復興を今に伝える豊岡震災復興遺産を登録したいと考えています。
県では、全国に先駆けて昭和60年に景観条例を制定し、歴史的な街並みや建築物などを指定して、その維持保全や活用に向けた取り組みを行ってきました。
令和3年度に創設した景観遺産の登録制度では、地域特有の景観や日常に隠れた何気ない景観の魅力について、景観遺産として登録し、ふるさと意識の啓発や地域の活性化に繋がるよう、情報発信に取り組んでいます。
これまで第1弾として、西脇市などの織物産業を象徴するノコギリ屋根。
第2弾として、香美町の和牛の聖地、純血種但馬牛のルーツを登録してきました。
登録後、西脇市の播州織の工房館はフィールドパビリオンの認定プログラムにも活用されています。
それ以外にも、香美町の旧熱田集落は和牛の聖地として地元ツアーでもガイドされているなど、地域の魅力発信に一役を買っています。
今回、登録する豊岡震災復興遺産は、旧豊岡町役場庁舎など、北但大震災からの復興期に、建築された鉄筋コンクリート造及び防火木造建築物8件になります。
北但大震災は1925年に発災しました。
実は2年前の大正12年、1923年に関東大震災が発災しました。
その時に、防火性能を高める鉄筋コンクリート造などへの建て替えが推奨されたことで、当時の兵庫県庁が補助や支援などをしながら、約50件で活用されたと報告いただいています。
これが、今、30件程度残っています。
まさに創造的復興ということで、将来を見据えた火災などに強い、創造的復興の震災前の状態に回復するだけではないという復興のあり方が、この北但大震災の際に、取り組まれたことを垣間見ることができると考えています。
建物のいくつか今回登録されていただくものには、ひょうごフィールドパビリオンの認定プログラムである北但大震災からの100年をめぐる復興まち歩きにおいても、紹介されていますので、誘客イベントも連携しながら情報発信を行っていきたいと考えています。
9月1日に開催予定の兵庫県但馬地域合同防災訓練において、養父市のメイン会場に、北但大震災復興まちづくり関連のブースを出展し、PRしていきたいと考えています。
3番目は「阪神・淡路大震災30年事業」です。
1つ目は、「ロゴマーク・キャッチフレーズの決定」です。
震災から来年で30年になります。
現在、阪神・淡路大震災30年事業を進めていますが、その機運を醸成し、行政だけではなく、企業や各団体とも連携して、効果的に展開していくため、この度、ロゴマークとキャッチフレーズを募集しました。
その結果、ロゴマークは41件、キャッチフレーズは30件の応募がございました。
応募いただいた皆さんに御礼を申し上げたいと思っています。
先日、審査会を開催し、ロゴマークとキャッチフレーズそれぞれ最優秀賞が1作品、入賞が2作品を決定させていただきました。
それを本日発表させていただきます。
ロゴマークの最優秀作品は、大阪府にお住まいの永田様が、応募いただいたものです。
人と人が手を携え、「絆の輪」をイメージしていただいたということで、震災30年とそのコンセプトである「繋ぐ」が想起されます。
視認性がよいなどの理由で最も高く評価されたのがこのロゴマークです。
キャッチフレーズの最優秀作品は、南あわじ市の吉田様が、応募いただいた、「うすれない記憶はない。つなぐべき決意がある」が選ばれました。
震災の記憶は30年を経過すると急速に風化すると言われています。
呼び掛けやメッセージのみならず、聞いた誰もが自ら考えさせられるフレーズであることが高く評価されたということです。
今後、選ばれた作品については事業イベントのチラシやポスターなどを広く活用していきたい。
入選作品は、阿部様から応募いただいたロゴマークとキャッチフレーズ。
まつむら様から応募いただいたロゴマーク。
ma様から応募いただいたキャッチフレーズもご紹介をさせていただきます。
公募で決定したロゴマーク及びキャッチフレーズは、特に震災を経験していない世代に対し、過去に自分たちの身近な場所で起きた震災が現在そして未来へ繋がっていることを自分事としてご認識をいただいて、防災について改めて考えるきっかけになることを期待しています。
ぜひ、県のみならず市や町、経済界、各団体に広く活用いただきたいと考えています。
2つ目は、「「巨大地震・津波に備える」シンポジウムの開催」です。
震災関係でシンポジウムを開催いたします。10月14日に淡路で開催いたします。巨大地震津波に備えるシンポジウムです。
南海トラフの注意が発令されましたが、確率が70%から80%と言われています。
巨大地震や津波に備えることは喫緊の課題だと考えています。
この度、阪神・淡路大震災から30年という節目を迎えますので、防災インフラ施設の整備効果など、事前防災の重要性や周知、そうした防災意識の向上を図ることを目的にシンポジウムを開催します。
開催日時は、10月14日の午後、淡路夢舞台のメインホールで開催し、定員は200名です。
無料ですが、事前申し込みが必要になりますので、オンラインで積極的な申し込みをお願いしたいと考えています。
プログラムは基調講演として京都大学の森信人先生からの講演、県立舞子高校の環境防災科の生徒による防災学習の発表を行います。
森先生のコーディネートにより、これからの地震津波対策をテーマにパネルディスカッションを行います。
パネリストは、県立大学の阪本先生、気仙沼市長の菅原市長などです。
会場での参加を希望する場合は、本日から9月末までの間に、Webで申し込んでいただきたいと考えています。
オンライン視聴の場合は、事前申し込み不要でURLは県のホームページでご案内しますので、より多くの方にご参加いただきたいと思います。
南海トラフ地震臨時情報の注意の呼びかけは終了しましたが、これから南海トラフの地震が起こる確率は一定あり、発生の恐れがなくなったわけではないということです。
今回のシンポジウムが津波、大きな地震について考えるきっかけにしていただきたいと考えています。
それともう1点、現在、県内でも米が品薄になっていることが、県民の皆さんの中でも話題、そして困っている方が多いと思います。
品薄になっている原因は様々ありますが、昨年の猛暑による令和5年産米の品質の低下、それからインバウンドによる消費増などが原因とされています。
8月は5年産米と6年産米の間にあること、南海トラフ地震臨時情報の注意の影響もあり、現在、小売店では在庫切れの店舗もあると伺っています。
本日、国からも、見解として示されましたとおり、間もなく6年産米の新米が、出荷されつつあり、すでに九州や四国等では6年産の新米の出荷が始まり、店頭へも回りつつあるということですので、9月頃には落ち着いてくるのではないかというのが、県流通戦略課の見解です。
県民の皆さんの呼びかけとしては、本日、6年産の新米の出荷が始まれば、状況が改善する見込みであることが、農林水産大臣からも発表がありましたので、ぜひ、米の不要な買いだめなどをせずに、冷静な購買行動をお願いしたいと考えています。
間もなく6年産米の新米の出荷ですので、もう少しすれば流通環境も改善する見通しです。
行動について冷静に対応いただきたいと考えています。
私からは以上です。
共同通信:
台風10号の接近についてお伺いします。
県として、災害対策本部やそういった体制をとる目安、あと深夜や早朝の被害に備えて当直体制を強化するといった備えがあれば教えてください。
知事:
すでに気象台と連携して、先週23日から、県庁内含めて対応を連携しているというところです。昨日の政策会議においても、台風10号に備えていくことを各部局長とも連携確認しました。
進路にもよりますが、28日水曜日には早ければ警戒体制を強化していくということで、防災監をトップとした対策会議を開催する予定になっています。
この会議で、神戸気象台からの状況を確認して今後の対策をやっていくものです。
速度が遅くなったりしていますので、もしかしたらずれ込んでいくという可能性があります。その場合には、対策連絡会議の開催もずれ込んでいくということになります。
今後、台風が接近するに伴い、大雨・洪水・高潮などの警報が発表されて被害が想定される場合には、災害警戒本部を開催することになります。これ防災監がトップという形になります。
その際、県民局県民センターは災害警戒地方本部を設置するということになります。その後、大きな被害発生の可能性が高い場合には、知事をトップとする災害対策本部を開催し対応に当たっていくことを考えています。
共同通信:
30日には百条委員会も予定されていますが、知事側として、その事務局に、こういう場合はこのように対応してほしいなど要請していることはありますか。
知事:
我々からは特にないですが、当然、防災部局から議会にも情報提供は随時していると思いますので、その辺は議会事務局で委員の方と連携しながら対応、判断していくことになると思っています。
NHK:
阪神・淡路大震災30年事業のロゴマーク・キャッチフレーズの経緯について伺います。
先ほど発表がありましたとおり、ロゴマークとキャッチフレーズがありますが、やはり「つなぐ」ということが一つのテーマと感じました。
知事もおっしゃいましたが、これからこのロゴやメッセージなど様々な広報誌とかにも使われるということです。
知事としては、このロゴを見て県民の方はじめ、どういったことを感じてもらいたいかをお聞かせください。
知事:
今回、本当に30年という節目が、来年の阪神・淡路大震災からということになりますが、その時に、我々としては、今おっしゃっていただいたとおり、キャッチフレーズにもありますが、30年経つと震災の経験と教訓が急速に風化していくということになります。
その意味で、震災を経験していない子供たち含めた次の世代に、阪神・淡路大震災の経験と教訓をつないでいくことが大事だと思います。
そういった意味で今回のロゴマークが、非常に「30」ということが分かりやすいということと、「0」の中が人と人が手をつなぎ合っているというイメージですので、これが震災の経験を「つなぐ」、そして人と人とが災害時含めてコミュニティーとしてつながり合っていく、助け合っていくことを、考えるきっかけになる。
いろいろな機会でこのロゴマークを使っていただいて、そして、県民の皆さんに発信をしていきたいと考えています。
読売新聞:
昨日、日本維新の会の馬場代表が、30日の百条委員会での斎藤知事の証人尋問を踏まえて、今後の維新の会としての対応を協議すると明言されましたが、その受け止めと、今後、斎藤知事がどのような思いで30日に向けて証言されるのか、改めてお伺いします。
知事:
馬場代表のご発言については、報道等を通じて、詳細は確認していないですが、維新の会馬場代表含めて、皆様にはこれまで多くのお力添えやご支援をいただいたことを改めて感謝申し上げたいと思います。
30日の百条委員会に私は出席を予定していますが、そこでは対応をしっかりやっていくということです。
どういった質問がされるのかということは、その場で出てくると思いますが、そこに対して自分なりに私の考えであったり、状況などそういったものをできるだけしっかりとお伝えしていくように、心がけていきたいと考えています。
読売新聞:
告発文を作成した元県民局長が4月4日に県の公益通報制度を利用した後、人事課からは、知事に「公益通報の調査結果を待つべきでは」という助言があったということで、知事も一度了承されたと、証言が出ましたが、それについては記憶に残っていますか。
知事:
その点については、きちっとした状況の確認、それから、当時のことなど、これは懲戒処分等にかかる詳細な内容や過程の話になりますので、前回の百条委員会などでどういった証言があったかということを私自身は、参加はしていないので、詳細は分かりませんが、前回の記者会見でもお伝えしましたとおり、懲戒処分に関するやりとりについては、情報公開条例第6条に基づく、基本的には非公開の情報でもあるので、この場でその詳細をお答えするということは控えた方がいいと思っています。
私は百条委員会の場で、聞かれたことに対して、しっかり答えていきたい。
自分としての認識であったり、私としての当時の対応はどうだったかということは聞かれれば、そこでお答えすることが適切だと考えています。
読売新聞:
知事の中では、今、出た話は頭の中で整理できていると。
ただ、百条委員会の場をもって証言されるということでこの場で話せないという認識でしょうか。
知事:
整理ができているというよりも、基本的には、今回の懲戒処分に関する調査内容や手続きについては、全体として適切に行われたという認識でいることは今も変わりはありません。
その中でどういったやりとりをしたか、そういったことについては、しっかり自分なりに確認を改めてして、百条委員会の場で説明させていただくということが大事だと考えています。
読売新聞:
状況として、当時は了承されていた中で、文書で指摘のあった企業からコーヒーメーカーを受け取っている事実が発覚した4月中旬頃に、知事が「公益通報の調査結果を待たずに処分できないかという相談をするべき」という発言をされた。
なぜそのような発言をされたのか、早期の懲戒処分検討を指示する意味はあったのかというところが県民も含めて、気になる部分になっていると思うので、そういったことはしっかりとこの記者会見で話せないということであれば、百条委員会で証言されるという認識でよろしいでしょうか。
知事:
実際、前回の百条委員会は秘密会だったので、終わった後に奥谷委員長等がこういった発言があったということをある意味、一部言われたということはありますが、実際どのような発言があったかということは私たちももちろん知らないということです。
そういったことが分からない中で、今、この場で何かをお伝えするということが、適切なのかというところもあると思います。
百条委員会で、委員の方がお答えいただいた中で、しっかりと自分としての認識、自分としての当時のどういうことだったかということを答えさせていただくということが、地方自治法百条に基づく根拠のある場での答弁になりますので、そちらで、まずはさせていただくということを考えています。
読売新聞:
先日、職員アンケートで、知事のパワハラ疑惑について約4割が見聞きしたと回答したことの受け止めとして、多くの職員さんが該当している事実に接して、「残念な思い」と発言されましたが、「残念な思い」というのは何に対してのものでしょうか。
知事:
前回の中間報告が公表された時に、6700名の回答、その時点で4500名の取りまとめがあったということです。
特に中間報告のうち、人づてに聞いたなどのハラスメントの件が約4割になっているということです。
私としては県政をより良くするために、様々な必要とされる指導や、こうして欲しいとか、このように対応して欲しいということを、自分なりにお伝えしたということですが、私自身のコミュニケーション不足とか、そういったところで、職員の皆さんとの受け取りのずれが生じていたり、県庁内で知事の発言とか知事の行動というものが、私が思っている以上にすごく組織として、庁内に伝わっていくということが、この問題が発生する以前からの状況だったと思います。
そこでいろいろな伝聞も含めて広がった中で、受け取りのずれが生じて、そこで県職員の皆さんに、そういったことがあったと受け取られているということで、不快な思いや、ご負担をおかけしたということは、私としてはそういった思いを抱かせてしまっているということは大変私自身は残念だということですが、一定自分としてもコミュニケーション不足とか、知事の行動や発言というものが、自分が思っている以上にやはり伝わるということを、もっと認識しておくべきだったことも、反省すべき点もあると思いますので、そこはしっかり受け止めて、これからの対応につなげていきたいという思いで言いました。
読売新聞:
コミュニケーション不足があり、認識のずれがあったことが残念だったということですか。
知事:
そういうこともあって、結果的に知事がこう言っていたらしいとか、そういったことがすごく伝わっていって、私がそういった意味で、結果的に4割の皆様にそういったことを聞いたとかになってしまっているということが、私の力不足というところもありますが、そこも含めて残念な思いだということです。
読売新聞:
知事はパワハラに関して7月4日の記者会見で、厚労省の事業者向けのオンライン研修を受けたと言われていました。
知事が受けた研修は組織でパワハラが起きたらどうするのかに焦点を当てた事業者向けの研修だったと思うのですが、その後、ご自身の部下である職員に接するにあたって、ご自身の行動について客観的に考えるためのパワハラ研修を受けたりしたのでしょうか。
知事:
今、手元にないですが、厚労省の2つの研修動画を見させていただきました。
事業者向けと弁護士のやっている2つの動画見させていただきまして、ここで事業主として対応するという責務と、あとは個別の事案のどういう判断でやっていくのかというこの2つだったと認識しています。
見させていただいて、その後、私自身は特に研修を受けたということはしていませんが、今後、研修の機会を、知事としては、受けることになっていなかった面もありますので、そういった機会を設けていくということは、ぜひするべきだと考えています。
読売新聞:
先日の百条委員会で出た証言の中で付箋を投げられたとか舌打ちして聞いていないと言われたという証言が出ましたが、知事が受けた研修と照らしたときにこれまでのご自身の行動はパワハラというものに該当しない認識でしょうか。
知事:
先日の百条委員会でどのような証言が出たかというのは承知していないという状況です。
アンケートの内容も含めて、これから文書問題調査特別委員会での調査が私も30日されますので、調査に対してしっかり回答していくことになるかと思っています。
読売新聞:
県民や議会、県内首長も含めて、知事には道義的責任があるという声が出ている状況です。
知事は一連の文書問題を受けて、ご自身の道義的責任はあると考えられていますか。
知事:
道義的責任というものがどういうものかというところはいろいろあると思います。
私はこの間、懲戒処分にかかる対応含めていろいろな面で適切に対応させていただいたという面はありますし、この3年間コミュニケーション不足とか、いろいろ厳しい指摘をさせていただいた中で、今回のアンケート結果でも、4割の回答が出ているということもありますが、この3年間私なりに業務をしっかりさせていただいたという思いがあります。
今は、状況としてこの文書問題で、百条委員会が開かれたりとか、第三者機関がこれから開かれるという状況にはなっているということは受け止めつつも、私としてはこれまで対応を一つ一つやってきたという思いがあります。
そこは道義的責任というものが、どういうものかというのもありますが、私としてはしっかりこれまで対応してきましたので、これからもいろいろな指摘があるということは受け止めますが、私としてはこれから職務をしっかりやっていくことで責任を果たしていきたいという思いです。
読売新聞:
知事が考えられる道義的責任というのはどういうものでしょうか。
例えば、法律に絡むものとか、法律に抵触するものが、道義的責任と言えるとか様々な考え方があると思います。
県政を停滞させたことが責任だと、知事はどこの部分で道義的責任を取られますか。
知事:
法的な責任というのは、法律に違反したりとかそこが認定されたりとか明確だというときに法律的な責任ですが、道義的責任というのは、人それぞれ何を指すかというのが、幅があるところなので、それはあらゆる状況が招いたことを道義的責任という場合もあれば、そこは私としては何が道義的責任かという、定義を言うことはなかなか難しいと思います。
読売新聞:
議会や県内首長から出ている声として、道義的責任は3月27日の会見で人事課も想定してなかった「嘘八百、公務員失格」と公の場で発言されたこと、これが問題を大きくされた、ここに斎藤知事の大きな問題があると。
この会見のすぐ後に元県民局長が反論文書をメディアに提出して、新たにいろいろな疑惑が出てきて、そして結果的には職員が亡くなるという事態まで発展したのではないかと。
この一連の責任を受けて道義的責任が知事にはあるのではないかという議論が出ている中で、知事は道義的責任ではないと捉えられている認識でよいでしょうか。
知事:
そこの答え方とご指摘がそれは道義的責任の定義は、何かというのは。
読売新聞:
今、質問させてもらったことに対して、これは道義的責任かどうか。
ここは出ている流れの事実として、どう思われているのかということだけ伺えたらと思います。
知事:
結果として現在、百条委員会や第三者機関によって、多くの県民の皆さんに心配いただいたりとか、県職員の皆さんが百条委員会へのご対応、それから、不安な気持ちをお持ちになっていることには大変申し訳ないと思っています。
何をもって道義的責任かということは、私としてはなかなか答えにくいということです。
私としては、これまで文書問題に関して、適切なプロセスそれから内容を含めて対応してきたと考えていますので、様々なご指摘が現状を踏まえてあるということは分かりますが、道義的責任が何かというところは、それぞれのお立場から言うものですから、道義的責任があるのかどうかというのは、なかなか答えづらいというところです。
こういった状況を招いていることで、県民の皆さんなどに不安な思い、それを与えてしまっていることなどについては申し訳ないという思いはもちろんあります。
読売新聞:
責任を取るか取らないかというのは様々な政治的判断になると思いますが、知事の責任の取り方としては、変わらず県政を前に進めるというお考えということですか。
知事:
百条委員会と第三者機関の対応をしっかりさせていただくということです。
私自身も先ほど職員のアンケート結果で、いろいろなご指摘があったということです。
私も完璧な人間ではないので、いろいろミスとか、そういったものはこれまでも仕事上でもしてきていると思います。
今回も、やはりコミュニケーション不足とか自分が思っている以上に知事の言葉とかが伝わっていくということもそこは自分なりにもう少し顧みて対応すべきだったということもありますし、職員の皆さんへの感謝であったり、そういったものを言葉でお伝えするということが不足していた面もあったと思います。
そういったところは、私も完璧な人間ではないので、今回の件を踏まえて反省して自分なりに、新しい自分として日々、今は日々の業務をやらせていただいています。
それを続けながら、県政を前に進めさせていただきたいという思いに変わりはないです。
読売新聞:
いろいろな疑惑が出ている中で、改めてその民意を問うために辞職されて、出直し選挙するお考えはないですか。
県民がどう考えているかという認識のずれも職員さんにもあると思います。
そこを改めて知事として、県民に問うことをされることはないのでしょうか。
知事:
私としては先ほど申し上げたとおり、改めるべきところは自分がやはり至らないところも多々ありますので、そこを反省して改めながら、これからも仕事をしっかりやっていくという気持ちに変わりありません。
毎日新聞:
道義的責任はそれぞれ捉え方が異なる、それぞれの視点からということでしたが、記者会見の場で、一度、知事から亡くなった元県民生活部総務課長の方に対して、感謝の思いですとか、弔意をお示しになられました。
それは人事課を通してということでしたが、そのことについて、今回の問題を振り返って、どのように責任を知事ご自身は感じていますか。
知事:
元県民生活部総務課長が亡くなられたということで、大変心からお悔やみを申し上げたいと思います。
パレードの対応に対して、心から御礼申し上げたいと思いますし、ご尽力いただいたことにも感謝申し上げたいと思います。
心から哀悼の意とこれまでの県政のご尽力に感謝を申し上げたいと思っています。
毎日新聞:
ご家族のご意向もあると思いますが、親族などに直接お伝えになられる方法はいくつかあると思います。
ご予定として今お考えはありますか。
知事:
これまでと同じことになってしまいますが、相手のご家族があることですので、まずは相手のご意向だと思います。
今の時点では、私から人事課などを通じて、気持ちとお言葉を伝えさせていただくということです。
今後をどうするかというのは、あくまでやはり相手があるところですので、今後のことだと思います。
私としてはまずは人事課などを通じて、お伝えをさせていただいたというところです。
毎日新聞:
この点については、文書の中でも触れられています。
それについて知事の責任、どのように考えていますか。
知事:
亡くなられたことは本当に心からお悔やみ申し上げたいと思います。
これまでの県政にパレードも含めてご尽力いただいたことは本当に感謝申し上げます。
それを心からお伝えしたいと思っています。
毎日新聞:
使用者として責任をとることは考えていますか。
知事:
私としては、亡くなられたことに対するお悔やみと感謝の気持ちをお伝えするということです。
より県の職場が皆さんにとって働きやすいそして風通しの良い職場づくりをやっていくことが、私の責任の取っていき方だと考えています。
毎日新聞:
懲戒処分にかかる過程は、記者会見でも何度か質問が出ていますが、5月2日の綱紀委員会経て、知事が直接判断をされた。
公益通報に基づいて、まだ待つべきだということと、告発された本人である知事あるいは総務部長が判断をすることは避けるべきじゃないか、別の方が判断し決裁するべきじゃないかというご意見があった。ということですけれども、5月2日に人事課の起案どおり知事は決裁をされています。
そのことについてはどのように説明をされますか。
知事:
懲戒処分については、内容、手続き含めて、適正だったと考えています。
今回の懲戒処分に関する対応で、私は決裁権者として最終的に決裁、決定しましたが、その間、人事課が、調査、内容、手続きについて、県の懲戒処分指針であったり、人事考課の規程等に基づいて、またはこれまでのやり方に基づいて適切にやってきたというものです。
私としては、報告を受けて、適切に行われたという中で、決裁判断させていただいたと考えています。
毎日新聞:
5月2日に知事が決裁をされたということは、これからも百条委員会でも問われると思います。
その過程において、公益通報を考慮すべきだ、公益通報の内容については対象外にすべきだという、具体的なご意見があったにもかかわらず、それを事実上、蹴ってしまうような判断で決裁されているということについてこれから百条委員会で問われていくと思います。
百条委員会に臨むにあたって、知事はどのようにご説明をされますか。
知事:
懲戒処分含めた人事の対応というのは、その場で何かを考えて決めていくというのではなくて、しっかりとした厳しい懲戒処分の指針であったり、人事考課の規程に基づいて対応していくものです。
今回も、それに沿って、人事課が関係者と連携しながら対応してきたということです。
それが綱紀委員会も経て、委員会も通ってそして私の方に報告が来たということで、私としては適切に行われたという報告を受けましたので、そこで決裁権者として、今回の懲戒処分を決裁、そして決定したということですので、この一連の流れというものは適切だったと思います。
昨日もお答えしましたとおり、懲戒処分というものは、ご本人が不服であれば、人事委員会への不服申し立てもできます。
さらには裁判になるということもあります。
県としては、そういった場合にもしっかり耐えられるように、内容を精査確認していくということが大原則になっています。
今回、人事課が、懲戒処分指針や規程に基づいて、手続きも含めて一つ一つをやってきたということですので、その結果を受けて私としてもそれを適切だと判断して、決裁をして対応したということになっていますので、全体としては問題がなかったと考えています。
関西テレビ:
文書について、先日も噂話を集めて作成したものというところは、真実相当性がないことを示すために必要最低限の説明をしたと知事も説明されました。
今日の冒頭でも、調査結果を待つべきという進言が百条委員会の証人尋問で出たことに対して、知事がどう対応されたか、知事が処分ありきで進めたかという事実についても、公益通報に関しては必要最小限の説明に当たるのではないかと思いますが、その辺はどう思われますか。
知事:
そのやりとりは、調査の詳細な内容の過程になりますので、ここは情報公開条例第6条に基づいても、全体としては非公開の情報だということですので、前回の百条委員会で、私は内容とか、誰がとか、承知していませんが、その場で一定の証言があったということですので、私についても、30日以降の百条委員会の場で、もしそれが聞かれれば、その場で適切に答えていくということが対応としてはいいと考えています。
関西テレビ:
調査結果を待つべきという進言があったことについては、百条委員会の委員長含めて、百条委員会として正式に会見されて公表されている内容だと思いますが、それについて答えられない理由を教えてください。
知事:
あくまで委員長などがその場で述べたということですが、やはり秘密会になっている中で、私自身はどういう詳細が全体としてあったかが分からないので、その中で私がお答えすること、それが百条委員会のところで、今回の懲戒処分に関するやりとりなどについて問われた場合は、もちろん百条委員会が地方自治法第百条に基づく場ですので、法的な根拠などがありますが、この場でお答えさせていただくことは、どういった証言の内容があったかも私自身は、詳細は知らない中で、かつ、情報公開条例第6条との関係を考えても、この場で私が今お答えさせていただくことは適切じゃないと考えています。
関西テレビ:
その内容については、この場で知事がそういった進言について記憶があるか、心当たりがあるかどうかについて、お話いただいても大丈夫かと思いますが。
証言がなかったとしても、関係者への取材で我々がそういう話を分かっていて、それに対して知事が実際そういう対応されたかどうかをこの場で教えていただければいいと思っているのですが。
知事:
ここは繰り返しになって大変申し訳ないのですが、調査の過程などについては、どういったやりとりかも含めて、私がどのように対応したかを含めて、ここは情報公開条例第6条に基づく非公開ですので、公表はこの場でするよりも、百条委員会で私としてお答えさせていただくことがよいと思います。
関西テレビ:
告発者の処分ありきでの調査の指示はあったという一方で、告発文の真偽についての調査は指示をされなかったという情報もあるのですが、その辺、知事は心当たりあるでしょうか。
知事:
今回の懲戒処分に関しては、これは繰り返しになって申し訳ないですが、調査内容や手続きについては適切に行われたという報告を私は受けて、そして決裁権者として最終的に決定したということですので、そこが私の今の見解になります。
詳細なやりとりやどういったことを報告受けたかは、これも繰り返しになって本当に申し訳ないのですが、先ほど申し上げた理由によって、ここでお答えするのは差し控えて、百条委員会で調査がされれば、対応していきたいと思っています。
関西テレビ:
おっしゃることは分かりますが、情報公開条例第6条では公にすることで適切な遂行に支障を及ぼす恐れがある場合は非公開とするということがあると思いますが、今回の場合、公開することで何が支障になるのかが分からないので、教えていただけますか。
知事:
情報公開条例第6条で、非公開情報というものが規定されており、そこの6号の「エ」のところに、人事管理にかかる事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼす恐れと書いていますので、そこから基本的には懲戒処分などに関する手続きのやりとりなどの詳細な内容については、基本的には非公開としているというのがこれまでの対応ですので、そこはご理解いただきたいと思います。
関西テレビ:
先日の噂話を集めて作成したという一部の部分だけが公開されていることで、逆に詳細なやりとりがないと明らかにならないことが、逆に支障になるのではないかと思いますが、その辺はどうお考えでしょうか。
知事:
そこの支障が、どの支障を及ぼすかは、あくまで私が8月7日の会見で、一人で噂話を集めて当該文書を作成、配布したということを言わしていただいたのは、これも繰り返しになりますが、信ずるに足る相当の理由、これは公益通報としての保護要件ですが、ここは存在しないということを説明するために、必要最小限の部分として説明しました。
関西テレビ:
今回の情報公開条例第6条の支障の部分と、公益通報に関する部分とが関連するからということでしょうか。
知事:
作成された文書が、配布時点で、信ずるに足る相当の理由が存在するかどうかというところが、公益通報として保護されるかどうかの重要なことでしたので、その要件を満たすか満たさないかが、いわゆる噂話を集めたものかどうかというところだったので、そこは必要最小限の部分として、基本的には非公開ですが、記者の皆さんから公益通報の保護と懲戒処分の関係をすごくご質問されたこともありましたので、そこをまずはご説明させていただくことが一つの大事なポイントでもあったので、特別弁護士と協議をして説明させていただいたということです。
あとは詳細なやりとりというものはやはり、前回は特別な事情を鑑みて、私としても弁護士と協議しながら決定しましたが、基本的には非公開ですので、詳細なやりとり含めて、会見の場で説明させていただくというよりも百条委員会という、地方自治法第百条に基づく場で対応することがいいと思います。
関西テレビ:
特別な事情であれば公開できるということですが、今回その一部の噂話というところだけ公開されて、どういうやりとりがあったかというところを公開しないのは特別な事情に当たらないという理解でよろしかったでしょうか。
知事:
詳細なやりとりを公表するということは、情報公開条例第6条に基づいて、ここは非公開の情報なので、公表できないということです。
関西テレビ:
先ほど読売新聞の質問で出直し選挙をされないことを改めておっしゃいましたが、その選択肢を選ばない理由があまり分からなかったので、教えてください。
知事:
先ほど申し上げたとおり、今回の文書問題について、百条委員会、それから、これから第三者機関が開催されますので、そこに私としては、きちっと対応していくということ。
それから、先ほども申し上げたとおり、いろいろな、震災30年といった、いろいろな県政をこれから進めていくことが私の責任だと思っていますので、日々の業務、一つ一つの業務をしっかりやっていくことが私の責任の果たし方だという考えで、これまで通りいますので、それをこれからも続けていきたいということが理由です。
関西テレビ:
一連の疑惑よりも、こういった、震災であったり、その辺りに対応していく方が大事だと知事はお考えということでしょうか。
知事:
どちらも大事です。
甲乙つけることはできませんが、先ほど申し上げたとおり、百条委員会や第三者機関の対応をすることも大事ですし、日々の震災、それから、来年の万博に向けた業務をしっかりとやっていくことも大事な業務ですので、両方大事だと思っています。
朝日新聞:
懲戒処分の件に関してお伺いします。
先日から処分の中身のことを聞いているわけではなく、人事考課の規程に基づいて適切にやってきた、そこはよく理解できますが、決裁権者として、最終的にいつ、どのタイミングで処分を打つかというのは知事にしか決められなかった。
それで、今、新たに証言として出ているのは、部下の皆さんから、これはもう少し待った方がいいのではないかというような話が新たに出てきているわけですが、そもそも公益通報の結果を待ってから処分した方が良かったのではないですか、何で早くやったのですかという先日の私の質問に、前回も真正面からお答えいただけていなかったので、改めてもう一度説明してください。
知事:
まず、繰り返しになってすれ違うかもで申し訳ないですが、今回の懲戒処分に関する調査内容や手続きは、基本的には私は適正に行われたという報告の中で決裁をしたということですので、最終決裁権者としても、今回の懲戒処分に関する内容や手続きというのは適切だったと考えています。
朝日新聞:
知事がおっしゃる問題ないというのは、先ほどの議論を聞いてすごくよく分かりました。
法的に問題がないか、よく確認をされて、今回であれば弁護士や人事課にも確認をされて、問題ないから問題ではないというところをおっしゃっていると思いますが、みんなが聞いている認識とは少し違うと思います。
まず、最初に法的に公益通報に当たるかどうかを、3月下旬はそういうことを考えずに調査を進めていたというところで、土台の部分、前提が違っているということと、政治的に、これは待ったほうがいいんじゃないかという判断もあり得たのではないかというところ、その二点を聞いているのだと思いますが、そこは政治的な判断として待つことはできなかったのでしょうか。
法的に問題なかったから適切であった、そういうことですか。
知事:
懲戒処分に政治的判断というのがあり得るのかどうか、ちょっと私はわからないですが、あくまで私は兵庫県知事としての、県としての決裁権者ですので、兵庫県が、人事課が、懲戒処分に関して、懲戒規定、人事考課の規程に基づいて、調査、そして、手続きを進めてきましたので、それが適切だったから決裁をした、ということです。
朝日新聞:
公益通報に当たらないから処分したというのは分かるのですが、実際、公益通報の方が動いている状況で、部下の皆さんや当局が懸念しているのは、おそらく懲戒処分や内部調査の結果と公益通報の結果が違っていてもいいわけですが、それは両方とも法的に正しくてもやはり違っていたらおかしいのではないかという懸念がおそらくあったと思います。
そこについても知事は説明を受けていると思いますが、そこについての懸念は当時なかったですか。
知事:
そこは、四つの非違行為が確認されたところで、懲戒処分をしっかり進めていくということは、手続きとして適切ということです。
それから、さっきも言いましたが、懲戒処分に関する手続きというものは、指針や規定に基づいてやらせていただいているというところです。
その中で、弁護士とも相談しながら対応してきたということですので、私は、県のこれまでの懲戒処分に関する規定とか、指針上にも沿ってきちっとやってきていますので、対応に問題はなかったと考えています。
朝日新聞:
法的にはそうですが、公益通報の結果と齟齬が出た時に、なんで齟齬が出たんですかという懸念は、当時、知事はなかったということでしょうか。
知事:
4月4日に公益通報がされただろうということは、ご本人含めて、ご指摘をされているところではありますが、我々としては、3月20日に、今回の文書を把握した時点では、前から申し上げているとおり、信ずるに足る相当の理由が、結果として確認できていないということも踏まえて、これは公益通報したから処分したというのではなく、そういった文書を作成したということと、それから、その他、三つの非違行為があるということを踏まえて、懲戒処分をしたということです。
朝日新聞:
知事は当時、部下の皆さんから懲戒処分を待った方がいいと言われた理由も、それから、今、議会やいろいろなところから、なんで公益通報の結果を待たなかったんだという批判を受けている理由も分からないということですか。
知事:
その辺のやりとりなどは、もちろんこれから百条委員会等でお伝えをさせていただくということになりますが、5月7日の人事課の会見で、当時、人事課が、非違行為を認定した時点で速やかに調査を行う必要があって、公益通報との関連性を人事課として考慮する必要はないと申し上げていますので、公益通報が4月4日以降にされたということは、ご本人が言っていて、我々は、当局側としては分からないところがありますが、あくまで四つの非違行為を懲戒処分の手続きに沿ってやってきました。
それがある意味、綱紀委員会も受けて、これはもう非違行為が確認されましたと、人事課が手続きを踏んでやってきたので、それを踏まえて、私も報告があって、内容と手続きともに適切だということでしたので、それを受けて、県の決裁権者として決裁をさせていただいたということです。
朝日新聞:
法的に問題はないというご説明をずっとされていて、そのお気持ちも分かりますが、その説明を持っても、なお、議会やいろいろなところから、やはり公益通報の結果を待った方が良かったのではないですかと今も言われているのは、なぜだと思いますか。
それは理由が分からないからですか。
どちらかでお答えいただければと思いますが。
知事:
県の見解としては、非違行為を認定した時点で速やかに調査を行う必要がある。
公益通報との関連を人事課として考慮する必要はないというのが、5月7日の人事課の見解でもあります。
これは8月7日にご説明させていただいたとおり、3月20日以降の時点では、信ずるに足る相当の理由がない、4月4日に公益通報がされたとしても、ここの行為自体は、それによって、遡って守られるものではないというのが、我々の弁護士も含めての見解です。
朝日新聞:
我々というよりも、人事課はあくまでも知事が指示したことを代行しているのだから、県としてというよりは、知事が、決裁権者としてそう決めたわけですよ。
それが法的に問題ないということは僕も理解するけれども、それをもっても、なお、待った方がいいのではないですか、と議会やいろいろなところから言われていることについて、知事は何で言われているか分からないということなのか、説明が足りていないから理解いただけていないと思っているのか、そこのお気持ちを教えてください。
知事:
その辺は、人事課から県として、やはり非違行為が判明した時点で、速やかに調査、そして懲戒処分を行うということは、これまでもきちっとやってきたということですので、それを今回も適切に対応したということです。
朝日新聞:
そもそも公益通報に当たるか当たらないかというところが、まず、そもそも議会の皆さんとその認識が違うからどうしてもこの説明、どこまでいってもすれ違ってしまうということなんですか。
知事:
そこはいろいろなご指摘、解釈があるということは分かりますが、県としては、これは政治的判断とかそういうのではなくて、県の行政としての懲戒処分になりますので、そこはプロセス、内容ともに、指針であったり、規程、法律に基づいてきちっと審査、そして調査をしていくことが、むしろそっちの方が望ましいと考えます。
懲戒処分になりますから、ここはきちっと規定や手続きに沿ってやっていくということが、これまでの人事行政もやってきたことですし、それは、これからもやっていくべきで、今回についてもそうしています。
朝日新聞:
今回は公益通報をしていることで、通常とは違うので、そこの対応すべきだったのではないですかということを聞いているのですが、そもそも知事は公益通報に元々当たっていないものだし、公益通報と内部調査は別だということで、人事課から聞いて、弁護士にも確認したから、通常どおりの速やかな処分を行った、そういうことでいいですよね。
知事:
その辺、どういうやりとり、どういうことがあったかは、これは百条委員会でこれからしっかりとやっていくものですので、質問の中で答えるより百条委員会で私は尋ねられたことをきちっと答えていくことにしたいと思っています。
毎日放送:
先ほど、吉村知事が会見で、連日のように疑惑が出ている中で、斎藤知事が自らの言葉で説明責任を果たしているかというと非常に不十分というご発言をされました。
その発言を聞かれて、受け止めを教えてください。
知事:
詳細は把握していませんので、お答えはできませんが、吉村知事はじめ、大阪府、そして維新の会の皆様にも、これまでのご支援、お力添えには感謝申し上げたいと思います。
私としては、これまでもこれからも、私が説明できること、そして説明できることをできるだけ自分の言葉で答えていくというスタンスには変わりはないですし、もちろん私は完璧に100%の人間ではないですから、不十分だというところもあるかもしれないですが、そういった指摘は真摯に受け止めます。
でも、私としては、自分なりに答えられることをきちっとこれまでもやってきましたし、これからもやっていくという思いでやっていきたいと思っています。
毎日放送:
ご自身としては説明責任を果たしているという認識でしょうか。
知事:
責任を果たしているかどうかは、私自身は、自分が説明責任果たしていますと言える立場ではないと思いますが、自分としては、できるだけ説明をさせていただいているという思いではあります。
もちろん、それは、人によってはもっとこういうふうに言ったらいいのではないか、こういうふうに言えばいいのではとかあるかもしれないですが、私は自分なりの考え、状況で、自分としてできるまずは最大限のところ、これまでもやらせていただいているつもりですし、これからももちろん頑張って、改善とか、より良くすることはしていきたいと思いますけども、そういった状況です。
毎日放送:
知事が説明責任を果たそうと、できる限り説明をされているというのが届いていないからこそ、こういった吉村知事の発言もあったかと思うのですが、今後どういうふうに改善をされていくのか、認識のずれをどういうふうに埋めていくのかをお聞かせください。
知事:
私としては、自分なりにこれからの百条委員会や第三者機関の場で、できるだけ自分の言葉で説明していくように努力をしていくということだと思います。
毎日放送:
これまでの会見と比べて、百条委員会ではかなり説明いただける部分が増えるというふうに思っていてよろしいでしょうか。
知事:
百条委員会は、いわゆる調査のところですから、質問に対して答えるという形になりますので、どういったやりとりができるか、自分がどういうふうに喋れるかは、その場の各委員の皆さんの質問次第だとは思いますが、その中でもできるだけ自分で話せることは話せるようにしていきたいと考えています。
産経新聞:
23日の証人尋問で、懲戒処分をすれば、知事への批判の風向きが変わるのではないかと知事が言っていると聞いたと証言がありますが、この発言について、記憶はありますか。
知事:
私自身は、百条委員会でどういったやりとりがあったかということは、詳細は承知していないので、その後の会見、それから皆さんの取材等によって、確認できたことに対して、この場でお答えするというよりも、やはり、30日以降の百条委員会の場で、自分としての認識している事実、それから状況というものを、説明させていただく方が良いと思います。
産経新聞:
26日朝の登庁のタイミングでお話を伺いした時には、この発言についてそういう覚えはないですと発言されていましたが、今変わっているのはどういう状況なのでしょうか。
知事:
私、その時にどういう質問に対してどう答えましたっけ。
産経新聞:
今と同じような、こういう発言をされたという証言があったことについて。
知事:
同じようにというのは。
産経新聞:
懲戒処分すれば、知事への批判の風向きが変わるのではないかと。
知事:
そんな質問は受けていなかったと思いますけど。
様々なものが出ていることについてどう思われますかと聞かれたときに、今回の懲戒処分については適切に対応しているというふうに考えていますということをお答えさせていただいたと私は記憶していますけども。
ごめんなさい。そこが、もしずれがあったら申し訳ないです。
いずれにしても、私としてはやはり、百条委員会に関する調査の中で、懲戒処分にかかるどういうやりとりがあったかということの質問には、自分なりにきちっとその場でお答えする方が、私はいいと思いますので。
産経新聞:
また、26日の各社の報道を見ていただければそういう覚えはないですと知事はご回答されています。
そういう発言をされた場合、証人の方は虚偽の発言をしたことで罪に問われる可能性もあると思います。
当時のそういう覚えはないですというふうに発言されていることについても今は記憶がないということなのでしょうか。
知事:
ぶら下がりのご質問ですね。
確か、あの時は、マスコミの報道がしんどいので、処分を急がせた事実は、あるんですか、に対してそのような事実は、ないですということを答えたような気がしますが、それは、マスコミの報道や記者会見は、私なりには、長時間になることもありますけども、対応はさせていただいているということ含めて、そういった回答をしたんだと思います。
産経新聞:
先ほど処分の詳しい過程や詳細については、情報公開条例第6条に基づき、非公開としているということでしたが、情報公開条例第8条には公益上の理由による裁量的公開ということで、公益上、特に必要があると認める場合は、公開することができると定められていますが、こちらについては検討されていたのでしょうか。
知事:
私としては、まずは人事管理に関する事務というものは、情報公開条例第6条6号「エ」に当たるので、原則は非公開だということで、前回の会見でもその旨を指摘させていただいたというところです。
もちろんいろいろな規定があって、そこでいろいろな判断はあるんだと思いますけども、今回の元県民局長への聴取のやりとりとか、その辺というのはやはり「エ」の人事管理に関する事務だということになりますから、原則論として、非公開というふうにさせていただくことが妥当だというふうに考えています。
産経新聞:
ただ、3月25日の元県民局長が発言された内容だけを一部公開されたことによって、改めてこういうふうに報道各社から質問が相次いでいます。
こういう状況であれば、改めてやりとりについて詳細に説明する方が公益上、県にとってはいいのではないかと思うのですが、そこについてはどう考えていますか。
知事:
そこは今、百条委員会の方で、今後、公益通報に関する問題についても、調査対象とするということになっていますので、それは9月6日含めて、そこでしっかり必要な資料、それから必要なデータなどを当局側から、提出させていただいて、それは地方自治法百条の根拠がある場ですから、そこの調査の中でお示しすることが、法的にも、条例上の問題も、クリアできるので、そちらの方がいいというふうに考えています。
産経新聞:
この場で公開することは県の公益上、必要だとは考えないのですか。
知事:
やはり、基本的に非公開の情報というものをどういうふうに公開していくかというのは、一つ一つ慎重に、考えていく必要があると思っていまして、8月7日の時にはその信ずるに足る相当の理由のところをしっかりお示しする最小限のところとして、ご説明させていただきましたが、やりとりの全てとか、そういったところをやはり公開するのは、原則、非公開の中で対応するというのは、条例上の問題含めてあとは法的な問題を含めて、問題があるというのが、県としての判断です。
百条委員会であれば調査権がありますから、そこで説明させていただく方が、よりしっかりと説明が我々としても、できる環境だというふうに考えていますね。
産経新聞:
9月5日、6日の証人尋問で、知事の贈答品受領疑惑や公益通報制度に関する証人尋問で片山元副知事など側近の3人の方に出頭要請する方針が固められたということですが、このことについての受け止めは何かありますでしょうか。
知事:
それぞれの立場で、出頭が要請されて出頭されるのであれば、それぞれの立場で、調査に対して答えていただくことがよいと思います。
共同通信:
8月7日の記者会見で知事が文書を把握してから処分に至るまでの経過をかなり日付ごとに丁寧に説明いただいたと思いますが、その際に、人事課から、処分を待った方がいいと進言があったことだったり、綱紀委員会が5月2日に開かれていたこと等、そういったことの説明が一切なかったのはなぜでしょうか。
知事:
8月7日については、12日に作成されてから20日に把握して対応協議、それから25日の事情聴取とか、ポイントとなるところを説明させていただいたというところです。
それは、事情聴取をした日にち等は、説明させていただくことにしましたが、どういったやりとりがあったとかその辺りは、やはり調査の詳細なことになってきますので、8月7日については、そういったポイントとなる時系列を示させていただくということにさせていただいています。
共同通信:
ただ、先日の秘密会とはいえと証言者の方が、これは公表すべき話だと思って、そういった細かい経緯をお話しされたと思うのですが、知事が自らの口から言わなかったそういった経緯が証人の口から明らかになったことについてはどう考えていますか。
知事:
百条委員会で実際にどのような証言をされたかというのは、先ほどちょっと繰り返しになって申し訳ないんですけども、委員長等の会見の中では示されたと伺っていますが、詳細は、私は秘密会ということで、まだ把握していないので、そこについてのちょっとコメントは難しいと思います。
私としてやるべきなのは、9月6日に予定されているところで、今回の懲戒処分に関することが調査対象となるのであれば、そこでの質問や調査にしっかり対応して、自分としてどういうふうに認識していたかということを説明するということがいいというふうに考えます。
共同通信:
ただ、23日にそういった話が明らかになって、受け手である県としては伏せていた情報が出てきたというふうにも受け取れると思いますが、それについてはいかがでしょうか。
知事:
そこは、百条委員会という場でそれぞれのお立場で発言をされたということだと思いますが、実際どなたがどういう証言を説明されたかということは、私は分からない、秘密会ですから。
そこについてのコメントは難しいと思います。
私は、自分としてどういう認識を持っていたかということを、これから百条委員会の調査の中でしっかり対応していくことが、いいと思います。
読売新聞:
先ほど、産経新聞さんが指摘されていた登庁ぶら下がりの話ですが、私の手持ちのメモで言いますと、質問では「懲戒処分を急いだ理由が、ご自身への批判の風向きを変えたいとおっしゃっていたという証言もあると、そういう発言をした覚えはありますか」という質問に対して、知事はこうおっしゃっています。
「そういう覚えはないです。これはやはり調査、そして懲戒処分については適切に対応するということは、私は大事だと思っていますので」ということです
この質疑からすると、覚えがないと。
つまり職員さんは秘密会の中で、風向きを変えたいという話を上司から聞いたという証言をされています。
百条委員会の証人尋問で証言されているので、非常に重い発言だと思いますが、それについて知事はそういう覚えはないですと返されているのですが、改めて聞きますが、それは違うんですか。
我々は、囲みで聞いて、覚えがないと受け取っていますが。
知事:
そこは、私も朝一でどういうやりとりかというのは覚えてなかったし、皆さんから急に囲まれた中で、外だったので、どういうことを聞かれてどういうことを答えたかというのは、齟齬がもしかしたらあった点は申し訳ないなと思っていますが、大変申し訳ないのですが、外でのぶら下がりの時に答えたことが、私としても正確な認識をしていない中での答えだったかもしれないです。
そこは、繰り返しになりますが、百条委員会の場で、これは公開されていることになりますから、そこでの質疑や調査にきっちり答えていくことで、今のご質問の点にも、もし質問が出れば、そこでお答えするということにしたほうがいいかなと思います。
読売新聞:
しかし、これは一度も覚えがないですとおっしゃっているので、もし覚えがあるのであれば、あるとおっしゃっていただきたいですし、そこははっきりして欲しいです。
なぜかというと、まず、弊社も含めて、各社では、これを記事にしています。
ですので、広く県民に、知事は覚えがないという情報が伝わっているわけで、
それがもし事実と違うのであれば、それをまず訂正していただく必要があると思います。
また、この問題は非常に重要な問題だと思いますので、情報公開条例等でも、先ほど指摘もありましたが、特別職は自分の判断で必要に応じて、情報公開条例にかかる部分についても説明できるはずです。
だから、重要な問題について、しかも一度お答えになっている話ですから、そこははっきり覚えがあるのかないのかお答えいただきたいのですが。
知事:
そこは、やはり改めて百条委員会の場で、繰り返しになりますけども、事実関係を、私としては、百条委員会の場できちっと答えさせていただく方がいいと思いますので、その場のぶら下がりの中で発言というものが、そういうことを言っていたかどうかも含めて、再度確認をさせていただいて、それを踏まえて、百条委員会の調査の中でお答えさせていただく方が、私はいいと思いますので、ご理解いただきたいと思います。
読売新聞:
なぜ、ここを繰り返しお尋ねしているかというと、仮に、先日の職員さんの秘密会での証言のとおり、知事が会見での批判をかわすために、風向きを変えたいという趣旨で、処分を急いだということであれば、非常に重大な問題だと思います。
もし、それが事実であるとすれば、処分の妥当性云々の前に知事が自分の保身のために、処分を先走った、処分を先行させたということになると思います。
懲戒処分は、人の人生を大きく左右させる話なのに、知事自らが会見で批判をかわすという、全く関係のない理由によって、処分が先行したとなれば、これは非常に重大な問題だと思います。
今回のこの件については、情報公開条例に該当したとしても、特別職として政治家として、当然、百条委員会でもお答えいただくべきだと思いますが、記者会見も同様に重要な場だと思いますので、ここでしっかりお答えいただきたいと思いますが、いかがですか。
知事:
私としては、今回の懲戒処分の手続きは、繰り返しになって申し訳ないですが、規定や指針に基づいて手続きと内容は適切だったと結果として、考えています。
先日のぶら下がりで言ったことが、そのとおりか、そうではないかということは、百条委員会の場で、聞かれれば答えるというところで、やるべきだというふうに考えています。
他にも含めて全体の流れの中で、9月6日に調査をされるということになりますから、9月6日に証人として呼ばれた流れの中で、おそらくそういった質問も出ると思いますので、そこで私としても改めて事実関係を確認して、自分の記憶も確認してお答えをするということが、私はいいと判断しています。
読売新聞:
今、お答えいただけないのは、単に事実関係の確認がしっかりまだできていないからお答えいただけないのか、それとも情報公開条例に照らして、さほど重要でないと思うから答えられないのかどっちですか。
知事:
確認というのは、全体の流れの中で、自分がどういう報告を受けたか、それからどういったことを意識、そして指示等したかということを、やはり改めてきちっと確認をしたり、整理をしておかないといけないというふうに考えていますので、それは9月6日の百条委員会の場できちっと整理をした中でお答えをさせていただくことが大事だと思います。
今、ご指摘の質問についても、大事な点ですので、そこは今一度私としても大事なポイントだとすれば、自分の認識や記憶の確認をして、お答えをさせていただくと。
それは百条委員会の場でやらせていただくことが、私はいいというふうに考えています。
決して、その情報が軽いとかそういう意味ではなくて、大事な今回の懲戒処分に関するやりとりですから、このやりとりは、私としての大事なところですので、そこは百条委員会の場でまずは答えさせていただくことが大事です。
それは、情報公開条例第6条の問題ももちろんありますが、そこはご理解いただきたいですし、私としては、百条委員会の場でお答えすることがいいと考えています。
読売新聞:
納得できないというか、分からないのは、大事だと言いながら、記者会見では説明しないというのはなぜなんですか。
大事な問題であれば、この間、一連の時系列の経緯をご説明いただいたように、この場で、ご説明されたらいいのではないですか。
知事:
そこは、先ほども言いましたが、情報公開条例第6条とか、その辺を考えると、この件は基本的には非公開ということにさせていただいていますので、そこがまずあります。
それから、一つ一つのことと全体の流れのことを聞かれて答えるということを考えたときに、やはり条例の観点それから法的な問題をクリアした中でお答えするという方が、私自身の当時の考え、それから、どういったことを指示したり把握したかということを正確にお伝えできると思いますので、それは法的にも条例的にも、しっかりとした枠組みの中でお答えさせていただく方が私はいいと考えています。
決してお答えをさせていただきたくないというわけではないんですけど、内容を含めて、法的にも条例上にも、きちっとしたベースがある中で整理をして答えさせていただく方が、私は法的な観点からも条例上の観点からも、そちらの方がいいと思います。
神戸新聞:
知事は懲戒処分が適切だったかという質問に対して、不服があれば、人事委員会に申し立てたり、裁判に訴えることが可能だとおっしゃっているかと思います。
今回、そのような仕組みがあるにもかかわらず、ご本人から不服申し立てがなかったということもあって、懲戒処分が適切だったと判断されている部分もあるのでしょうか。
知事:
その観点というよりも、人事委員会の不服申し立てがされたり、それでも、不服があれば、裁判にも行くことになりますから、県として訴訟に耐えうるような内容や手続きを踏んでいくことが原則として大事だということですので、我々としてはそこをしっかり当然耐えうるだけの調査や手続きを踏んでいるということですから、そこは今回の懲戒処分としても同様で、我々としては、問題ないと考えているということです。
神戸新聞:
実際、不服申し立ての期限よりも前に元県民局長が亡くなってしまったということもありますし、訴えられても負けないように対応したから大丈夫という説明、ニュアンスに聞こえるのですが、それで県民はそれだったら大丈夫、適切だと納得できる説明になっているとお考えでしょうか。
知事:
亡くなられたことは大変お悔やみを申し上げたいと思います。
訴えてなかったからという趣旨、ニュアンスではないですね。
あくまで不服申し立てをされたり、訴訟になった場合でも我々は耐えうるような、調査や手続きをやってきているということですので、そういう点をもって我々としては問題ないということです。
神戸新聞:
私の質問が分かりにくかったかもしれませんが、訴えられても負けないように対応したから大丈夫ということが、処分の適切さの納得できる説明になっているとお考えですか。
知事:
ここは、いろいろな行政処分、それから行政の対応は、もちろんいろいろな手続きやプロセスの中で、不服申し立てとかあってそれが、県としていろいろな段階で訴訟に対応することがあり得るわけですね。
県としては、そこはしっかりそういった法律上の係争状況になったとしても、耐えうるだけの、しっかりとした積み上げをしていくことが大事ですし、その範囲内で、今回の調査や手続きをして、懲戒処分を判断していくということです。
このことは、今回も県として、しっかりやっているということで、我々としては問題ないというふうに考えているということですね。
それは今も変わりはないです。
神戸新聞:
前回23日の証人尋問では、斎藤知事から実際に厳しい叱責を受けたという証人の方が、人生でこんな仕打ちを受けたのは初めてというふうに証言したというのを、百条委員会後の委員長等の会見で明らかにされているのですが、知事がこれまで業務上必要な範囲で適切な指導だったとおっしゃっていたことを、一職員さんが人生でこんな仕打ちを受けたのは初めてだと感じていたということについて受け止めをお願いします。
知事:
前回の百条委員会でどういう、証言をされたということは、私は承知していないので、そこに私が、今、判断、コメントするということは、控えておいたほうがいいと思います。
職員の皆さんもいろいろな思いを持って、発言されたと思っています。
全体を含めて、先ほど申し上げましたとおり、私自身のコミュニケーション不足とか、そういった感謝を伝える気持ちの伝え方が不足していたことで、不快な思いをされたりとか、違った受け止めをされた方がおられるとすれば、そこは申し訳ないなと思っています。
毎日新聞:
元県民局長の懲戒処分の決裁の質問に関係して、5月2日に綱紀委員会直後に起案して、決裁されたという点ですが、そもそも文書で疑惑が指摘された知事ご自身が決裁することは適当だったのか。という点について教えてください。
疑惑が指摘された知事以外の人物に代理決裁するべきではなかったのでしょうか。
知事:
懲戒処分の指針上、決裁権者は、知事ですので、それに基づいて、対応したということですね。
そこは問題ないと思います。
関西テレビ:
前回の会見で、パワハラに関する質問をさせていただきましたが、机を叩いたり、公用車の座席を蹴ったりすることは、一般的にハラスメントに当たるかという質問に対して、公開前のアンケート結果と結びつけてお答えいただけなかったと記憶しています。
30日から証人尋問で、その辺りに関しても、質問があると思いますので、事前に知事のハラスメントに対する考え方を聞いておきたいので、教えていただければと思います。
そういったハラスメントは、一般的には状況次第では認められると知事はお考えかどうか教えてください。
知事:
一つ一つのハラスメント行為というものは、もちろん、その行為が行われた背景とかそういったものに応じて、一つ一つの事案が、調査されて認定していくものだと思っています。
関西テレビ:
つまり、今のお答えは、机を叩いたりとか、座席を蹴るという行為も状況に応じては、認められる行為だという認識でよろしいですね。
知事:
一つ一つの事案は、個別毎のケースで、調査されて、認定していくものだと思います。
関西テレビ:
状況に応じた認められるという知事のお考えは分かりました。
ありがとうございます。
神戸新聞:
アンケートの受け止めのコメントで、知事の言葉が独り歩きすることが多かったと、そういうことが分かったということで、そういうふうに認識されているのであれば、修正が必要なのかなと思います。
一人歩きしている部分、間違いがある部分については、修正が必要かと思いますが、具体的にはどこを顧みて反省をされているとおっしゃっているのしょうか。
知事:
やはり、様々なアンケートで、伝聞に基づくものも今回のアンケートでもあったと思います。抽象的な話なりますが、自分が思っているよりも、知事の言葉や言動というものは、職員の方に、すごく広がって伝わっていくんだなということが、よく、今回も含めて分かりました。
そういった意味でも、より丁寧に、これから、職員の皆さんとのやりとりとか、感謝の気持ちを伝えたりとか、そういったことは、これからしっかりしていかなきゃいけないと思っています。
神戸新聞:
例えば、アンケートで、よく見られていた姿見や控え室が必須であるということについては、そういった指示したことはないと知事はおっしゃっていたかと思いますが、現時点ではもう必要ないということなんでしょうか。
現時点では、控え室とか姿見とか靴ベラという表現もあったかと思いますが、そういったものに関しては、知事の視察の際は必要ないという認識なんでしょうか。
知事:
どういった形で、出張先とかイベントの際に、段取りをするかというのは、ケースバイケースがあると思いますので、一概には言えないと思いますね。
着替えが必要な時には、もしかしたら控え室が必要かもしれないですし、それは車中とかでできるのであれば、車中でもいいですし、どうしても何かが必要な場合には、こちら側といろいろ相談調整しながらやっていくものだと思いますね。
神戸新聞:
姿見とかも必要な場合があるということですか。
知事:
それは個別にありますが、それは、絶対に用意しなきゃいけないとかというのはもちろんこれまでもしていないですが、これは個別のケースケースで、事前に秘書課と担当部局当がしっかり調整しながら、準備していくというものです。
今の時点で何が絶対必要だとか何が絶対必要ないということは、それは言えないということは分かると思いますね。
神戸新聞:
おそらく、職員さんたちはその辺りを忖度されてといいますか、とても気にされておられて、用意が必須であると書いておられると思います。
その辺、知事が誤解だということあれば、それは要りませんよと、明確に指示があった方がいいと思ったのですが、ケースバイケースだということですか。
知事:
何かが絶対いらないとか何かが絶対いるとかというのは、難しいですよね。
どこかへ行ったときに鏡がいるシーンはあるじゃないですか。
それは、例えば、百貨店で、試着をして何か見るときには姿見がないと、服が自分に合っているかどうかが分からないですし、それは絶対にいるとか絶対いらないとかというのは、指摘できないというのはお分かりいただけると思いますし、そこは丁寧にこれからコミュニケーションをしていくということだと思います。
そこが一回もしかしたらそういうケースでなかったという場合に、知事がどこか行く場合には、必ず姿見や鏡を用意しなきゃいけないというふうに何か違った形で伝わっている可能性もあるので、そういったところはないようにしていくということですね。
それは個別のケースで、丁寧に相談していくことだと思います。
神戸新聞:
アンケートでは、ロジに関するこだわりが強すぎて、付いていけないというような指摘もあったかと思います。
一方で知事は会見でロジに関する重要性も訴えています。
ロジがなぜそれほど重要なのか職員との間に乖離があるかと思いますが、改めて、ロジがなぜ重要だと思われるのかを知事の口から、もう一度説明していただいてもいいでしょうか。
知事:
ロジは、大事だと思います。
ロジとサブと言うんですけど、私の中ではロジというものは、例えば動線とか段取りです。
サブというのは、政策の中身とかということで、この両方はやはり大事だと思います。
特にこれから、例えばですが、兵庫県内で重要な国際会議とか、いろいろなイベントをやっていくと、これは神戸空港の国際化がこれから進展して、いろいろなことができて、各国の要人が来たり、いろいろな方が来る際に、しっかりロジを準備して、おもてなしをしたり、安全な動線を引いていくことは大事なことだと思いますので、それは、私はこれからもしっかりやっていただきたいと思います。
神戸新聞:
一方で、職員さんたちから聞いていると、知事は公務の有無に関わらず、遅刻癖があるということで、そのことも含めて予定を組んでいるというのはよく聞きます。
職員に対する厳しいロジに対する指示と、ご自身に対する行動の乖離というのが、多分、不信感を生んでいる一つの理由になっているのではないかと思いますが、そのことに対してはどういうふうに思っていますか。
知事:
できるだけ間に合うように行くことはもちろんですが、私も人間ですから、少しトイレに行って遅れたりとか、遅れそうになることは、ありますので、そこは気を付けたいと思います。やはり100%は無理ですので、ただ、自分としては、いろいろな時間とか間に合うように、これまでも、これからもやっていきたいと思っています。
日経新聞:
知事はこれまでパワハラの疑惑については、厳しい叱責をすることあるが、あくまで業務上必要な範囲内だという説明を繰り返されています。
次の百条委員会でもそのように説明される予定なのでしょうか。
知事:
百条委員会で聞かれれば、質問に応じて、それは回答をさせていただくと思います。
日経新聞:
8月23日の証人尋問では、知事が、例えば文具を投げたとか、そういう具体的な例が証言として出たことが明らかになりました。
それが仮に事実であれば、知事がご説明されているような認識のずれと捉えるのは限界があるのではないかと思いますが、それについてはいかがでしょうか。
知事:
その点は、アンケートや前回の百条委員会を踏まえて、次の百条委員会でどういった質問が調査されるかということは分からないので、出てきた調査内容に対して私はしっかり対応していくということですね。
NHK:
文書で指摘されていた知事にパワハラの疑いがあるということについては、一貫して定例記者会見でも全て否定されています。
今、話題になっている公益通報の対応についても、適切だったというようなことを一貫しておっしゃっていると思います。
30日の百条委員会では、そこが1個の焦点になると思うのですが、記者会見を述べられているような考えを、そのまま百条委員会でも述べられるという認識でよろしいですか。
知事:
これまで会見で述べさせていただいたことが基本になると思います。
後は、百条委員会でどういった調査、質問されるかということに、私としてはそこに対応していくことだと思います。
NHK:
これまで複数の職員の方が証人として出られて、今後も様々な立場の方が証人として百条委員会の場に呼ばれることが求められていくと思います。
職員アンケートしかり、証人として出頭する職員の方々、もちろん県民の方に対して説明責任もあると思いますが、職員の方に対しても相当なご負担があると思います。
30日にそういった職員の方が呼ばれることについて、改めて職員に対して、今回の一連の問題についての知事のご認識があれば、お考えをお聞かせください。
知事:
アンケートへの対応をいただいた職員の皆様、それから、これから百条委員会に、前回、今後出頭されるという方にはですね、心理的な面も含めてご負担をおかけしていると思います。
そのところは、しっかり、我々も心理的ケアをさせていただきつつ、ケアをさせていただきたいと考えています。
フリー:
8月23日の文春電子版のタイトルの記事が「自殺職員が詰問される証拠音声を入手、何でそれを知っているんだ」という、いわゆる情報提供者を特定しようという犯人探しの質問があります。
これは元県民局長の事情聴取の記録文書の中に入っているんでしょうか。
知事:
記事を私は拝見してませんし、コメントすることは難しいですね。
フリー:
音声データを入手したと、片山元副知事が当時のやりとりの音声が残っていて、それを記事の中で紹介しています。
その中に犯人探し、誰から聞いたのかというやりとりがあるんですが、この質問に対して元県民局長は、噂話を集めて作成したと供述したのではないでしょうか。
情報提供者を守るために噂話と言ったと受け取れるんですが、そういう流れではなかったんですか。
事情聴取の記録を読まれた、そういう流れだったんじゃないんですか。
知事:
その週刊誌報道についての詳細を私は把握してませんので、ちょっとコメントは難しいですね。
フリー:
こんな重要な問題の記事が、文春で出たのに、それすら把握していないですか。
周りの職員が、こういう記事が出ていますよと。
音声データ入手されたみたいですよと。
そういう報告すらなかったんですか。
知事:
報道等については、適時適切に私も報告は受けています。
ご指摘いただいた点については、先ほど申し上げたとおり、懲戒処分に関するやりとりになりますので、この場でそれについて、お答えするということは難しいと思います。
フリー:
元県民局長への事情聴取の記録文書の中に、犯人探し、情報提供者を特定する質問は入っていたのか否かを聞いているんですけど。
知事:
そこは懲戒処分に関する調査内容の詳細なやりとりですので、先ほどから繰り返し申し上げましたとおり、情報公開条例第6条などの観点から非公開としていますので、この場でお答えするのは難しいと思います。
フリー:
週刊文書オンラインの電子版の記事を読んだ県民の方は、知事は、明らかに隠蔽工作している、犯人探しの情報提供者を特定しようとして片山元副知事が詰問したと。
それに対して、やむなく噂話を基に作成したと、元県民局長が答えたというふうに理解すると思うんですが。
内部通報制度の趣旨に反する犯人探しをしたということは明らかなんじゃないんですか。
それに反論できるんですか。
知事:
今回の懲戒処分に関する調査内容とか手続きは、適切に行われたというふうに思っています。
フリー:
週刊文文春の電子版の記事を読んだ上で、事実無根であれば法的措置等をとられる考えはあるのでしょうか。
そうしないと、週間文春の音声データの内容が正しいというふうに県が認めたことになると思います。県民もそう受け止めると思うんですけど。
法的処理措置をとるお考えはあるんですか。
知事:
我々は、懲戒処分に関する対応は適切だったと思っていますし、これからも百条委員会を含めた調査に適切に対応していくということです。
フリー:
事実かどうか聞いているんですが、犯人探しの質問が入っていたかどうか。
入っていなかったら週刊文春は事実無根のことを報道したことになるので、当然抗議して法的措置を検討しないといけないと思うんですが、そういうことをやられないんですか。
知事:
調査、懲戒処分に関するどういったやりとりがあったかは、条例に基づいて非公開ですので、お答えできません。
今後、百条委員会とか、いろいろな調査の中で、我々は対応できることをしっかりやっていくということですね。
フリー:
すでに多くの県民の人が知り得る情報になっているんで、それに対して事実か事実でないか、答えられないんですか。
知事:
百条委員会の方で、確か9月6日前後が、今回の対応に関することだということが、そこで調査がされるもんだと思います。
フリー:
橋下徹さんが、斎藤知事の初期対応について、告発つぶしの権力行使だということを問題にしてすぐにでも辞職に値すると言っているんですが、これへの受け止めをお願いします。
尊敬する橋下さんがそう言って、維新の会が不信任案を出せば、知事は辞職に追い込めるとまで、橋下徹さんは言っているんですが、その受け止めをお願いします。
知事:
今回の懲戒処分に関する調査内容とか手続きは、私どもとして、県として適切に対応してきたとに考えています。
フリー:
告発者つぶしの権力行使とんでもないことやったと橋下徹さんが批判して、その影響もあってか箕面市長選では維新の現職候補市長が破れています。
今後、斎藤知事のそういうのらりくらりとした答弁で、維新の議員、市長がどんどん落選することもあり得ると思うんですが、それの受け止めをお願いします。
箕面市長選に対する受け止めをお願いします。
知事:
個別の選挙に関するコメントは差し控えたいと思います。
フリー:
元県民局長の事情聴取をした時の起案文書を情報公開請求したのですが、文書が存在していないということなんですが、パソコンを押収する時の事情聴取の起案文書がないのはどういうことなんでしょうか。
口頭で指示したということなんですか。
知事:
人事課が当時適切に対応したというふうに考えています。
フリー:
文書も作っていないで、事情聴取してパソコンを押収したことは妥当だと問題ないというお考えなんでしょうか。
知事:
今回の懲戒処分に関する調査内容、手続きについては適切に行われたというふうに報告を受けています。
しんぶん赤旗:
昨年6月の姫路ゆかたまつりで、姫路市内の公民館で知事が播州織の方を着る際に、プロの着付を呼んで4400円を公費で支払ったことが開示請求で明らかになりました。
この当時、姫路市長や商工会の幹部は、婦人会に着付けをしてもらっていたということですが、知事の着付けだけ現地のお店にお願いしたのは、知事の指示だったんでしょうか。
知事の着ていた播州織のゆかたですが、これは西脇の商工会議所から提供あったということですが、知事が要望されて入手されたのか。今、秘書課にそのゆかたがあるということですが、なぜ台帳に載っていないとか、入手の経緯も含めてお願いします。
知事:
播州織の浴衣については、西脇の播州織の関係者からご提供いただいたということです。
それを、いろいろな機会で着用させていただいて、そして播州織という兵庫県の地場産品のPRに資するようにさせていただいている状況です。
その時々の対応については、秘書課なりと調整しながら、ちゃんと対応しているというふうに考えています。
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