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ようこそ知事室へ
【発表項目】
1.ユニバーサルな職業体験事業inキッザニア甲子園の開催(PDF:327KB)
2.パラスポーツ王国HYOGO&KOBE夢プロジェクト2024の開催(PDF:302KB)
3.兵庫県薬物乱用防止PR大使の設置(PDF:2,196KB)
知事会見を動画で見る(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
1番目は「ユニバーサルな職業体験事業inキッザニア甲子園の開催」です。
今回は楽しみながら社会の仕組みを学び、子供たちが未来の夢を育む機会となるよう、子供が主役のまち、キッザニア甲子園を舞台に職業体験の機会を提供したいと考えています。
開催日時は12月14日午後から夜になります。
参加対象者は県内の3歳以上15歳以下の障害のあるお子様です。
昨年度までは知的障害のあるお子様を対象としていましたが、今年度からは障害種別は問わないということにさせていただきました。
参加に当たりましては保護者の方など必ず付き添い者の同伴をお願いしております。
定員は500名を予定しています。
多くの方に参加いただけるよう、特別支援学校の児童生徒等にも参加を呼びかけていきます。
参加料はお子様無料、そして保護者等付き添いの方は1000円となっています。
9月20日から10月18日に、専用フォームから申し込んでいただきます。応募が定員を超える場合には抽選とさせていただきます。
参加決定者には順次、決定通知が郵送で届きますので、参加費をお支払いいただきたいと思います。
キッザニア甲子園は体験できる仕事の種類も多く、本格的な設備や道具を使っていろいろな仕事やサービスを体験し、社会の仕組みを体感することができます。
障害をあるお子様にとって、好きなことを見つけたり、生きる力を育む機会になるよう、ぜひ多くの方にご参加いただきたいと考えています。
2番目は「パラスポーツ王国HYOGO&KOBE夢プロジェクト2024の開催」です。
9月8日にパリのパラリンピックが閉幕しました。
車いすラグビーの倉橋選手や車いすテニスの上地選手など、兵庫ゆかりの選手をはじめ、日本選手の活躍に大いに盛り上がり、すべての子供たちに大きな夢や目標を与えてくれました。
こうした盛り上がりの中で、障害のある方ない方が、スポーツを通じて相互の理解促進を図るとともに、パラスポーツに取り組むきっかけづくり、そして、パラスポーツの裾野の拡大を図るため、「パラスポーツ王国HYOGO&KOBE夢プロジェクト2024」を開催します。
11月3日(日曜日)の10時から16時を予定しています。
今年の5月は、神戸で世界パラ陸上が開催されました。
県民はじめ、世界の方々に感動をもたらし、多くの県民にパラスポーツへの理解が広がったというものです。
このレガシーを継承、発展させていくために、世界パラ陸上の練習会場にもなったしあわせの村を会場に、神戸市、兵庫県障害者スポーツ協会、神戸市障害者スポーツ振興センターとの共催で開催します。
内容は、パラスポーツ体験会、FUNラン&ウォークイベント、青空市場などを開催します。
FUNラン&ウォークイベントで実施するマラソンとユニバーサルリレーは事前申し込みをお願いします。
パラスポーツ体験会は、芝生広場や体育館などで、フライングディスクやボッチャ、車いすバスケ、ゴールボール、デフサッカーなどを体験することができます。
多目的運動広場の周辺コースでは、障害の有無に関係なく参加できる、FUNラン&ウォーク、そして車いすを利用されている方や、その他障害のある方を対象にしたマラソン大会、障害者と健常者でチームを組んで参加できるユニバーサルリレーなどを実施します。
また、当日は、東京2020パラリンピック銀メダリストの大矢勇気選手をお招きして、参加者との交流の機会を設けたいと思います。
青空市場では、特別支援学校の皆さんによる野菜、お皿、クッキーなどの販売を行います。
神戸パラ陸上のレガシー、そして今回のパラリンピックの盛り上がりを捉えて、引き続き、神戸市などとの連携のもと、さらなるパラスポーツの振興や理解促進に取り組んでいきたいと考えています。
3番目は「兵庫県薬物乱用防止PR大使の設置」です。
薬物汚染のない社会づくりを推進していくために、県民を代表してみずからの言葉で薬物乱用防止について発信することを通し、広く県民の皆さんに、薬物乱用防止への関心、そして理解を深める活動を行うため、兵庫県薬物乱用防止PR大使を新たに設置任命しました。
PR大使は2名で、1人が兵庫県神戸発のVtuberである九十九みなさんです。
九十九みなさんは動画サイトなどで、兵庫県や神戸の魅力をはじめ、県内企業のPR動画を配信するなど活躍されています。
2人目は、シンガーソングライターの田畑実和さんで、兵庫県出身であり、現在も県内にお住まいということです。
関西を中心に音楽ライブ活動を行っており、オリックス・バファローズの歌えるレポーター、いわゆる「うたリポ」としても活躍しています。
PR大使としての主な活動は何点かありますが、まずは11月16日に、神戸市内で開催される令和6年度の薬物乱用防止運動兵庫大会のPRや大会にも出演いただくなど、普及啓発活動に取り組んでいただきたいと考えています。
普及啓発活動の様子などを大使自身のホームページやSNSで発信していただきます。
啓発用チラシや動画にも出演いただきたいと思います。
既に9月6日に委嘱をしておりまして、今後順次活動をしていただく予定です。
お2人からは委嘱した際にそれぞれコメントをいただきました。
情報発信をしっかりしていきたいということ、それから今回の大会でもやっていきたいということです。
薬物乱用防止運動兵庫大会に関しては、県内で3年ぶりの開催となります。
前回はコロナ禍のため無観客で実施しましたので、6年ぶりにお客様が入る大会となります。
内容は厚生労働大臣や兵庫県知事などから乱用防止活動の功労者への感謝状の表彰、それから九十九さんによる特別講演「Vtuber九十九みなと学ぶ薬物乱用防止教室」、そして、田畑さんによるミニコンサートを予定しています。
定員650名、QRコードまたはファックスで11月8日まで申込を受付しています。
これまで薬物乱用防止については関係機関と連携して取り組んで参りました。今回委嘱しましたPR大使とも連携をして、引き続き取り組みをしていきたいと考えています。
私からは以上です。
日経新聞:
ユニバーサルな職業体験事業に関して、今、取り組む背景をもう少し詳しく教えてください。
知事:
多くの障害あるお子様にとって職業をどのように選択していくのかも大事なことだと思います。
将来やりたい仕事や好きなことを見つけたり、仕事をすると報酬、お金をもらえる喜びや達成感を経験していただくことで、生きる力や将来の夢を育むきっかけになって欲しいと考えています。
そのような意味で、ユニバーサルなやってみようプロジェクトを今回させていただいたということになります。
日経新聞:
薬物乱用防止PR大使の設置に関して、現在、兵庫県内での薬物乱用などは、どの程度知事の方では危惧されているのか。
なぜ今このPR大使の設置なのかも教えてください。
知事:
先般、危険ドラッグの知事監視店を指定するなど、大麻やその類似薬物の乱用被害が若い世代を中心に広がっていることが危惧されています。
そういった意味で我々は従来から薬物乱用防止の取り組みをしてきましたが、若い世代に向けた、そのような機運をさらに醸成していくことが必要だと思っていますので、今回はVtuberとシンガーソングライターの方に就任していただいて、しっかり普及啓発していきたいと考えています。
日経新聞:
明日、自民党など4会派が知事に辞職を求める予定となっています。
受け止めと辞職要求を受けて、進退なども含めてどのように対応される予定なのか教えてください。
知事:
明日(12日)に、自民党はじめ、各会派からの申し入れがあると伺っています。
内容については、私はまだ見ていませんが、報道等で出ているように、私に関することということで、大変、重い申し入れだということで、真摯に受け止めたいと考えています。
日経新聞:
それを受けての対応は、まだ検討中でしょうか。
知事:
これまで述べさせていただいたとおり、私の対応としては文書問題への調査をしっかりやっていくことと、9月補正や来年度当初予算の議論をしっかりやっていくことが私の今の思いで、しっかりやってきたいと思っています。
日経新聞:
辞職要求を飲まない場合、9月議会で不信任決議案の提出の可能性も高まっています。
仮に可決となれば、議会を解散するか、失職ということになると思いますが、現時点ではそのような選択肢について、どのような方針でしょうか。
知事:
朝の会見(囲み取材)でも述べさせていただきましたが、これは議会がどういうふうに対応するかという判断をされるのだと思います。
私としては先ほど申し上げたとおり、調査への対応や9月補正や来年度予算をしっかりやっていくことが、私としては本当に大事なことだと思っています。
議会側がどのように対応されるのか次第ですが、いずれにしても、そういうことになった場合には、地方自治法の規定に基づいて、どういうふうに対応していくかということになろうかと思っています。
日経新聞:
知事は、続投に関して、県民の負託ということもよく言われていますが、そういう意味では、議会も県民の負託を受けている立場かと思います。
そういう意味で議会から辞職の申し入れや不信任決議案の提出が検討されていることについて、知事はどの程度重く受け止めているのか、そのご認識をお伺いします。
知事:
二元代表制の一翼である議会からの申し入れは、私自身は重く受け止めなければいけないと思います。
県民の皆さんには、大変ご心配、それからご不安をいただいていることについては、改めて、今の状況になっていることについて、心からお詫びを申し上げたいと思っています。
朝日新聞:
朝の囲み取材の時に知事が言われていた百条委員会と第三者機関の設置は議会からの申し出や議決によって決まったので、私は最後までやりたいということでした。
要は議会が設置したものが継続中なのに、知事に辞職要求というのは、それは当初の趣旨から矛盾しているのではないですかと。
それはどういう思いで言われたのか、詳しく教えてください。
知事:
当時、文書問題に関して、内部調査をやってきました。
そこで我々としては一定の結論を出させていただいたというところですが、議会から、第三者機関の設置の申し入れがあり、それで我々が設置することを決めさせていただいたということです。
その後に、議会が百条委員会を設置し、この問題をしっかり調査していくことになりましたので、我々は私も含めてですが、県の職員の皆さんも、呼ばれた人たちは、私も本当に大変緊張しましたし、すごく重圧のかかる場面だったと思っています。
その中で職員の皆さんも、私も、自分なりの思いと認識を話してきましたので、そこは調査をしっかりやっていくという思いで我々も協力しているということです。
それはこれからも、必要に応じて、当然、出席をしていくことになりますが、やはり、内容の調査をやっていくことが、議会側の強い思いでもあったので、私はそれをしっかりやっていくことが、まずは大事だと思っているということです。
その上で、私も含めて、朝も言いましたが、県民の皆さんに不安や不快な思いを抱かせていることがあったので、そこは申し訳ないなと思っています。
そこは、改善をしていく、自分の行為や言動についてはしっかり改めていく。
そして、物品の受領についても、ルールづくりをしっかりやっていくことや公益通報についても外部窓口設置の必要性とか、その中で浮かび上がってきた課題を、しっかり解決していくことが、私たちのやるべきことだと思っていることを申し上げたということです。
朝日新聞:
浮かび上がった課題であるとか、もしくは報告書が出て、こういう改善すべき点があると言ってもらい、改善しようとしている途中で、「お辞めなさい」と言われるのは、不本意というか、理不尽というかお答えしにくいかもしれませんが、そのような思いがあるということでしょうか。
知事:
議会側の判断と会派の中でのいろいろなやりとりとか、思いの中で判断することですので、こちらからそれが不本意とか、そういうふうに言う立場ではないと思っています。
私としては、それを今しっかり取り組んでいるところで、それはしっかり対応していきたいという思いでいます。
朝日新聞:
不信任決議案が、まだ正式に出たわけではありませんが、出ることはもうほぼ確実な情勢です。
知事が最終的に選べるのは、議会の解散か失職になります。
仮に議会を解散されると、百条委員会は、一旦消滅すると法律上もなっていますが、そうすると知事は百条委員会を続けていきたい思いはあるので、再設置すればいいということもありますが、議会が解散すると百条委員会がなくなるので、今、言われていることと矛盾するので、議会の解散はあまり考えられていないのかと、お話を聞いて思ったのですが、どう受け止めたらいいですか。
知事:
不信任決議案の対応については、地方自治法に基づく決議ですので、法律の規定で選択肢があるわけですので、その法律の規定に基づいて判断をしていくことになります。
議会側が、提出、可決されることも含めて、それは議会側の判断だということだと思います。
朝日新聞:
仮に議会解散ということがあった場合は、そこは矛盾すると思います。
どうなるか分かりませんが、改めてその時が来たらご説明をお願いします。
知事:
我々は、調査にしっかり対応していきたいという思いでいます。
一方で、議会側がそういった判断をされる場合には、法律の規定に基づいて、いろいろな選択肢があるわけですので、それは法律の規定に基づいて、どういうふうになっていくか、ということだと思います。
朝日新聞:
公益通報の結果を待たずに、処分を行ったわけですが、処分を公益通報の結果が出るまで待った方がいいのではないかと幹部の方から進言されたご記憶ないということだと思いますが、それは今も変わっていませんか。
知事:
そうですね。
公益通報の状況とか、そういった状況は随時どうなっているのかは、議論の中ではあったかもしれないですが、私の記憶では、待った方がいいとか、そういった進言を受けた記憶はなくて、むしろ、非違行為が一定認定された場合には、懲戒処分は、人事行政として、きちっとやっていくことが、人事行政としてのあり方だと、ご指摘を受けたというふうに記憶しています。
朝日新聞:
片山元副知事は証人尋問の中でパワハラの案件があるということで、非常に厄介な問題であるというふうなことを言われていました。
前回の会見でも聞きましたが、パワハラが、なぜ厄介かというと受ける側の方の心情とかの状況もあるので、事実として認定される可能性もあると側近たちは認識していて、それについても知事に伝えていたと私は聞いているのですが、ご記憶もないということですか。
知事:
私が厳しく、例えば、こうして欲しいとか、ああして欲しいということは、認識されていたと思いますが、それが直ちにパワーハラスメントに当たるかどうか、私の方は決して、いわゆるパワハラの典型的にされているような、例えば、1人の方に対して悪意を持って何かをするなど、そういったことはしたことはありませんので、やはり業務の中で、こうして欲しいという思いを、強く申し上げることはありましたが、決して意図や悪意を持ってやったということはない。
それはその方々も分かっておられると思います。
朝日新聞:
知事の思いは分かりますが、あくまでも受け止めた側の問題はどうしてもこのハラスメント問題にあることは、よくお分かりだと思うので、その点について、片山元副知事は厄介という表現をされました。
他の方々の話を聞くと、場合によっては、発言など何かした本人がパワハラと思っていなくても認定されるケースは企業とかでも一般的にあります。
そういうことを進言された記憶もないということでよいかという確認です。
知事:
もちろん一般論として、ハラスメントは、客観的な評価を受けるということは、通常のものですということは彼らも人事行政に携わっておられた方々なので、それはいろいろなケースがあって、知事として厳しく接したことは、確かにありますから、そこは皆さん認識していました。
その一個一個がパワーハラスメントに認定する可能性がありますということを、具体的に指摘されるといった記憶はないです。
朝日新聞:
第三者機関の設置を、3月の段階で進言されていたのではということで、百条委員会でも証言を求められていたと思います。
その記憶がないということでしたが、これも変わりないということですか。
知事:
第三者機関を設置した方がいいと言われたことは、私の認識としてないと思います。
むしろ、第三者機関を設置すると、コスト面が非常にかかりますということは言われていたと記憶しています。
例えば、東京の方から弁護士を呼んだりすると、億単位で(お金が)かかる可能性もあるとか、今回については、まずは行為として、結論的にもそうでしたが、4つの非違行為を含めて懲戒処分に該当する可能性があることでしたから、これは通常の人事行政の中で調査をしていくことがいいのではないかという指摘を私はむしろ受けたというふうに記憶しています。
朝日新聞:
公益通報者保護法の所管している消費者庁の中では、専門家の会議がありますが、兵庫県の一連の文書問題についても、協議されていて法改正についても議論されています。
出席している委員からこの法律の趣旨に真正面から反するもので、違法ではないかというかなり厳しい意見も出ています。
知事は、反省すべきところもあると言っていましたが、ご自身の言動が、結局、告発者探しであるとか、法律に反するのではないかということで法改正の議論にまで繋がっている状況に現在なっています。
そのことについてどのようにお考えでしょうか。
知事:
そこの詳細は、承知していないということはありますが、私たちとして今回は誹謗中傷性の高い文書を作成・流布されたということで、早急に調査をするということもありましたので、初動の対応含めて違法性があるとは考えていないというところです。
消費者庁の方でもおそらく濫用性の問題とか、いろいろなご指摘もおそらくあると思います。
今回のケースも含めて、もし意図的にそういった誰かがかなりの違法行為をしたとか、そういったことの外部通報という形なのか、そういったことで外部に流布したとして、大きな名誉毀損が、例えば、発生する可能性がある時に、それを内部通報の窓口に提出したことによって、遡ってやることになってしまえば、極めていろいろなケースが出てきます。
企業や団体側にとっても、一つ一つが、膨大な量になってきた場合に、果たしてどうなのかというご指摘もあろうかと思いますので、今回のケースは、私としては初動対応含めて、違法性はなかったと思っていますが、消費者庁が、どのように議論していくかを注視はしていきたいと思っています。
朝日新聞:
今、言われているのは、幹部の皆さんと初期の頃に協議された話で、そういう誹謗中傷性の高い文書をどこかに配布して、今回は違いますが、悪意を持って、自分が処分されたくないので、後から公益通報窓口に行けば、処分を免れたり、もしくはそれが延命されるケースを作ってはいけないという話を幹部や弁護士とかで当初されていたと思うのですが、そのことを指して言われているのですか。
知事:
そうですね。
そういったケースも危惧されるのではないかと、私自身も思っていました。
読売新聞:
全県議、86人から辞職要求されるということになります。
この状況は、異常な状況だと、県民誰が見てもそう思われると思いますが、知事はご自身で、今のこの県議会との状況について、異常だと思いませんか。
知事:
状況としては、大変厳しい状況だとは思います。
私自身は、これまで述べたとおり、この問題について、それから日々の業務もやってきましたが、県議会の皆さんからそういった申し出があることは、本当に私自身も、大変重く、反省しなければいけないと思っています。
読売新聞:
反省されるということですが、86人のうち誰1人として、知事に続投して欲しいと言っていない状況ではないですか。
この状況は、知事が言われる予算審議等に影響が出ないことはあり得ない話だと思います。影響が出てしまう状況だと思います。
その上で、ご自身が辞職要求されていて、お辞めになるという考えはないというのは、逆に言えば、県にとって大きな影響を与えてしまうと思うのですが、その辺りについて知事はどうお考えでしょうか。
知事:
そのようなご指摘も本当に真摯に受け止めなければとは思っています。
9月議会の補正予算を含めて、私へのそのような申し入れを本当に受け止めなければいけないと思いながら、一方で必要な物価(高)対策とか、そういったことは、議会の皆さんにご理解いただけるようにしっかりやっていきたいと思います。
読売新聞:
これは理解ではなく、辞職要求を受けている状況で、そのまま知事が続投していれば、予算は通らないと思うのですが。
客観的に考えて、県民の人も不安に思っていると思うのですが、その辺り、なぜ知事はまだ続投しようというお考えなのでしょうか。
知事:
私の対応とか、政治姿勢などに対する申し出だと思います。
それは確かにご指摘があることは受け止めなければならないですが、一方で県民の皆さんにとって必要な事業や予算というものは、やはりしっかり進めていかなればいけないと思います。
読売新聞:
それは、事業が進まなくなることを、今、議会の86人の辞職要求が出ているわけではないですか。
例えば、庇う議員の人がたくさんいて、意見が分かれる場合は別ですが、そういう状況ではない中で、知事が続投しようする姿勢を出していることに関してお伺いしたいのですが。
知事:
私自身も、知事として、これまで3年間やらせていただきましたが、厳しい状況でありますが、事業とかにご理解いただけるように努力をしていくということです。
読売新聞:
県民から見れば、県議も選挙で選ばれて負託を受けています。
どの会派もいろいろな色がある中、県民の皆さんが、86人を選ばれていると思います。
その全員が辞職要求ということになろうとしている中で、知事が続投するところのお考えを、本音の部分でお聞かせください。
今、言われていることは、答えにはなっていないので、なぜ続投されるのかというところの思いをお聞かせください。
知事:
今の状況は、厳しい状況だと思います。一方で、いろいろなご指摘もあります。
ただ、私は3年前に県民の皆さんから、まずは4年間しっかりやるようにという中で負託を受けています。
4年間しっかり仕事をさせていただくことが、私が最大限3年前の負託に応えることだと思っています。
辞職申し入れとかはありつつ、そこは真摯に受け止めつつ、私としてはしっかり仕事をしていくことが、県民の皆さんの中には、こういった状況でどうなのかという思いをお持ちの方もおられると思いますが、私としては任期をしっかりやっていくことが、私の今の強い思いです。
読売新聞:
知事が2021年5月3日に、「兵庫県は恥ずかしい。子供たちからそんな声が出ていますと、残念です。私はこの状況を変える。全ての県民が、県が大好きで誇りに思っていますと必ず言ってもらえるように」とご自身の3年前の言葉でお伝えしています。
今、兵庫県を見たときに「兵庫県恥ずかしい」という声がどこからも聞こえてくる状況です。
この状況について、知事が思っていたことと、全く違うような方向に働いてしまっている。
その状況についてどのように受け止められていますか。
知事:
その点については申し訳ないと思っています。
それを少しでも回復するために、兵庫県は本当素晴らしいところですので、そのために私はこれからも努力をしていきたいと思っています。
読売新聞:
知事がもし辞職要求を受け入れない場合、不信任決議案を提出するという流れが、もうほとんど公算が高まっているということですが、その場合、辞職か解散か選ばないといけないと思います。
知事は仮定の話は答えられないということですが、ご自身も知事選に出る時に公約を出されています。公約は仮定の話ですよね。
私人ではなくて公人なので、しっかりとどのような選択肢があるのか、今どのようにお考えなのかということは、不信任決議案が出た場合、こういうことも視野に入れているなど、全く考えていないとなると、今のこの状況に関して現実逃避しているようにしか思えません。
仮定の話ではなくて、今、知事がどのようにシミュレーションされているのかは、ここで、お伝えいただけないでしょうか。
知事:
仮定の話は、今朝からは申し上げていないと思います。
提出される可能性、そして、それがどう審議されるかは可能性として出てきています。
私は、今朝から申し上げているのは、法律に基づいて提出するものですので、法律に基づいて、結果どうなるかまだ分からないですが、私としてはその法律に基づいて、どうするかを考えていくということです。
読売新聞:
法律に基づいてというと、解散もあるというふうに認識してよろしいですか。
選択肢として2つの解散か辞職が選ばれると思いますが。
知事:
制度として法律に基づく、様々な選択肢があるわけですので、そこは法律に基づいてどうするかということを考えていくということになる。
読売新聞:
その2つが選択肢にあるということでしょうか。
知事:
繰り返しなりますが、法律に基づいて対応されるもので、法律に基づいて選択肢をやはり考えていくということです。
読売新聞:
知事の責任について、知事が3年前の着任式で全職員を前にして、各部長にマネジメントはしっかり任せて、責任は私が取ると発言されていたと県職員の方が大勢言われていますが、今回の一連の問題で、知事はどう責任を取るのか、どう考えているのか、知事の本当の心の声をお聞かせください。
知事:
今の状況を招いていることについては、結果として、県民や職員の皆様、全ての皆さんに、ご心配やご負担、ご迷惑をかけていることになっていると思いますので、そこは本当に心から申し訳ないと思っています。
その上で、私としては、できるだけ自分で前に進めていけるように頑張っていきたいというのが私の本当の思いです。
県議会の全員がそういうふうになりそうだという状況からすれば、大変、厳しい難しい状況というご指摘は私も重々承知していますが、それでも何とかしていきたいという思いが、私の知事としての思いです。
できる限り県民の皆さんには理解していただけるように、そして県議会の皆さんにも理解していただけるように頑張りたいと思います。
読売新聞:
6日の百条委員会で委員から道義的責任は何かを聞かれた際に、定義が分からないと答弁されていました。
県職員の方も傍聴されていて、もちろん県民の方からも、ものすごい批判が集まっています。
責任が何か分からない、定義が何か分からないということではなく、ご自身の言葉でこの問題の責任が何かをしっかりと話すべきではないか、そういう話がありますが、今も、道義的責任はご認識されていないということでしょうか。
知事:
あの時は、すごく厳しいやりとりの中で、私の思いを伝えきれなかった点があれば、大変申し訳ないと思っています。
今の状況になっていることについて、私は、本当に県民の皆さん、職員の皆さんをはじめ、県議会の皆さんにも大変申し訳ないと思っています。
私自身が、至らないところが多々あったところで、私としては、文書問題については、自分たちなりに懸命に対応してきたつもりでありますが、結果として今の状況になっているということは本当に申し訳ないと思っています。
読売新聞:
至らないところというのは、ご自身でどこが至らなかったと思われているのでしょうか。
知事:
説明は、記者会見、それから今朝もぶら下がり(取材)などさせていただいていますし、議会の百条委員会、それから県議会でも自分としては説明を尽くしたつもりですが、それがやはりまだ、伝わっていないというご指摘もありますので、自分の説明力などそのようなところは、まだまだ足りていないところがあると思います。
自分としては努力をさせていただいているつもりです。
読売新聞:
一方で3月27日から始まったこの会見自体も、私は知事が最もしっかりと説明されていなかったと思っているのですが、その辺りのご判断は適切だったという認識でしょうか。
3月27日に強い口調で言われた会見から、その後も外部の調査は必要ないと、この会見で言い切っていたではありませんか。
そして、コーヒーメーカー、内部告発の弁護士が利害関係者という話が出てから、第三者機関の話にもなり、6月13日の議会までの間、知事はほとんど答弁をされていませんでした。
その辺りについて知事はどうお考えでしょうか。
知事:
文書の問題について、私として説明は、自分として一つ一つやってきたつもりはあります。
もちろん繰り返しや官僚的だというご指摘はあると思いますが、6月20日とか8月7日とか、自分として文書の内容について説明は十分ではなかったかもしれないですが、させていただいたというつもりであります。
読売新聞:
不信任決議案の話が出ましたが、知事は地方自治法に基づいて、どう対応するかを検討されるということでしたが、解散となれば、史上初で、今まで解散をされたことはありません。
解散を選択されるとなると、それ相応の大義があると思うのですが、その場合どういう大義で解散されることになるのでしょうか。
シミュレーションされているのであれば、ある程度大義もあると思います。
解散を視野にも入れているのであれば、どういう思いで解散をするのでしょうか。
知事:
繰り返しになりますが、不信任決議案への対応については、議会側がこれからどうされるかということを検討して決めていきますので、私としては、繰り返しになって本当申し訳ないですが、法律の規定に基づいて、どう対応するかを考えていくことです。
読売新聞:
法律の規定に基づいて、どう対応するかでは、ぼんやりとしていると思うのですが、解散するのであれば、こういうパターンがある。辞職するなら責任を取って辞職すると思うのですが、その辺りシミュレーションをどう考えているかお聞かせください。
考えていないなら、現実逃避だと思うのですが、受け止められているのであれば、知事もお考えがあると思うのですが、その辺をお聞かせください。
知事:
実際にどのようになるかということを踏まえて、私としても決めていくことになりますので、今の段階でシミュレーションと言われますが、それは私自身、実際にこうなった場合、どういうふうに判断した場合に、説明、対応をしていくということが大事だと思います。
今の段階では、繰り返しになりますが、法の規定に基づいて対応を検討していくということです。
共同通信:
明日、補正予算の内容が発表になりますが、一方で、議会が波乱含みになる状況で、それでも予算を出した知事の決意や思いがあれば教えてください。
知事:
県民の皆さんにとって、喫緊の課題は、物価高騰で物の値段が高くなっており、生活が苦しいということだと思います。
日常品やお米も不足していて、これから新米が出るとはいえ値上がりする可能性がありますし、牛乳やバターといった日常製品は本当に高くなっていて、買い物が苦労されている方も多いと思います。
電気代やガス代とかそういったものも、高くなっていて、ご苦労されている中で、県としては経済対策として、物価高騰の対応策をさせていただくということが、県民の皆さんの暮らしを支えるために大事なことだと思っています。
9月議会で提出をさせていただくべく、今、最終的に調整して明日発表ということになります。
共同通信:
不信任決議案に関しては、議会の判断、対応だということですが、そういった思いを込めた補正予算を作り上げている以上、議会に不信任決議案を出すことはやめて欲しいとか、時期は考えて欲しいとかそういった思いはありますか。
知事:
不信任決議案の件については、最終的にこちら側から何か提案するのではなくて、議会側がどうされるかというところで判断するものですので、こちらからこうして欲しいという世界ではないと思います。
我々としては、今回9月補正で提出させていただく予算を、予算以外もそうですが、しっかり審議をして可決して欲しいということを、これまでと同様にお願いしていきたいと思っています。
共同通信:
知事の後援会の代表世話人が、その職を離れたということで話が出ていますが、そのことに関する知事の認識と事実関係について確認させてください。
知事:
指摘されている方は、私の後援会とか政治団体の役員という形ではなく、私が会をする時とかの発起人として、対応いただいています。
改めて、これまでのご指導などに感謝申し上げたいと思います。
私自身はそれを直接ご本人から伺っているわけではないです。
その団体は、私の選挙の時に立ち上げた2つのもので、その方は関わってはいないですし、片山元副知事も関わってはいないです。
あくまで選挙に際して、私どもで立ち上げた団体ですので、片山元副知事もその方も、選挙の前の設立時には関与はしていないということです。
共同通信:
斎藤知事としては、役を離れたとか自らは手を引いたとかそういった認識はないということですか。
知事:
直接ご本人から話は聞いてはいないという意味でも、例えば、パーティーをやるとか、その都度都度で、声掛けをする発起人的にやっていただいたので、今後そういった会を開く時に、例えばその方のお名前とかでできなくなるということだと思います。
それは大変私としては残念な思いでいます。
そういった意味では、後援会と団体については、今もありますし、そういったところはこれからも団体としての活動は続けていくことになろうかと思います。
共同通信:
知事から、改めて引き続きお願いするとか、そういう判断に至った経緯を尋ねるとかそういったことはされないですか。
知事:
今、報道が出たばっかりで、本当にこれまでご指導いただいていたことは感謝申し上げていますので、折を見て、またご連絡を差し上げて感謝をお伝えしたいと思います。
毎日新聞:
明日の辞職要求を知事が拒否された場合、13日には重要政策提言があります。
補正予算にも、新年度予算にも関わってくると思いますが、実際、各会派、例えば、自民党でしたら、例年、知事以下、副知事、10人の部長が、並ばれると思います。
知事の出席を拒否しています。これは自民党にとどまらず、公明党、ひょうご県民連合、共産党、無所属の会派もそうです。
13日の重要政策提言にはどのように臨まれるお考えでしょうか。
知事:
既に維新の会、それから明日各会派が予定されていると思います。
そんな中で、重要政策提言に対するご判断だと思います。そこは、申し訳ないと思っています。
一方で、そういったことになっていることで、県民の皆さんにもご不安を与えることになるとすれば申し訳ないと思いますし、議会の方にも、いろいろな判断の中でそういった対応されているということだと思います。
いろいろ考えた中でやられていることについては、申し訳ないと思います。
一方で、重要政策提言については文書等で承りますので、そこをしっかり踏まえて、来年度予算に反映していくということは、着実に我々の当初予算の編成としてやっていきたいと思っています。
毎日新聞:
例えば、開会日の19日に知事が100億円の補正予算を、県民生活の維持のためにと言われています。
それは議会も同意せざるを得ず、政策を前に進めて行かざるを得ないと思いますが、今日、一部報道でもあったように、例えば、19日に不信任決議案が提案されれば、代表質問や一般質問が飛んでしまいます。
すなわち、新年度予算の審議がまともにできない9月議会になってしまうということが想定されます。
議会審議にはどのようにご対応していかれるお考えでしょうか。
知事:
19日から議会が開会しますが、議会日程については議会側でどうするかを考えていただくことになると思います。
9月議会は、一般質問、代表質問は予定されていますが、新年度予算の議論は、2月議会になりますので、9月議会は9月補正の議論であったりとか、それ以外の県政の議論をする場だということです。
私としてはそういった場が、今までどおりあればいいと思っていますが、議会側がいろいろな判断の中で、そういった場がないという形になれば、これは議会側の判断ですが、結果としてそういうのがないということについては申し訳ないと思っています。
毎日新聞:
明日、辞職申し入れを拒否した場合、19日もしくは30日にも、不信任決議案が、全会派全議員一致のもとで提案されることが想定されます。
知事はそのことについて、どのように対応するつもりですか。
知事:
先ほど読売新聞含めて答えさせていただいたとおり、実際にどう提案されるかはこれからだと思います。
法律に基づいて、提案される、議決されることになるのであれば、私としては地方自治法に基づいて、対応を検討していくということです。
毎日新聞:
実際に補正予算策定にあたっても、政策会議の場で幹部とかと協議をされると思います。
実際に議会に、提案理由の説明、具体的なレクチャーをするのは、職員の方々です。
財政課の職員の方々、それから議会事務局の職員の方々、大変ご苦労をされています。
この文書問題にも関わると思いますが、県政が前に進まないことで議会から辞職申し入れがある理由の一つになっている、県政の停滞を象徴している出来事かと思います。
職員の方々への負担については、知事はどのようなお考えでしょうか。
知事:
今回の9月補正についても、財政課の皆さん含めて、一生懸命作っていただきました。
議会への事前説明含めて、しっかりやっていただいていると思っています。
その中で今の状況において、ご負担やご苦労お掛けしているのであれば、そこは申し訳ないと思っています。
毎日新聞:
知事にとって、前回の百条委員会では、道義的責任の意味が分からないということで、政治的責任の取り方として、議会の要望とか職員の方の負担軽減に繋がるという意味で、政治的責任は今の姿勢のままで取れるのでしょうか。
知事:
批判はしっかり受け止めたいと思います。
私としては、できるだけ県政が議会対応も含めて、前に進めるようにこれからも力を尽くしていくということです。
職員の皆さんには、負担をかけてしまっていることになれば大変申し訳ないと思っています。
職員の皆さんは、日々の業務レクチャーとか、対話を本当に一生懸命やっていただいていますので、来年度予算に向けた政策協議とかも一生懸命考えていただいて、私に提案をいただいています。
そのことについては本当に心から感謝を申し上げたいと思います。
毎日新聞:
先日の県政改革審議会でも、具体的な提言が各委員から経済界の方、市長会会長、NPOの方からも、今の斎藤県政のままでは、政策は前に進まないという声が大半だったと思います。
12日には市長会が、改めて協議をされるということですが、県民の声、市長会の声、経済界の声には、今の斎藤県政のままでは、停滞が著しい。前に進まない。県政改革は前に進まない。という県民の声にはどのようにお答えになりますか。
知事:
大変厳しい重いご指摘だと思います。
私としては日々の業務それから政策立案については、今回の9月議会も含めてやっていると強く思っていますが、審議会の委員の皆さんから、先日の指摘があったことは、大変厳しい指摘だったので、重く受け止めなければならないと思っています。
工事発注が遅れたり、そういったことは決してないということをその場でも申し上げましたけども、そういった不安が出ないように、これからもしっかりやっていきたいと思っています。
毎日新聞:
百条委員会を経て、例えば、パワハラの問題であれば、改めてご自身が研修を受けてルールづくりを進める。公益通報では、外部機関に通報ができるような制度改正を進める。物品の授受、贈答品では、新たなルールづくりを進める。
それらは、服部副知事以下、人事課など知事部局の皆さんに大変なご負担をかけている認識はありますか。
知事:
ルールづくり含めて、課題とされたこと、これは変えたほうがいいということは、これからの県政にとって大事ですから、ご負担いただいていることは申し訳ないと思いますが、必要な業務としてしっかり私自身も含めて対応していきたいと思っています。
毎日新聞:
気になるのが、2人の職員の方が亡くなったという事実です。
文書に向き合うという意味でも、今後二度と犠牲者を出さないという意味でも、職員の負担をどのようにこれから軽減されていくのか。
具体的に服部副知事や人事課の方に指示を出されて、改善しようとされていることがあるのであれば教えてください。
知事:
先日の審議会の中で総務部長も答えたとおり、ハラスメント含めて風通しの良い職場づくりが大事です。
研修の機会を増やしていくのか、それともオープンな職場づくりをしていくのかを具体的にこれから、決めていくということです。
服部副知事、総務部長含めて、私もしっかりやっていきたいと思っています。
NHK:
記者会見にずっと参加をさせていただいて、3月27日はここにいる記者も覚えていると思いますが、文書について初めてのコメントを知事がされました。
その時の様子は、どこか自信を持っていて、この文書というものは、嘘八百とか公務員失格という強い言葉を使って否定されていました。
すごく自信を持ってこの文書の疑惑を否定されていた印象を受けました。
結果として、約5ヶ月後の明日には、自民党含めて、4会派、県議会議員86人全ての方から、辞職をしてくださいという状況になっています。
先ほど説明が足りなかった部分とか反省すべきところは反省と言われていますが、この問題がなぜここまで大きくなったというところは、何が原因だと知事は考えていますか。
知事:
私自身は一つ一つの取り組みをやってきたと思っています。
説明は、本当にいろいろな機会でやらせていただいているつもりではありますが、そこが届かなかったり、お伝えできていなかったという私の力不足もあろうかと思います。
それが県議会含めた皆様に、この問題がどうなんだということを抱かせてしまったというところは、大変申し訳ないと思っています。
そんな中でも一つ一つのことは私たちとしては、きちっとやってきたつもりではあります。
NHK:
知事ご自身としては、しっかり説明を果たし、向き合ってきたつもりですが、辞職申し入れがされて、9月議会では不信任決議案もチラつく中、このままでは状況は好転しないと思います。
この状況を変えていく。知事が言われるみたいな県民の負託とか、百条委員会でしっかり説明を果たしていくということを言われるのであればどうご自身変わっていこうと思われていますか。
知事:
私自身は言葉が不足しているとか、思いを伝えた方がいいと言われることもあります。
ただ、自分のスタイルで、今までやってきましたので、これが私としての今のスタイルではありますが、そのような中でも百条委員会含めて、会見も自分としては力を尽くして説明してきたという思いですので、これからも尽くしていきたいという思いではいます。
NHK:
維新の会が申し入れを服部副知事にされて、明日、自民党が先陣を切って申し入れをされます。
振り返ると3年前では自民党の中では党内で様々な意見があって、自民党の中から11名の方を中心として、斎藤知事を知事にしようと動かれてきました。
明日の申し入れには、知事を擁立するために動かれた方もメンバーとして入っている、自民党として辞職を申し入れることついては知事の思いはありますか。
知事:
申し訳ないという思いです。
3年前に会派を割って、本当に重い決断で、当時石川先生や内藤兵衛先生、若手(議員)も含めて重い決断をいただいたと思います。
今、百条委員会の委員長やられている奥谷先生もそうですが、先生方の重い決断の中で私に対して出馬要請をしていただいて、私も一緒にやりましょうということで決断しました。
それで知事選挙に勝たせていただいて、知事に就任してこれまで一緒にやってきたというところです。
私としては、自分がやる政策とか、公務を先生方のアドバイスとかも十分受け止められなかったところもあるかもしれないですが、当時、ひょうご自民(自民党兵庫)という会派でおられた中で一緒にやっていこうと。議会が終わるたびに、会派の控え室も行きました。
そこで、「頑張れよ」と当時も言っていただいていましたので、大変申し訳ないなと。
こういう状況になったということは、申し訳ないという思いで、自分自身に対して、悔しい思いではあります。
先生方に心から感謝はしていますので、本当に申し訳ないという思いで、私自身は、今、います。
NHK:
知事ご自身としては、明日、申し入れがされますが、先ほど述べられているように、調査にしっかり対応していくことを言われていますが。改めて思いをお聞かせください。
知事:
感情が出てしまいまして申し訳ないです。
私自身は、決して完璧な人間ではないので、いろいろな間違いもあったかと思いますが、自分自身はこれからも一生懸命あくまでも県民の皆さんのために、やっていきたいという思いでいます。
県民の皆さんからもいろんなご指摘をいただいています。
頑張れというご指摘もありますが、何やっているんだというご指摘もあると思います。
それは私自身がまだまだ力不足なところがあります。
それでも未来の兵庫のために頑張っていきたいという思いは、今でも強く持っていますので、ぜひ、そこをご理解いただけるように、これからも自分として頑張っていきたいという思いです。
NHK:
今、感情的になられているとは思いますが、明日申し入れがなされて、86人全員の議員が知事に辞職要求をし、それに応じなかったら、不信任決議案を出しますということを言われています。
出された際のご対応は、現時点では知事の思いとしては法律に基づいてやっていくということが、今日時点でのお考えでしょうか。
知事:
これから議会の方が出されるとすれば、大変重い決断だと思います。
私は、法律に基づいて、それに対するどういう判断するかというのを考えていくということです。
読売テレビ:
全ての始まりは、初動対応にあったのではないかという指摘が、大きいかと思います。
百条委員会のプレッシャーの中で答えることは大変だったと、知事も言われていますが、プレッシャーの中で、職員と片山元副知事が、第三者機関を考えるべきだと提言したという証言がありました。
それを覚えていないというのは、間違いないでしょうか。
知事:
第三者機関をすべきという提言ではなくて、私の記憶ですが、第三者機関ということも、議論としてはある。ということを話し合った中で、私の認識、記憶では、むしろ第三者機関を開くことは、コストも含めて非常にかかる可能性があると。
今回の場合は、元県民局長の結果として懲戒事案当たる可能性があることなので、まずは人事課の調査でやっていくということがいいと、逆に進言を受けたと私は記憶しています。
読売テレビ:
第三者機関と内部調査のそれぞれの提言はあったが、内部調査を優先すべきという判断になったという理解でしょうか。
知事:
提言というか、私が記憶しているのは、第三者機関を設置するというのも、議論としてあるという話を話し合っていた時に、それをやると非常に時間やコストがかかる可能性もありますと。
だから、まずは、内部調査で人事課の調査をしっかりやっていくことが大事だと思います。ということを話し合いの中で、むしろ逆にこっちがそうした方がいいという提言、進言を受けたというのが私の認識です。
読売テレビ:
提案としては受けて、議論の結果、内部調査を選んだということでしょうか。
知事:
提案ではなくて、こういったものもあるという議論です。
項目として、こういうやり方もあるということが話に上がって、議論の中では、コスト面含めたときに、懲戒処分に結果として該当する可能性があるものなので、人事課の内部調査でまず対応することがいいという進言を私は逆に受けたと思っています。
読売テレビ:
最終的なものは分かりました。
3月20日、21日やその後も協議はされているかと思いますが、第三者機関に関しては、検討もしたということですか。
知事:
検討したというか、私の記憶ではそういう話もありますが、話としては出たということだと思います。
方向性としては、内部調査で人事課がしっかりやっていくことがいいという、話を逆に言われたということです。
読売テレビ:
最終的にまとまった内部調査というのは、結果論からも分かってはいます。
その中の議論に第三者機関はあったか、なかったかをお答えください。
知事:
第三者機関を開くということも、むしろ私の方からこういうのもあるとかいう議論があったのですが、何か提言を受けたとか進言を受けたということはないと思います。
読売テレビ:
進言という言葉に対しての記憶がなかったという、百条委員会での発言になるのでしょうか。
知事:
第三者機関をした方がいいとか、そういった進言を受けたということ私は認識としてはなくて、むしろコスト面とか考えたときに、人事課の調査でまずはしっかりやっていくことがいいと思います。ということを逆に進言を受けたと思っています。
読売テレビ:
この進言の一番大事なところは、進言という形をとったかどうかではなく、第三者機関も含めて検討しましょう。ということを人事課なり副知事が、議題に上げたことが一番大事だと思います。
そういう意味では議題としては上がっていたということになりますか。
知事:
私の認識をした議題としてというよりも、そういう話として出たということです。
読売テレビ:
話し合いの俎上にはあがっていたということですか。
知事:
そういう話もあるということは俎上にはあがっていました。
ただ、先ほど言いましたとおり、いろいろなコスト面とか考えると、人事課の調査でやっていくことが、まずはすべきだという進言を受け、それを私が了承したということです。
読売テレビ:
その後、5ヶ月が経ってこの間、新たな事実が分かったこともありました。
外部からの指摘も数々あったかと思います。
百条委員会の中で参考人として来られた専門家の方も違法状態で、その時の判断は誤りだったのではないかという指摘も出ています。
今、振り返ってもその時の判断は正しかったと思いますか。
知事:
専門家の方々がいろいろなご指摘をされているということですが、我々としては初動の段階で、誹謗中傷性の高い文書だということから、県の初動体制として早急に調査をすることが必要だったので、初動も含めて違法であったとは考えていないです。
読売テレビ:
直接か分かりませんが、その後告発者の方が亡くなったとことに対する、道義的責任、私は、道徳心に照らし合わせた責任と捉えていますが、そのことに関しても感じていないということですか。
知事:
亡くなられたことは、大変残念でお悔やみを申し上げたいと思いますが、亡くなった原因、理由はご本人しか分からないことはあります。
私たちとしては、初動の対応を含めて、違法性はなくきちっとやらせていただいたという面は今でも思っています。
読売テレビ:
確認のしようがないので、どうやって亡くなられたかということを、分からないと、今、言ってしまうのは簡単だとは思います。
大きなプレッシャーを与えていた、スタートの選択の時点で、違法性を指摘されている、今、法に照らし合わせてということを、再三、不信任決議案の対応の際にされていますが、違法状態だったと指摘されていることに関して、改めて見解をお伺いできますか。
知事:
違法状態については、学識者や弁護士さん含めて専門家のいろいろな指摘があると思います。
県としては、初動も含めて違法性があったとは考えではないです。
委員もおそらく言われていたと思いますが、最終的には司法の場でどうなのか、委ねられる面があるということです。
県としては、初動の対応含めて、この懲戒処分にかかる内容も含めて、違法性があったということは考えていないです。
読売テレビ:
仮に司法の場に、この話が上がって、違法となった場合に初めて道義的責任を感じられるのでしょうか。
知事:
懲戒処分に関することですので、大事なのは法的にきちっとやってきたかどうかというところが大事なところだと思います。
神戸新聞:
先ほどNHKから、維新の会と自民党からの辞職申し入れの受け止めを聞かれた際に、斎藤知事は涙ぐまれながら答えられました。
そして、感情が出てしまったということでしたが、それは支援してもらった維新の会と自民党の県議の皆さんの期待に応えられなかったという感情からの悔し涙なのでしょうか。
知事:
申し訳ないという思いです。
期待に応えられなかったというよりも、結果的に、その方々からもそういった申し入れを受ける状況になってしまったことについて、自分の力不足というか、そういったところを強く思ったというところです。
ただ、県政をしっかりやっていきたいという思いは、私自身も、今は強く思ってはいます。
神戸新聞:
片山元副知事が引退を表明された際の会見でも、片山元副知事が涙ぐまれる場面があり、その際も、「ただ知事を支えられなかったことが悔しい」として涙ぐまれていました。
今の知事のお答えでもそうですが、文書問題の対応へがまずかったことを後悔しての涙であったり、元県民局長が結果的に亡くなられたこととか、そのようなことへの後悔や悔しさみたいな、そんな感情は今の涙にはこもっていなかったのでしょうか。
知事:
今の思いは先ほど申し上げたとおり、自民党の先生方とのこれまでの経緯や維新の会の皆さんとのこれまでの経緯に対しての説明でした。
神戸新聞:
9月6日の証人尋問の件で伺います。
あの時の委員からの質問で、改正された公益通報者保護法を踏まえて、違法性があるかどうか少し確認させていただく、必要があれば回答するというような答弁を知事がされていたかと思います。
百条委員会が終わった後に、改めて改正された法律に基づいて、県の対応がどうだったかは検証されたのでしょうか。
知事:
そこは、これから、また必要があればだと思います。
今のところは、改正が2020年で、結果的に今は2024年ですから、そこが織り込まれた法律であったり、指針になっていますから、そこの中で、我々としては法の趣旨や指針について、弁護士とも相談しながら、これまでの対応は、県の初動対応も含めて、違法性はあったとは考えていないと思っています。
神戸新聞:
これだけ会見の場や百条委員会でも、その対応が本当に適切だったのかという質問や批判が相次いでいるが、今、その検証をする必要はない状態だとお考えでしょうか。
知事:
ご指摘いただいた点については、どういった内容が指摘されたかは、当然確認をして、我々、県としての考え方はどうなのかというのは、もちろん、整理はしなければならないと思っています。
産経新聞:
3月25日の片山元副知事の元県民局長への聴取についてお伺いします。
改めてですが、3月25日の聴取内容は、知事はお聞きになったり、見られたりはしましたか。
知事:
録音データではなくて、反訳、文字起こしの形で見させていただきました。
産経新聞:
文字起こしでも分かると思いますが、その聴取の中では、他の県幹部の方の名前を出して、その方の人事についてほのめかしたり、おどしのような口調で聴取されていたと思いますが、この聴取の内容は適切だと思いますか。
知事:
厳しいやりとりをされていたと思っています。
そこが適切かどうかは、2人の間で、お付き合いも長い中で、本音ベースでやりとりをされたと思っています。
産経新聞:
百条委員会でも、そこが適切かどうかの判断はできないと知事は言われていましたが、適切かどうか判断できないのは、どういった理由でしょうか。
知事:
厳しいやりとりはされていたと思います。
それが自白の強要やハラスメントまで至るのかどうかは、私自身は、そこは2人の関係性やその前後の状況などがあると思いますので、私が、適切か不適切かはなかなか申し上げにくいです。
ただ、片山元副知事も人事行政を長年やられた方ですから、自分自身も録音を取っているということであれば、そこはしっかり踏まえた上で、対応されたのだと思っています。
産経新聞:
2人の関係性もあると思いますが、何回も「誰に渡したのか、誰から聞いたんだ」と繰り返し聞かれています。
元県民局長は、それを一度否定されたりはしているのですが、何度もそれを聞かれている状況で、それは自白の強要とは考えられないのでしょうか。
知事:
そこが厳しいやりとりだったということはあると思いますが、そういったご指摘のところまでいくかどうかは、私は、なかなか分からないというところはありますが、やりとりがちょっと厳しくて、言い過ぎたりした面があるとすれば、そこは皆さん指摘されているとおりだと思います。
それが違法な聴取かどうかは、私自身は分からないというところです。
産経新聞:
違法かどうかを聞いているのではなく、それが自白というか、「誰から聞いたんだ」と、情報源を無理やり引き出そうとしているようには見えなかったですか。
知事:
やりとりは激しくされていたということです。
あくまでやりとりの中で、2人は昔から本当に付き合いが長い方で、あとは、本人とその場の元県民局長の主張やそういったところで口調が厳しくなったことはあると思います。
産経新聞:
その中で元県民局長は、その噂話で作ったことも言われていましたが、これはあくまでも、誰から聞いたという情報源を守ろうとしたようにも見えるのですが、知事はそのようには見えなかったでしょうか。
知事:
その時もそうですが、その後で百条委員会でも言いましたが、元県民局長が職員局長に電話された際にも、噂話はあちこちにあると、それを集めただけだとも言われていましたし、その後、5月7日の懲戒処分が決まるまでも、噂話を集めたことではないということを示す証拠などは、提出されていませんでしたので、そこは、ご本人がそう言っている、具体的な証拠や証言が追加されていない以上、私は、今もそういったものだったと思っています。
産経新聞:
知事としては、その噂話というのは真実相当性がないものだと、今回のこの話以外でも、そのように捉えられているのでしょうか。
知事:
今回の問題になっているのが、公益通報者保護法との関係です。
それは、法に基づく中に、噂話を集めたものではないことが書かれていますので、そこは公益通報の保護対象など、そういったものには該当しない要件だと思っています。
産経新聞:
知事は、噂話が真実相当性に欠けるものだという認識なのですか。
知事:
真実相当性の要件が2つあり、1つが、客観的な証拠や供述、信頼性の高い証拠、供述などがあるかどうか。
それからもう1つが、噂話を集めたものではないということですので、要件を満たすことが真実相当性の大事なポイントだと考えています。
産経新聞:
そういった情報の集め方だけで、真実相当性がないと捉えられたのでしょうか。
知事:
公益通報の保護要件が、信ずるに足る相当の理由のところが、単なる憶測や伝聞ではなく、通報内容が真実であることを裏付ける証拠や関係者による信用性の高い供述など相当の証拠が必要だとされているからです。
産経新聞:
あくまで元県民局長がそういった証拠を示さない限りは、真実相当性はないと考えられると。
知事:
そのように認識しています。
産経新聞:
3月25日には元県民局長以外にも、他の幹部に3組体制で(聴取に)行かれていますが、他の組についての内容は承知されているのでしょうか。
知事:
私の方に報告があったのは、元県民局長の聴取の結果です。
産経新聞:
他の2組については、聞かれていないと。
知事:
詳細はそこまで聞いていないとは思います。
断片的にこういう状況だったということは、確か報告を受けたと思いますが、最も、例えばパソコンの中にこういうものがあったとか、噂話で集めて書きましたということを言っていた、という報告を受けたのは元県民局長(のものだけ)です。
産経新聞:
ただ、知事が調査については指示されている中で、なぜその2組についても詳しく話を聞こうとならなかったのでしょうか。
知事:
大事なのが、どなたが作られて、作成したのかというところを、誹謗中傷性の高い文書でしたから、発信者がどなたかも含めて、全容を調査していくことが大事だと思いますが、結果として、元県民局長の行為を裏付けるものが出てきたことで、それ以外の方は報告の中で、そこの関与性がおそらく結果的にそこまでなかったとすれば、そのように報告が、詳細はなかったので、初動(調査)した方々の中で判断された報告を私は受ける立場ですから。
産経新聞:
その中の1班の方は、県幹部の方にLINEを見せるように指示したり、また、元県民局長からの電話をスピーカーにするように指示したりしていることが取材で分かったのですが、この内容についてはご存知ですか。
知事:
どのようにしていたかは、任せていた面があるので、どのようにしていたかは、特に私が指示していたりとかいうことはないです。
産経新聞:
LINEを見せるように迫ったり、元県民局長との電話をスピーカーにするように聞こえるようにして、その内容も付箋などで指示したりしていることが取材で分かったのですが、今、聞いて適切な人事の調査だと思われますか。
知事:
任意の中で、このようにして欲しいと。
例えば、個人の携帯を見せてもらえないかというのは、任意の中で、あくまでも強制ではなく、合意の中でやることは、一般論としてあり得ると聞いていますので、そこで相手がもし嫌がればやれないですし、そこは双方合意の中でやられたものだと思っています。
産経新聞:
それは合意が取れていれば、やってもいいという調査内容なのでしょうか。
知事:
そこは私には分からないですが、あくまで強制ではなくて、相手との合意の中で、「ここを見せてくれへんか」というところで、「いいですよ」というところだと思います。
逆に言うと、見せたくないという場合には見せないというようにしていると思います。
産経新聞:
あくまでも私的なやりとりの中ですので、LINEを見せるように人事課がされるのは、どのような権限でそういったことをされるのかが、分からないのですが。
知事:
権限はないと思います。
権限がないというか、誹謗中傷性の高い文書を作成されていると。
その発信者も含めて、事案を初動として確認する中で、強制ではなくて、このようなやりとりを見せてくれないかというところを念のため、お伝えして、それで、先方がいいですよという中でやられたことだと思います。
産経新聞:
任意で求められてても、人事課としてそういった権限がないと先ほど言われましたが、それでも求める、迫るのは適切かどうか、知事は、今、ご判断できないのでしょうか。
知事:
あくまで任意でお願いをして、向こうがいいですよということですので、そこは任意の開示ですので、適切か違法性があるかは、私は、任意の中でやっていることだと思います。
産経新聞:
そこの判断はできないということなのですか。
知事:
違法性があるかどうかは、一般論としては任意で見せてもらえないかというところで見せたというところがあるのであれば、違法性はないと思います。
産経新聞:
違法性かどうかではなく、人事課の調査として適切かどうかというところなのですが。
知事:
適切かどうか、ちょっとすいません、私は、今、適切かどうかというのは少し評価の世界があるので、大事なのは違法性があるかどうかだと思います。
そういった意味では任意で見せてくれないかというところで、見せていただいて、もちろん見せたくないと言えば見ていないはずですから、そこの問題としては、違法性はないということです。
時事通信:
知事の中に、県民の負託を再び受けようというお考えはないのでしょうか。
知事:
先ほどから答えさせていただいているとおり、3年前に県民の負託を受け、4年間ということでやらせていただくことになっています。
議会側からの申し入れは、しっかり重く受け止めなければいけないと思っています。
今は、私としては、9月議会も補正予算も含めて、来年度予算も含めてしっかりやっていくことが、私の今の大事な仕事だと思っています。
時事通信:
今、言われたように、3年前の負託を背に続投という判断をこれまでずっとされてきていると思うのですが、それをまた改めて負託を受ければ、全然今と違う景色になるのではないかと思うのですが、そのような判断をされる可能性はないのでしょうか。
知事:
私が今まで申し上げたとおりですね。
調査への対応と仕事をしっかりやっていくということです。
時事通信:
県政を前に進めるというのも、今、かなり困難な状況になってきている。
外堀がかなり埋まってきており、2択しかないような状況に追い詰められているところと思います。
改めて、県民の負託を得ることで、知事がやっていかれたい県政を前に進めることは、改めて道が開けると思うのですが、信を問う可能性は知事の中では、どのようにお考えですか。
知事:
繰り返しになりますが、百条委員会含めた調査への対応をしっかりとやっていくことと改めることを改めていくことが私の思いです。
それから、9月補正とか来年度予算含めて、事業や業務をしっかり進めていって、そして、予算については、県議会の皆さんにご理解を一つ一ついただけるように頑張っていきたいという思いです。
時事通信:
第三者機関の調査や百条委員会の調査を、今後も受け続けていけば、どこかで風向きが変わるというか、雰囲気ががらっと変わると知事はまだお考えになっていますか。
知事:
そのようなことというよりも、調査にしっかり対応していくことで、事実関係を明らかにしていく、それが調査の目的ですから。
その上で、変えるべきとか、こうすべきということを、私自身がしっかりやっていくことが大事だと思っています。
TBS:
公益通報に関して、文書が噂話を集めて作成されたものであるために真実相当性がないという点についてお伺いします。
先ほどの質問にもありましたが、3月25日の片山元副知事の元県民局長への聴取記録を読みますと、片山元副知事ご自身が、「噂だけやないようなことも聞いとるやないか、誰から聞いとんや」と厳しく質問されています。
噂話だけじゃない。要は、相当に信用性のある内部情報が根拠になっているのではないかということを、前提にした質問「誰から聞いているんや」ということを繰り返し質問されています。
この点について、矛盾はないのでしょうか。
知事:
本人がその時もそのように言ってますし、その後の職員局長への電話の中で、「噂話はあちこちにあると、それを集めただけだ」というように言われていますので、片山元副知事とのやりとりの場面だけではなくて、別の場面でも言われていることが根拠ですね。
TBS:
片山元副知事との聴取のやりとりの中では、「誰から聞いとんや」と何回か聞かれた中で元県民局長は、「それは言えません」とはっきり言っています。
情報源は明かせない趣旨のことをはっきりと、「それは言えません」と言っています。
それに対して片山元副知事は、「そら言えへんやろ」と理解を示しています。
こういう状況の聴取が行われていることを、知事は認識されていると思いますが、この聴取で本当に噂話だけで作成されたのが真実だと思われたのでしょうか。
知事:
私への報告は当時、本人が「噂話を集めて1人で作成したと言っています」という報告がありました。
それで、私としては、3月25日の時点で、これは本当に結果として、信ずるに足る相当の理由はないという証拠が認められないことが分かったということです。
いろいろな場面でいろいろな状況でどう言われたかというところまでは聞いてはいないですが、やはり議事録とかを見ますと、その時も言っていましたし、ポイントとしては、元県民局長が職員局長のところに電話した時に、「噂話はあちこちにある、そして、それを集めただけや、ほんまに1人でやっているからな」と言われていますので、それは本人がそのように言われていることは、その後も、5月7日の処分の時までに、何回も本人にも、確か、状況聞いていてもそのような話は出なかったので、そこはそうだとに判断しました。
TBS:
知事が、今、言われた職員局長への電話で、元県民局長は自白をされているのですが、電話メモでも、職員局長自身が「関係者しか知りえない情報が入っているやないか」と噂話ではあり得ないという趣旨のことを詰めていますよね。
職員局長自身が、関係者しか知りえない情報が入っていると。
それに対して、元県民局長は、「守秘義務があるから言えんけどな」と言えないということをはっきりと言われているわけではないですか。
さらに職員局長は、「とても1人でやったとは思えない。あそこまでの内容を1人では書けないというのが我々の見立て」というように言われています。県庁側の見立てですね。
こういうやりとりを見れば、元県民局長が自分は言えないとはっきり意思表示をしているのが分りますし、県当局側が単なる噂話ではこれは書けないと認識しているのもはっきり分かります。
典型的に公益通報として扱うべき状況がここにはっきり表れていると思いますが、それでもいまだに、これは公益通報ではないと思われているのでしょうか。
知事:
初動の時の調査は、どういった方、1人でやったのか、それとも複数の人がいるのかを調べるためにやらせていただいていると、誹謗中傷性の高い文書という前提ですので。
その中で、関係する人がいるのかどうかを聞くことは、初動の対応としては自然な流れでもあると思います。
その中で、ご本人が、そうではなくて1人でやったと言われているので、それが噂話を集めて書いたということですから、それは私たちとしては、そういった供述されているので、それに基づいて対応をしたということです。
TBS:
しかし、これは元県民局長が噂話だけで作ったのではないことが真実だということは、誰が読んでもわかる状況だと思うのですが、それを形式的に、これが、元県民局長が主張したことだから、公益通報に当たらないとするのは、余りにも無理筋ではないかなと思うのですが。
知事:
やりとりの中では元県民局長も、「その辺で噂話を集めた、流れている」と。
それで最後に、「だから俺1人で書いた、聞いた情報をまとめました」と認めておられますので、それは噂話を集めて1人で書かれたと最後も言われていますから、そこは真実相当性の要件が欠くと判断せざるを得ないと思います。
TBS:
7月になって、元県民局長は百条委員会に陳述書を提出されました。
陳述書の中で元県民局長は、それぞれの告発内容について、根拠を彼なりに説明されています。
確かに、中には、誰から聞いたか覚えていないという記述もありますが、具体的な職員名を挙げている部分も複数あります。
また、ご自身が体験されたこと、西播磨の道の駅で体験されたこと、或いはワインについて、知事が発言された、「まだ飲んでいないのでまたお願いします」というようなことも説明されています。
さらに、ワインのくだりについては、音声の資料も持っていらっしゃったことが今となっては分かっています。
そうすると、ここに書かれているものの少なくとも一部については、今となっては、真実相当性があったと考えるのが普通だと思うのですが。
この陳述書及び音声データを見れば。
知事:
まず、5月7日の懲戒処分の時点までに、元県民局長に聴取などをしてきましたが、その噂話以上の証拠は出なかったということです。
それから、今、ご指摘いただいたものも、西播磨のワインの件も、あくまで私は、懇話会の中で、みんながいる中で「いいですね」という社交儀礼の世界ですから、決しておねだりとかそのようなものではなくて、違うと思っています。
TBS:
この陳述書で説明されている根拠は、真実相当性には足らないというお考えなのでしょうか。
知事:
やはり、誰から聞いたか忘れましたとか、覚えてませんということが多々ありましたので、一個一個のものについて、7月時点でも十分な裏付けを出されているかどうかは、私は明確に言えるかどうかは、そこは言えない面もあると思います。
TBS:
部分もある。
でも、一部分については真実相当性があるのではないかと思うのですが。
知事:
私が見た限り、そこに該当するものがあったというのは、私は思ってはいませんが、ご本人なりのご主張だと思います。
そこも、百条委員会で、しっかり、できればお話をいただいて、説明をしていただきたかったという思いがあります。
TBS:
陳述書の説明では、真実相当性が足らないという点については、県の特別弁護士には確認されているのでしょうか、その解釈で間違いないかと。
知事:
そこは承知していませんが、真実相当性がこれで確認されますということは、私は聞いてはないです。
TBS:
百条委員会で専門家が今も違法状態が続いているというような指摘があったと思います。
今の状況を一刻も早くこの違法状態を解消すべきだと思いますが、知事として、元県民局長に対する懲戒処分、或いは探索を行った者に対する処分を行うお考えはありますか。
知事:
繰り返しになって申し訳ないですが、この文書は個人名や企業名などを出して、名誉を棄損する内容が私は含まれていたと思います。
それから誹謗中傷性の高い文書だと思いますので、それが一定程度流布していることが認められる状況ですから、我々としては早急に調査をして対応していくことがありましたので、県の初動の対応に違法性があったとは考えていないということです。
それ以降の懲戒処分までの調査についても、人事課がやってきたものですので、手続き含めて違法性があるとは考えていません。
TBS:
先ほど維新の会との関係で、政治的な状況について知事は感情をあらわにされて、大変苦悩を抱えていらっしゃる様子も見受けられたのですが、一方で、この問題について、最初に心のこもった言葉をかけるべき相手は元県民局長のご遺族ではないかと思います。
知事も苦しんでいらっしゃると思うので、血の通った言葉を発信していただけないでしょうか。
知事:
改めて、元県民局長が亡くなられたことについて心からお悔やみ申し上げたいと思います。
私も知事になる前から存じ上げていた方で、大変熱心で仕事を頑張る方でしたので、個人的にも尊敬や敬愛していた方ですので、改めてお悔やみを申し上げたいと思います。
Arc Times:
先ほど、維新の会や自民党の議員への思い、擁立してもらった人達から辞職を求められていることについて聞かれて、泣いていましたが、本来、泣くべきは県民に対してではないのでしょうか。
命を落とされた職員に対してではないのでしょうか。
そういった思いは、知事は県民や県職員にはないのではないのでしょうか。
そこをまずお聞かせください。
知事:
今の状況になっていることについては、県民の皆さん含めて、職員の皆さんもそうですが、全ての皆さんに申し訳ないと思っています。
Arc Times:
涙をするとか、そのような気持ちは、自民党や維新の会にはあるが、県民や命を落とされた方にはないんですね。
知事:
そういった意味ではなく、私も感情が出たということはありますが、やはり全ての方々に、今の状況になっていることについては大変申し訳ないと思っています。
Arc Times:
先ほどから県民の負託と言われていますが、3年前に言われたのはこういう言葉でした。
「生まれ育った兵庫を少しでも良くしたい、大事な故郷を前に進めたい。」。
これが、斎藤さんの県民に対する約束であり、県民はそれに、負託をしたのだと思います。
今、斎藤さんがやっていることは、少しでも良くするどころか、どんどん兵庫県を後退させていって、故郷を前に進めるどころか、どんどん評判を落としています。
それが、知事がやっていく、負託に応えていることになっていると思いますか。
既に負託に応えられていなくて、辞職するしかないのではないでしょうか。
今でもその負託に自分が応えていると思いますか。
最初に言った言葉「故郷を少しでも良くする。そして、兵庫を前に進める。」それが出来ていると思いますか。
知事:
今の状況を考えれば、十分出来ていないという指摘もあるかもしれないですし、私自身もそこはまだまだ厳しい状況だと思っています。
私自身は厳しい状況ですけど、負託を頂いた立場として、しっかりやっていきたいという思いでいます。
Arc Times:
しっかりとやっていくという話ですが、先ほどは地方自治法の話が出ていたので、その点からお聞きしたいのですが、3年前の知事選でも、総務省の職員として20年近くやってきたということを言われていました。
地方自治法は一番よくご存知だと思いますが、二元代表制で、知事には予算提出権という強大な権限があります。
それに対して、議会はチェックするという役割です。
議会が出来るのは、今回で言えば不信任決議案もそうですし、知事は先ほどから県民の生活を前に進めると言っていますが、これから補正予算案もありますし、予算も通らなくなれば、議会としては、不信任決議案は出せますし、同時に予算の否決もできるわけです。
その後、再議などありますが、基本的に86人の県議会議員が、知事にNoを突き付けたら、県政は前に進みません。
それが地方自治法の精神です。
それでも知事は辞職しないんですか。
それが県民のためになるんですか。
知事:
今回の9月議会も、物価(高)対策含めて、予算を提出させていただくことを予定しています。
私の政治姿勢とか、そういったものへの厳しいご指摘は受け止めますが、一方で、必要な予算、事業は、是々非々で議論をしていくことが大事だと思います。
Arc Times:
是々非々と言っても、議会が否決すれば何も進みません。
今、事業が進んでいますと言われていますが、それは、議会が可決している今年度の当初予算だから進んでいるわけで、これからの補正予算や来年度予算は進みません。
それでも県政を前に進められると言うのですか。
知事として、県議会が全員反対すれば何も進まないのに、なぜ総務省で地方自治法をご存じの斎藤さんは、それでも辞めないのでしょうか。
知事:
事業とか必要な予算は、やはり県民の皆さんにとって、なぜ必要かどうしてこれを今やらないといけないのかをきちっと知事側と議会側で話をしながら、議決に向けて持っていくものですので、そこはこれからもこれまでもやっていくことが大事だと思います。
Arc Times:
辞職要求をされるということは、話ができない状況になったわけで、異常な状況です。
知事は、辞職要求をされても、県議会側と話ができて、予算を通したり法律を通したりできると思っているのでしょうか。
それは元総務官僚としてもそう思うのでしょうか。
知事:
必要な予算とかそういった事業については、県議会側も、これはいるよね、やるべきだよねということはご理解いただけると思います。
Arc Times:
理解されると思っているんですか。
知事:
それは我々がしっかり説明をして、そして、この事業はこのタイミングでやらなければいけないということの説明をして、議決をいただけるように持っていきたいということです。
Arc Times:
議会はこれからおそらく不信任決議案に行くでしょう。
知事もよくご存知のとおり、たとえ解散しても、県議会選挙は去年行ったばかりですので、また県議選をやりたくないと思っている人が多いでしょうが、また県議会は戻ってきます。
そうなると、必ず知事は失職することになると思います。
知事は、地方自治の専門家ですので、分かっていて、なぜそこで時間を空費するのか。県民の生活を前に進めるのではないんですか。
それをご自身のエゴのために時間を空費して、県民に迷惑をかけるのでしょうか。
それが斎藤さんのやりたいことですか。
知事:
私としては、一つ一つの業務をしっかりやっていくことが大事だと思っています。
Arc Times:
ただ、出来なくなる、県議会にNoを突き付けられるということは、出来なくなるということです。
堂々巡りで言っていてもしょうがないのですが、知事は地方自治法を知っていても、不信任決議案がチラつかされ、辞職勧告が出ている知事が、事業を前に進められる話ができると思っているんですか。
それは逆に言えば、県議会を馬鹿にしているということですか。
知事:
そういったことではなくて、私の政治手法とかに対するご指摘やご批判は受け止めなければいけないですが、それと県民の皆さんにとって、必要な事業や予算は一つ一つ議論をして、合意をいただけるようにしていく。
そして、県議会が必要であると認めていただけるものをしっかり出していって、詰めていくということです。
Arc Times:
知事にとっては、自分が県民にとって障害になっているという認識はないのですか。
県議会の全議員が辞職要求しています。
それとも県民に対して、必要な予算措置などが出来ると、まだ思っているのでしょうか、そこは明確にお答えください。
知事:
必要な予算や事業については、きちっと説明をしてご理解いただくようにしていくことが、二元代表制の一翼でもありますから、そこは大事だと、そうしなければならないと思います。
Arc Times:
そういう意味では対立したとしても、自らの権限をチラつかせて、やり続ける。
このまま平行線の状況を続けるということですね。
知事:
権限をチラつかせるというわけではなくて、あくまで予算の決定権は議会にありますから、そこは、議会にご理解いただける予算とかそういったものをしっかりまとめていって、出していくことが大事だと思います。
Arc Times:
ここからでも議会にご理解いただける状況を作れると思っているのですね。
明日、全議員から辞職要求をされて、9月議会で不信任決議案も出る状態ですが、現状認識として、県議会にご理解いただけると知事はまだ思っているのですね。
知事:
まず、9月補正については、物価(高)対策含めて、本当に重要なものを出させていただくことにしていますから、それはご議決いただけるようにしっかりやっていきたいと思っています。
Arc Times:
一般論で聞きたいのですが、知事は政治家と官僚の違いは何だと思いますか。
知事:
官僚は公務員ですが、政治家は選挙で選ばれたというところです。
Arc Times
マックス・ヴェーバーの「職業としての政治」によれば、政治家と官僚の最大の違いは、自らの行為について、自ら一心で責任を負うと書かれていますし、一般的な認識だと思います。
知事が今やっているのは責任を一切負わないと、できるだけ逃げるという姿勢だと思いますが、ご自身でそれは政治家として正しい行いだと思っていますか。
知事:
いろいろなご指摘はあると思いますし、そういった考え方もあると思いますが、私が考えているのは、やはり調査への対応であったり、それから9月議会、来年度予算に向けた仕事をきちっとやっていくことが、私の責任だと思っています。
Arc Times:
知事は責任を取らない姿勢を、兵庫県民、日本国民、市民、そして兵庫の子供たちに見せているわけですが、そういう姿勢を子供たちに見せて、恥ずかしいと思わないのでしょうか。
子供たちが恥ずかしいと思うのではないかと考えないでしょうか。
自らのロールモデルとしての役割をどう認識しているでしょうか。
知事:
そういった指摘は真摯に受け止めたいと思いますが、私としては、日々の業務をしっかりやっていくことが大事だと思っています.
Arc Times:
先ほどから真実相当性の話がずっと出ています。
噂話を集めたものだというところ、その1点において、真実相当性がないという主張を繰り返しています。
知事は告発文を見た時に、そこに事実があることは、ご本人が一番分かったはずです。
そこに真実があることを最初に分かっていたのは、それは、おねだりしたとか主観的な証言は別として、事実としてワインの話などいろいろなものは、それに書いてあったわけですよね。
それこそがまさに真実相当性ですが、噂話云々を理由にするのではなくて、最初に読んだ時に、知事は真実が含まれていると分かったからこそ、激怒したし、そして異常なほどの調査をさせたのではないのですか。
最初から真実が入っていると分かっていたのではないでしょうか。
知事:
文書の内容を見た時に、客観的な証拠とか供述とか具体的なものが、文書にきちっと含まれているとは、私は認識しませんでしたし、ワインのところについては、そこに書いていなかったはずです。
Arc Times:
噂話のようなものだと思ったのなら、なぜあれだけ厳しい調査体制を組み、捜査体制と言っていいと思いますが、1年間に渡るメールをチェックさせ、東京地検特捜部のように同じ時間に関係先に対して、捜査のようなことをさせたのでしょうか。
そこに都合の悪いことがたくさん入っていたから、それを明らかにしようとしたのではないでしょうか。
その捜査体制自体が自己矛盾を起こしていると思いますが、大したことないものだったら、大したことない調査で終わると思いますが、なぜそれだけしゃかりきになって、職員を使って、捜査をしたんでしょうか。
実際は、真実相当性を一番自分が感じていたからではないんですか。
知事:
私が当事者だからこそ、見て違うところも多々ありましたし、それから文書を見ていただければ、やはり職員個人名とか企業や自治体の名称をたくさん書いており、その方々が、違法行為に何か加担したとか、死因であったり病名も書かれていたわけです。
これは誹謗中傷性の高い文書だと考えて、それが一定流布されている状況でしたから、私は、これは放置しておくと、やはりどんどん拡がっていく可能性があるということで、それをすると多くの皆様に本当に大きな影響が出ると思いました。
だから早急に調査をする必要があったということで対応していますので、あくまでも誹謗中傷性の高い文書ということで、初動の対応をしてきましたので、そこには問題はなかったと思っています。
Arc Times:
今、文書に違うところもありと言われましたが、事実として正しいところが入っていたこともあったわけですよね。
中には事実と違うこともあるが、事実に似たところもあるというのは分かっていたのではないのですか。
知事:
何かをした日に、こうしたとかというのは、「何かをした日」は、確かに合っていることもありましたが、そこで実際に何か違法性があることへの行為の指摘が違うものでしたので、そこはやはり事実と異なることが含まれていると。
そのため、誹謗中傷性が高い文書だと私は考えました。
Arc Times:
今、言われましたが、何かをしたことがあるのは正しいことがあったと分かっていたわけですね。
それは、真実相当性があるということではないのでしょうか。
今、違法性のところについては言いましたが、それが違法かどうかは別とし事実としてという意味です。
知事:
ある日に何をやったかというところの中で、核心的なところが、これは何度も言わせていただいていますが、そこが事実と異なると。
それを裏付ける供述や証拠が示されてなかった点で、真実相当性が満たしているとは、その時も思わなかったということですね。
Arc Times:
基本的に思わなかったんですか。少し思ったんですか。
今、基本的にと言われましたが。
知事:
思わなかったです。
Arc Times:
言い換えたんですね。
今、言い換えられたので、最初基本的にと言われたので。
そもそもご自身が関わっている内容が書かれているもので、知事はずっと公務員として勤務されてきましたよね。
公務員として大事なのは、公平性であり中立性だと思います。
ご自身が関わっている内容について、自分が判断する、自分が調査を命じる、自分が処分を早めるように言うことに問題性や利益相反は感じなかったのでしょうか。
斎藤さんは、公務員としてそういう仕事をしてきたんでしょうか。
自分に利益相反があるものについて、自分が関わって、判断したり、業務を執行したりしてきたんでしょうか。
知事:
今回については、最初に文書を把握したのは、私だということで、誹謗中傷性の高い文書だということで、初動の対応をしたということですね。
その後の人事課の内部調査は、私は関わっていないということで、問題ないと考えています。
Arc Times:
公務員の常識からすれば、自分が関わったことを自分で判断するのは、絶対あってはならないことですが、それこそ、斎藤さんが言われたた「公務員失格」は、ご自身に返る言葉ではないかと私は思いますが、そうは思わないですか。
ご自身が「公務員失格」だとか問題があることをしたとは思わないですか。
特に自分が関わるものについて、自分が調査を命じて、そして処分を早めさせて処分したということについて。
知事:
一連の今回の対応は、法的にも問題はなかったと思っていますし、それから私が当事者として書かれていることはありますが、書かれていた内容は誹謗中傷性の高い文書ですから、そこは初動の対応も含めて、それから、人事課の調査は、私は関与していませんし、そういった意味で問題はなかったと考えています。
Arc Times:
自分には返ってこないと思っているということですね、「公務員失格」という言葉は。
知事:
今回の対応は、法的にも問題なかったと思っています。
Arc Times:
一方で、例えば、処分を早めさせたこととか、第三者機関の話とかそういう話になると、百条委員会でも、「記憶にない」と繰り返していましたが、それ自体が非常に不自然なのですが、知事が言った「嘘八百」という言葉は、知事にまたそれも返っていくんじゃないんでしょうか。
記憶がないという言い方で、嘘をついているんじゃないんでしょうか。
知事:
百条委員会では、自分の素直な認識を申し上げたつもりです。
Arc Times:
政治家として聞きたいのですが、私も官僚をずっと取材してきましたし、政治家も取材してきましたが、総理も総理経験者も大臣も皆、政治家は、人の気持ちとか思いに寄り添うことが最大の官僚との違いだと思います。
知事の言葉を聞いていると全くそういう感じがないんですが、ご自身の感情として、亡くなられた方に、残念だなどとずっと言い続けていることではなくて、それ以上の気持ちはないんでしょうか。
知事自身が命じて、追い込んだ方が亡くなられているわけですよね、元県民局長が。
そういう人に対して、本当の言葉とか思いとか政治家として人としてそういうことはないんでしょうか。
それとも同じ言葉をずっと繰り返すんでしょうか。
知事:
官僚的な言葉遣いという指摘や批判は受け止めます。
元県民局長が亡くなられたことは、本当に残念で悲しいことです。
これまでの仕事を含めて、心から感謝申し上げたいと思います。
Arc Times:
金融機関への補助金と優勝パレードに関して、先日、AERA dot.もこれは関係しているものだと書いていますが、知事は補助金とは別事業だと言っています。
23年の12月補正予算で、金融機関への補助金は、当初、財政課査定では1億円だったものが、2日後に3億7500万円になり、そして知事の「きりがいい数字」ということで、それが2500万円も積み増されて、4億円になる。
その同じ時期に、寄付がなされている。
これは非常に不自然だと思いますが、補助金適正化法違反に問われたり、背任行為に問われるという次元が違う問題だと思いますが、その点はどうお考えでしょうか。
知事は、これ自体、自分たちで調査をするとかそういうことはしないんでしょうか。
県政の予算執行にとって、非常に重い法律的な問題をはらんでいると思うのですが。
知事:
これまで述べていますとおり、金融機関に対する補助事業とパレードの寄付は、予算を組み立てた時期とパレードの寄付を集めた時期は近接していますが、それぞれ別の対応でやってきたと思っています。
Arc Times:
兵庫県は財政課の査定が、1億円だったものが2日後に3億7500万円なるようないい加減な財政査定をやっている県庁なんでしょうか。
知事:
予算の積み上げは、必要な見積もり、それから、その時の情勢含めて、みんなで議論をしながら、積み上げていくものですので、財政課含めて、予算査定や組み立てはきちっとやっていると思っています。
Arc Times:
知事は2500万円をなぜ積み増したのでしょうか。
知事:
これまで述べておりますとおり、予算とか事業というのは、打ち出しという言葉をよく使うんですけど、例えば、900万円とかよりも1000万円という形で打ち出す方が、切りが良いというところで、打ちだしの観点から、切り良くするという判断は、一般的な財政や予算の組み立ての時に、これまでもよくあった話ですので、それでやらせていただいたということです
Arc Times:
900万円と1000万円だったら、100万円ですが、3億7500万円と4億円では、2500万円です。
2500万円は、寄付の額にも、ほぼ似ているわけですが、2500万円というのは、きりが良い、良くないで片付けられる、県民にとっても相当なお金ですが、2500万円はその程度のお金なんでしょうか。
知事:
その程度のお金と思っていることは決してなくて、大切な県民の皆さんの税金ですから、3億7500万円という数字で予算を出すよりも、4億円という形で出すことが、中小企業への伴走型支援として、県がしっかりやろうとしているということで、伝える意味も含めて、その額でいってはどうかということを当時指摘したということです。
Arc Times:
私自身、90年代ですが、秋田県の取材をしていた時に知事と同じ自治省出身の佐々木喜久治さんという知事がいて、彼は食糧費問題で自民党から辞職要求を突き付けられてすぐ辞めました。
それは、自治省や総務省の経験者であれば、辞職要求が不信任決議案に繋がり、予算執行も何もできなくなる、法律上それが分かっているからだと思います。
そして、自分が続ければ一番迷惑を被るのは、県民だと分かっているからだと思います。
知事も同じように地方自治法が分かりながら、86人全員の県議会議員が辞職を突き付け、不信任決議案も出て、いずれにしても不信任決議案が可決されて、県議会を解散しても、いずれ知事は辞めなければいけなくなると思います。
それでも知事は辞めないのでしょうか。
今でもこの状況になっても、辞めないのでしょうか。
辞めない理由が、県民の負託と言われましたが、県民の負託はもう既に裏切っていると思います。
どういう理由で辞めないということを説明するんでしょうか。
知事:
今、述べられたこと、秋田県の元知事さんの経緯も含めて、そういった事情は真摯に受け止めたいと思いますが、私としてはこれまで述べさせていただいているとおり、調査への対応、それから、9月補正、当初予算含めて、しっかり仕事をしていきたいという思いで、それが負託を受けた立場としての、思いです。
明日、議会からの厳しい申し入れもあると思いますが、そこが県民の皆さんにそれでも仕事をさせていただきたいという思いを理解いただけるように、頑張っていきたいと思います。
Arc Times:
県民に恥ずかしいと思わないですか。
知事:
いろいろなご指摘があると思いますが、私は一つ一つの仕事、それから対応をきちっとやっていくということです。
Arc Times:
いまだにそういう言葉を繰り返すこと自体が県民を馬鹿にしていると思いますが、そういう指摘に対してどう答えますか。
県民を馬鹿にしているのではないでしょうか。いずれはこの問題が去ると。そこまで、県民を軽視するんでしょうか。
先ほど、維新の会や自民党の議員に対しては、泣いていましたが。
知事:
県民の皆さんには、今の状況を招いていることについては、本当に申し訳ないと思っています。
テレビ朝日:
県民からは、激励の声が多いとお話をされていましたが、具体的にどんな激励の言葉が届いているんでしょうか。
知事:
批判ももちろん多いです。
県には、たくさん届いていますので、それは確かにしっかり受け止めなければいけないと思っています。
激励は、「しっかり頑張れよ」というような声をいただくこともありますね。
テレビ朝日:
特に印象的に残っている言葉、エピソードはありますか。
知事:
「大変だろうけども、しっかり頑張ってくれよ」というお言葉いただいたりとか、「頑張れ」というご指摘ですね。
テレビ朝日:
期待が込められているということなんでしょうか。
知事:
県民の皆さんには、様々な思いをお持ちの方がおられると思いますので、今の状況では、県政は難しい状況にあると厳しく思われている方もあれば、そんな状況でも頑張って欲しいという様々な思いをお持ちの方もおられると思いますので、それぞれのご指摘はきちっと受け止めていきたいと思います。
テレビ朝日:
批判よりも激励の方が多いという認識は変わらないですか。
知事:
多いというか、私が直接、県民の皆さんと対峙したときにそういった言葉をかけられることがありましたが、もちろん県庁には、たくさんご批判の声はきていますので、それは申し訳ないと思っています。
テレビ朝日:
明日、維新の会以外の全会派が斎藤知事に出す要望書の原案が、こちらにあるんですが、その中で指摘されている点について伺わせてください。
まず、要望書では、「告発文書の内容に真実が存在し、文書が嘘八百ではないことが明らかになったにもかかわらず、文書に真実相当性がないという従来からの考え方を変えることなく、頑なな姿勢を取り続けている」と指摘されています。
斎藤知事自身が、机を叩くなどといった行為を認めていることから、吉村知事も真実相当性があると指摘されていますが、それでも知事は、真実相当性はないという考えに変わりないのでしょうか。
知事:
文書を把握して、それからその後の調査の時点でも、真実相当性がないと判断してきましたし、確かにご指摘の点、不適切なところがあったことは私自身も反省しています。
そういった中でも文書の中に、真実相当性の内容がやはりないことが、含まれていると、多々含まれているという思いに変わりはありません。
テレビ朝日:
真実相当性がある部分も一部はあったと認識されているということですか。
知事:
結果としてそういうところが、私の不適切な行為があったということありますが、指摘されている暴行罪とかそういった大きな誰かを落としめるような、そして誰かを徹底的にやるような、そういった行為は、私自身はしていなくて、業務上ここはこうして欲しいという思いで強い指摘をさせていただいたこともありますが、そういった思いで私はやっているということです。
テレビ朝日:
要望書の中には、「道徳的責任が何か分からないと、看過できない発言が飛び出した」や「知事という職責を果たすためには、法令遵守は当然のことながら人として守るべき倫理や道徳といった道義的責任がより強く求められるが、知事の発言からは、道義的責任を有している態度を見いだすことはできない」と指摘をされています。
告発した職員が亡くなっています。
道義的責任が分からないという考えには変わりはありませんか。
知事:
あの時はやりとりの中で、自分の表現が足らなかった面もあると思っています。
もちろん、今の状況を招いていることについては、全ての県民の皆様、職員もそうですが、関係者の皆様には本当に申し訳ない気持ちです。
それから、亡くなられた職員に対しても、本当に心からお悔やみと感謝の気持ちを伝えたいと思っています。
テレビ朝日:
では、今は道義的責任が知事としてあると認識していますか。
知事:
今の状況を招いていることについて、私は大変申し訳ないと県民の皆さんにも思っています。
テレビ朝日:
要望書の中には、専門家からも公益通報者保護制度の運用に関して、「兵庫県は今も違法状態といった驚くべき指摘もなされている」とあります。
これは百条委員会の参考人でもある山口弁護士の指摘を指していまして、具体的に言えば、外部公益通報者に身内で内部調査を行うなど、不利益な扱いをする県の体制が、法令違反に当たるといった指摘だと思います。
県の体制が法令違反に当たるといった指摘を受けても、公益通報者保護制度の運用に問題がないという認識は変わらないんでしょうか。
知事:
今回の文書は、個人や企業とか、そういった方々を実名で、名誉毀損する内容も入っていまして、誹謗中傷性の高い文書、それが一定の流布が認められたので、私自身も早急に対応する必要があるということでしたので、初動の対応も含めて、違法性はなかったと考えています。
それから、その後の人事課の調査も当事者は関わってはないという状況ですから、懲戒処分に当たる経緯や内容についても、違法性はなく、適正だと。
公益通報の対象に当たるかどうかというところも、先ほど申し上げた、当時、噂話を集めて作成したということ、具体的な証拠や信用性の高い供述が5月7日まで聴取においても示されなかったことを踏まえると、公益通報保護の保護対象、外部通報の保護対象になることは、以前説明させていただいたとおり、その要件は満たしていないというのが、県の見解です。
全体として、初動も含めて、違法性はないというのが県の立場です。
テレビ朝日:
では、また同じように助けを求める声、真実を追及する声が上がったとしても、知事は内部だけで調査をして、誹謗中傷性が高いという理由で、調査を外部には委託せず、その声はまた書き消されてしまうのでしょうか。
知事:
まず、内部通報が来た場合は、内部通報については一定の真実相当性がなくても、きちっと調査をしていくことが、内容を確認していくことをしながら、やります。
外部に通報された場合は、その内容が、やはり客観的な証拠とか供述とか、そういったものがしっかり裏付けている場合には、それは保護対象になりますので、そこはしっかり保護して、我々としても、そこは公益通報の担当部局になると思いますが、きちっと事実関係を保護しながら対応していくことになります。
公益通報は、法律の趣旨や、それから内容に則って、保護すべき内容については、しっかりやっていくことは大事だと思っています。
テレビ朝日:
では、保護すべきものか、そうでないものなのかという区別も今後また同じような体制で内部だけで行うということですか。
知事:
そこはこれから通報窓口を外部に持っていくことはもう決めていますから、いずれにしても、公益通報に関する体制は、まずは通報窓口を外部に持っていくということを含めて、しっかり良くしていくというふうにしたいと思います。
テレビ朝日:
やはり、外部に委託をしたということは、内部だけで調査をしたことに対して、反省をされているということですか。
知事:
他の県も含めて、外部に置いていることが多いということもありますし、私は今回の対応については、違法性があるとは考えていませんが、他の県の状況とか踏まえたときに、内部通報の窓口を外部に持っていくことは大事だということですから、そこはこれからきちっとやっていきたいと思います。
テレビ朝日:
要望書の結びには、「9月議会までに我々が期待する回答がない場合には、次に然るべき行動に移る覚悟である」とありまして、不信任決議案の提出を示唆しています。
提出された場合は可決される見通しが高く、知事に辞職の考えがないとなると、議会解散ということになりまして、議会解散が行使された場合は、県議選に16億円もかかると言われています。
今回のケースにおいて、議会の解散権を行使することが適切であるのか。
県民に理解を得られるとお考えでしょうか。
知事:
不信任決議案は、これから議会側が対応するということですから、その対応については、先ほどから何度も申し上げて、申し訳ないですが、地方自治法の規定に基づいて、対応を検討していくということです。
テレビ朝日:
県民の理解は得られると考えていますか。
知事:
法律に基づいて県議会が不信任決議案への対応を考えているということですから、それが結果どうなるかはまだ分からないですが、その結果を踏まえて、私としては、法律の規定に基づいて、どう対応するかということを考えていくということです。
読売新聞:
維新の会の吉村共同代表が、先ほどの記者会見で、文書問題について言及されています。
まず、1点目が今の県政の状態で、もし不信任決議案が出され、可決された場合に議会を解散することについて、県民の理解は得られないとはっきり言われています。
これについての受け止めをお願いします。
知事:
私は直接拝見していませんが、それぞれの立場での指摘だと思いますね。
読売新聞:
吉村さんの会見の中で、先日、知事が百条委員会でも言及されていた、道義的責任についてもお話がありまして、吉村共同代表は、政治家は結果に対して、道義的責任を負うのは間違いないと。
つまり、政治家は、常に結果について、道義的責任を負うものであるという認識をはっきり言われています。知事はこの認識についてどうお考えでしょうか。
知事:
私も、そこは大事なポイントだと思います。
政治家としての結果責任は、本当にそのとおりだと思います。
今、こういった状況になっていることについては、本当に県民の皆さんにも、本当に大変申し訳ない状況だと思っています。
読売新聞:
ここで言っている結果責任は、今これだけ混乱していることもありますし、もう一つは、元県民局長がお亡くなりになるという非常に残念な結果になったことも含めてだと思います。
1人の職員を死に追いやってしまったことも含めて、道義的責任を、今、知事は大事と言われていましたが、大事と言われるのであれば、この道義的責任について、どう考えておられるのでしょうか。
知事:
元県民局長が亡くなられたことは、繰り返しになって申し訳ないですが、大変残念で、お悔やみを申し上げたいですし、これまでの仕事については、感謝申し上げたいと思っています。
読売新聞:
道義的責任が大事ということであれば、そこについて責任を取るということになるのではないかと思いますが、そこは違うんですか。
1人の職員が死に至っても、なお辞めるほどのものではない、辞めるほどの道義的責任ではないということなのでしょうか。
知事:
亡くなられたこと自体は、私は本当に重いことだと思っていますし、そこは心からお悔やみを申し上げたいと思っています。
読売新聞:
今のやりとりからすると辞める必要がある責任ではないというお考えですか。
知事:
亡くなられたことは本当に残念なことです。
ただ、亡くなられた理由は、ご本人にしかわからない面もありますけど、県としては、これまでの対応は、一つ一つきちっとやってきたということですから、亡くなられたことは本当に残念だという思いは強くありますね。
読売新聞:
亡くなられたことが、ご本人しか分からないというのは、失礼ながら、すごく他人事のように聞こえます。
取材の中でも、ある議員さんもそう言われていました。
何でこんな他人事のように言うんだと。
県政の混乱の中で、1人の人が命を落としているのに、「よく分からない、私は知らない」という趣旨のことを言ったのは、信じられないと。
やはり、今のお話を聞くと、道義的責任が大事だと言いながら、結局、その責任を大して重く捉えていないように感じるのですが、いかがですか。
重く感じるのであれば、やはり辞めるべきではないかと思うのですが。
知事:
そこは、元県民局長が、我々としては、文書問題に関しては、一つ一つやってきて、違法性も含めてないというところでやってきました。
元県民局長が亡くなられたことは本当に残念で、大変心が痛いというところです。
読売新聞:
不信任決議案に関して、今日も繰り返し聞かれていますが、仮に可決されれば、都道府県では、戦後5例目で非常に稀ですし、非常に不名誉な話だと思います。
かつて知事を推薦されてた自民党や維新の会も今回動きが出てきていると。
先ほど申し上げた吉村共同代表からも、知事に直接お電話もあったと思いますし、そこでいろいろ説得、辞めたらどうかというお話もあったと聞いています。
ある意味、これまで政治的な仲間であった自民党の方々や維新の会の方々からの最後の情けといいますか、最後はせめて自ら進退を考えられたらどうかという気持ちもあるのではないかと思いますが、知事の中で、「やはり俺は辞めたほうがいいんじゃないか」という気持ちの揺れみたいのはないのでしょうか。
知事:
いろいろなご指摘があるということです。
そこは重く受け止めたいと思います。
読売新聞:
全然、迷いとか感じるところはないのですか。
自民党や維新の会から言われて。
知事:
本当にこれまでご支援とか、力を貸していただいた方々ですから、そういった方々からそういったご指摘とか申し入れがあることは、自分の力不足もあるかと思いますし、そこは、重く受け止めたいと思います。
神戸新聞:
先日の30日の百条委員会や先週の会見で、パワハラについて、机を叩いたり、夜中とか休日のチャット等については知事も不適切だということを認められて、機会があれば謝罪もされたいということを言われていたかと思うのですが、職員に対する具体的な謝罪というのはもうされましたでしょうか。
知事:
一部ですが、させていただきました。
神戸新聞:
直接知事が本人と会ってされているということですね。
それは、チャットとか、机を叩いたりとか、20メートルとかという方々皆さんにされている。
知事:
全てではないですが、お伝えできる方から伝えさせていただいています。
神戸新聞:
7月10日の会見で、知事自身は生まれ変わった気持ちで、また職員さんと仕事をされていくと言われていて、2ヶ月近く経っているかと思います。
私が、日々いろいろな職員と話をして、職員との距離というのが、知事が非を認めないというところで、ますます広がっているのではないかと思っているのですが、知事が県政を継続できるその手応えみたいなものを掴めているのでしょうか。
知事:
今回の9月補正もそうですが、日々の業務の中で、そこは本当に職員が一生懸命やっていただいていますので、普段のレクチャーとか、あとは、いろいろなイベント含めて、しっかり協議や連携しながらできていると思っています。
いろいろなご指摘があるということは反省しなければならないですが。
神戸新聞:
信頼関係についても回復できつつあるという認識なのでしょうか。
知事:
それは、まだまだこれから私自身が努力をしなければならないと思います。
神戸新聞:
不信任決議案について、法律に基づいて対応していかれるということですが、例えば、9月定例会の冒頭に辞職を表明されるなど、法的ではなくて自主的に辞職されることを考えておられないのでしょうか。
知事:
私としては、繰り返しになりますが、やはり、調査への対応、それから、9月補正含めて当初予算の準備、議論をしっかりやっていくことが大事だと思っています。
神戸新聞:
先ほどからいろいろな記者が質問していますが、先ほど言われていた自民党兵庫の皆さんとか吉村さん、3年前に支えてくださった皆さんたちが皆さん辞職すべきだと言われていて、神戸新聞の7月の調査でも、8割近くの方が斎藤県政を支持できないというように言われていて、早くやめて欲しいという声は日増しに高まっていると思うのですが、それでもやはり知事はご自身の進退については、他人じゃなくて自分自身で決めたい。それが一政治家としての判断だというように言われていたかと思います。
斎藤元彦さんというその政治家自身が判断の基準としていること、自身の進退に関する判断の基準としていることについてはどういうことがあるでしょうか。
県民の代表である県議会でもなく、かつて支えてくれた仲間の声でもなくて、自らの正当性が正しいということを言われたいのか、プライドなのか、3年前の県民の負託ということなのか、その自身の進退に関するその判断、政治家としての判断はどのように考えておられるのでしょうか。
知事:
私も3年しかまだ政治家をやっていないですが、自分なりに3年前の選挙に挑戦したということも、やはり自分として、よりよい兵庫を作っていきたいという思いから挑戦したということです。
そこも自分自身で判断したということですから、それは公務員をやっていた立場としては、本当に大きな決断だったと思います。
それと同じように自分の出処進退というものは、自分のその時の考えや信念に基づいて、判断していくことが私は大事だと思いますので、それはこれからも、自分の出処進退については、自分の気持ち、思いの中で考えていくということだと思います。
神戸新聞:
その自分の思い、信念というのをもう一度聞かせていただいてもいいですか。
知事:
それはいろいろな思いがあると思いますので、その時にこういう兵庫県をより良くやっていきたいとか、自分として、こういうことをすべきだというところの中で、決めていく決断していくものだと思います。
ちょっと抽象的になって申し訳ないですが。
神戸新聞:
先ほどからも他の記者や自民党の末松さんも言われていたと思いますが、やりたいという思いとやれるかどうかという能力の問題に関しては別だということで、今でもやれる状況だと思っているのでしょうか。
知事:
状況が厳しいところは、明日また申し入れがありますが、自分としては、最大限精一杯努力していくことが大事だと思います。
神戸新聞:
不信任決議案の話ですが、提出の可否とか採否の可否に関しては、議会の判断かと思いますが、その先については知事の判断になるかと思います。
経費の話も出ましたが、知事としては、どういうところを重視してその判断を出そうと選択をされようと思っているのかについてお聞かせください。
知事:
そこは少し繰り返しになって申し訳ないですが、まだ、これから不信任決議案がどうなるかというところになりますので、提出されたり、その後どうなるかによって、私としては法律の趣旨や法律の内容に沿って判断していくということです。
神戸新聞:
ご自身の政治家としての判断の中で重視すべきポイントというのは県民の声だったりするのか、先ほど言われていたような知事自身の信念に関することなのか、その辺に関してはいかがでしょうか。
知事:
そこは、そこも含めて全てだと思います。
県民から負託を受けた立場ですし、あとは自分自身も政治家としていますから、そういったところを全体としてどのようにしていくのかということだと思います。
神戸新聞:
こういった状況になって、辞職をされて県民に信を問うという考え方はないということ言われていたかと思いますが、それはなぜでしょうか。
知事:
繰り返しになりますが、いろいろなご指摘、申し入れ、今週もありましたが、まず私としては、調査にしっかり対応していくということと、9月補正や当初予算をしっかりこれからも準備をしていくということが大事だと思っていますし、そこをしっかりやっていきたい。
そして、百条委員会などで、いろいろな調査の中で、私自身が反省し改めていくところはしっかり改めていくことで、県政を担っていきたいという思いです。
神戸新聞:
それはずっと繰り返されているかと思いますが、全議員が辞職を求める中で、それでもやりたいことがあるということであれば、やはりその中で、果たして議会の考えが正しいのか、或いは知事の考えが正しいのか、県民に直に問うということは、知事の大きな権利だと思います。
県議会の今の状況で言いますと、9月補正であるとか、特に大事な新年度予算の審議というのは停滞するのが目に見えているかと思うのですが、なぜその権利を行使をされないのでしょうか。
知事:
3年前に負託を受け、4年間しっかり仕事をしろというところの中で今きています。
状況は厳しいですが、私としてはそんな中でもやはり必要な仕事を一つ一つしたいという強い思いです。
それが県民の皆さんにとって、私が果たすべき責任だと思っています。
神戸新聞:
3年前の知事選挙の時、私は担当させていただいておりましたが、厳しい言い方になりますが、県民の負託と知事はよく言われますが、県民は白紙委任をしたわけではないと思います。
県政を取り巻く状況というのは、当時と大きく変わっていると私は認識しています。
県民の中で不信感が生まれているであるとか、県議会、それから県職員の信頼関係が崩れてきている。
状況が違う中で、今、県民が自分たちの意思を示す、そのような機会がないと思うのですが、それでも知事は直接信を問うことはなさらないのか、或いは、県民の意思表示は、例えば、リコールしかないのか、その辺の考えはいかがですか。
知事:
3年前の選挙の時に、ずっと取材をしていただいたということで、あの時は本当にお世話になってました。
今、大変厳しい状況ですが、私としては、県民の皆さんのために、自分ができる最大限の対応していくことが私にとっての考えですから、ちょっと抽象的な言い方になって申し訳ないですが、しっかりやっていきたいという思いでいます。
神戸新聞:
知事は「躍動する兵庫」というスローガンを掲げて、目の前の補正予算等のこともあるかと思いますが、中長期的に兵庫県のことを考えた場合、疑惑を抱えて不信感を抱かれた状態で知事が在職を続けるということは、中長期的に兵庫県にとって、非常に不幸なことだと私は考えています。
そういったことを払拭する意味でも、繰り返しになりますが、選挙で信を問うべきではないかと思います。
私が危惧するのは、兵庫県が、全国的にネガティブな形で、今、見られている中で、兵庫県自体が選ばれなくなる県になってしまうのではないかという危惧を地元紙の記者としてそう思っています。
改めて伺います。
知事はすごく高い志を持って3年前知事選挙に臨まれたと私は近くで見ていて理解をしたのですが、近いうちに、再度ご自身、出直し選をするお考えはありませんでしょうか。
知事:
本当に貴重なご指摘いただいたと思います。
志を持ってしっかりやっていくという思いで私もこの3年間やってきました。
今の状況は厳しいということがありますが、私としては最大限できることをしっかりやっていくということが、私の今の思いです。
いただいたご指摘はしっかり受け止めていきたいと思います。
神戸新聞:
仮に不信任決議案が可決された場合、もちろん先ほどから言われているように、法律の範囲で判断をされていくということだと思います。
議会の判断もかなり重い決断だと思います。自分たちの解散というのも、当然選択肢としてあるわけですから。
議会の判断を知事として尊重されるお考えはありますか。
知事:
不信任決議案というのは大変重い議会としての判断だと思いますので、そこは議会側の大きな判断だと思います。
神戸新聞:
それに対しては知事として尊重するお考えはありますか。
知事:
それは議会側が大変重い決断をされたということですから、その思いはしっかり受け止めていかなければならないと思っています。
神戸新聞:
その受け止めた先に、議会の判断を重く受け止めて、それに沿った行動を取られるお考えはありますか。
知事:
繰り返しになりますが、地方自治法に基づく決議ですから、それがこれからどうなるか分からないですが、そうなった場合は法に基づいてどのように対応していくかということを、自分自身が決めていくことになると思います。
AERA dot.:
先日、維新の会所属の掘井衆議院議員が、地元のJR駅前で、元県民局長のプライバシーに当たるようなことを漏らしたりされたというような話があり、私も取材をしてきました。
掘井議員の発言を聞くと、斎藤知事と直接お会いして、優勝パレードのことを聞いたけれども、何もないと言っていたというような趣旨のことを言われています。
掘井議員にそのような話をされたことありましたでしょうか。
知事:
ないですね。
AERA dot.:
7月28日の消防・防災関係のイベントで、掘井議員のSNSに知事とのツーショットも映っていますが、その席上で優勝パレードのこととか、もしくは一連の文書問題のこと、元県民局長さんのプライバシーに当たるような、パソコンの中の情報とかお話されたことはないでしょうか。
知事:
一切ないです。
AERA dot.:
そうすると、掘井議員が言われているのは嘘八百という認識でいいんですか。
知事:
あの時は、消防大会の終わった後かなんかの時にお声掛けをしていただいて、「大変やけど、頑張ってな」というぐらいのご挨拶をした程度だと思っています。
そんな詳細な文書問題に関する内容やそういったことは、とりわけご指摘いただいているような調査の内容に関することについては一切話していません。
AERA dot.:
優勝パレードの関連のことで伺います。
先日、片山元副知事が百条委員会に出られた時に、優勝パレードについて、金融機関に寄付集めをお願いしたということを言われています。
その寄付(1950万円)の大半が優勝パレードの後になされています。
知事から片山元副知事に、寄付を集めてこいというような趣旨の指示はされたことはあるのでしょうか。
知事:
特にしていないと思います。
そこは県民生活部がしっかりやっているということでお任せしていました。
AERA dot.:
片山元副知事が金融機関を回られてお願いしたということを、百条委員会で言われていますが、それは片山元副知事が勝手にやったということでよろしいですか。
知事:
勝手にやったと言うか、それぞれ寄付の声かけを含めてしっかりやらないといけないと話はしていましたが、どういったところにどう行くかは、それぞれの判断でやったと思います。
AERA dot.:
知事には、優勝パレードでどの程度のお金が集まったとか、どういう企業が寄付をしてくれたとかの詳細な資料が届いていると思います。
優勝パレードが終わってから、県内の金融機関から1950万円の高額な寄付があったというのは認識されていたのでしょうか。
知事:
パレードの時に、クラウドファンディングがなかなか集まらなくて、それで寄付をしっかり集めないといけないということは聞いていました。
パレードの直後も、なかなか寄付が集まっていない状況にあることは聞いていましたので、そこはしっかりやりますということが、当時の県民生活部からの報告でした。
具体的に、どこでどうなって、どういう状況になっているかの詳細は聞いてなかったと思います。
任せてました。
AERA dot.:
いや、聞いてなかったとしても、いずれ資料が来るじゃないですか。
知事の下に、こういう企業が寄付してくれましたとか、こういう企業は、プラチナのスポンサーなってくれましたとか。
おそらく資料見られているので、それを見ていくとパレードの後に何らメリットがない、例えば、バスに企業のロゴが入らないとか、そういう中で、寄付をしている、それも県内の兵庫県内の金融機関が10以上ある、これはおかしいと思われませんでしたか。
何のメリットもないんですが。
知事:
そこは当時、県民生活部が「しっかり努力します」というところでやると言われていたので、「任せます」ということでやっていました。
結果的に「何とか集まりそうです」ということの報告を受けて、「良かったね」というふうに私は安堵したと記憶しています。
AERA dot.:
片山元副知事は、県の保証協会の理事長をされていました。
保証協会というのは金融機関から見たら、ある意味で中小企業融資の親玉みたいなところで、非常に権限があるところだと思います。
そういうところのトップだった片山元副知事が、金融機関に行って寄付してくれと言うと、金融機関の方は天の声だと言われていました。
片山元副知事は、斎藤知事から指示があって、お願いに来ているのだと。
斎藤知事のメンツを立てて欲しいと金融機関の方に言われている記録もあります。
そういう中で、斎藤知事はご存じでなくても、片山元副知事がそういう動きをされていたのであれば、これは、ある意味、県の圧力というようなことになりかねないと思うのですが、その辺のご見解をお聞かせください。
知事:
当然、パレードが終わった後は、決算を打っていかなければいけないので、寄付が足らないということであれば、「しっかり頑張ります」ということは言われていましたので、そこは、「頑張ってください」ということでお願いしていました。
その中で、いろいろな営業活動をされたのだと思いますが、そこは相手との話し合いの中で、双方で分かりましたということで合意してやっていると思いますので、片山元副知事の方が、県民生活部とともにしっかり連携しながらやっていたというふうに私は思っています。
AERA dot.:
片山元副知事が直接頼みに行くこと自身が、圧力になるのではないかなと思うのですが、その辺の見解はいかがでしょうか。
知事:
いろいろな形でお願いをするということは、なぜそれが圧力かどうかというのは当たらないのではないかなと。
もちろん、先方が無理だと言えばそれは無理ですから、そこは双方の話し合いの中で、これはできますということであれば、そこは合意に基づく寄付だとは思います。
AERA dot.:
信用保証協会の元理事長という立場だった、片山元副知事が行かれるのは圧力に当たるのではないかと思うのですが、知事は道義的責任ということに関しては全然意味分からないと言われていましたが、使用者責任、監督責任という言葉については、意味ご存じでしょうか。
知事:
使用者責任、監督責任というのは分かっています。
AERA dot.:
片山元副知事が行かれることで、圧力を感じた、圧力をかけられた。
現に、元県民局長への事情聴取についても圧力がかかっていると思いますが、知事に使用者責任、監督責任はなかったのでしょうか。
知事:
もちろん、私がいろいろな業務とか、いろいろな仕事で使用者責任とか監督責任はあるということは言えます。
ご指摘いただいたところは、片山元副知事や人事課がそれぞれの方でちゃんと対応していて、それは、いろいろお願いをしたりとか、向こうとの合意の関係で、もちろん断られるケースもあるでしょうから、ちゃんとやっていたというふうに思います。
AERA dot.:
優勝パレードの件に関しては、百条委員会でも、1億円にプラス3億円上積みされて、その対象となる金融機関から寄付(1950万円)がありました。
約2000万円の寄付を得るのに3億円を県が余分に税金から支出したというように、私には、思えるのですが、知事のご見解をお願いします。
知事:
そこは違うと思います。
あくまで、その事業については、中小企業の支援をするために、金融機関と連携しながらやっていくというものです。
実際、補助金の交付については、年度を跨いで、今もやっているところなので、そういった資金自体も、その時に行っているわけではないということですし、ご指摘とは違うと思います。
AERA dot.:
この優勝パレードの件は、9月2日付で、大阪地検特捜部に刑事告発がなされています。
被告発人は斎藤知事と片山元副知事。それから共犯関係にあるということで金融機関の方々も指摘があります。
検察の方から知事に対して事情聴取の要請はありましたでしょうか。
知事:
特にありませんし、私もちょっと状況は承知していません。
AERA dot.:
事情聴取の要請があればご対応されますでしょうか。
知事:
仮定の話ですので、お答えは差し控えておきます。
集英社オンライン:
元県民局長が作られた文書の評価で、知事は誹謗中傷性が高いという用語を使っています。
初めて聞く言葉なんですが、誹謗中傷性が高いのは、どういうことを指すのですか。
知事:
誰かの名誉を毀損したり、やっていないことをやっているかのように、言われることだと思います。
集英社オンライン:
人事課の内部調査が終わった現在も、知事は同じ言葉を使っていますが、この告発文が、誰かを誹謗中傷したという結論が県の調査で出ているのでしょうか。
知事:
5月7日の懲戒処分の文書の中に、その内容が入ってたかと思います。
今、手元に資料がないので、いずれにしても、他人の名誉を傷つけたり、事実でないことを指摘するような文書ということで誹謗中傷性の高い文書だと考えています。
集英社オンライン:
他人の名誉を傷つけたというのは、県としての認定として持っておられるんですか。
それなら、誰かを誹謗中傷した文書と言われるのが、普通に通りがいいかと思うのですが。
知事:
3月20日に文書を把握してから、初動の調査をする時に、誹謗中傷性の高い文書だということで対応させていただいたということです。
集英社オンライン:
初動の調査。
知事:
今でも誹謗中傷性の高い文書だと。
集英社オンライン:
初動の調査も終わり、処分も終わった段階で、誹謗中傷性の高いという評価は、誹謗中傷したということなんですか、それともしていないということなんですか。
知事:
そこはいろいろな取り方があると思いますが、確か5月7日の人事課の調査は誹謗中傷と書いていますか。
いずれにしても誹謗中傷をしている内容が含まれている文書だということです。
集英社オンライン:
百条委員会で知事が証言された中に、3月21日に4人の方を集められた時に、誰がこの文書を作成したのか、なぜ作成したのかという意図をしっかり把握することが大事だと指示したということを言われています。
誰がこの文書を作成したのかは、直後から一生懸命されているのですが、なぜ作成したのかという点は、調査で結論が出ていますか。
知事:
私は、承知まではしないですが、噂話がいろいろあるのを集めたとか、そういったご本人の供述だと思います。
集英社オンライン:
噂話をなぜ元県民局長が集めて文書を作ったのかという部分についての調査結果はいかがですか。
知事:
そこを、私たちは、知りたいということでしたが、ご本人は噂話を集めて一人で作ったというところで、その後も、それをさらに補強するようなことを言われなかったので、そういったことです。
集英社オンライン:
動機の部分が解明できていない状態で処分を出されているということですね。
知事:
文書を調査した結果、誹謗中傷の内容が含まれているということで、懲戒処分に該当する。
それを勤務時間中に作られたということで、1つの非違行為が認定されたということと、それ以外にも3つの非違行為がありましたので、4つの非違行為で懲戒処分をさせていただいたということです。
集英社オンライン:
文書に関する動機の解明ができていないまま進められたということは理解しました。
これに関係して9月2日、重大な話が出てきました。
維新の会の掘井衆議院議員が、駅前で話し掛けてきた人に対して、文書は元県民局長が自民党と(合作して)作ったという趣旨の発言をされています。
県の調査の中で、告発文は自民党関係者が関与しているというような、そういった認定が入っているのでしょうか。
知事:
私はそういったことは聞いていないですし、そういったところは入っていないとは思います。
集英社オンライン:
認定でなくても、情報として入っていたというようなことは聞いていませんか。
知事:
聞いていないです。
集英社オンライン:
掘井衆議院議員はそう言われていますが、県当局の見解としては虚偽であるとの立場と確認させていただいてもよろしいですか。
知事:
掘井議員がどういうふうに言われたのかは承知していないので、コメントできないです。
集英社オンライン:
告発文書の作成は、あくまでも元県民局長1人で作られたというのが、現段階での県の認識ですか。
知事:
ご本人が、噂話はあちこちにあって、それを集めて、俺が1人でやったんだと、自分が1人でやったんだということを言われています。
集英社オンライン:
前回の証人尋問で、知事が言われた言葉があります。
文書問題の背景に、何があるのかというのは県民の皆さんが思っていると思うので、それがいろいろな政治的背景があるのかどうかとか、そういったことは、我々はちょっと分からないですけど。
政治的背景があるかどうか分からないというような言い方は、これは政治的背景の可能性があるということを念頭にされているのですか。
知事:
あれは、その前に片山元副知事がいろいろなことですね、クーデターとか、そういうことを言われていたので、それは当時もそういったことがメールの中であると聞いていた記憶があります。
任期が近い中で、いろいろな動きがあるのではないかというところを話する中で、確か聞いていたので、それを踏まえて、そういった発言をしたということだと思います。
集英社オンライン:
そのクーデター云々の発言を紹介された片山元副知事は、百条委員会で、そういったことはなかったというふうに判断したという説明をされています。
それは、本当かどうか分からない部分があると思っていますが、片山元副知事がそういうことはなかったと言われたのにも関わらず、本当は、元県民局長1人ではなく、クーデター的な動きが、背景にあったのではないかというような判断の余地、疑いを、まだ県は持っているのでしょうか。
知事:
今回の文書についての調査の結果としては、元県民局長が自分で作ったというふうに言われています。
集英社オンライン:
百条委員会の議論で、クーデター云々というメールのデータ、元県民局長のパソコンから抜き出したプライベートなデータを挙げながら、自分たちはこういった資料が開示されていないので調査に制約があるという趣旨の話をした上で、開示すべきではないかという考えを示唆した発言を維新の会の増山委員という人が言いました。
この発言に対して知事は増長される形で、必要な情報があれば提供させていただくことが大事かなと言われています。
背景にまだ解明できていない部分があって、それを解明するために百条委員会に提供できる情報があるということなんでしょうか。
知事:
私は、そこは分からないですが、百条委員会で必要な資料要求があれば、そこにしっかり対応していくという趣旨で言っています。
集英社オンライン:
掘井衆議院議員は、9月2日の午前7時半頃にもう一つ重大な発言をされています。
元県民局長のパソコンから、「こんなデータが出てきたんや」というような、勿体ぶった言い方を言いながら、何が出てきたかという内容について言及されています。
それは本当かどうか分かりませんが、とにかく掘井議員は、パソコンから出てきたものだという言い方をしています。
衆議院議員という公職にある人が、こういったことを言ったのは、かなり重みがあるので、個人情報保護の観点から、井ノ本元総務部長を調べている人事課の調査の対象に、掘井議員を含めるお考えはありませんか。
知事:
これから、そういった調査を人事課の方が弁護士を入れてやる準備をしているのは聞いていますが、具体的にどういうふうにしていくかは、これからの話だと思います。
集英社オンライン:
これだけの人権侵害そのものの行為を衆議院議員が街頭でやっています。
その出所が、県しかないところから出ているんです。
掘井議員が何を言ったのか、言っているとおりなのか、もし言っているとおりならどこから入手したのかを解明して、責任者を処罰するのは県としての責任ではないんですか。
知事:
これから必要な調査は、適宜、適切に人事課などがやっていくものだと思っています。
集英社オンライン:
知事の考えとしては、今の話を聞いて、掘井議員の調査は必要だと思われますか。
知事:
実際、ご本人がどういうふうに言ったかどうかが、私は分からないので、コメントができないです。
集英社オンライン:
前回の証人尋問で、百条委員会の丸尾委員から音声データもあります、提供しますという発言がありました。
この音声データを聞かれれば、掘井議員が何を言われたのかは把握できます。
取材に対して、掘井議員は、そういう発言をしたのは事実だと認めておられます。
音声データを早期にお聞きになって、県のトップとして、調査の必要があるかないか判断されるべきだと思うのですが、いかがでしょう。
知事:
調査については、これから必要に応じて、人事課なりが適宜対応していくものだと思います。
集英社オンライン:
調査は、人事課がするのではなく、知事の指示で、行政機関の一部が動いているんですから。
この情報は、もし掘井衆議院議員が言ったとおりなら、絶対に漏れてはならない情報です。
県の総務部長が持ち歩いていたという話よりも、もっと重要です。
なぜなら県職員の外に漏れて、それを一般の人に喋りまくっているわけですから。
この重大さをお感じになりませんか。
知事:
情報漏えいは、あってはならないというふうに思いますが、これからどういうふうに調査していくかというのは、適宜、人事課なりがやっていくことになろうかなと思います。
フリー:
今の質問に関連して、元県民局長の押収パソコンにあった個人情報が掘井議員を通して、一般人に広まりつつあったというのはゆゆしき問題です。
本来なら厳重に管理されるべき情報が何で漏れてしまったのか。
井ノ本元総務部長が、県議に漏らして広めていたという指摘もあったわけですから、県として調査して、情報漏えいルートを特定し、誰が誰に漏らしたり、見せたりしたのかは、どこまで調査されているのでしょうか。
知事:
情報漏えいは、あってはならないというふうに思っています。
今回ご指摘いただいたことを私は、承知してませんが、一部週刊誌で報道がされているということもありますので、これから調査のための準備を進めていると伺っています。
フリー:
流れを見れば維新の会の国会議員に流れ、維新の会の県議はそれを全面公開しろと。
要は告発者の弱みを握って口封じをしようとしたと見えます。
それは何のためかといったら斎藤知事を守るためだと、敵対的告発者を潰すためだという捉え方をしていませんか。
知事:
個人情報の取り扱いは、人事課が調査の中で把握したものはきちっと取り扱っていくことが大事だと思っています。
フリー:
井ノ本元総務部長からどういう話を聞いていて、どこまで調べたのですか。
元総務部長のパソコンを押収して、メールとかチェックしたのですか。
知事:
以前、週刊誌の報道でそういった情報をどうこうしたという話が出た時に、私自身は直接、名前が挙がっている本人たちにそういった行為をしたのですかと聞いたところ、本人たちはしていないと否定しています。
フリー:
この前の百条委員会に井ノ本元総務部長は欠席されましたが、確認する必要があるのではないですか。
体調崩されているようですが、自宅でも病院でも行って、もう1回聞くべきではないですか。
百条委員会の人が同席か、医者が同席でもいいですが、それをやるべきだと思わないですか。
知事:
どのように調査をしていくかというのは百条委員会が判断されると思います。
フリー:
知事自身が指示してそういう調査を早急にしようと思わないですか。
実際に維新の会の国会議員が、厳重に保管されているべき個人情報を駅前で流布して広めていたわけじゃないですか。
この事実を受けてすぐ動かないとおかしいじゃないですか。
知事:
個人情報の取り扱いはきちっとしておかなければいけないと思っていますし、人事課含めてちゃんとやっていると思います。
フリー:
道義的責任について質問出ていますが、これは暴力団に例えれば、暴力団の組長を守るために直近の構成員が敵対的告発者を死に至らしめたというにも関わらず、そのトップの組長、斎藤知事は知らんぷりをしている、こういう状態だと思います。
知事としては、暴力団組長を守るために構成員が殺人まで起こしても、組長の責任はないという、そういうお考えですか。
知事:
今、文書問題に関していろいろな状況になっているということは、県民の皆さんにご心配などおかけしています。
本当に申し訳ないと思っています。
フリー:
ご自身の責任を感じていないですか。
知事を守るために井ノ本元総務部長、あるいは維新の会の県議が告発した元県民局長の個人情報をネタに弱みを握って、告発者の口封じで潰そうとしたと見えないですか。
知事:
今回の懲戒処分に関する対応含めて、適切にやってきたと思っています。
フリー:
暴力団の組長が、部下が勝手にやったと言って開き直って今のポストにいるとしか思えないですが、そういうふうにご自身で思われないですか。
知事:
調査は適切に行われたと思っています。
フリー:
知事自身の見方を聞いています。
厳重に保管される個人情報が流れて、井ノ本元総務部長たちが持ち歩いて、広めていたことが死に追い込んだ原因だと思われないですか。
知事:
人事課の調査に関する個人情報は適切に扱われたと考えています。
フリー:
知事がやるべきことは、今夜にでも井ノ本元総務部長のところに行ってもう1回事情を聞くことじゃないですか。
何でやらないのですか。
知事を守るために暴走したのは明らかじゃないですか。
知事:
その件に関してはこれから、人事課が弁護士などに相談しながら、どのようにするかというのを検討しているということです。
Arc Times:
知事は、今、重要なことを言われました。
最初、集英社オンラインの記者に聞かれている時には、これから調査をするかどうかを適宜判断するという言い方をしていて、今、聞かれた時には、週刊誌の記事が出た時に、関係者に聞いたらみんな否定していたと言われました。
これは既に調査をしたということなんですね。
知事:
調査と言えるかどうかは分からないですが、私自身、報道が出た時に、報道の事実が本当かどうかということを本人たちから聞いたということで、それが調査に当たるかどうかはちょっと分からないです。
Arc Times:
本人たちというのは、誰から何人ぐらい聞いたんでしょうか。
知事:
確か最初の週刊誌報道で名前が挙がった人たちに聞いたと思っています。
Arc Times:
出ている内容は、亡くなられた元県民局長の個人情報が流布して、維新の会の議員がふれ回っていたという極めて重大な話です。
個人情報の漏えいとしても極めて重大で、同時にこれが元県民局長の死に繋がっている可能性があるという極めて重い話ですが、それを数人に聞いて、みんな違いますと言ってそれでおしまいなんですか。
知事:
あの時は確か、週刊誌の報道が出た後に、そういったことがあったのかどうかというのを本人たちに聞いたということです。
もちろん、今後は調査をきちっとすることが大事だろうということで、今、人事課が調査の準備を進めているということで、きちっとした調査は、これからやっていくのだと思います。
Arc Times:
この先きちっとした調査をするんですね。
これは、刑事事件にもなりうる非常に重大な問題だと思いますが、この問題の重大性、個人のパソコンを半ば押収して、その中にある個人情報とされるものを使っておどかしていたといういろいろな意味で、個人情報保護法、刑法にも引っかかる、損害賠償の請求対象にもなると思います。
その重大性について、今どういう知事は認識なんでしょうか。
知事:
個人情報というものは、調査過程で得られたものはしっかり保護すべきだというように思っています。
Arc Times:
これからきちんと調査をして、その結果はちゃんと公表されるんですね。
県という自治体の個人情報の保護という意味で、極めて重大な漏えい、法律違反だと思うのですが、そこは、いつからどういう調査をして、どういう形で発表するか、ここできちんと約束いただきたいのですが。調査手法も含めて。
そこは政治判断ですからここでちゃんと約束してください。
知事:
政治判断というか、この個人情報の取り扱いがちゃんと行われたかということは、結果的に懲戒処分にも繋がる可能性がありますので、これは政治判断というよりも、どのように調査していくかは、人事課が中心となってしっかり手法や、やり方を決めていくということがいいと思います。
Arc Times:
知事としてもきちんと調査するように指示をするということですね。
知事:
既にそのようにしていきますという報告を受けていますので、それはきちっと調査していくと考えています。
Arc Times:
調査手法や結果はちゃんと公表されるんですね。
知事:
それをどのようにしていくかは、これから、人事課がきちっと判断していく、過去の例や内容に応じて対応していくものと思っています。
Arc Times:
きちっとではなく、個人情報保護法違反、刑法違反もそうですが、人が亡くなっている話なので、きちっと公表すべきだと思いますが、知事はそう思わないんですか、県のトップとして。
知事:
そこは政治判断という世界というよりも、そこは調査手法やその内容をどうするかというのは、これから適切に判断していくんだと思います。
Arc Times:
個人としてはコミットしたくないということなんですね。
トップとして決意を言うつもりはないということなんですね。
そう受け止めますがいいですか。
知事:
そういう思いはなくて、これは懲戒処分にも該当する可能性があるので、そこはきちっと人事課が、どういう方法で調査すべきか、それからどういう内容を進めていくかというのは、やっていくことが大事だと思います。
テレビ朝日:
吉村知事から、辞職をして出直して知事選に挑むべきだと直接、助言を受けた説得を受けたとお話を聞いています。
説得後も斎藤知事が続投を表明したということで、今日改めて、吉村知事にお話を伺ったんですが、この続投の意思表示に対して、「残念だ。間違っていることは間違っていると素直に認めて辞職をすべきだ」というように話していました。
この吉村知事の言葉を聞いて、今、どう感じていますか。
知事:
吉村知事は、本当にこの間、兵庫と大阪の連携含めて、一緒にやってきたということもありますし、大変尊敬しているという政治家、そして知事でもあります。
ご指摘というのは、私自身は受け止めていますし、そういったご指摘があったということは私自身も真摯に受け止めたいと思います。
フリー:
井ノ本元総務部長のパソコンを押収してメールとかチェックされたのでしょうか。
元県民局長の個人情報がどういうルートで広まっていったのかについては、すでに調査されていますか。
してなければ早急にするお考えはありますか。
知事:
承知はしていませんが、これから人事課が中心となって弁護士のサポートを受けながら、どういう形でやるかというのをこれからしっかり考えていくと思います。
フリー:
元県民局長の時には、東京地検も驚くような事情聴取をしてパソコンを押収してメールをチェックしたのに、なぜ井ノ本元総務部長はやらないのですか。
お仲間で組長の意を受けて、暴走した部下を守るためとしか思えないですが違いますか。
知事:
これから人事課が中心となって調査をきちっとやっていく。
フリー:
今すぐにでもやると、今、断言していただけないですか。
知事:
タイミングとかやり方はこれから考えていくと思います。
集英社オンライン:
9月2日の時点で、維新の会の現職国会議員が、今もこのように自民党という固有名詞を挙げて、自民党がこの問題の背景にあると攻撃したわけですが。これについて知事は何か背景に思い当たることはないですか。
知事:
特にないです。
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