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更新日:2024年7月16日

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世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」

将来、国内水素需要が高まると、国内生産で賄えない量は、海外からの輸入に頼らざるを得ません。水素が石油や天然ガスと同じように一般的に利用される社会の実現に向けて、経済的かつ安定的に大量の水素を調達するための先駆けとして、世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」がNEDO※1の支援のもと、HySTRA※2により開発されました。

そして、2022年春、オーストラリアで製造された水素を液化し、約9,000kmの航海を経て兵庫県神戸市まで海上輸送するパイロットプロジェクトに世界で初めて成功しました。

「すいそ ふろんてぃあ」は、約40年前に日本で初めて建造したLNG運搬船やJAXA種子島宇宙センターにロケット燃料用の液化水素貯蔵タンクを建設・運用等を提供して以来、長い歴史をかけて更に磨きをかけた極低温及び水素関連技術をもとに、新たに開発された運搬船であり、マイナス253度の極低温を保つことができる海上輸送用液化水素タンクを搭載しています。

気体である水素は、マイナス253度という極低温で冷却し液体にすることで、体積が1/800となり、運搬・貯蔵効率が向上します。また、「すいそ ふろんてぃあ」に搭載されている海上輸送用液化水素タンク及びHy touch 神戸(ハイタッチ 神戸)にある陸上用液化水素タンクには、高性能な真空断熱技術が用いられており、特に、陸上用液化水素タンクは「100℃のお湯が1カ月たっても1℃も下がらない」程の断熱性能を発揮しています。

「すいそ ふろんてぃあ」は一度に1,250立方メートルの液化水素(燃料電池自動車約15,000台を1回充填する分の燃料)を運搬することができます。

この「すいそ ふろんてぃあ」は、兵庫県神戸市に本社を置く川崎重工で建造されました。

 

「すいそ ふろんてぃあ」の構造(引用元:HySTRAホームページ(https://www.hystra.or.jp/))

オーストラリアから日本までの液化水素の海上輸送イメージ

 

※1:国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構

※2:技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構

 

 

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