令和4年度投資事業評価
総合事業等審査会の審査結果
令和4年度 第1回総合事業等審査会(進捗状況報告)の概要
- 日時
令和4年9月13日(火曜日)
- 出席委員
大国委員、佐野委員、田端委員、中林委員、畑委員、原田委員、森委員
- 内容
総合事業等審査会で審査を行った事業の進捗状況について
・西宮総合医療センター(仮称)整備事業
・県庁舎等再整備事業
【配布資料】
【議事要旨】
令和4年度 第2回総合事業等審査会の概要
- 日時
令和5年1月5日(木曜日)
- 出席委員
大国委員、岡委員、谷口委員、田端委員、畑委員、原田委員
- 内容
- (1)総合事業等審査会で審査を行った事業の進捗状況について
- (2)投資事業評価調書の審査について
- ・東播磨地域の知的障害特別支援学校狭隘化対策(市立学校施設活用による新設整備事業)
- ・東播磨地域の知的障害特別支援学校狭隘化対策(東はりま特別支援学校増築整備事業)
- ・東播磨地域の知的障害特別支援学校狭隘化対策(いなみ野特別支援学校改築整備事業)
- ・豊岡聴覚特別支援学校と出石特別支援学校の発展的統合(但馬地域特別支援学校統合校整備事業)
【配付資料】
【議事要旨】
令和4年度 第3回総合事業等審査会の概要
- 日時
令和5年1月17日(火曜日)
- 出席委員
田中委員、谷口委員、田端委員、畑委員、原田委員、森委員
- 内容
- (1)総合事業等審査会で審査を行った事業の進捗状況について
- ・川西こども家庭センター一時保護所整備事業
- ・がんセンター建替整備事業
- (2)投資事業評価調書の継続審査について
- ・東播磨地域の知的障害特別支援学校狭隘化対策(市立学校施設活用による新設整備事業)
- ・東播磨地域の知的障害特別支援学校狭隘化対策(東はりま特別支援学校増築整備事業)
- ・東播磨地域の知的障害特別支援学校狭隘化対策(いなみ野特別支援学校改築整備事業)
- ・豊岡聴覚特別支援学校と出石特別支援学校の発展的統合(但馬地域特別支援学校統合校整備事業)
-
審査結果
東播磨地域の特別支援学校狭隘化対策について
- 必要性・優先性
東播磨地域に2校ある「いなみ野特別支援学校」と「東はりま特別支援学校」は、いずれも設置当初の想定を60~80名程度超える児童生徒が在籍している(令和4年5月1日現在:計595名)。現在、普通教室の不足は特別教室の転用により確保する一方で、自立活動の指導や実習・作業学習等の特別教室が無く、教育活動に制約が生じている。また、過去の推移から今後15年間で約850名程度まで児童生徒数の増加が見込まれており、狭隘化に伴う教育環境改善の優先度は高い。
- 整備内容
当該整備事業は、東播磨地域の想定定員を850名に設定し、(a)「いなみ野特別支援学校」は校舎全体を改築(定員350名)、(b)「東はりま特別支援学校」は運動場の一部へ増築(定員330名)を行い、なお不足する170名分は、(c)閉校予定の小学校の既存校舎を改修・増築して新設校を整備し確保するものである。
- 整備手法の検討等
整備手法の選定にあたっては、現行2校の想定定員(計約450名)を上回る400名分について、(ア)今回採用した、両校の敷地内で最大限の施設整備を優先的に行う手法、(イ)既存施設の増改築は行わず新設校(200名規模×2校)を整備する手法の2案について、比較検討が行われている。(ア)の手法は、現行2校の増改築に、新設校1校の整備を合わせた3校の整備が必要となるが、市有地の無償借受などを前提に試算上は(イ)の手法と比較して施設整備費を約15億円抑えられる等、経済的な優位性が認められる。
- 効率性・有効性
本事業により、東播磨地域の特別支援学校の狭隘化が解消され、安全・安心で良好な教育環境が確保されるとともに、教育活動の充実を図ることが期待できる。整備コストの面では、増改築にあたり新たに用地は求めず、仮設校舎や増築校舎は現行校地の運動場を活用することとしており、また、新設にあたっては旧小学校の既存校舎を最大限活用する等、全体経費を抑える工夫が見受けられる。
- 留意点
今回の狭隘化対策は、短期的視点では、現在及び近い将来の特別支援教育の需要増加に対して、現行校舎等の狭隘化とそれに伴う課題を放置することができず、特別支援学校の定員拡大により解決を図ろうとするものであり、緊急整備的な観点から必要性は認められるところだが、長期的視点に立つと、「兵庫県特別支援教育第三次推進計画」の基本的な考え方にも示されているように、インクルーシブ教育を推進し、地域共生社会の実現を目指す観点においては、児童生徒をもっと地域の学校で受入れる議論をすべきではないかと考える。既に副籍など配慮を試みていることは理解するが、今後、行政上の効率性が求められる中においても、一人ひとりに寄り添う福祉的な視点を重視すべきであろう。
以上のことを総合的に勘案し、審査会として当事業の推進は妥当と判断するが、事業推進にあたっては、次の点に留意されたい。
- (1) 今後、想定定員の将来推計に変動が生じたような場合は、整備内容の見直し、校舎の柔軟な利用方法の模索も含め適切に検討すること。
- (2) 今後の基本設計・実施設計・施工においては、物価高騰など課題はあるが、工夫を凝らして事業費の縮減に努めること。
- (3) 今回整備する3校の特別支援学校は、東播磨地域における特別支援教育のセンター的機能を果たすとされているが、その具体的な役割についてしっかりと検討すること。
- (4) 県として、地域共生社会の実現に向け、障害のある子どもと障害のない子どもが共に学ぶことを目指すインクルーシブ教育の方向性を踏まえ、最大限の努力を図ること。
豊岡聴覚特別支援学校と出石特別支援学校の発展的統合について
- 必要性・優先性
但馬地域では、人口減少や少子化に伴い、特別支援学校の児童生徒数は減少傾向にある。R4.5.1現在の在籍者数は、豊岡聴覚特別支援学校は18名(最大時50名超)、出石特別支援学校は62名(最大時100名超)であり、学習集団が小規模化し、社会性やコミュニケーション能力の養成等、教育環境に課題を抱えている。また、両校とも築後40年以上が経過し、安全上からも大規模な改修が必要な状況であることから、統合による教育環境改善の優先度は高い。
- 整備内容
当該整備事業は、現行の敷地とは別の場所に新たに整備用地を取得し、両校を統合した新設校(想定定員90名)を整備するものである。
本事業により、適正な学習集団を確保しつつ、異なる障害種別(聴覚・知的)の専門性の融合や、就学前から高等部までの一貫教育の実現や課外活動の充実など、教育活動の充実を図るとともに、立地の工夫により在学者が、今後も通学可能となることが期待できる。
- 有効性・効率性
整備コストの面では、まず整備用地について、現行のいずれかの敷地内で十分な施設整備を行うことは難しく、令和4年4月に設置した「統合後の新しい学校像検討会議」においても、「現行の敷地内では、求められる学校像の実現が難しいことから、適地確保の上、学校を整備する。」と提言されている。また、近隣の公有地には適地が無く、民有地の選定はやむを得ないと考えられる。
統合により、施設の維持管理費や教職員数の減による人件費の抑制が図れるなど、ランニングコストの節減も見込まれる。
- 留意点
今回の施設統合は、短期的視点では、現在課題となっている学習集団の小規模化や両施設の老朽化等に対して、特別支援学校の統合により解決を図ろうとするものであり必要性は認められるところだが、長期的視点に立つと、「兵庫県特別支援教育第三次推進計画」の基本的な考え方にも示されているように、インクルーシブ教育を推進し、地域共生社会の実現を目指す観点においては、児童生徒をもっと地域の学校で受入れる議論をすべきではないかと考える。行政上の効率性は求められるが、一人ひとりに寄り添う福祉的な視点も重視すべきであろう。
以上のことを総合的に勘案し、審査会として当事業の推進は妥当と判断するが、事業推進にあたっては、次の点に留意されたい。
- (1) 今後の事業推進にあたっては、事業の実施や適地の選定等の経緯も含めて、県民等へ丁寧な説明を心掛けること。
- (2) 今後の社会環境の変化とともに、求められる教育内容も変化していくと考えられるため、柔軟に対応できるような施設整備とすること。
- (3) 統合により新たに整備する特別支援学校は、但馬地域における特別支援教育のセンター的機能を果たすとされているが、その具体的な役割についてしっかりと検討すること。
- (4) 県として障害のある子どもと障害のない子どもが共に学ぶことを目指すインクルーシブ教育の方向性を踏まえ、最大限の努力を図ること。
【配布資料】
【議事要旨】
各部審査会(その他事業)の審査結果
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