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にかわ製造業は皮革産地である姫路・龍野地域において、原材料の床皮や皮革屑等の入手が容易であったことから明治の初めに姫路市周辺に興った。姫路周辺でも網干地区は20世紀初めに大規模産地として有名になった。さらに産地は、明治40年代から大正期にかけて余部、飾磨、御着などに広がり、昭和に入ると龍野、三坂も加わった。当初は農家の副業的なものであったが、大正になって企業化され産地としての体制が整った。業界では、従来の網干膠皮革産業連合組合から協同組合へと組織を一新し、平成7年12月に「西姫路にかわ皮革産業協同組合」として発足した。
昭和32年の最盛期には企業数が78社に増えたが、マッチ業界の衰退により業者数が減り集約化されたものの、現在でも日本国内のにかわの100%は姫路地区で生産されている。にかわの主な用途は、紙器(紙箱、製本、事務用品)、紙管(紙・布や繊維などの巻き芯や郵送用の円筒等)、サンドペーパー等の研磨紙、金属精錬、マッチなどである。
平成23年末の和にかわの復活によって、文化財の修復、日本画、漆工芸、製墨など伝統産業に大きく貢献している。
また、ゼラチンについても姫路地区での生産量は国内の約25%を占めている。ゼラチンは、牛、豚、魚、鶏などのコラーゲンを加水分解して精製をした物である。用途としては、食品用では各種ゼリー、グミキャンディー、ムース、ヨーグルト、レンジアップ食品など、医薬用途としてはカプセル、湿布剤、糖衣錠など、化粧用途としてはシャンプー、クリーム、ローションなど、工業用途としは各種フィルム、印画紙、接着剤、金属精錬等である。
さらに、姫路地区ではコラーゲンペプチドも国内の50%を占めている。コラーゲンペプチドはゼラチンを酵素で分解して消化吸収力を高めた製品である。水に溶け、冷えても固まらない。臭い、味も殆ど無くコーヒーに入れたり、料理に加えたりどんな形でも使えるので一気に利用が広がった。原料は牛、豚、魚、鶏などで、近年魚由来製品が伸びており、美肌、保湿を目的とした美容用途、関節痛緩和など健康食品用途に幅広く使用されている。生産工程図(PDF:36KB)
西姫路にかわ皮革産業協同組合
住所:〒671-1225姫路市網干区福井45
電話:079-274-0111
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