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10月の但馬地域は2週続けて週末に台風が襲来したため管内の多くのイベントや祭りが中止されるなど大きな影響を受けました。
特に10月22日から23日にかけての台風21号では、但馬全域で雨量が増え、平成16年の台風23号災害時の累加雨量を超えた地域も多く、二つの河川ではん濫危険水位を超え、一つの河川で避難判断水位を超えました。幸い大きな被害には至りませんでしたが、この間粘り強く積み重ねてきた河川改修などの防災・減災対策の効果が出たものと考えています。県民局ではちょうどこの時期に、国や市町とともに防災学習会を開催するなどソフト対策にも取り組んでいますが、「自分たちのまちは、自分たちで守る」という考えのもと、防災・減災対策の要となる自主防災組織の活動を支援していきます。
以下は10月の但馬における主なトピックスを紹介します。
10月2日兵庫県庁の南側広場において、但馬地域の産業振興と交流人口の拡大の取組みの一つとして、但馬の魅力ある物産を展示・販売する物産展を開催しました。
当日は小雨模様のあいにくの天気でしたが、但馬の5市町からそれぞれ特色ある農産物や加工品が出品されました。豊岡市からはコウノトリ育む農法で栽培された無農薬米、養父市からは昨年からヨーロッパへ輸出の始まった朝倉山椒の加工品、朝来市からは特産の岩津ネギを加工したアイス、香美町からは県下一の生産量を誇る二十世紀梨、新温泉町からは浜大根を加工したドレッシング、そして但馬各地の地酒などが展示販売されました。昨年に引き続いての取組みで、たくさんの県庁職員と県庁周辺の住民の皆さんに来場いただき、但馬の魅力をアピール出来たのではないかと思います。
県民局では、今後もこのような取組みを支援し、但馬の魅力ある物産のPRとそれを購入に繋げることで地域経済の振興につなげていきたいと思います。
国際ソロプチミストは女性の世界的組織で、女性と女児の生活向上図る奉仕活動を行っている団体です。国際ソロプチミスト但馬は今年設立20周年を迎えられ、その記念事業としてチャリティーコンサート「森麻季 ソプラノ・リサイタル」が10月9日豊岡市民会館文化ホールで開かれました。
日本を代表するソプラノ歌手として世界で活躍されている森麻季さんとピアニスト山岸茂人さんの伴奏により、歌劇の曲や日本の童謡、NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」のテーマ曲などが素晴らしい歌唱で披露され、千人を超える聴衆を魅了しました。
また、今回のコンサートは、本物の芸術に触れる機会の少ない但馬の小学生にホールで本物に触れ心豊かに成長することを目的に15年間続けておられる教育奉仕活動に位置づけられ、香美町の小学生52名を招待して行われました。今回の収益金はすべて地域社会への奉仕活動にあてられることになっています。
県民局としても国際ソロプチニスト但馬の皆さんの20年の活動に心から敬意を表し、今後の活動の継続に大いに期待し、協力させていただきたいと考えています。
平成6年に開催された但馬・理想の都の祭典のイベントとして展開された「但馬・食文化プラザ」の趣旨『食文化の継承と創造、交流人口の創出』を継承して毎年開催されてきた食文化まつりが、10月14日~15日朝来市の中央文化公園で開催されました。
但馬自慢の食や加工品など約70のブースが並び、但馬牛の焼き肉やハタハタの唐揚げ、アマゴの塩焼き、香住で水揚げされたイカ、鹿肉の加工品などが人気を集めていました。また、恒例の餅まきで幕を開けたステージイベントでは、和田山虎臥陣太鼓の演奏や遊月亭いく蔵さんによるご当地ソング、朝来市少年少女オーケストラによる演奏など多彩な催しが披露されました。この他、朝来市の友好都市である長崎県壱岐市の物産フェアも開かれ、アワビやサザエなどの海産物や壱岐で水揚げされたマグロの解体ショーも大人気でした。
平成16年の台風23号メモリアル事業として、過去の災害を振り返り、教訓を次世代に繋げるため、国土交通省豊岡河川国道事務所、但馬県民局、豊岡市の共催による防災学習会を10月19日、豊岡市民プラザで開催しました。
中貝豊岡市長の開会あいさつに続いて、基調講演として気象予報士の橋詰尚子さんから、「豊岡市の気象特性と気象情報のチェックポイント」と題して地域の気象特性をよく理解した上で防災減災対応に取り組むことの大切さをわかりやすくお話しいただきました。
続いて23号台風時に豊岡市出石町で小坂小学校の教頭をされていた小藤倫敏さんと鳥居区長をされていた廣井昌利さんから水害時の緊迫した状況と対応、それを踏まえて今後風水害に備える際のポイントについて、体験に基づく貴重なお話を伺いました。まとめとして、豊岡河川国道事務所の寒川副所長さんと豊岡市の垣江防災監からそれぞれの防災減災の取組みとそれを進めるに当たっての市民の皆さんへの協力について説明されました。
豊岡市は、平成16年の台風23号や北但大震災などの被災経験から防災意識の強い地域で、平素からコミュニティーでの防災学習や防災訓練などに積極的に取り組まれています。これからも防災学習会などの機会を通じてそのような取組みを支援し、防災減災意識が世代を超えてつながっていくよう努めていきます。
但馬県民局では建設業などで働く女性技術者のニーズに基づく機能的でデザイン的にも優れた女性作業服を開発・普及することで作業環境の改善と業界のイメージアップを図り、女性技術者をさらに増やそうとの狙いで新しい女性作業服「たじまウィメンズワーク」を開発しました。
新温泉町出身で東京の大手アパレル会社のデザイナーとして活躍されたのち地元にUターンされた岡本剛二さんと、県民局や豊岡河川国道事務所、地元建設会社等で働く女性で構成する制作委員会を立ち上げて開発し、昨年度の「但馬まるごと感動市」で披露し、好評を博しました。
今回これを広く普及するため、神戸市の作業服メーカー(株)アグロワークスさんと市販化と普及に関する協定を結び、10月27日に協定式を開催しました。来年2~3月頃の夏モデルからリリースしていく予定ですので是非多くの方に購入いただくよう期待しています。
ささやかな取組みではありますが、この女性作業服を多くの企業や行政に採用いただいて、建設業はもとより農業なども含めて女性が活躍する元気な但馬が実現することを願っています。
*購入に関するお問い合わせ先:株式会社アグロワークス 宮本さん
TEL 078-641-7773 月~金 9:30~18:30
(但馬県民局長 秋吉 秀剛)
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