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11月に入って但馬は例年より早く冬の兆しが感じられ、冷え込む日が続いています。
氷ノ山や兎和野高原では初冠雪がありいよいよ本格的な降雪の時期を迎えますが、道路の除雪など万全の体制で臨んで参ります。
そのような中で、11月6日からいよいよズワイガニ漁が解禁され、全国各地からたくさんの観光客の皆さんが訪れています。但馬の観光、飲食、水産加工業に大きな影響がありますので、今漁期も安全な操業と安定した漁獲量があがることを期待しています。
また、今月は浜坂道路の開通など、但馬にとって明るい話題が続きましたので、その主なものを以下に紹介させていただきます。
さまざまな分野で活躍する兵庫の女性が一堂に会してネットワークを広げ、能力や力を高めあいながら新しいライフスタイルの実現を目指していく女性未来会議が、11月18日に養父市八鹿町の但馬長寿の郷で開かれました。
今年で33回目の開催となり、今回は養父市女性農業者ネットワーク「てんこもり母ちゃん」が中心となり開催されました。日本太鼓ジュニアコンクール兵庫県大会2年連続優勝の「養父太鼓 鼓彩(こい)」の演奏で開幕し、応援団として金沢副知事、広瀬養父市長から激励のご挨拶をいただき、続いて様々な分野で活躍されている女性を表彰する「縹(はなだ)賞」が同会議の淸原会長から3名の方に贈られました。
そののち、「やぶの元気紹介!養父で輝く人々」をテーマに、地元の特産品を使った加工品の開発・販売の取組みや豊かな自然環境のもとで飼育する畜産とアイガモ農法の米作りや無農薬の小麦栽培を組み合わせた循環型農業の取組み、子どもたちへの食育の取組みの3つの事例が発表されました。また但馬で活躍する女性9人の皆さんのリレートークや参加者全員での交流会も行われ熱気あふれる有意義な会議となりました。
これからの地域の元気づくりを成功させるには、女性の視点とそれにもとづく各分野での活躍が欠かせません。県民局としても引き続き但馬地域の女性の活動を積極的に応援していきます。
兵庫工業会では、地域の要望を踏まえたきめ細かい事業運営に資するため、今年度から県下各地域で会員企業や地元企業との情報交換会を開催されています。但馬地域では11月22日に豊岡市城崎町で開催されました。工業会からは大西会長始め幹部役員が出席され、地元からは17の企業が参加しました。またオブザーバーとして県庁産業労働部と但馬県民局、豊岡市の産業振興担当者も参加し、それぞれの産業振興施策や支援策について説明しました。
会議では、但馬地域は首都圏や京阪神等から地理的に離れているため営業面でのハンディがあることや企業活動を行ううえで接触できる情報の厚みが少ないこと、受けられる金融サービスにも都市部と比べて差があること、高等教育機関がないため人材確保が難しいことなど様々な意見が出されました。県民局としては今回の意見を受けて、兵庫工業会や豊岡市工業会などと連携して、地元企業と金融機関との意見交換の場や企業の人事担当者の情報交換の場の設定等に取り組んでいきたいと考えます。併せて、ものづくり企業への様々な技術的な相談に応じられるような体制づくりも検討していきます。
JR山陰本線の旧余部鉄橋を活用した展望施設「空の駅」と地上を結ぶエレベーターが完成し11月26日から利用開始になることからそれに先立ち記念式典が開催されました。
井戸知事も出席され、地元の皆さんや行政関係者など約60名が参加して利用開始を祝いました。これまで約40メートルの高低差がある坂道を歩く必要があったため、高齢者や小さい子どもさん連れの家族、障害のある方にはなかなか展望台まで行くことが困難でしたが、エレベーターの完成により約40秒で展望台まで上がれ、四季折々の日本海の風景を楽しむことができるようになりました。「空の駅」も含めた余部橋梁は年間約28万人が訪れる但馬でも有数の観光スポットですが、さらに観光客の増加が見込まれ、地域の活性化につながることが期待されています。夜間にはライトアップもされますので、皆さんも是非山陰海岸の素晴らしい風景と保存されている旧余部鉄橋の雄姿をご覧にお越しください。
香美町香住区余部と新温泉町栃谷を結ぶ「浜坂道路」(9.8km)が11月26日に開通し、井戸知事や谷 公一衆議院議員、地元関係者など300人が出席して開通式典が浜坂インターチェンジで行われました。浜坂高校吹奏楽部の皆さんによる演奏で開幕し、式典後はテープカットとくす玉割り、浜坂南小学校の児童による風船飛ばしも行われ道路の開通を祝いました。その後、関係者の車とパトカー、はしご車、除雪車、カニのラッピングバスによる通り初めが行われ開通に花を添えました。
浜坂道路の開通によって、新温泉町役場から余部インターチェンジ間の所要時間が約7分短縮され、救急搬送の時間の短縮や地域経済の振興、.山陰海岸ジオパークなどをめぐる観光交流にも大きな効果が期待できます。
今後は、国や新温泉町、香美町とともに浜坂から鳥取県の東浜居組道路を結ぶ浜坂道路二期工事の早期着工と整備に努めていきます。併せて、この道路を利用して多くも皆さんが但馬を訪れていただくよう、地域の魅力向上と情報発信に取り組んでいきたいと思います。
幅広い世代の夢を語ることを通じて、但馬地域ビジョンが目指す将来像の実現方法を検討し、加えて平成30年度に県政150周年を迎えるにあたって、「兵庫2030年の展望」の策定に向けた意見交換を行うため、11月26日に但馬地域夢会議を開催しました。
養父市八鹿町の但馬長寿の郷に井戸知事をお迎えして、約130名の皆さんが集まり活発なトークが行われました。まず但馬において様々な地域づくりに取り組んでいる但馬夢テーブル委員会の8つのグループの活動紹介の後、たじまユメトーークを行いました。これは但馬の小中高校生の皆さんと地域おこし協力隊の皆さん6名にそれぞれの夢を語っていただき、それを踏まえて参加者の皆さんからも発表者への応援や自らの夢を語る中で実現したい但馬の将来像を共有しました。また第2部として兵庫県の山口政策創生部長から、兵庫県の2030年の展望についてお話しいただき、それを参考にして今から13年後の但馬がどのような地域になっていたら良いかについてディスカッションを行いました。
トークを進めるに当たっては、但馬夢テーブル委員会の専門委員をお願いしている関西大学の草郷教授や神戸山手大学の井内学長に適切なアドバイスをいただき、有意義な夢会議になりました。
今後は、但馬の若者が自らの夢を実現し、一人でも多くの若者がビジョンで目指す但馬の将来像実現に向けた活動に参加できる環境づくりに地域の皆さん、市町と協力して取り組んでいきます。
(但馬県民局長 秋吉 秀剛)
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