ここから本文です。
但馬では7月19日の梅雨明け以降猛暑が続いています。7月20日、21日には二日連続で最高気温が37度を超え、最高気温全国一を記録しています。今年の梅雨は雨が少なく幸い集中豪雨による被害もありませんでしたが、九州北部豪雨災害や東北秋田での集中豪雨で被災された皆様には心からお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧復興をお祈りしています。
学校も夏休みに入り、いよいよ夏のレジャーが本格化しますが、但馬には海、山、高原、川、温泉と変化に富んだフィールドがそろっており、北近畿豊岡自動車道の延伸など京阪神からのアクセスも良くなっていますので、是非たくさんの皆様にお越しいただくことを期待しています。
今回は6月下旬から7月中の但馬地域での様々な取り組みについてご紹介します。
但馬エリア全域に路線網を持つ全但バスと宅配最大手のヤマト運輸が連携して、路線バスで荷物を運ぶ「客貨混載」事業が6月22日から始まりました。
これは新たな収入源を確保して中山間地域での路線の維持を図るとともに、宅配便の輸送を効率化できるという双方のメリットに着目した取り組みです。当面はJR江原駅と神鍋高原を結ぶ「神鍋高原線」の1日1便で実施されますが、本格的な運用としては関西で初めてとのことです。
利用者の減少により路線の維持が困難になりつつある中山間地域において交通弱者のためにもバス路線を維持することは不可欠ですが、それを支える有効な取り組みでありますので、県民局としてもその成果に期待しています。
今年4月に日本遺産に認定された「銀の馬車道・鉱石の道」の魅力を発信し、観光交流の推進により地域の振興を図る推進協議会が6月29日に設立されました。
29日に姫路市で開かれた設立総会では関係6市町と中播磨県民センター、但馬県民局、鉱石の道推進協議会など12の団体が参加し、銀の馬車道ネットワーク協議会会長の中元孝迪氏を会長に選任しました。
また、認定初年度の事業として、専用ホームページやプロモーション動画の作成による情報発信、遺産認定記念シンポジウムや銀の馬車道沿線での馬車復活イベントの開催、鉱石の道の鉱山群で採掘された金・銀・銅の鉱物を利用した作品の制作・展示、観光客のマーケティング調査の実施などが合意されました。さらに沿線の貴重な遺産を改めて見直してその魅力を磨くことと、沿線住民の皆さんが一体となった取り組みが重要との意見も出されました。
但馬県民局では中播磨県民センターと共に構成団体と十分連携をとりながら、遺産の国内外への発信と、誘客の促進、そしてそれを支える住民一体となった体制づくりなどの取り組みを進めていきます。
但馬の地域ビジョン実現に取り組んでいただいている「但馬夢テーブル委員会」の子ども体験プロジェクトUグループの皆さんが、但馬在住の親子が養父市の名所などを巡る「子ども欲張りバスまわる」事業を企画され、7月1日に開催されました。
この事業は但馬の子どもたちが将来地元で活躍したいと思ってくれることを願い、地域の魅力を五感で感じられる行事をつくり、繋げていこうとの思いから企画されました。
当日は、養父市の農業特区で農業を営む「クボタeファームやぶ」でトマトの収穫体験を行い、広瀬養父市長から歓迎を受けました。続いて日本遺産に認定された中瀬鉱山を見学し、町おこしグループ「中瀬金山会」の有本正彦さんから鉱山の歴史や町並みの文化について学びました。昼食は養父市大屋町の交流施設「みやがき結の里」でシルバー人材センターが有機農薬で生産する米や野菜を使用した肉じゃがとおにぎりを楽しみ、午後からは「おおやアート村」や「あゆ公園」などを巡りました。
参加された親子からは「但馬にはまだまだ知らない魅力がいっぱいあることが分かり、いい学びができた」との意見があり、親子で但馬の様々な魅力を体感してふるさとへの誇りと愛着を育み、但馬の未来を支える人材に育ってほしいと思います。
県民局では子どもたちの但馬定着につながるこのような取り組みが重要と考えており、今後の事業継続と但馬各地域での開催に向け支援していきたいと考えています。
但馬に夏の到来を告げる「第39回神鍋火山祭り」が7月9日豊岡市のアップかんなべ
スキー場の駐車場と道の駅「神鍋高原」を舞台に開催されました。県内はもとより、大阪府や鳥取県からの参加もあり、昨年の15チームから9チーム多い24チームが出演しました。
各チームともそれぞれのテーマに合わせて衣装や構成に工夫を凝らして元気なよさこい踊りを披露してくれました。各賞の審査も行われ今年の「神鍋火山大賞」は加古川市から参加した「麗舞」が受賞し、最後に参加全チームと客席が一体となった総踊りと神鍋山をバックにした花火でフィナーレとなりました。
但馬内外から多くの若者が参加するこのイベントは、若い年齢層の神鍋ファンを増やし、将来家族でも四季折々に神鍋高原を訪れてもらうリピーターを増やしたいとの思いで開催されており、2012年を最後に休止されていましたが関係者の努力により昨年から再開されたものです。
県民局では、地域の内外から多くの人々が参加し、地域に元気を与える取り組みは人口減少が進んでも地域の活力を維持するうえで必要と考えています。この事業が年々工夫を凝らし今後も神鍋高原の夏の風物詩となるよう期待し、応援していきたいと思います。
県と新温泉町が整備を進めている道の駅「浜坂の郷」が9月21日にオープンすることに決まりました。但馬地域の道の駅はこれで12カ所目となります。場所は12月上旬に開通を予定している山陰近畿自動車道の新温泉浜坂インターチェンジ付近の新温泉町栃谷地区です。
道の駅の特徴としては、①県道浜坂井戸線と山陰近畿自動車道のパーキングエリアの機能、②観光コンシェルジュを配置し地域の旬の情報と観光プランの提供、③豊富な海産物、農産物がそろうマルシェ(市場)とレストランの設置、④環境に優しく災害に強いトイレ、女性に優しいトイレの設置 などとなっています。
県民局ではオープンに合わせて、山陰海岸ジオパークの情報提供、ガイドや体験活動の手配などワンストップサービスの提供や夢但馬周遊バス「たじまわるジオパーク号」の運行などを行います。
*ジオパーク号の周遊コース
湯村温泉~道の駅「山陰海岸ジオパーク浜坂の郷」~但馬海岸遊覧船(山陰海岸ジオパーク館)~道の駅あまるべ(余部鉄橋「空の駅」)など
(但馬県民局長 秋吉 秀剛)
関連リンク
お問い合わせ