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9月17日から18日にかけて、台風18号が3年ぶりに兵庫県を直撃しました。非常に強い台風で日本各地に大きな被害をもたらしました。但馬においても17日の夜8時頃から18日の未明にかけて急激に雨量が増え、あと1~2時間雨が降り続いていたら氾濫する可能性のある河川が複数ありました。幸い氾濫には至りませんでしたが、管内の3土木事務所を中心に国、市町と連携して徹夜で警戒に当たり、災害の防止に全力で取り組みました。平成16年の台風23号災害のあと国・県・市町が協力して河川改修などハード面の整備や防災訓練の実施などソフト面での対応に努めてきましたが、今後も防災・減災対策に全力で取り組んで参ります。
さて但馬では収穫の秋を迎え、各地域で様々なイベントが行われています。交流人口の拡大と地域の賑わいづくりに重要な役割を果たすものと考えており、そのうちいくつかをご紹介します。
道の駅「山陰海岸ジオパーク浜坂の郷」が完成し、9月21日に谷 公一衆議院議員、岡本新温泉町長、荒木兵庫県副知事、地元関係者の皆さんによる記念式典が行われました。道の駅は11月26日に開通予定の山陰近畿自動車道浜坂道路の「新温泉浜坂インターチェンジ」に近接し、5,500㎡の敷地に45台分の駐車場が整備されています。情報棟ではモニター画面で交通情報や新温泉町をはじめ但馬の観光情報を発信するほか、物販棟では地元の豊富な農産物や海産物、加工品が販売されます。また、飲食棟では地元のソバや但馬牛などを使った地元ならではの料理が提供されます。
県民局でもこれに併せて周遊バス「たじまわる」に道の駅「浜坂の郷」と山陰海岸ジオパーク館、道の駅「あまるべ」を結ぶ新たな運行ルートの開設や、道の駅から徒歩で10分の所にある「田君川バイカモ公園」へのアクセス整備を行って支援しています。
但馬北部の観光交流の拠点として、また地元の特産物のPRと販売の拠点として、地域の振興に大きく貢献できる道の駅に育つよう心から願っています。
但馬の企業等が一堂に会する「夢但馬産業フェア2017」が9月22日・23日の2日間豊岡市総合体育館で開催されました。
産業フェアは、但馬の企業の技術力など魅力の発信と販路の拡大、地元中高生や保護者の皆さんに但馬にも魅力的で将来性のある企業があることをPRし、将来の地元就職に繋げることを目的にしています。
今年は、96社・団体が出展し、それぞれ自社の取り組みを懸命にPRされていました。22日には地元の4県立高校と豊岡南、竹野の2中学校の生徒約600人が来場し、各ブースを巡って熱心に担当者から各社の説明を聞いていました。この取り組みが但馬へのUターン就職につながることを期待します。
また、海洋研究開発機構の柴田 桂氏による深探査の現況や裏話、京都鉄道博物館、JR西日本福知山支社の協力により、SLスチーム号を撮影した360度の映像をドームシアターで行う上映が人気を集め、多くの来場者で賑わいました。
但馬はもちろん、兵庫の誇りで全国の和牛の素牛である「但馬牛」の素晴らしさを広くPRする第24回但馬“牛まつり”が、9月25日新温泉町の県立但馬牧場公園で開催されました。昔、但馬各地で行われていた但馬牛の引く牛車に乗った花嫁行列の再現や但馬牛をイメージした造形物を使ったパフォーマンス大会、但馬ビーフの焼き肉など地元特産物の販売、但馬杜氏組合の皆さんによる但馬杜氏が丹精込めて造り上げた日本各地の銘酒の試飲会が行われました。花嫁行列では、新温泉町長の地域おこし協力隊員の村田瑞樹さんが花嫁役になり多くの観客から声援を浴びていました。また、パフォーマンス大会では香美町香住区の大谷婦人会の皆さんが優勝されました。秋晴れの一日、豊かな自然の中で多くの皆さんが訪れて楽しんでおられました。私も日本酒の試飲に参加し、改めて但馬には但馬牛や但馬杜氏など様々な宝物があることを実感しました。これらの宝物を広く発信し、今後の地域振興に繋げていきたいと思います。
全国の重点道の駅に選定され、年間200万人の人が訪れる但馬の東の玄関口であり、地域の観光交流の拠点である道の駅「但馬のまほろば」(朝来市山東町)で但馬最大規模のグルメイベント、ロードサイドステーションフェスタ8が開催されました。
但馬を中心とするグルメとスイーツの46店舗が出店したほか、ステージイベントでは、アコースティックデュオにこいち、金山ゆいさんによる歌や山内達哉さんのバイオリン演奏、笑福亭鶴笑さんの落語など朝来市観光大使揃い踏みのライブが人気を集めていました。お天気にも恵まれ但馬内外から約2万人の皆さんが集まりました。
「但馬のまほろば」は、福丸駅長さん以下職員が一丸となって様々なアイデアを打ち出し、多くのお客さんを集めて地域の賑わいづくりに貢献されています。また地域の農林水産業や加工業に従事する皆さんには大きな販売拠点になっており、地域経済の振興にも大きく寄与しています。今後、さらにサービスと機能を磨いて300万人、400万人と人の集まる道の駅に成長されることを期待し、県民局も応援していきたいと思います。
木を素材にした木彫作品を募集、展示する全国でもユニークな展示会が9月22日から10月9日まで、おおやホール(養父市大屋町山路)で開催されています。全国各地から125点の応募があり、9月16日の審査会でグランプリを含む入賞5点と入選作39点が選ばれました。グランプリは岐阜市在住の大橋未央の作品「おるすばん」が選ばれました。毛布にくるまれながら誰かの帰りを待つ子どもを表現した子どもの愛らしさやぬくもりを感じさせる作品です。表彰式は9月30日11時30分からおおやホールで行われます。
この公募展は今年24回目の開催で、全国から大勢の木彫ファンが訪れ、木彫家の登竜門とも位置づけられています。皆さんも是非足を運んでいただけたら幸いです。養父市大屋町では、兵庫県文化功労賞を受賞された木彫家の松田一戯さんを始め、多くの芸術家が多彩な活動をされています。そして、廃校となった県立八鹿高校大屋校を活動拠点「おおやアート村BIG LABO」として再生させ、NPO法人「おおやアート村」を組織し、芸術を通じた地域内外の人々の様々な交流活動を展開されています。そのことが大屋地域の振興に大きく貢献しています。
県民局としても、芸術活動を通じた様々な交流活動が地域の活性化につながることを期待し、養父市とも連携して活動の充実を応援していきたいと思います。
(但馬県民局長 秋吉 秀剛)
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