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以前は「不治病」と恐れられていた結核は医療の進歩により「薬を飲めば治る病気」となり、罹患率も大きく低下しました。しかし、今でも結核による重症例・死亡例が発生しており、油断できない感染症のひとつです。
淡路島では、結核罹患率が全国や兵庫県全体と比べると高い傾向にあります(図1)。結核を発病する方の7割以上が70歳以上の高齢者で、80~89歳が最多となっています(図2)。
高齢者は結核がまん延していた時代に既に感染している人が多いと言われています。体力や免疫力が低下したときに、身体の中で抑え込まれていた結核菌が再び活動を始め、発病することがあるため注意が必要です。
結核は早期発見・早期治療が重要です。発見が遅れると重症化したり、周囲の人に感染させたりすることがあります。以下の症状が2週間以上長引くときには、医療機関を受診し、結核の可能性がある場合は、「胸部エックス線検査」や「たんの検査」を受けましょう。
早期発見には、毎年、胸部エックス線検査を受けることも大切です。家族や身近な人に感染させないためにも、年に1回は職場健診や市の住民健診を利用し、胸部エックス線検査を受けましょう。
結核は確実な内服により治すことが可能な疾患です。標準的な治療は4種類の薬を6ヶ月間または3種類の薬を9ヶ月間服用します。
結核の治療を安心して受け続けていただくために、治療費の一部を公費で負担する制度もあります。
介護保険サービス等の充実により、高齢の方はさまざまなサービスを利用されています。発見が遅れ、重症化して見つかると集団感染になる可能性があります。
高齢者の場合、本人よりも周囲が先に異変に気づくことがよくあります。入所・通所施設、介護保険等のサービス事業所は日頃から利用者の健康管理に努め、気になる症状があれば、早めの受診を勧めてください。
お問い合わせ
部署名:淡路県民局洲本健康福祉事務所健康管理課
電話:0799-26-2062
FAX:0799-22-3345