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更新日:2023年10月23日

意見書 第12号

ブラッドパッチ療法に対する適正な診療上の評価等を求める意見書

 

 交通事故、スポーツ、落下事故、暴力など全身への外傷等を原因として発症する脳脊髄液減少症によって、日常生活を大きく阻害する様々な症状に苦しんでいる患者の声が、全国各地から国へ数多く寄せられ、平成18年に山形大学を中心に関連8学会が参加し、厚生労働省研究班による病態の解明が進んだ。

 その結果、平成28年より同症の治療法であるブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)が保険適用となり、それまでの高額な自費診療から保険診療でのブラッドパッチ療法を受けることができるようになったが、公的な研究によって報告されているとおり、脳脊髄液減少症の症状において約10%の人が保険適用の要件である起立性頭痛として認められないため、医療の現場では混乱が生じている。

 また、その後の研究で、脳脊髄液の漏出部位は一箇所とは限らず、頚椎や胸椎部でも頻繁に起こる事が報告され、この頚椎や胸椎部にブラッドパッチ療法を安全に行うためには、X線透視下で漏出部位を確認しながら治療する必要があるが、診療上の評価がされていない。

 よって、国におかれては、上記の新たな現状を踏まえ、脳脊髄液減少症の患者への公平で安全なブラッドパッチ療法の適用に向け、下記の事項について適切な措置を講ずるよう強く要望する。

1 脳脊髄液減少症の症状として、起立性頭痛が見られない場合でも保険適用とすること。

2 ブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)において、X線透視を要件として、漏出部位を確認しながら治療を行うことを可能にするよう、診療報酬を改定すること。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

令和5年10月23日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官  様
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣

兵庫県議会議長  内藤 兵衛

お問い合わせ

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