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更新日:2025年10月22日

意見書 第73号

再生資源物の屋外保管場に係る違法行為への対策強化を求める意見書

 

 近年、再生資源物の屋外保管場のうち、保管や処理を適正に行っていない、いわゆる「不適正ヤード」が全国的に増加している。こうしたヤードは周囲が高い壁に囲まれ中の様子が分かりにくく、景観上の問題のみならず、有害物質による土壌・地下水の汚染など生活安全や地域の農業経営をおびやかす深刻な環境汚染を生じさせる場合があるほか、外国人等による違法行為の温床ともなっているという実態が指摘されている。

 不適正ヤードの中で行われる違法行為としては、配電盤や電源装置といった大型電子機器等の不適正輸出への規制を免れるため機器を破砕するなどして金属資源等を海外に流出させることや、盗難車両等の保管・解体及び不正輸出、不法滞在外国人等による不法就労などが挙げられる。こうした複合的かつ組織的な犯罪の拠点となり、さらには暴力団と関係する例など、不適正ヤードは地域の治安をおびやかす深刻な問題となっている。

 各自治体は、ヤードに対する立入検査の権限や、使用済自動車の取扱業者に対する調査権限、違反者への処分権限を有するものの、日本語が通じない外国人への対応に苦慮する例や、調査能力として無登録業者や外国人事業者の実態把握が事実上困難な例も存在する。

 よって、国におかれては、国民の安心・安全と生活環境を守るため、下記の事項を実施するよう強く求める。

1 再生資源物の保管又は処分を業として行う者に対する許可制度を導入すること。

2 ヤード経営・労働に関する監視体制を強化し、合わせて国民への不適正ヤードに関する啓発と通報体制の充実を図ること。

3 環境対策の観点だけでなく、警察、消防、税関等による合同調査の制度化や、不適正ヤードに関する全国的なデータベースの整備など、関係省庁及び自治体の情報共有体制を構築すること。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

令和7年10月22日

兵庫県議会議長 山口 晋平

衆議院議長 様
参議院議長 様
内閣総理大臣 様
内閣官房長官 様
総務大臣 様
法務大臣 様
農林水産大臣 様
経済産業大臣 様
国土交通大臣 様
環境大臣 様
国家公安委員会委員長 様
警察庁長官 様

お問い合わせ

部署名:兵庫県議会事務局 調査課

電話:078-362-3720

FAX:078-362-9031

Eメール:Gikaitosho@pref.hyogo.lg.jp