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更新日:2025年10月22日

意見書 第77号

リンパ浮腫関連施策の適正化と拡充を求める意見書

 

 平成19年のがん対策基本法の施行に伴い、がんの認識は広く社会に浸透し、医療環境の改善やがんを取り巻く福祉環境の充実などが進んでいる。一方、がん治療によって発生する難治性後遺症である「リンパ浮腫」の認知度は低く、医療体制も脆弱な状況である。

 リンパ浮腫の課題は多岐にわたり、主なものとして、早期の診断体制や適切な診療体制が未整備であること、がん治療医・看護師等への教育が不十分であること、さらに、専門医療機関や人材の不足や患者の精神的・経済的負担の大きさなどが挙げられる。

 令和5年3月28日に閣議決定された『がん対策推進基本計画(第4期)』では、がん医療提供体制の中に後遺症としてリンパ浮腫が盛り込まれているが、いまだ十分に対応がなされていない状況にある。こうした状況を改善するためには、根本的な課題として、医療体制全般を充実させることも求められる。

 よって、国におかれては、下記の事項について適切な措置を講じるよう強く要望する。

1 がん診療連携拠点病院等のがん治療医・看護師・がん相談支援センターの相談員等への教育を実施すること。

2 がん診療連携拠点病院等の指定要件に明記し、相談窓口を含むリンパ浮腫外来の設置を推進すること。

3 弾性着衣等に係る療養費の限度額を見直し、社会情勢と価格上昇に見合った額へ引き上げること。

4 治療の均てん化に向けた地域医療連携ネットワークの構築など体制を強化すること。

5 持続可能な医療体制を確保するため「診療報酬」を増額すること。

 

 以上、地方自治法第99条に基づき意見書を提出する

 

令和7年10月22日

兵庫県議会議長 山口 晋平

衆議院議長 様
参議院議長 様
内閣総理大臣 様
内閣官房長官 様
総務大臣 様
財務大臣 様
厚生労働大臣 様

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