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兵庫県議会トップページ > 定例会・臨時会 > 令和7年度 > 令和7年12月第373回定例会 > 意見書 > 意見書 第82号
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更新日:2025年12月12日
持続可能で質の高い福祉サービス提供体制の確立と、地域共生社会の実現に向けた抜本的政策の推進を求める意見書
我が国においては急速な少子高齢化や単身世帯の増加に伴い、地域社会が抱える福祉ニーズは複雑化・多様化している。特に、福祉・介護の現場では、全産業との賃金格差が依然として解消されず、物価高騰などの影響も重なり、恒常的な人材不足が深刻な課題となっている。公定価格に基づき運営される社会福祉法人等においては、経営努力のみでこの状況に対応することには限界があり、安定したサービス提供がおびやかされる事態となっている。
また、近年頻発する自然災害に対し、「命と暮らし」を守る災害福祉支援体制の構築は喫緊の課題である。さらに、単身高齢者や認知症高齢者の増加に伴い、身寄りのない高齢者等を地域で支える仕組みづくりや、孤独・孤立の防止に向けた包括的な支援体制の強化が求められている。
これらの課題に対応し、誰もが安心して暮らせる地域共生社会を実現するためには、地方自治体の施策に加え、国における抜本的な制度改正と十分な財政措置が不可欠である。
よって、国におかれては、下記の事項について速やかに取り組むよう強く要望する。
記
1 福祉・介護人材の確保と処遇改善のため、介護・障害福祉サービスの報酬改定へ物価・賃金スライド方式を導入するとともに、資格取得支援・ICT等による業務負担軽減への財政支援を強化すること。
2 都道府県福祉人材センターの機能維持・強化のため、キャリア支援員等の継続的な雇用が可能となる安定的な財源を確保すること。
3 災害時における被災者支援の実効性を高めるため、「被災者援護協力団体登録制度」の運用において自発的なボランティア団体の活動が不当に制限されないよう配慮するとともに、「災害ケースマネジメント」を推進する研修・体制整備を支援すること。
4 身寄りのない高齢者等を地域で支えるため、市町が中心となって支援が可能となる法制度の整備及び必要な財源措置を行うこと。
5 日常生活自立支援事業について、相談・支援ケースの複雑化に対応できるよう、補助基準額を見直すなど、社会福祉協議会への十分な財政支援を講じること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年12月12日
兵庫県議会議長 山口 晋平
衆議院議長 額賀 福志郎 様
参議院議長 関口 昌一 様
内閣総理大臣 高市 早苗 様
内閣官房長官 木原 稔 様
総務大臣 林 芳正 様
法務大臣 平口 洋 様
財務大臣 片山 さつき 様
厚生労働大臣 上野 賢一郎 様
内閣府特命担当大臣(共生・共助)、共生社会担当大臣 黄川田 仁志 様
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