ここから本文です。
知事:
1番目は「新型コロナウイルス感染症の現状と対応」です。
昨日の感染者数が60名で、大台を超えてしまいましたので、しっかり呼びかけを強化しなければならない、と考えました。
本日の結果は既にご承知のように、県内で27名(神戸市9、尼崎市5、西宮市12、県1)、という状況です。昨日が日曜日ということもあり、いつものように月曜日の件数が少ない状況です。検査数(434件)は、60人を記録した昨日(530件)と比べると、100くらいしか減っていません。どちらが異常値なのか分かりませんが、一日一日の数字だけではなく1週間の平均値を見ると、今日を含めると44.7人という数字です。かなりのボリュームなので、しっかりとフォローしていく必要があります。
特に、濃厚接触者やその関係者などの調査結果により、陽性率が高い状況が続いています。陽性者の中に濃厚接触者が半分含まれている状況なので、そのあたりも勘案しながら、これまで言っている通り、早急に陽性者の濃厚接触者、関係者の範囲を確定し、2次感染、3次感染を防ぐ、という基本姿勢を貫きたい、と思います。
県民の皆様に土曜日に発表しました、「兵庫うつらない・うつさない宣言」ですが、(加えて)「県境をまたぐ行動に注意しましょう」と呼びかけさせていただこう、と考えています。「感染が再拡大している地域への不要・不急の移動を自粛しましょう」ということについては、以前から「『東京都など』感染が再拡大している地域への不要不急の移動を自粛しましょう」と呼びかけさせていただいていました。今回、「特に県境をまたいでの接待を伴う飲食店、酒類の提供を行う飲食店、カラオケ等の利用を控えましょう」と追加しました。
従来から申し上げていますように、感染源は、県内の繁華街や飲食店、というより、隣接県からの状況が大きいので、特に「県境をまたいでの、接待を伴う飲食店、酒類の提供を行う飲食店、カラオケ等の利用を控えましょう」と呼びかけさせていただきます。
従来からの「不要不急の移動の自粛」に含まれていると言えば、含まれていますが、ターゲットをもっと明確にさせていただきました。「不要不急の移動」は自粛ですが、「移動」そのものを自粛する、と言っているのではありません。移動してもこのようなところに行くことをやめましょう、と呼びかけさせていただきます。
もう1つは、これからお盆を控えて、県外からの帰省客が兵庫においでいただくことになるので、「迎える際には感染防止策をしっかりとしてください」という要請を付け加えさせていただきました。
本日、この2つを要請として追加しましたので、ご披露するとともに、県民の皆様へのご協力をよろしくお願いします。
2番目は「『活力あるふるさと兵庫実現プログラム』の令和元年度取組状況」です。
平成29年度から、県政の重点施策の目標と工程を示した「活力あるふるさと兵庫実現プログラム」を定め、それにできるだけ年度ごとの目標数値を掲げ、それとの比較で取り組み状況を評価しています。
今回、今年度の予算の状況等を踏まえたプログラムや目標などの追加、見直しを行い、また、令和元年度までの432の施策について評価しました。
評価方法は、達成状況を4段階(◎、○、△、▲)で評価しています。その結果については、後ほどお話しします。
今年度の追加、見直しについては、表の通りです。昨年度は、目標数が551、プログラム数は76でしたが、今年度は、目標数が574、プログラム数は77です。
2ページをご覧下さい。取り組み状況の総括です。◎目標を超えて達成(100%超)、○目標を概ね達成(90%~100%)した事業等は、全体の77.1%です。昨年度は81.7%でしたので、5ポイント弱のマイナスになっています。これは、令和元年度の新規事業が始まったばかりで、スタートダッシュが悪かった、ということが原因の1つに挙げられます。もう1つは、毎年度、目標を段階的に引き上げるという構造にしているので、実績は前年度より改善していたとしても、目標に対しては下回っているなどそのような関係で5ポイント弱落ちています。
このプログラムを始めてから、徐々に達成率が悪くなっており、結局、われわれが毎年度高い目標を設定、あるいは横ばいにしていることが、実績との乖離を生んでいる、という傾向があります。3年目になり、さらに5ポイント弱落ちてしまった、という状況です。
また、目標を下回った主な事業についてです。
待機児童数は昨年度よりも少し改善しましたが、目標の663人に対して、実績は1528人なので、大幅に下回りました。
転入超過数は、1208人超過が目標でしたが、逆に▲7260人になっています。
女性活躍推進のための行動計画(一般事業主行動計画)は、策定率が伸びていません。
兵庫県住宅再建共済制度加入率は、いつもの通りです。
森林環境譲与税を活用した非経済林での間伐面積も、なかなか達成していません。このような状況になっています。
新型コロナウイルス感染症の影響により数値が伸び悩んだ事業は、企業立地数のうちの外国・外資系企業進出件数、医療支援型グループホームの整備促進、HUMAP による留学(派遣)支援者数、舞台芸術のアウトリーチ活動の実施回数、伝統文化体験フェスティバル・伝統文化体験教室参加者数などです。
施設整備や計画策定等の目標を定めたものは、119事業ありますが、これらについては、概ね計画通りに進捗しています。
(参考にお配りしている)「プログラム」(冊子)をご覧下さい。これは、兵庫県が、どのような事業にどのような目標を立て、どのように推進を図ろうとしているのか、これまでの実績とこれからの目標が一覧にされているので、分かりやすい資料になっていると思っています。これからの県政を見る場合にも、ぜひご参照いただくとありがたいと思っています。
具体の取り組み状況は、3ページ、4ページ以降に掲載しているので、後ほどご覧ください。
個別の評価については、私からの説明は省略させていただきます。
3番目は「『令和元年度 参画と協働関連施策の年次報告』の作成」です。
年次報告自身もお手元にお配りしています。「県民の参画と協働の推進に関する条例」(平成15 年4月施行)第11 条に基づき、活動状況を作成しました。
今年度の施策数は、651です。「地域づくり活動の支援」、「県行政への参画と協働」、この2つのカテゴリーについて、どのように取り組んできたか、という2本柱で整理しました。
「地域づくり活動の支援に関する施策」事業としては、阪神・淡路大震災25年事業など、485施策を実施しました。特に、まちづくり施策が多く。149施策あり、3割を占めています。
「県行政への参画と協働を推進する政策」は、166施策あります。パブリックコメント手続きで意見を寄せていただく、ということも、その1つになります。
実績として、(1番目の大きな柱の)「地域づくり活動の支援に関する施策」について、トピックスとして挙げているのが、阪神・淡路大震災25年事業です。25年の節目にあたり、大きな目標を掲げて、「震災を風化させない-『忘れない』、『伝える』『活かす』『備える』」を基本コンセプトに、県民の皆さんとともに、連携して、阪神・淡路大震災の経験と教訓を発信するとともに、次の大災害への備えや対策の展開を図ろうとしました。
効果的な情報発信や、ふるさと意識の醸成、地域活動展開のための拠点整備や人材不足、依然として資金確保など、また、連携が不可欠、という地域づくり活動を取り巻く課題に対して。
例えば、「交流サロン」事業の開始や、Web構築による多自然地域の魅力発信、あるいは、多自然地域の元気づくりに関する相談等を行う「ふるさと応援交流センター」の設置などが挙げられます。
それから、ふるさと意識の醸成が不可欠という点では、「先進的教育研究開発事業」を、生野高校と柏原高校をフィールドに推進しました。また、「ひょうごっ子・ふるさと塾の実施」や、県民センター・県民局での事業展開をしています。
活動拠点・交流拠点では、「県民交流広場」の機能をアップさせるために、備品の更新等の経費を助成しました。また、新長田合同庁舎では、関係機関とのネットワーク化を進めています。
また、人材確保では、「ふるさとづくり青年隊事業」に関連して、「県版の地域おこし協力隊の設置」をしました。
資金調達では、「ふるさとひょうご寄付金」や「ひょうごボランタリー基金」、「地域づくり活動応援事業」などで展開を図っています。
そしてネットワーク化という意味では、「第37回の地域づくり団体全国研修交流会兵庫大会」を開催することができました。また、大学生や高校生の主体的な運営による、「ひょうごユースecoフォーラム」を開催しました。
2番目の大きな柱の「県行政への参画と協働を推進する施策」に関してですが、県民モニターやさわやか県民相談などに加えて、パブリック・コメントを20件実施しています。ひょうごアドプトの実施や、企業等との連携協定にある施策の推進や、各種の推進員を設置して、協力をいただいています。
参画と協働が、名前や考え方だけではなく、具体の実践活動も、このような形で、行われているということを、ご理解いただきましたら、幸いです。
4番目は「需要に即した神戸ビーフ供給力強化対策の推進状況」です。
神戸ビーフの需要に応えるために、繁殖雌牛の増頭対策や減頭抑制対策、受精卵移植による肥育素牛増産など供給力強化対策を推進しています。あわせて、神戸ビーフ館とともに、但馬牛博物館等を通じて、PRを図っています。
現在の状況について、繁殖雌牛の登録を行っている(公社)全国和牛登録協会の正確な調査によると、現在、実頭数は、1万4060頭です。下の表をご覧いただくと、578頭増えていますが、1万4060頭が、神戸ビーフの素牛を生産する繁殖雌牛として、登録されている数です。これに、但馬牛以外の繁殖雌牛とされているものなどを含めた飼育頭数としては、1万7100頭。表2にあるように、前年比で900頭増えています。これは、我々が目標にしている2万頭増頭作戦のベースになる数値です。何が違うかと言いますと、和牛登録制度に基づく場合は、妊娠が判明した前後に登録をすることになっています。そのため、子牛を産ませる予定で飼っている場合や、県外から入って来ている場合は含まれていません。「畜産統計」では、それが含まれているため、1万7100頭になっています。
私たちが2万頭増頭作戦と言っている目標に対して、まだ3000頭足りていません。このような実態にあるわけです。牛舎などについても、整備を図らせていただいています。
枝肉価格について、これは令和元年度ですが、153万5千円になっていまして、素牛子牛の値段が87万2千円という状況です。いずれにしても、ピーク時が、186万3千円・104万8千円でしたので、相当打撃を受けている状況になっていますが、子牛の価格保障制度の発動には(至らずに)、まだ少し高値で動いています。そのため、子牛の価格保証制度は発動されていない状況が続いている、ということです。
ぜひ早く、感染症予防対策をしっかりと踏まえていただいて、レストラン等での和牛に対する、特に神戸ビーフに対するニーズが増えて、価格が安定することを期待したい、と思っています。
2ページは、牛舎の整備、繁殖雌牛の導入、新規就農者の状況、畜産参入支援センターの活動、それから(3ページ)減頭抑制対策、受精卵移植による対策、また、認定率は現在、83.9%にまで上がっています。海外への輸出展開については、令和元年度に和牛マスター食肉センター(姫路市)が米国やEU等への牛肉の輸出認定施設となっています。従来、鹿児島県まで運んでいましたが、県内で一貫して、但馬牛・神戸ビーフが輸出できる体制が整備されました。
4ページの上に、神戸ビーフの輸出実績が挙がっていますが、量としては若干、前年対比で落ち込んでいます。これはコロナ関係での影響も出てきているのではないか、と考えています。
神戸ビーフの海外顧客向け対策などを行うとともに、科学的な分析を踏まえた「美味しさ」の指標などによって、神戸ビーフの品質管理を行っていることをしっかりとPRさせていただきます。
(5ページ)最後に、新型コロナウイルス感染症の影響について整理をしています。直近の枝肉価格と子牛価格ですが、左側の表にあるような推移を遂げています。肉用子牛の全国平均価格(月別)が、発動基準を下回った場合には、(2)のイの(イ)ですが、生産者に対して、販売頭数に応じて奨励金が交付されることになっています。国がコロナ対策で補償基準を60万円まで引き上げていますが、現状、64万円や67万円などであり、発動にまでは至っていない、という状況になっています。
それから、図2にあるように、輸出量については、令和元年12月の水準には達していないものの、4月に大変大きな落ち込みがありましたが、そこから、元に戻して、回復基調にあると見られる、と思っています。
(2)のウで、需要喚起と消費拡大を、県産ブランド牛肉消費拡大キャンペーンとして現在させていただいていますし、学校給食での活用も図ることにしています。
5番目は「東日本大震災被災地に係る支援」です。
県内避難者の状況ですが、宮城県と岩手県から避難されてきた方々が、もう戻らないということを決意されて、県内に定住され、2人減ということになっています。
それから、職員派遣の状況ですが、1人増の1人減です。県の任期付職員が、転職したため減となる一方で、市町派遣職員が1人増になっていますので、差し引きゼロです。関西広域連合の県分が1人減ということです。
私からは以上です。
記者:
お盆を見据えた考え方という面から、ここ数日、GoToトラベルがある中、一方で政府内や一部自治体で、お盆期間の広域的な移動は慎重に、という趣旨の発言がいくつか出ています。兵庫県は、すでに再三、東京圏への移動自粛を訴えています。今後しばらく、もしも感染者数の高止まり傾向が続いた場合に、再度改めて、広域的な移動は慎重にしてもらうようなメッセージを発する、ということは考えられるのでしょうか。
知事:
今日もメッセージを追加しましたが、「不要不急の移動自粛」は求めていますが、「移動」そのもの自粛を求めていくつもりは、ありません。 しかし、移動してからどこに行かれるのか、ということについて、感染の源になっている可能性の、リスクの高いところに行くのは、やめましょうという、呼びかけを入れさせていただきました。夜の繁華街や、お酒が伴う飲食店、密閉空間であるカラオケなどについて、県を跨いで行くことは控えましょう、ということです。東京都などの、「再度拡大している地域」が十分に理解していただけているのかどうか、というところがありますので、あえて、県を跨いでのそのようなお店への出入りは控えてください、ということを特に強調させていただきました。
それともう1つは、家庭内感染が増えています。これは、前から申し上げていますが、そういう状況です。家庭内感染に注意をしていただくことが必要ですので、お盆での人の出入りにおいての感染症対策を呼びかけさせていただきました。「来るな」とまでは、今の段階では、まだ呼びかけていません。
記者:
感染者が急増していますが、その一方で、4月頃と比べると、重症者、死者がかなり減少しています。若い感染者が多い、ということで理解できますが、この状況をどのように見られていますか。
また、それとともに今後も重症者、死者を出さないために、何を重点的に訴えたいでしょうか。
知事:
医学的に、重症者が少ないことについて、あまり明確ではありません。今までの患者さんのほとんどが、若い人で、最近は、家庭内感染などから、高齢者への感染も増えてきている、という状況です。もしも、高齢者への感染が増えると、重症患者が増えることも考えられるので、注意を怠らないようにしなければならない、という状況です。
現在の流行は、若者が中心で、高齢者は、ほとんど1次感染者になっていません。一部、昼間のカラオケで感染された方がいますが、そのような方以外は、ほとんど1次感染者になっていない、という状況なので、高齢の方は慎重に行動し、自らが備えられているのではないか、と私は評価しています。
記者:
高齢者施設などのサポート体制を取ると、おっしゃっていましたが。
知事:
これはもう、かなり出来ています。面会禁止やオンライン面会に切換えられている所がほとんどです。
もしも、発症しても、直ちに応援していただけるようなシステムを作り上げているので、最初の感染者だけで抑え込めるのではないか、と考えています。
記者:
コロナ追跡システムの運用が開始し、もうすぐ1カ月になると思いますが、普及状況はいかがでしょうか。
知事:
まだ、コロナ追跡システムで発症者が出てきた、という状況にはありません。そういう意味からすると、もっと普及を図らなければならない、と思います。
LINEは6794店舗、メールは6093店舗の登録があります。利用者は、両方合わせて52,000人、というのが、8月1日現在の数字です。
これでは、県としては、まだ少ないのです。ただ1次感染源に本県の施設は、ほとんどなっていないので、追跡システム自身が、現実に機能してはいない、と思います。
しかしこれから、同じように、1次ではなくても、夜の街、飲酒を伴う飲食を大勢のグループで行うと、非常に感染リスクが高くなるので、そのような機会はできるだけ控えましょう、ということをあわせて要請させていただきます。
記者:
先月、庁内で、第1波の分析・検証チームを作り、報告をまとめたい、とおっしゃっていましたが、順調に進んでいますか。その前にも、こうして再拡大が始まっていますが、いかがでしょうか。
知事:
検証内容を第2波対策に途中で取り込んだ、という話になっています。ベッドの確保、それを支援する医師や看護師の体制づくり、宿泊療養施設の確保などに生きている、ということは間違いないと思います。
記者:
神戸ビーフの件で、先日、和牛の偽装で、事業者が県警に逮捕されました。この件で何かコメント等があれば、一言お願いします。
知事:
県版HACCPの食肉販売店としては第1号でした。そういう意味では先頭を走っていただいていたはずですが、個体識別番号などを使い回し、このような偽装をされたことは、非常に残念だ、と思います。
再生を期していただくことに期待しています。
記者:
入院病床の関係で、「兵庫うつらない・うつさない宣言」などでも、知事は、病床数には余裕があるので、第1波の状況とは、違うとおっしゃっています。今日の最新のデータでは、入院数が(病床数の)4割程度となっており、第1波の時とは、残りの空き病床数が全然違うとは思います。
この4割程度になったことの受け止めと、療養施設を含めてまだ800床あるので、まだ全然逼迫していない、というような県民へのメッセージをいただけますでしょうか。
知事:
入院が、昨日現在263人、宿泊療養が49人で、計312人です。確保病床652に対して、263人ですので、4割くらいです。もう少し、「入院」から、軽症者については、「宿泊療養」にまわっていただく、回転をもう少しよくしていくことに、これからなると思います。そういうことを考えますと、病床数自身は、現状では全く心配がありません。しかも重症者は、4人ですので、重症病床は、今110確保しています。今の体制は、毎日、70人から80人の患者さんが、1カ月発生しても対応できるようになっています。厚労省のモデルでも、98人がピークとして計算されていますが、そういう状況にも耐えられるという、医療体制を確保しているつもりです。したがいまして、十分医療体制には不安はない、と申し上げてよいと思っています。
記者:
新規感染者数は、第1波の時よりも更新していますが、陽性率については、私の手計算では1週間の移動平均で見ると、4月のいわゆるピーク時は14%、15%だったものが、今は6%、7%ぐらいかと思います。このことに対する評価を教えてください。
また、検査数が増えているために、人数としては大きく増えてしまうことは、どうしても必然になってしまいますが、その関係性について、どのように評価されているか、受け止めを教えてください。
知事:
陽性者数、絶対数が増えているのは、濃厚接触者や関係者の確定が早く、その方たちへの検査が、従前と比べて早急にできる体制ができている。濃厚接触者等の陽性率自身は高いのではないか。それはそれで、しっかりと囲い込みができているという証左だろう、と思っています。
一方で、濃厚接触者だけではなく、関係者へのPCR検査も広げていますので、その関係で陽性率そのものは落ちてきている、ということなのではないか。それは、両方とも陽性者の特定に対して、フォローアップシステムが動いている、と評価できるのではないでしょうか。
記者:
以前の第1波の時のように、急に15%近くになるようなことは、それほど心配されていない、ということでしょうか。
知事:
陽性者の絶対数に対する対応力がありますので、それは最後の砦ですが、そこに懸念がありません。
新規陽性者数をどのようにできるだけ抑え込むかが、今の課題だと思っています。
記者:
対策はかなりピンポイントになってきています。一方で、6月19日以降の新規の感染者の中で、まだ「調査中」や「感染経路不明者」が多いのではないか、と思います。
今回の新しい対策のように、飲食店、カラオケ、しかもその隣接県のケースが多いという現状がある、ということなのでしょうか。
知事:
感染源になっている場所を感染者からお聞きした限りでは、やはり、そのようなところに行かれた方々が、発症されている例が非常に多いのです。また、家族内の感染の原因者も、どこから持ち込まれているかのというと、そのようなところで感染されたのであろう、ということがうかがえます。そのため、リスクの高いところに出入りすることについての自粛を、強く求めさせていただこうとしているものです。
記者:
先週、月曜日の記者会見で、知事は、新型コロナ封じ込めをねらっている、その後ピークアウトするのではないか、というお話もありました。しかし、この間、1週間平均の感染者数は、今のところ10日連続で伸びている、という現状があります。想定と異なっている点はあるのでしょうか。
知事:
私は、もうピークアウトする頃合いだと、先週ぐらいから言っていたのですが、全然外れてピークアウトしていないのです。
先ほども触れましたように、濃厚接触者や関係者の範囲を特定して、早くPCR検査などを行っています。関係者の中での感染者をできるだけ早く捕まえていく、という作業を結果が反映している部分があるのではないか、と思っています。
また、どうしても人の動きが7月の初めから半ばにかけて活発化してきた、その結果が出てきているのではないか、と思っています。
記者:
先ほどの「兵庫うつらない・うつさない宣言」について。今日、新たに追加された、「県境をまたいでの、接待を伴う飲食店、酒類の提供を行う飲食店、カラオケ等の利用を控えましょう」についてですが、先ほどは「東京」について触れられていましたが、三重県や岐阜県では「名古屋」と名指しするような形で「行かないでね」という呼びかけをしているそうです。これは、知事としては、例えば「大阪」も念頭には入っているのでしょうか。
知事:
東京も、大阪も、名古屋も、福岡もそうです。もしかすると神戸も入っている可能性はあると思います。いずれにしても、県境をまたぐような不要不急の往来は自粛してください、と言っていますが、「感染が再拡大している地域への」では、県民の皆さんとって、なかなかイメージが湧きにくいので、「県境をまたいでの」として、(県境を)またいでまで、リスクの高いところに立ち寄ることは控えてください、というお願いを明確にさせていただきました。
分析してみると、大阪だけではありません。東京や札幌、福岡(に行った)という方々もいらっしゃいます。そのため、「県境をまたいでの」ということにさせていただきました。
記者:
現状、接待を伴う飲食店やカラオケで、例えば三宮など県内で、1次感染源になっているということは、今のところないのでしょうか。それとも、わずかにはある、ということなのでしょうか。
知事:
今まで、クラスターになったようなところはありません。考えられるのは、仲間内で食事会をして、そこに大阪で感染した人がメンバーとして入っていた、というようなケースだと思います。どこで感染したのか分からない人からうつされている状況にはなっていないのではないか、という状況です。したがって、クラスターにはなっていません。
記者:
一部の地域を区切って休業要請をし、その部分を保証する、という流れが大阪市や名古屋市で出てきています。今、兵庫県については、そういう状況にありますか。
知事:
先ほど言いましたように、クラスター源になっているようなところが出ていませんので、我々としては、今の段階でそこまでお願いする段階ではない、と思っています。ただし、注意をしていただかなければなりません。ガイドラインに則した対策を、しっかりとやっていただく必要がある、と思っています。
記者:
お盆の話について、兵庫県は、帰省するために出ていく、田舎に帰る人達もいれば、一方で、ふるさととしてよそから帰ってくる、という両方の側面があると思います。帰省の時の感染防止策として、どういうことに気をつければよいのか、知事のお考えはあるのでしょうか。
知事:
家族内感染が起きないような対応をしてください、ということが中心です。ですから、どちらかというと、「行く方」というよりは「受け入れる」場合に、戻られる方も、実家で受入れる側の方も、気を付けていただく必要がある、ということを呼びかけているつもりです。
記者:
特に地方は、お盆でいろいろな人が帰ってきますと、大人数で親戚一族が集まって食事をしたりしますが、そういうことも「少し、今の時期は(控えて)」ということがありますか。
知事:
親戚で法事などをし、その後の大宴会をするというようなことは、今の時期は控えて自粛していただく対象になり得るのではないか、と思っています。
孫から祖父母にうつすというケースが、少し出てきてはいるのですが、こういう団らんまで今の段階でやめる、というのは酷なのではないでしょうか。しかし、注意をお互いにしていただきたいです。
例えば、真正面に座らないとか工夫の余地があり得るのではないか、と思いますので、その点は、気を付けていただきたいです。気を付けるということだけで、随分違います。そのため、呼びかけを強化させていただきました。
記者:
ひと月ほど前、全国豊かな海づくり大会について、宮城県が今年の開催を見送る、ということを発表されました。本日、先送りだけではなく、1年順送りという報道が一部出てきています。来年予定の兵庫県、再来年予定の北海道との間で調整をした上で、順送りの方向という話が見出せつつある、という内容です。現状で、宮城県、全漁連を含めて、兵庫県における豊かな海づくり大会の開催時期について、どのように捉えて、どういう流れで調整をされているのでしょうか。現状1年遅れという話が出ていることを踏まえて、どういう状況にあるのかについて、改めて伺えないでしょうか。
知事:
例年、秋に豊かな海づくり大会を行ってきましたので、それを1年遅らせ送らせたいということについて。場所は違っても、同じ大会を同じ年内に行うということは、常識的に言ってもないでしょうし、順送りにせざるを得ない、ということに繋がります。それが手続き的に決まっているわけでもない、ということもありますし、宮城県も関係者の意見を全部調整できたわけでもなかったので、今まではその希望をどう具体化するか、という時期だったと思います。
順送りになることについて、兵庫県は、1年遅らせることについては、もともと覚悟をしていました。次の北海道にも影響があるのですが、北海道自身も、それに反対ではないということで、今現在、1年順送りで進めていこう、ということです。あとの手続きをどのようにするのかですが、特に全漁連内の手続きを進めていき、正式に1年延期されるということになるのではないか、と思っています。
私どもとしては、準備期間が1年伸びますが、1年伸びたことにふさわしいような大会になるように、さらに努力していきたい、と思っています。
記者:
兵庫県としては、今年11月に明石市で1年前のプレイベントを予定されていたと思うのですが、こちらも1年順送りになるでしょうか。全てが1年先送りという形での調整になるだろう、という理解でよろしいでしょうか。
知事:
プレイベントをどうするかについては、実はまだ決めてないのですが、同じようにプレイベントも順送りすることになろうかと思います。
ただ今年何もしないのか、という話が出てきたりすると、“プレ”プレイベントをやるのかどうか、これは新規の検討になろうかと思います。
お問い合わせ