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新型コロナウイルス感染症対策本部会議の報告
知事:
新型コロナウイルス感染症に係る兵庫県対処方針に基づき、説明します。
新型インフルエンザ等対策特別措置法第32条第1項に基づく緊急事態宣言が発令されましたので、同法の規定と兵庫県で平成25年策定の兵庫県新型インフルエンザ等対策行動計画に基づき、国が緊急事態宣言を発令したときには、直ちに国の対処方針を踏まえながら、兵庫県としての対処方針を定めることにしています。これらに基づき、同法第24条第9項、これは従来から我々が県民や関係者に要請をしている根拠規定ですが、この規定と第45条第1項の規定、これは県民等に対する外出抑制を強化する規定ですが、この2つの規定に基づく緊急事態措置を実施します。
以下の緊急事態措置を実施します。区域は全域で、期間は7日から5月6日までです。
緊急事態措置ですが、(1)入院体制の強化については、患者の増加傾向を踏まえて、一定の感染予防策が行われる病床を500床確保していきます。具体的には、県立加古川医療センターを県内全域の患者に対応を要する新型コロナウイルス拠点病院、神戸市立医療センター中央市民病院と、県立尼崎総合医療センターを、重症患者等に対応する「新型コロナウイルス感染症重症等特定病院」にそれぞれ位置付け、重症者対策を強化するとともに、この3医療機関で4月中旬を目途に100床程度の病床の拡充を図ります。3医療機関に加えて、その他の感染症指定医療機関と公的・公立医療機関等に病床確保を養成して、4月末までにさらに150床程度を確保して、合計500床の確保を図ることにします。
医療機関において、重症化対策、感染症対策が行われるように、人工呼吸器や個人防護服等の整備を支援していきます。また、感染症病床を確保するためには、空床補償や診療報酬について、さらなる対応が必要となりますので、国に要請も行います。
(2)無症状者や軽症者への対応です。患者がさらに増えて、重症患者の入院医療に支障が生じないようにするために、原則として、入院後の無症状者や軽症者の宿泊施設での療養等に向け、宿泊施設を確保し、医師・看護師等の医療体制を整備して療養を開始します。来週を目途に、ホテルリブマックス姫路市役所前、JICA関西の宿泊所及び阪神地域のホテルで受け入れを開始できるよう準備を進めます。その他、4月中には500室程度の宿泊施設を確保する予定です。
(3)外来医療体制の強化ですが、接触者・外来医療機関は、41病院、目標は40病院でしたが、1病院すでに増えています。患者の動向を踏まえて、特に阪神間を中心に更なる増加を図ります。臨時外来設置等での外来対応に向けて、関係市町や医師会等と協力して対応します。
医療用マスクや防護服等は、5月上旬までは確保されています。心配は医療マスクのN95ですが、この確保についても努力します。
「2学校等」については、緊急事態宣言が発せられましたので、県内すべての県立学校を4月9日から5月6日まで臨時休業することにします。下の表にありますように、入学式や始業式は行わないことにして8日に在校生説明会・新入生説明会を行います。4月9日から5月6日までは臨時休業いたします。ただし、原則として、登校日を週1日・午前中に設定いたします。患者が発症していない第5学区については、週2日を上限とします。また、それを利用して、学習支援のための補習も認めることにしたいと考えています。なお、これらの登校日については2週間毎に発生状況等を踏まえて、検討を加えたいと考えています。落ち着いてきたら、登校日を増やすこともあり得ます。下校は午前中ですので、授業は実施しません。部活動も実施はいたしません。
部活動の実施の可否は原則2週間毎に発生状況を踏まえて検討いたします。学校以外の公園での運動などは認めますが、不要不急の外出を自粛してもらうことにいたします。私立学校、市町立学校・園におきましても同様に5月6日まで臨時休業を要請します。なお、幼稚園と幼稚園型認定子ども園の預かり保育は、必要に応じて設置者で判断していただきます。
定時制、多部制については、県立学校の取り扱いに準じて学校ごとに対応、特別支援学校については、交通の確保などの問題もありますので、休業ではありますが、分散登校などの工夫のうえで学校ごとに対応することにします。
県内大学は、県立大学をはじめ、県内大学についても5月6日まで臨時休業を要請します。なお、臨床実習など事業内容によりやむを得ず休業できない場合は、万全の感染症対策を行うように要請します。
高専・私立学校ですが、専修学校・各種学校については、同様に臨時休業を要請します。県内大学と同じように臨床実習等授業内容により、やむを得ず休業できない場合は、対策を行っていただきます。高専・私立小中高にも、臨時休業を要請します。私立幼稚園・幼稚園型の認定こども園につきましても、臨時休業を要請しますが、やむを得ない預かり保育は、実施することもあり得ると考えています。
「3社会福祉施設」では、高齢者施設・障害者施設等については、特に配慮が必要ですので事業の継続を要請していきます。通所・短期入所サービス利用者については、可能な限り利用の自粛を要請します。ただ、在宅で過ごされる場合にどうしても、代替サービスである訪問系サービスの利用が必要な場合には、その提供が円滑に行われるように、事業者間の連携強化を要請していきます。また、面会者からの感染を防ぐため、面会は緊急の場合を除き中止すべきことを要請します。
幼保連携型、保育所型認定こども園を含む保育所、放課後児童クラブにつきましては、感染防止対策を厳重に徹底した上で、原則として、事業の継続を要請します。利用者には、家庭での対応が可能な場合には、可能な限り利用の自粛をお願いしたいと考えています。
保育所ですが、保育所の利用を控えたような場合に、電話での育児や健康相談等を実施して、在宅での保育の支援を行うように要請します。
「4社会教育施設等」ですが、休館または自粛を要請します。なお、屋外施設の利用は可能としたいと考えております。開館するような場合がどうしてもある場合は、感染防止措置を徹底してください。県の主な施設の美術館や芸術文化センターなどの施設も、4月8日から5月6日まで休館します。ただ屋外利用の施設は可能とします。例えば、県立美術館の安藤忠雄さんの青りんごは、外から三階に上がれますから、屋外施設は開けます。完全休館にしてしまうと、ベタッと閉めてしまうことになるので、そういうことは避けようとしています。
「5事業活動への支援等」ですが、中小企業のための特別相談窓口の設置や、融資制度の活用や金融機関への配慮などは従来行ってきたとおりです。雇用調整助成金の活用についても同様です。国の施策が発表されておりますが、精査した上で、これらの積極的な活用を図ります。
「6事業継続等の要請」は、企業等の活動についての要請ですが、時差出勤、在宅勤務、自転車通勤等、人との交わりの提言を要請します。また、職場における感染防止対策をしっかりやってくださいとお願いします。飲食料品・生活必需物資の供給や、食堂・レストラン、金融・物流輸送など、県民の安定的な生活の確保などに必要なサービスについては、来客や従業員に対する感染防止措置を徹底した上で、営業の継続を要請していきます。食料の安定供給についても、関係者の事業継続を要請します。生産者、市場などの流通、エンドユーザーに対する対応まで含みます。
「7イベントの開催自粛要請」については、人の密集が生じることなどから、原則として休止・延期を要請します。開催の必要があることを判断する場合は、3つの条件の回避などの徹底をお願いします。
「8外出自粛要請」は、法律に基づくまん延防止対策の規定です。法第45条第1項の規定に基づく要請です。生活の維持に必要な場合を除き、みだりに居宅等から外出しないことを要請します。特に、東京、大阪などの人口密集地との不要不急の往来の自粛、夜間から早朝にかけて営業し、接客を伴う飲食店、カラオケなどの利用の自粛、不要不急の帰省や旅行など、都道府県をまたいだ移動の自粛です。これは、政府の方針にも書かれていることですが、自粛の対象とならない外出の例として、整理しました。「三つの密」が重なる懸念のある集会やイベントへの参加自粛も要請します。
「9海外からの帰国者への対応」につきましては、従来から強く主張しているように、14日間の待機、保険所による健康観察への協力、発熱した場合の処置、住所地所在の保健所への連絡を強く要請します。
「10風評被害対策」は、医療関係者や患者関係者などへのいわれなき風評被害があるように聞いています。風評被害を防止しなければなりません。憶測やデマなどに惑わされないように冷静に対処する必要があります。コロナウイルスをめぐって、さまざまな情報が乱れ飛んでいるようですが、信頼が置けるような情報はほとんどないと言われています。物資については心配要りませんから、買い占めなどを行わないように、冷静に対応していただきたいと思います。
「11庁内の対応」は、時差出勤などを行うとともに、原則として50人以上の会議は自粛をしたいと考えています。市町・県の意見交換会は50人を少し超えますが、実施をさせていただくつもりです。このような会議の時は、マスクを着用します。窓口業務については、職場環境によりますが、密閉、密集、密接とならないような配慮をして実施します。感染防止策の提言も行わせていただきます。コールセンター、健康福祉事務所等の体制も強化をすることとしたいと考えています。
これが、政府の緊急事態宣言を行ったことに伴う兵庫県としての対処方針です。県民の皆さんに、知事メッセージとして以下のことを、特にお願いしたいということで、作りました。
本日、安倍総理が緊急事態宣言を行い、本県も緊急事態措置の実施区域になりました。
現在の状況では感染者が229人、本日20人が発生し、今までで一日あたり人数が最高となっております。東京や大阪府のような大幅な感染拡大ではないものの、感染経路の不明な症例、帰国者、若者の感染者が増加しています。 この緊急事態宣言を受け、本日本部会議を開いて、対処方針を決定しました。県民の皆様の安全を最優先に、クラスターの解消、感染者からの二次感染の封じ込め、海外帰国者対策を中心に、感染拡大防止に向け、取り組みをさらに強化していきますので、ご協力をお願いします。
まず、最初に、外出のさらなる自粛です。今一度、自らの行動の責任を自覚し、生活の維持に必要な場合を除き、みだりに居宅等から外出しないことを要請し、帰省、旅行、会合を控えることをお願いします。特に感染地域が拡大している首都圏のほか、関西圏でも、都市部などの人口密集地との、不要不急の往来については、当面自粛していただくようお願いします
また、「三つの密」が重なる懸念がある集会、イベントへの参加の自粛をお願いします。
さらに、夜間から早朝にかけて営業し接客を伴う飲食店、カラオケなどの利用を当面、控えるようお願いします。
次に、風評被害対策で、冷静かつ適切な対応です。医療関係者、患者などへのいわれなき風評被害を防止して、憶測やデマなどにまどわされないように冷静な対処をお願いします。医療機関、スーパー、金融機関など、県民生活に必要な施設は、営業継続しますので、食料、衣料品、生活必需品の買い占め等を行わないようにお願いします。不明・不安な点がある場合は、コールセンターへ相談してください。
今後とも協力をお願いします。
私の説明は以上です。
記者:
緊急事態宣言が出たことへの受け止めを、兵庫の感染状況も踏まえて教えてください。
知事:
東京や大阪とは違いますので、兵庫県だけの単独では指定されなかったかもしれません。大阪との交流や往来が非常に多い地域が兵庫ですので、大阪と一体として扱われるのはやむを得ないと思っています。それだけ、県民の皆さんにもご理解いただきたいと思います。
記者:
患者数が増えてきている状況があります。今回示されている病院の機能分担として、県立加古川医療センターと重症者を受け入れる医療機関とそれ以外という形になっていますが、どのような目的でしょうか。
知事:
医療崩壊の一番の問題は、重症者の対応ができるかどうかです。重症者の受け入れ体制を整備するために、3つの医療機関を特定の医療機関として対応していこうとしています。
記者:
加古川医療センターの拠点とはどのような機能をもつ病院でしょうか。
知事:
ICUで集中的な重篤者に対する治療ができる施設です。
記者:
無症状者や軽症者への対応としては、姫路市のホテルやJICA関西の宿泊所、神戸市の宿泊施設を含めて500の確保を目指しているということでしょうか。
知事:
阪神間で一つホテルを交渉しています。神戸でJICA関西の宿泊所と神戸市で1カ所あたられています。それと、姫路のホテル約80室です。東中西に宿泊所が確保できるということですので、これを上手に運営すれば、軽症者に対する対応と軽症者を出すことによって、ベッドが空きますので新たな入院患者の対応ができるということにつなげたいと思います。原則として、宿泊所活用の場合には必ず一度入院してもらって、入院後医師が経過観察をして大丈夫ということになったら宿泊所や在宅などに移っていただくことを考えています。
記者:
入院後の移るタイミングはどうでしょうか。
知事:
医師が判断します。
記者:
ホテル等への受け入れは来週から始めたいということでしょうか。
知事:
準備ができ次第です。問題は医師や看護師など体制の整備が必要ですので、それらの整備が整った段階で移転も考えさせていただきます。
記者:
学校の休業についてです。今回、第1~第4学区と第5学区の2つに分けた理由を教えてください。
知事:
第5学区は患者が発生していません。緊急事態宣言が出ている状態ですので、患者が発生している地域と発生していない地域と分けた方が、地域区分としては明瞭に要因で分けた方がいいと考えました。地元からすると、休校にしない方がいいのではないかという意見もないわけではないですが、緊急事態宣言も出ていますし、他の府県等の取り扱いを見ても、差をつけているところは見当たりませんから、このような対応をとらせていただきました。ただ、登校日については、週に1回か2回の差をつけさせていただきました。
記者:
夜間早朝の接客を伴うような飲食店・カラオケ店利用は自粛をしてほしいということですが、具体的にそれ以外の昼間にやっているカラオケやジムや映画館などの利用の自粛について要請はないでしょうか。
知事:
ここであえて述べてないだけで、政府も第45条第1項の利用自粛の呼びかけはよいが、2項から4項までの施設利用規制までは踏み込んでいません。したがって、従来の利用自粛、外出禁止の対象施設として、自粛の典型例として書かせていただいています。
記者:
そういったものも対象になりますか。
知事:
対象外ではありませんが、あえて例示として挙げていないということです。
記者:
一方、事業者の側に休業や使用制限を設けるということは考えていらっしゃるでしょうか。
知事:
これからの問題です。政府もまずは第45条第1項の規定の適用をはじめ、2項から4項までの具体の利用規定は、さらに必要となった場合に検討すると言われていますので、同様に考えています。
記者:
感染の県内の状況を見つつということでしょうか。
知事:
そうです。
記者:
知事としては、難しいと思いますがどれを一番重点とされていますか。
知事:
難しくありません。知事メッセージに書いてところが一番の重点です。外出の抑制と風評被害をもたらすような行動はやめてくださいということが県民の皆さんに対する一番の呼びかけです。
記者:
わかりました。昨日も大阪と一体とおっしゃっていましたが、現時点で何か大阪と具体に連携してとった対応はあるのでしょうか。
知事:
情報交換をしているのですが、兵庫の対処方針は、各分野にわたった対処方針ですが、大阪の対処方針はどちらかというと府民呼びかけを中心にまとめられています。その点、内容的にズレは基本的にないと思っています。対処象方針の項目として大阪府は従来からやってきたことがらはあえて繰り返されていないということをされたのではないかと思っています。我々は、対処方針というからには、それなりの施策体系としてまとめる必要があると考えて整理しました。
記者:
関連して大阪府との連携ということですが、対処方針について具体にすり合わせはないということでよいでしょうか。
知事:
情報交換しています。1字1句やるような話でありません。もし共同声明だったら1字1句やりますが、こんなことを兵庫は考えています、内容はこうですよっていうのを申し上げ、大阪府はこんなまとめにしましたよと返してくださり、情報共有をしました。
記者:
入学式、始業式はやめるということですが、説明会という形で8日は来てもらおうことだと思います。発令後も、これを維持された考えを教えてください。
知事:
ほったらかしにできないからです。4月8日が県立学校のスタートです。市町立も8日が多いです。ずっと春休み前から登校していませんので、教科書なども渡さなければいけません。休業が続いて5月の連休に入りますので、スタートにあたっての注意事項を子ども達に伝えておく必要があると考えています。式典はやめましたが、説明会はしっかりさせていただこうと考えています。3月に学校休業を始めた時に、1日説明会の日をとりましたので、同様の措置を行います。
記者:
大阪との関連ですが、吉村知事と話されましたか。
知事:
明日、関西広域連合広域防災局が中心となり、関西広域連合としての対策本部会議を開きます。そこに出てこられるかどうかです。
記者:
知事は出られますか。
知事:
私は出ますが、吉村知事は分かりません。飯泉全国知事会会長などは、テレビ会議で参加したいと言っていますので、テレビ会議参加の方も何人かいます。
記者:
医療体制の強化については、ハード面の整備が進んでいますが、医師の確保と看護婦の確保について、県の医師会や病院協との折り合いはついていますか。
知事:
最初はそれぞれの病院でやりくりしていくしかありません。定型的なところを外に頼むとなると、外来部門の応援を求めていくことが一番やりやすいと思います。各病院によって事情が異なるので、それぞれの医療機関で相談します。
記者:
外出自粛ということは、生活支援などが急務になってくると思いますが、そのために国から何か必要な給付金があると思いますが、県として何か、それとは別に独自のことを考えられていますか。
知事:
今の段階では、まだそこまでは考えていません。
記者:
例えば、県民に不要不急の外出をお願いするのに合わせ、県も不要不急のプロジェクトを凍結、先延ばしにするなどは考えていますでしょうか。
知事:
県の事業は不要不急だと思いません。すべて、県民の福祉の向上に繋がると思います。執行を留保することは、財政的な見地から検討しなければならないかもしれません。税収が思うように入らないことが懸念され、事業ができるかどうかという話もあるので、十分に状況判断したいと思います。
記者:
大阪府は補正予算案を示しているようですが、兵庫県はいかがでしょうか。
記者:
来週、県議会と相談し、いつ頃臨時議会を開くか決めなければいけません。補正予算対応は今週中にはまとまり、来週のはじめに発表させてもらうことになると思います。
記者:
外出自粛の件ですが、生活の維持に必要な場合を除きみだりに居住宅から外出しないことを要請するとあり、知事はこれまで、仕事や通学などあらかじめ決まっている予定などを除いた不要不急の外出自粛をお願いされていましたが、今回のメッセージはより強いメッセージでしょうか。
知事:
トーンが上がっています。第45条第1項の規定に基づく外出抑制の要請です。
任意ではなく、法に基づく要請なので、トーンを上げました。
記者:
これまで、仕事や通学は不要不急ではないということでしたが、いかがでしょうか。
知事:
仕事は不要不急とは言えないと思いますが、在宅ワーク、テレワークの協力をお願いしているとご理解ください。
記者:
今回この一連の施策は、兵庫県全域で実施されますが、昨日の会見の中では全域で実施されないかもしれないとおっしゃっていましたが。
知事:
特に、但馬については検討しました。学校のことだけではなく、但馬については、様々な諸活動も同じように要請するのかという声が地元でもありますが、規制対象にしないとすると、連休に押し寄せてくるかもしれません。せっかく指定区域として努力をしているのに、逆に、但馬からほころぶことになりかねませんので、申し訳ないですが、協力してもらうことにしました。
記者:
その地域で規制がかからないと、観光などで遊びに行こうとかいうことになりかねないという理由からでしょうか。
知事:
様々な活動を含みますが、一種のインセンティブをその地域に与える印象をその地域に与えるのはどうかと思い、抑制しました。
記者:
確認ですが、先ほども質問にありましたが、現段階では、施設を運営する企業への休業要請までは、現段階では踏み込んでいないのですが、当面の感染者状況を見て、感染者が増え続けるようなことがあれば、別途検討するのでしょうか。
知事:
企業への休業要請は国と同様に、第45条の第1項を適用します。2項から4項の適用については、状況がさらに一段と進むような事態になれば適用を検討します。基本スタンスは、国と同じです。
記者:
先ほど、今回のメッセージは外出自粛に関してもトーンが上がっているとおっしゃいました。今回法に基づく緊急の対応措置を取るということで、レベルが違ってきますが、押さえ込みに対する効果という意味で、知事の期待感を教えて下さい。
知事:
最近の患者の発生状況を見ると、若者の感染者も増えています。日々の年齢別発生グラフを見ると、3月26~27日以前は高齢者が多かったのですが、それ以降、高齢者はかなり減りました。伊丹のデイケアセンター等での罹患者が多かったこともあるかもしれませんが、若者が増えているのは、帰国者などが中心になり、感染経路が追えない状況になりつつあるので、警戒感を持っています。東京や大阪も若者の感染者が増えているので、若者の行動が原因となり、発症している可能性があるとすると、その層をしっかり押さえ込む対応を呼びかけないといけません、そのため、みだりに外出をやめてくださいということを強く要請しました。
記者:
法の立て付けがあるというのは、メッセージ性がより強まるとお考えですか。
知事:
今までは、法24条9項に基づく一般的な要請だったのですが、今回は、強制力はありませんが、法律に基づく要請です。緊急事態宣言が発せられた措置の一環としての取り組みということに、ぜひご理解をいただきたいと思います。今一度、自らの行動の責任を自覚するということを最初に挙げさせていただきました。
記者:
今回の宣言は、期間が約1ヶ月間と設定されています。それが長いのか短いのかは、これからの取り組みにもよるとは思いますが、現時点で、この1ヶ月間にどこまで対処ができるとお考えでしょうか。
知事:
今日から始めて、発症者が出てくるかどうかが分かるのは2週間後です。その2週間後だけを見ているよりは、もう1クール見た方が確実なのではないかという意味で、1ヶ月は、意味のある期間ではないかと思っています。県では、いつも2週間単位で学校や往来自粛などについてお願いしていたのは2週間後をにらんでのお願いだったのですが、政府のこの1ヶ月の方が、現状を踏まえて因果関係を把握するには適当な期間なのではないかと思います。
記者:
先ほど「一段と状況が進むようであれば」とおっしゃったのですが、「一段と進む」というのはどのように考えられているでしょうか。
知事:
発症数が多くなるということです。
記者:
何か数字で表せますか。
知事:
1日の感染者数が、20人台になり、それが続くことになると、急激な増加だと評価できるかもしれません。今までずっと10人前後でしたが、それが20人台になってしまうと、もうワンランク上げることも検討していかないといけないと思っています。
記者:
医療用のマスクの確保は、5月までと掲げられていますが、一般の市民にとって、マスクや消毒液が不足している状況があると思います。この宣言を受けて、より需要が高まると思いますが、物資の売り渡しなどについてはどのようにお考えでしょうか。
知事:
一般用のマスクは、国があれだけ増産と言っていても、なかなか確保できていないし、流通に出回っていません。ですから、私は前からお願いしていますように、自分でマスクを作っていただいて活用するということも一つの選択肢として考えていただけるとありがたいと思います。
記者:
現時点では、業者に関して物資の売り渡しとはお考えではないということでしょうか。
知事:
生産が間に合ってないという状況の中で、どのように確保していくかということですから、努力はしていきますが、今にも間に合わせるためには、僭越ながら、ホームページにもマスクの作り方などを挙げさせていますので、ご参照いただきたいて、手づくりマスクも作っていただいたらありがたいと思います。
記者:
東京と比べると事業者への要請というのは少し差が出たと思います。この差の理由はありますか。
知事:
東京都とは、感染者の状況が違うと思います。
記者:
民間に協力を求めていくかもしれないというのは、次の段階ということかもしれませんが、外出自粛、みだりに居宅等から外出しないことを要請するというころで、県民の方がイメージしやすいように、具体的な施設やジャンルを記載されなかったのはなぜでしょうか。
知事:
例えば、運動施設の場合、体育館やジムは例示として挙げられるかもしれませんが、広いグランドというようなところまで、駄目という謂われはありません。一つ一つの施設を評価するときに、3つの「密」の状況を物差しとしてご判断いただくというのが望ましいのではないかということです。あえて、こちらからこれは駄目、これは駄目という分類はしませんでした。ただ、法第45条第2項から4項の発動のときには、それはきちんと仕分けをしていかないといけないのではないかと思います。
記者:
体育施設のほか、商業施設についても同じような考えでしょうか。
知事:
そうです。
記者:
まず、対処方針の中で、県内の大学ということですが、私立も国立も含めて、県内の大学という理解でよろしいでしょうか。
知事:
そうです。
記者:
県の行動計画でも、圏域ごとの区切った単位で対応を決められるとなっていたと思いますが、そうしなかった主な理由は何でしょうか。
知事:
兵庫県が、緊急事態宣言の地域に指定されているからです。国の指定ぶりが兵庫県と指定されているからです。それを尊重したということです。ただ、これから規制を続けていく状況の中で、内容を変える可能性はあります。
記者:
変える可能性というのは、例えば国が対処方針を改めた段階で、県も改めるでしょうが、状況が変われば、国が対処方針を改めなくても、知事に権限があるので、県が独自で改めるのでしょうか。
知事:
状況が変われば、判断できることだと思います。
記者:
そのタイミングは、今回緊急事態宣言が出されたので、例えば2週間の推移を見てということはということはお考えでしょうか。
知事:
そのような趣旨で、学校の取り扱いなどでは、部活動などを2週間単位で見直すこともあり得べしと書いています。
記者:
その方針は、その2週間ほどで時期を見つつというところでしょうか。
知事:
その時点で、再評価するということです。
記者:
外出自粛要請のところで法に基づいた要請というところでトーンが上がっているということですが、8番のところを見させていただくと、以前から言っていることが書かれているとは思いますが、具体的にどの点でトーンが上がっていると読み取ればいいでしょうか。
知事:
生活の維持に必要な場合を除き、みだりに居宅等から外出しないようにという点が上げたところです。
記者:
事業者への要請のところで、今回は事業者への要請はされていませんが、事業者を実際に取材してみると利用の自粛でお客さんが来なくなっていて、カラオケや様々な施設によっては自粛要請された上で補償もセットしてもらった方がやりやすいとの声も聞かれますが、そのような声に対してはどのようにお考えですか。
知事:
今日も総理がそのようなご質問に対してお答えになっていましたが、被害の算定等が非常に難しいので、事業継続のための交付金やあるいは資金の提供の充実をさせていくためご理解くださいとのことでしたので、私もそのように申し上げたいと思います。
記者:
今日、県としての方針を決められましたが、明日以降の県対応としてやっていくことで何か具体的にあれば教えてください。
知事:
対策本部で方針を決めたため、この方針に基づいて県民の理解を求めながら、方針に盛り込んだ事項を進めていくということが基本になると思います。
記者:
理解を求めていくのは具体的に、例えば県の広報紙だとか広報番組でしょうか。
知事:
広報誌だと1週間ぐらい後になるため、県の広報番組が日曜日の朝8時半からありますので、こちらを活用させていただきます。それからホームページやSNSの情報提供を活用させていただくことが中心になると思います。あわせて皆さんの協力をお願いしたいと思います。
記者:
見直しについては、国と連動してかそれとも兵庫県独自で判断するということでしょうか。
知事:
判断は難しいでしょう。具体的に指定されたのは国であり、国における専門家の評価が変わってこない限り、我々は情報を提供しますが、主体的に判断できるわけではないと思います。
記者:
例えば自粛要請の県独自でできる見直しは、国に関わらずできるのではないでしょうか。
知事:
メニューは我々が作るということです。適切なメニューがあれば追加し、不要であれば削除したりすることはありうると考えています。
記者:
事業者に関連して、国の3月下旬の対処方針の中では、事業者含めて一丸となって協力を求めたいとメッセージがありました。これまで、知事として、県民個人への呼びかけとしてメッセージはありますし、県内の事業者に対しても、今回の対処方針で実際に外出自粛を求める中で、例えばカラオケ店や飲食店では特に3密を避けるようにとなっています。実際開店休業に追い込まれるような事態が訪れかねないと思いますが、そこも含めて個人に対してもそうですが事業者に対しても、一定の環境を生みうる対処が今回の緊急事態宣言であると思いますが。一定の被る事態に対して対策は打っていますが、協力という意味で呼びかけのメッセージがないか一つ伺いたいです。
知事:
協力していただくことを前提に、今回の措置は、基本的に外出を抑制しようということです。外出を抑制する方々を中心に知事のメッセージを作ったということです。議論としては、このような施設に出かけないようにしましょうと掲げたほうがいいのではないかという議論もありましたが、あえてそこまではやめておくことにしました。この方々へ協力を求めるということで、今おっしゃったような事業者の方々と観光業も含めて大変大きな痛手を受けています。そのため積極的な対応は事業継続と雇用の維持に取組みいただきたいということが中心で、金融制度や政府が何か中小時業者に対する交付金制度を新設すると言われていますので、雇用助成交付金をぜひ活用して雇用を継続していただきたい。この2つをぜひお願いを申し上げたいと思っています。
記者:
この環境を生んでいることはやむを得ないと思いますが、例えば外出自粛を要請すると人の数が減るため、当然影響を受けることになります。その分の補償をするかしないかということは、また別で制度を設けるというのは当然だと思いますが。営業しないでくださいということは2項3項4項であると思いますが、1項の時点でも人の数は減り、店を開けていても入ってくるお客さんをそれぞれの家にとどまってもらうような流れになっているわけですので、その人達が店に訪れる機会が減ります。事業をやっている方にとってみれば、影響は少なからず出る環境が生まれており、それはあくまでもコロナウイルス対策で打ち勝つためだと政府は言っていますが、知事としても何か言えるところがないのでしょうか。
知事:
コロナウイルス対策をやらなくていいのであれば、自粛要請や外出抑制もお願いしないわけです。その反射的不利益が、今のような形で出てきています。2項から4項までの規制があったら、直接的不利益かもしれませんが今は反射的不利益となっています。そのため補償対象などの議論になりにくいです。コロナ対策は何かと言うと、人との接触を避けろということですから、人との接触を避けた上で交流や往来が減るということはある意味で当たり前のことなので、コロナ対策のために今の時期が非常に重要であり、兵庫県でパンデミックを起こさないためにご協力くださいと私からお願いをさせていただくのが、現時点での私の立場だと思います。
記者:
県の対処方針の中で、「7イベントの開催自粛要請」の中で、あえて生産者や卸市場などの流通とおっしゃったと思いますが、そのあたりのねらいについて、もう少し伺えないでしょうか。
知事:
今日も、農林大臣がインタビューに答えられて、生産体制に不安はありませんから、買い占めなどする必要ありませんよということをおっしゃっておられましたが、そのことを理解していただいたほうが望ましいのではないかということと、兵庫はある意味で、特産物としての農業生産物がそれなりにありますので、追加させていただいているということです。
記者:
イベントの開催自粛の部分ではなかったですかね。
知事:
事業者等への要請の中に書かせていただきました。
記者:
確認をさせていただきたいのですが、7番のイベントの開催自粛の要請で、どれくらいの人数規模を想定されていますか。
知事:
想定はしていませんが、50人以上などとよく言われています。
記者:
それくらいが目安ということですか。
知事:
50人だと小さいですよね。ですから、数ではなかなか言えないのではないのでしょうか。例えば、ライブハウスなどで小さなライブハウスもあります。ですから、一定の規模以上であれば、3密の可能性がありますから、そういう意味で、イベントや会合の自粛を判断していただかないといけないかと思っています。一律に決めにくいと思います。
記者:
その3密を避けてということだと思いますが、例示でもライブハウスとか出ましたけれども、今、自粛要請が続いているので、イベントなど4月に何かやろうというしてる事業所は少ないかもしれませんが、保証とかその点いかがお考えですかね。
知事:
今、先ほど言った通りです。いわゆる今は反社的不利益ですから、それに対して保証するというようなことは難しいのではないかと思います。
記者:
学校休校の判断について、東京や大阪などが早々に5月6日までという休校延長を決める中で、兵庫県では通常通りだったとか、さらには19日まで再開で、今回を受けて5月6日までという判断になりました。時々の判断を見ると、地域ごとであったり、地域の実情であったり、また生徒の学習権であったりとか、登校させたほうがよいという保護者さんの声もあったと思います。結果として、二転三転したことで、現場の混乱を引き起こすことになったと感じていますが、そのあたりは、いたし方なかったのか、ベストな判断だったのか、どのようにお感じですか。
知事:
学校再開を何とかしたいという底流があって、それで抑制措置とのバランスをうまくとれないかという苦心を続けてきたということです。単純に、決めてしまうのはなぜかと本当に聞かれたら、説明しにくいです。県は、2週間単位ぐらいで期間を区切り、状況を見て判断していこうということにさせていただいたのですが、ここに至って、かなり発生者数などの現状が変わってきているという感じもあります。二転三転したことは事実ですが、用心の選択をしたということです。
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