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知事:
令和2年度が4月1日始まりました。この年度の始まりにあたって、新型コロナウイルス感染症対策が少し憂慮すべき状況になりつつあるのではないかということもあり、関西広域連合長として府県民の皆様、そして兵庫県知事として兵庫県の皆様にお願いをさせていただきます。
最初に、関西広域連合長として関西府県民の皆様へお願いさせていただきます。二つ大きな点があり、最近の状況では件数が増えていますが、海外から帰国された方を原因とする感染と、感染源が不明な感染等が増加してきています。そのような意味で、まず第1に不要不急の外出等の自粛について、改めてお願いしたいと思います。特に首都圏もですが、関西圏でも都市部などの人口密集地につきまして、不要不急の往来は当面自粛していただきたいです。また夜間から早朝にかけて営業して接客を伴う飲食、あるいはカラオケなどで感染が広がっている可能性が指摘されているため、これらの利用についても控えるようにこの二つをお願いさせていただきたいと考えております。
以前よりお願いしていますが、自らの行動の責任を自覚して、人混みの予想される場所へ不要不急の外出や不要不急の会合を控えるようにお願いします。つまり、感染源不明の感染が増えてきているという実情に鑑みてお願いをさせていただきます。また、その関連で若い人に対しては、気づかないうちに広範囲に移動することで感染源を拡大させているとも言われているため、多人数で集まるということを避けるような、慎重な行動をとっていただきたいと、あえて若い人に呼びかけさせていただきます。
それから、3番目に海外から帰国された皆様にはご自宅等が多いですが指定された場所で待機をして、14日間は体温測定を行うなど、健康管理に注意していただくことになっています。そのような意味で、毎日の健康管理をしっかり励行していただきたいということと、不要不急の外出を控えてください。また発熱したら、接触者相談センターに相談していただきたいです。
また、入国制限がなされている国や地域から帰国された皆様には、全員に対して既にPCR検査と保健所による定期的な健康確認を行われていますが、ご自身の健康管理にご注意いただくとともに、保健所からの問い合わせについてもご協力いただくように2段構えでお願いさせていただきます。ご家族の方に対しても、帰国者の健康管理に協力していただいて、帰国者の方の外出を控えるようにお願いさせていただきますとともに、咳エチケットや手洗いなどの徹底、食事を別に取るなどの対応をしっかりやっていただきたいということをお願いさせていただきます。これは関西広域連合長としての、関西広域連合の府県民の皆様に対するお願いです。
それからもう一つ兵庫県知事として兵庫県民の皆さんに、特にお願いがあります。それは最近の状況を見ると、海外からの帰国者を原因とする感染が大変増えています。その実情に鑑みまして、入管法に基づく入国制限対象地域から帰国された皆様につきましては、検疫所から指定された場所で14日間待機をして、健康管理をするということで保健所の健康観察に協力いただいております。これは制度的に確立していますが、(2)にありますように、それ以外の区域から帰国された皆様には、ぜひ先ほども触れたように、ご自宅などで待機して健康管理に注意していただくことになっております。帰国した方は、住所地所在の保健所にぜひご連絡いただき、保健所の指導を受けていただくということをお願いします。このことが実行されることによって、入管法に基づく入国制限対象地域からの方々と同じような取り扱いが徹底できますので、ぜひ協力をお願いします。ご家族に対しては、先ほど申したようなお願いを述べさせていただきます。
県民の皆さんに特にお願いしているのは、入国制限対象地域からではない帰国者の皆さんに、ぜひ自分は海外から帰国し自宅で待機しているということを、保健所にご連絡をいただきたいです。このことをお願いさせていただくものです。
私からは以上です。ぜひご協力のほどをよろしくお願いいたします。
記者:
まず関西広域連合長としてのということで各府県の知事と話し合いをした上で周知するということを持ち回り等で決定したのでしょうか。
知事:
集まりはしていませんがペーパーに取りまとめて、各府県市に協議をさせていただきました。
記者:
書面でしょうか。
知事:
はい。
記者:
知事からということでしょうか。
知事:
そうです。
記者:
県民の方にということで、(2)の入国制限対象地域以外の方のお願いということがあったと思いますが、現状ではどのような対応になっていて、今回このようにするということになるのでしょうか。
知事:
現状では入国制限対象地域からの方々は、PCR検査をするとともに、自宅待機を命じられていまして、その情報は各保健所に通知があります。ところが、それ以外の地域の方々は、自宅で14日間外出しないようにとの注意と、健康観察の注意は空港などでされていますが、あとは自主管理になります。ですから、その自主管理のところを、自主管理も続けていただくが、保健所にもお知らせいただいて、保健所の情報網に入っていただくことで保健所の健康観察の対象になっていただきたいというお願いです。
記者:
国の要請を越えてというか、加えての形になるかと思うのですが、入国制限対象地域がどんどん拡大したり、時間が変わっていったり、県民の方や国民の方にもわかりにくいと思います。自分がどの対象なのかわかりにくいというところもあるのですけれど、その中で、感染者が増えていることの危機感について、知事のお考えを少し教えてください。
知事:
特に最近、原因がはっきりしない方々が増えています。その大宗といえるかどうかはともかく、例えば兵庫県で18名の感染経路不明者がいますが、そこはよくわからないのですが、最近そのうち新たにPCR検査で陽性になっている方々の4分の1以上が、海外渡航者から発症しています。
したがって、この割合はもっと増えていく可能性が高いのではないでしょうか。これは兵庫県だけの例ですが、大阪府や京産大の例に見ますように、京都府などを入れてきますと、もっと高い比率に成り得ます。発生原因がわからない方々の原因も、もしかすると海外渡航者が気づかれずに日常生活を行っておられることが原因になっている可能性もありますので、海外渡航者はしっかりご協力をいただいて、健康観察の徹底を図らせていただいたらという意味で、特に県民の皆様に、私の方からお願いをしようとしたものです。
関西広域連合としてはそこまでの対応に至っていませんけれども、兵庫県から始めるかというふうにさせていただきました。
記者:
一番最後の件ですが、その指定区域以外の方も保健所に連絡をいただければということですが、そうすることによって、その患者の方からの感染拡大を防ぐという観点で、具体的にどういうふうな仕組みで防ぐということに繋がりますか。
知事:
入国制限対象区域の方々は、検査もして大体指定場所は自宅ですが、2週間の待機をしていただくことになって、保健所のコントロールのもとにあります。ところが、それ以外の国の方々は、保健所のコントロールが全くないのです。したがって、自主的に保健所に通知していただいて、保健所の健康観察の対象者の中に入っていただき、保健所の指導に従っていただくとありがたいという意味で、届け出をお願いしようとしています。
記者:
保健所の指導ができる立場にあれば、例えば少しの微熱など、ご本人だったらほっといてしまうような症状にも対処しやすいということですか。
知事:
そのような効果もあると思っています。
そういう意味もあって、微熱などのそういうものの場合も家族の方に注意してくださいということを家族の方にもお願いをしています。
記者:
入管法に基づく入国制限がなされている地域以外の人達の呼びかけということですが、具体的には、例えば自分が住所地にいるとか、今ある症状だとか、どういったことを保健所に申告してもらおうと考えていますか。
知事:
自分は帰国しました、何々から帰国しました、今、自宅で健康観察中ですということだけお知らせいただいたらよいかと思います。自分の居場所をおっしゃってもらえればいいです。
記者:
期間は、別に要らないですか。3月中に行ったなど。
知事:
通常はあったほうがいいのですが、あまり細かいことまでは要請するつもりはないです。いわゆる入国制限対象地域から帰国されて、自宅待機されているような方々と同じような情報が保健所で把握されればいいということです。
記者:
意地悪な質問になってしまうかもしれませんけれども、今の入管法で制限されている地域は、イタリアやスペインとかフランス欧州中心だと思うのですが、兵庫県内でも確認されている患者さんの数は欧州が多いと認識をしています。欧州で爆発しているということは、国も制限をかけているので、それ以外の地域ということに、どのくらいの効果があるのかというのが、ちょっと見えにくいのではないかという思いもしますが、いかがですか。
知事:
近いうちにアメリカ、東南アジアの国々も入れられるようですので、現実的にいわゆる法的なカバーをされるエリアが増えてきています。国の制度によればいいのではないかという考え方もあるのですけれども、すでに対象地域以外から帰国されて、健康観察を自らしてくださいと言われながら、無自覚の方々もいらっしゃるかもしれないということもありますので、あえて、このような届け出制度を運用させていただければとお願いしたいです。
記者:
その点を強調されて、みんなが帰国したら、きちんと言わないといけないという意識づけをするために強化していくということですか。
知事:
きっとご本人はその入国制限対象地域なのか対象地域でないのか、わかりません。
ところが、対象地域の方は、検疫の、入国の段階で、しっかり言われておられますから、帰国して何も言われなかったという方が、対象地域じゃない方ですので、ぜひ届け出してくださいというお願いをさせていただきたいと思います。
記者:
渡航者とは別ですが、若い人に対しての呼びかけの部分ですが、これは京都産業大学のクラスターもありますけれども、こういうのを念頭に置いての発言ですか。
知事:
京産大のクラスターの様相を見てみると、気がつかず、いろんな形で、行動展開されているんですよね。それがさっきの話ではありませんが、感染している可能性がある地域から帰ってこられた方も一員となり、かなり大きな集団で飲食をされてということです。若い人は気づかずに、そういう行動を取りがちでいらっしゃるので、若い人にも気をつけてくださいということを伝えたい、そういうメッセージです。
記者:
夜間から早朝にかけての飲食店・カラオケとあるのですが、この飲食店というのは具体的にはどういった飲食店を想定されてらっしゃるのでしょうか。
知事:
書いてありますように、接客を伴う飲食のお店です。
記者:
それは居酒屋なのか、具体的にはどうでしょうか。
知事:
居酒屋というよりは、サービスがあるようなお店でしょうね。
記者:
例えば、バーなどと言っていた自治体もあったと思うのですが、その辺りはどういった業種の店でしょうか。
知事:
深夜にわたって営業されているようなお店というのは大体当たるのではないかと、一般的に私は思っております。だいたい深夜営業をやっておられるようなお店です。
記者:
特にこういった業種という想定はなく、広い意味でしょうか。
知事:
はい。東京都知事とか、大阪府知事が、おっしゃっているような対象と同じことを言わせていただいた次第です。
記者:
少し細かいですが、まず県民に対する要請の中の帰国者は、帰国者すべてが対象という形になるという認識でよろしいでしょうか。
知事:
そうです。対象地域だと、その他の地域の方が抜けているので、全ての人が、保健所の指導に入っていただきたいという意味でお願いしています。
記者:
細かいですが、例えば帰国からどれくらいの期間まで遡るのでしょうか。
知事:
特にありませんが、今言われているのは2週間待機ですので、2週間前は特別の状況ではないと考えます。
記者:
そうすると、この2週間以内で帰国された方いうことでしょうか。
知事:
はい、2週間です。
記者:
先ほどもおっしゃいましたが、広域連合の方の呼びかけには、県の呼びかけが入っていないということは、調整がうまくいかなかったのでしょうか。
知事:
そうではなく、まず兵庫県でやってみようということです。国の方も少しずつ対象地域を広げており、大阪のように感染が多い所、鳥取のように感染者が出ていない所もあるので、広域連合として取りまとめていない状況です。
記者:
今後、情勢が変われば、変わるでしょうか。
知事:
また相談させていただくことがあると思います。
記者:
先ほど概ね2週間以内に帰国した人が対象だという話でしたが、水際で阻止するという意味であれば、それで十分だと思いますが、クラスターの追跡などの面でいうと、2週間以上前に帰国し、出歩き、ばらまいているという恐れを持っている方についてはどうするのでしょうか。
知事:
そういう方は是非届け出ていただきたいと思います。元々、体の不調があれば、帰国者・接触者相談センターに相談していただくようにしているので、率先して、相談センターや保健所に相談していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
特に、年度はじめなので呼びかけさせていただきました。
どうぞよろしくお願いいたします。
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