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県立学校の春季休業明けの対応
知事:
10時00分から感染症対策本部会議を開き、先週の金曜日の対策本部会議で決めた基本方針の内容を、一部変更します。
特に、県立学校の春季休業明けの対応については、資料にありますように、前回の本部会議では、兵庫県は、「感染確認地域」で「感染警戒地域」ではないということで、県立学校の学区を3つに分け、その取り扱いを決定しました。しかし、4月4日、5日の状況を見ていただくと、一時期感染者数が落ち着いていましたが、4日が15件、5日が13件と感染者数がかなり増えてきているので、学校再開についての方針を見直しました。第1学区から第4学区は、基本的に原則臨時休業とし、第5学区については、前回の決定通り、基本的に、十分な対応を図りながら再開する方針になりました。緊急事態宣言が出た場合は、改めて検討します。具体の内容は、教育長の方からお願いします。
教育長:
3つの区分に分けて考えることは前回と一緒ですが、学区が少し変わっています。前回は、3月に国が発表した、クラスターがあるかないかということで、クラスターがある第1、第2、第4学区、クラスターがない第3学区、発生がない第5学区という形で区分をしていました。今回、知事の説明にありましたように、感染源が増加傾向にあるか、また横ばいかということで、区分を分けました。したがって、先ほどの表にありますように、第1学区は30日以降の発生件数が20、第2学区は36という増加傾向にありますので、ここを一つの区分とし、第3、第4学区は、感染者数が5件、8件で横ばい状態です。ただ、基本的な取り扱い、入学式・始業式を簡素で実施の上、19日まで臨時休業するということは変わっていません。異なるのは行動制限です。臨時休業中とはいえ、学校に登校する人がいるので、第1、第2学区は週1日の午前中の登校日を認め、第3、第4学区は週2日の登校日を認めます。登校にあたっては、通勤時間は避け、下校時間は午前中ということは一緒です。当然、臨時休業ですので、授業は行いません。部活動については、国の要請を受けた臨時休業のときには実施していませんでしたが、長い休業になると、児童生徒の体力面の健康管理も必要なので、今回も同じように、登校日については1日2時間まで認めます。ただし、合同練習、合宿等は認めません。入学式、始業式は、一般的に県立高校の例を書き、4月8日午前中に始業式、午後から入学式という形になっていますが、多くの生徒が集まらないようにするため、始業式も、例えば学年別に新2年生が行い、その後2年生が終わると3年生の始業式が始まり、午後から1年生の入学式を実施するという形で、人数をできるだけ制限した上で簡素化して行います。その他、学校以外の不要不急の外出自粛は、引き続き求めていきたいと思っています。知事からありましたように、第5学区については感染者の発生がない地域なので、前回の本部会議の決定通り、一定の簡素化を図りながら、前回どおり授業を再開します。定時制・多部制については、学校ごとに判断し、特別支援学校においても、スクールバスや寄宿舎等の状況があるので、上記の方針に基づき、各学校で個別に対応します。
私からは以上です。
記者:
結果的に土日の感染者が増えたということが変更の大きなポイントとだと思いますが、金曜日に発表され、月曜日にまた変えるという短い間に方針が変わったことについて説明をお願いします。
知事:
3連休の前に、基本的に大阪と兵庫県の不要不急の往来は、自粛してくださいというようなお願いをし、その効果が現れるのが14日で、土日の感染者数が横ばいと予測し、29日の感染者数が7人、30日が4人でかなり効果が上がったという印象でした。しかし、4月4日が15人、5日が13人で、感染者数が増えている状況なので、効果はあるかもしれませんが、用心をしたほうがいいということに鑑み、急遽見直しました。
状況が変化すると見直すかという質問があった時、私から状況の変化に応じ、見直しも含め適宜対応しますと答えたとおりです。私としては、こういう状況では、強行突破するよりは、見直しをさせていただいた方が、適切と判断しました。
記者:
関連して、理由として週末に増えたということに加え、県のコールセンターにもかなり、本当に再開して大丈夫かという声が集まったこと、国が緊急事態宣言を検討しているようなこともありますが、そういったことも勘案して、見直したのでしょうか。
知事:
コールセンター、ネット上で様々なことが言われているのは承知していますが、それが影響したわけではありません。それらの懸念は、何をしても付いてくる話ですので、事実の方の評価を非常に重く受けとめました。あえて言うと、東京を中心として危機感が募っている状況もありますが、東京は別と言えるほど日本は広くないので、政府の緊急事態宣言なども背後にはあるとご理解いただきたいと思います。土日の感染者数がこれほど急上昇することは想定していませんでした。
記者:
4月19日まで当面休校ということで、大阪などでは、ゴールデンウィークまで休校ですが、この4月19日と決めたのはどうしてでしょうか。
知事:
前回の対策本部会議で学校再開について言ったときも、とりあえず19日までとしていました。ずっと休みが続いているので、生徒の生活環境からしても、区切りをつけて対応した方が望ましいと考えました。
記者:
先ほど緊急事態宣言については、出された後に検討しますということでしたが、具体的に兵庫県に緊急事態宣言が出された場合は、どのような対応をしますか。
知事:
すでに全体像を説明している通り、例えば、県民の皆さんに外出の自粛をお願いしていますが、緊急事態宣言が出ると、その自粛のお願いが、法律の根拠によるお願いに変わるので、県民の皆さんに対するお願い力が違うと考えます。
記者:
高校生たちが、休校を続けて欲しいという署名をネット上で募集したようですが、高校生たちが自ら動いたことが、休校の判断に何か影響したのでしょうか。
知事:
そういう動きがあったことは承知し、高校生たちがそういう懸念を持ってくれていることは評価したいと思います。しかし、この決定の判断に影響を与えたわけではありません。高校生の皆さんにもしっかり不要不急の外出等を自粛していただき、協力していただきたいと思います。
記者:
緊急事態宣言について、知事は今の状況をご覧になり、兵庫県も対象になる可能性はどのぐらいとお考えですか。
知事:
難しいですが、兵庫県の状況だけでは対象にならないと思いますが、大阪とは往来・交流があります。大阪府だけでは、エリア的な判断からすると狭いので、兵庫は大阪と一体として取り扱われる可能性が高いと思います。
記者:
今、政府の検討の中で、兵庫県もその候補に挙がっている状況ですが、知事の方から、兵庫県も対象に入れてほしいという考えはありますでしょうか。
知事:
政府に対して要請をするというところまでは至っていません。
記者:
対象の地域になると、県としてもそうした自粛のお願いがしやすくなるという側面もあると思いますが、いかがでしょうか。
知事:
先ほどもお答えしたように、法律的な根拠に基づき県民の皆様に協力をいただくことになるので、これまでの単なる協力ではなく、法律を根拠にしたお願いになるので、質的な変化があると思います。
記者:
よく町の声を聞くと、大阪に通っているサラリーマンの方も非常に多く、往来ということでは、大阪・兵庫間は電車も頻繁に走っている状況があります。例えば、鉄道事業者に運行をもう少し抑えてほしいなどといったような要請を県としてすることはありますか。
知事:
これは非常に難しいです。今の段階ではなく、そこまでしなくてはならない状況にならないことを祈っています。
記者:
このタイミングで再開の延長を決められたというのは、何か緊急事態宣言について、兵庫県に国から通知があったのかというような見方をしてしまいますが、その点はいかがでしょうか。
知事:
それは全くありません。土日の感染者数を客観的に考え、特に、生徒の問題ですので、見直したほうが望ましいとして判断しました。
記者:
土日の感染者の拡大ですが、特にどの点に懸念されています。
知事:
件数が多いことと、感染経路が分からない人が増えてといることです。海外からの帰国者も、感染経路が追えない人の一つです。海外帰国者も含めると、そういう方々が非常に増えていることが気になります。
記者:
感染拡大によって、登下校する学生に影響があるという話でしょうか。
知事:
ないようにしなければいけませんが、ないとは言えません。本当は学校を再開し、授業を受けたいと思っている子どもが大半だと思いますが、協力していただきます。始業式・入学式に来てもらうのは、これからの生活の注意事項の伝達や、教科書の配布もありますので、実施します。それなりの心構えを持ってもらった方がいいという配慮です。
記者:
事務的な話ですが、緊急事態宣言で兵庫県が指定されたら、知事からの意見をどのようなタイミング、形で出しますか。
知事:
できるだけ早く対策本部会議を開き、今まで自主的に要請していたことも含め、全ての項目についてそれぞれ検討した上で、一覧として決定し、お願いします。
記者:
法律の根拠があるかは別にしてこれまでも、いろんなお願いを要請ベースでされてきていると思います。実際に緊急事態宣言が出た後にも何かを強化するようなことがあるのか、現時点の対策を続けていくのかということを教えてください。
知事:
現状をどう評価し、将来をどう見るかに関わります。イベントの抑制と深夜における飲食を伴う施設やカラオケについては自粛をお願いしてきましたが、民間施設についてはあまり触れてきませんでした。民間施設をどこまでお願いベースで対象としていくのかということは、一つのポイントになり得ると思っています。
記者:
それは他の深夜でなくても飲食や人がたくさん集うような施設という認識でよろしいでしょうか。
知事:
そうですね。「密閉」「密集」「密接」という3要素が揃う可能性のあるところは、民間施設で対象になり得るのではないかと思います。
記者:
先ほど緊急事態宣言が出た場合に、対策本部会議を開いて直ちに検討するということでした。現在19日までということを決定していますが、緊急事態宣言が出て、例えばすぐにでもゴールデンウィーク前までの延長をするということまで含めているでしょうか
知事:
先ほど言いましたように、19日は2週間という期間をにらんでの決定であり、それまでの間を見極める必要があるためです。緊急事態宣言が出たから連休明けという訳ではないため、19日は見直すことがないのではないかと思います。
記者:
19日以降をどうするのか、19日までにしかるべき対応の検討をするとのことでしょうか。
知事:
そうです。そちらの方がそれぞれ評価を下していけるという意味で望ましいのではないかと考えています。
記者:
学校の今回の対応について、緊急事態宣言が今週内に出た場合でも19日までは基本的に変わらないという認識でいいのでしょうか。それとも制限をさらに強める可能性もあると理解したらいいのでしょうか。
知事:
変わらないとは言っていないため、緊急事態宣言が出た場合には、もう一度お願いすべきことを見直した上で、全体像をお示しするようにしたいと思います。
記者:
制限がさらに強まる可能性は多分にあるということでしょうか。
知事:
あるとすれば第3、4学区の取り扱いを第1、2学区に合わせるか、というようなことはすぐに違いがあるため考えられますが、今決める話ではないと思います。
記者:
緊急事態宣言について、政府が近いうちに判断すると思いますが、このタイミングで政府が宣言を発令するという時期的なものについて知事の考えを伺えればと思います。
知事:
特に東京都の状況を見ていると、YouTubeなどで3週間前のニューヨークと同じだと危機感を表明されているような方々がいます。そのような先例もあるため、それだけの危機感を持って、いかにピークを高くしないかという対応が不可欠ではないかと考えられます。小池知事も、昨日テレビ討論で宣言を出して対応したほうが望ましいのではないかとおっしゃっていました。そのような状況をどう評価するかということであり、ある意味で機は熟しつつあるということではないかと思います。
記者:
もっと早くに都知事は出してくださいとアナウンスがあったと思いますが、タイミングとしてはここを逃さない方が良いと言うことでしょうか。
知事:
政府としても見極めの期間が必要だったということではないかと思います。
記者:
学校の再開について、土日の感染者が急増していると判断されている理由として、県内で10数件が続いたからでしょうか。
知事:
2週間前の3連休の前にかなり不要不急の外出抑制、会合抑制、往来抑制ということをお願いしました。土日の前の木・金は1桁台ということもあり、それなりの効果が上がっていると思っていましたが、土日の数字を見ると、抑え込まれている状況ではありません。3連休のお願いをしたにも関わらず、このような状況になっているため見直しをしたというのが実情です。
記者:
県下の状況について、蔓延期ととらえているのでしょうか。
知事:
蔓延期にはまだなっていないと思っています。「その他調査中」と「特定できない」方々が、今日現在で陽性者203人の内42人います。2割ということは、心配な状況が生まれつつあるという事態ではないため、まだ蔓延期とは言えないと思います。
記者:
蔓延期のラインはどのようにお考えでしょうか。
知事:
これは大変難しいですが、今まで14や15はありましたが、20以上が続いて出て来るようになると、兵庫としてはかなり厳しい状況だと言えるのではないかと思います。
記者:
19日にしている理由として、先日発表したからとおっしゃいましたが、もう一度具体的に19日になっている理由も教えてください。
知事:
潜伏期間が2週間とされているため、2週間単位で考えようということにしました。そのため8日から、14日だと22日になりますが、19日が日曜日であるため、次の月曜日までに対応を決めるという意味で19日にしました。
記者:
前回も柔軟に対応するという話で、今日の発表だと思います。緊急事態宣言の場合も検討ということであるため、この19日というのも必ずしも固執するわけではなく、柔軟に判断すると考えていいのでしょうか。
知事:
柔軟に考えてもいいですが、なぜ期限を切っているかというと、状況を見極める評価期間を設定しているためです。そのような意味では、緊急事態宣言が出されても、20日以降の状況が分かるのかと言うと分からないため、19日を一つの目安として、セットしていくことになるのではないかと思っています。緊急事態宣言が出された時は、また原点に帰って評価し直さないといけないかもしれません。
記者:
ニューヨークのYouTubeの方々の話があって考えに影響を及ぼしているのかと思ったのですが、県内の高校生の署名は判断基準になっていないとおっしゃいました。科学的な判断基準とは別として、県民の不安の声というのは知事にどれぐらい届いていますか。
知事:
皆さんからこのような心配されていますということは、聞かされています。
記者:
それについて知事はどのような感想ですか。
知事:
非常に難しいですが、社会生活全部をやめてしまえばコロナ対策にとっては一番良いのです。しかし我々の生活はそのようなことで成り立ちませんから、そういう中で、効果のある対策も行いながら、社会生活への影響を最小限にとどめることが基本的なスタンスなのではないでしょうか。そういうつもりで、対策も検討していきたいと思います。
記者
先ほど、3連休で自粛された後、この週末の患者数を見てという話がありましたが、3連休の頃から自粛要請は続けてきていると思います。都知事など、かなり強い要請をされていますが、要請を受けての自粛の状況を人出も含めてどのように評価されておられますか。
知事:
随分ご協力いただいているのではないでしょうか。私は、昨日、明石公園に行きましたが、食事のグループもいつもの10分の1ぐらいと非常に少なかったです。花見でさえそのような状況ですから、随分町中の人出も含めて自粛をしていただいてきていると私は見ています。
記者:
先ほど社会生活の影響を最小限にとどめながら政策をとるという話でした。緊急事態宣言が出た場合、例えば、知事に与えられる権限が強化されることによって、強制的に指示ができる場合があると思います。そういったことをつぶさに出されるようなご予定や想定はないでしょうか。
知事:
今は指示までしなければならない状況ではないと思います。ただ今やる事は2週間後に成果が出てくる訳です。新型コロナは潜伏期間が長いため非常に取り扱いが難しいのです。2週間後をにらんだうえで、今どのような対応をしていくのが望ましいかという判断を、緊急事態宣言が出たら出たで考えていかなければならないと思います。
記者:
緊急事態宣言が最速で、明日出てもおかしくない状況ですが、そうなると8日の始業式や入学式は開催できなくなるということでよろしいでしょうか。
知事:
それはしないと思います。開催できなくならないようにしたいと思っています。時間を分けて学年別にやらせていただいて、始業式を午後にするというような工夫もして、さらに3条件が整わないような工夫をすることが原則として望ましいのではないかと考えています。
記者:
仮に宣言が出て兵庫県が対象になったとしても、そのようなことに注意しながらやるという方針でいいでしょうか。
知事:
学校の休業を続けますが、始業式は、生徒たちや学校にとっては始まりですので、始まりをずるずると無くして進めていくというのはいかがかということは、教育関係者の皆さんも心配している点です。ですから、十分に留意しながら、その時だけは集まるということも、できればする方が望ましいと思っています。
教育長:
前回一斉休業した時に、兵庫県は1日だけ、つまり3月2日のところを3日からのスタートとしました。その1日が、児童生徒にいろんなことを伝える時間として貴重だったと聞いています。やはり簡素にしないといけないと思っていますが、2週間授業がなくなるので、どこかの時点でケアをするため、短い時間でも可能な限り、始業式や入学式は、開催できる方向で相談していきたいと思っています。
記者:
それぞれの市町の小学校中学校については、知事の権限ではないかもしれないですが、何か同じような対応を要請する考えはありますか。
知事:
現在も県はこのような対応をしているので、県に準じるようにお願いしています。市町によっては、事情が違うため、独自の判断をしているということだと思います。緊急事態宣言が出たとして右へ倣えとまで言うのか言わないのか、さらに強化するのか、状況を見極めた上で判断するということになるのではないかと思います。
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