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新型コロナウイルス感染症対策本部会議の報告
知事:
(資料に沿って説明)
記者:
休業要請を15日から要請するということについて、当初は2週間様子を見てから検討すると言っていましたが、15日へと踏み切られた理由は何でしょうか。
知事:
一番の要素は、感染者数が土曜日42件、日曜日17件と急増したことです。大阪府が14日からの休業要請に踏み切られますが、県境を挟み交流が一体化している兵庫県、特に阪神間などは、県境を跨ぎ利用するケースが出てくる可能性がありますので、大阪の休業要請と出来るだけ足並みを揃え、地域全体としてのお願いをすることが望ましいからです。1日、大阪府と差がありますが、協力していただく事業者の皆様には、事前に各種の連絡等が必要ですので、今日これからと、明日1日の連絡等のための期間を設け、15日から要請します。
記者:
県独自の事業者への対応や支援策を行う考えはないということでしょうか?
知事:
損失補償、営業補償の意味での補償措置をする予定はありません。東京都が協力金を支給するという動きがあり、併せて大阪でもそのような検討をされてます。営業補償や損失補償はできませんが、協力していただいたことに対する対応は、なにができるかは難しいですが、検討俎上に上げます。
記者:
その対象は、今回の休業要請の対象になっている事業者に対するものでしょうか。
知事:
はい。あえてそのようなことをするのであれば、要請に応え、協力していただいている事業者の皆さんになると思います。
記者:
資料にある、外出抑制の現在の分析ですが、三宮周辺の人数は発生以前に比べ61.7%減ということですが、その部分について結果をどのように見ていますか。
知事:
先ほども申しましたように、昨年の11月に対し60%下がっています。それなりの効果が徐々に出てきていると思います。宣言前の土曜日に対しても3分の1落ちているので、県民の皆さんの協力が、徐々に大きく貢献していると思います。8日のNTTドコモの資料を説明した時は、三宮はあまり人の出方が減っていませんでした。現在、難波、梅田に比べると、減り方は低いですが、マンションも多く、日常の買い物客も来るといった事情を考慮すると、順調にご協力いただいていると思います。
記者:
医療体制について、今日の24時時点で入院中が266人で、確保している病床数が259床ですが、現状をどのように認識していますか。
知事:
みなさん入院していると承知しています。病床の確保数ですが、退院した人数のカウントが十分にできておらず、矛盾が生じています。基本的には入院しています。病床数がぎりぎりになっている状況なので、宿泊施設等の中間施設に出来るだけ移っていただき、病床のゆとりを作る対応が必要だと思います。
記者:
休業要請ですが、大阪府と1日ずれるということについては、昨日から話がありましたが、今日の対策本部会議で、大阪府と足並みを合わせた方がいいという声はあったのでしょうか。事前アナウンスが必要だとは思いますが、知事のお考えはいかがでしょうか。
知事:
大阪府は吉村知事が事前アナウンスを金曜日からされていました。兵庫県は、昨日(日曜日)の対策本部会議の幹部会議後、検討俎上に上げると発表し、一種のアナウンスをしたつもりです。事前アナウンス、準備期間を全く取らず14日の午前0時から休業要請を行うことは、事業者のみなさんに無理を強いることになりかねないので、議論として15日から始めることに異論はありませんでした。
記者:
県独自の対応について、阪神・淡路大震災の時は、基金を活用したかと思いますが、現時点で、県として基金等を検討する可能性はありますでしょうか。
知事:
阪神・淡路大震災の時の復興基金は、基金を兵庫県と神戸市で積み立て、その果実を活用し、事業を実施しましたが、利息の支払いは、地方交付税で措置していただきました。全国の地方公共団体に応援していただき、基金を設立し運用できました。今はそのような仕掛けは俎上にもあがっていませんし、感染症法上、特別措置法上の対象として様々な協力を求めているので、全国の地方公共団体に協力を求めることは難しいと思います。したがって、基金事業で展開することは難しいと思います。国が、地方公共団体全体で、1兆円の特別交付金を交付するフレームを作っているので、検討の1つとして、事業者への損失補償や営業補償ではない、協力の仕組みや仕掛けをできないかしっかり検討していきます。これだけではなく、感染症対策事業の包括的な財源として国が措置してくれますので、全体のバランスをみて検討します。
記者:
中小企業の、特に飲食店で家賃の負担が出てくる中、1兆円の交付金の使い道とする考えがあるのかもしれませんが、何か考えはありますか。
知事:
まずは、国が用意している個人事業主へ100万円と法人企業へ200万円を交付する交付金制度があるため、それを活用していただくことが第一であると思います。国会でも議論になっていましたが、国際会館なども家賃を減免することを打ち出しており、家賃の減免についても国交省を中心に要請させていただくことになります。また固定資産税の減免も行うため、家主の協力を受けながら事業主の方には、国の交付金の活用と、県が既に行っている融資制度の活用、さらに国が今回の対策で県の制度融資を前提に3,000万円まで無利子にする措置を出すため、それらの制度を是非ご活用いただくことで事業の継続を是非お願いしたいです。その上で県としてできることを検討させていただきます。
記者:
5月6日までの自粛要請が長期という見方がある一方で、できるだけ短い期間の自粛要請が一番の経済対策になるということですが、その中で知事からの呼びかけや意気込みを教えてください。
知事:
ご協力をお願いしなければならないと思いますが、兵庫県で25年前の阪神・淡路大震災の時に避難所に避難された方は31万人でした。そのような状況から立ち上がって来たわけです。今回の新型コロナウイルス感染症への対策と立ち直りは、それに匹敵、もしくはまだ終息の目処が立っていないためそれ以上かもしれません。県民の健康と命を守るという観点から、様々な協力をお願いしています。県民の皆様、そして事業者の皆様も、人の命に関わる状況下での協力の要請をさせていただいていることを、是非ご理解いただいた上で、要請に応えていただきますことを心からお願いしたいと思います。
記者:
近く、県の補正予算が組まれる予定とのことですが、東京都や大阪府は独自で様々な提案を出している中、兵庫県は国からの支援を待っている状態です。独自の支援策で県民へアピールすることが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
知事:
新型インフルエンザ等対策特別措置法の枠組みの中で、国が指定感染症として対策を行うため、内容については、国が責任を持つことは十分理解いただいていると思いますが、おっしゃる通りそれだけでいいと言うことではないと思います。県民の皆様や事業者の皆様にとって、国の施策に横出ししたり上乗せしたりすることが、実情として望ましいのであれば、積極的に対応していくことが基本方針であると思っています。今の時点では、具体的な検討にまで至っていないため、是非ご理解いただきたいです。ただし、特に事業者の皆様への休業要請に関連しては、エリアとして大阪と兵庫が一体となって取り組まなければならないため、自治体間で齟齬が生じないように、大阪府と協調して対応していきたいと考えています。
記者:
新型コロナウイルス感染症対策の補正予算はどのようなものが軸になりますか。
知事:
医療体制の充実のほか、今言いましたような100万円や200万円の持続化交付金についは、国が直接団体を通じて行う一方、県が行う事業はいろいろありますので、それらを予算化していくことになります。県の制度金融は、これまで、当初予算ベースでは前年度と同じ3600億円規模でしたが、今回4つの借り換え資金を含めた資金事業を予算化する必要があります。また、国が3000万円まで無利子で貸し出せる制度を打ち出そうとしています。3000万円借り換えられるようにするためには、その資金需要をみると、どれくらいになるのか検討がつきませんが、総額として5000億円から1兆円の範囲で枠組みを設定していかなければなりません。これはボリュームとして非常に大きいと思います。
記者:
協力していただいた事業者への県独自の対応について、大阪府との協調をおっしゃっていますが、大阪府の対応に準じた水準にそろえるということでしょうか。
知事:
基本的に同じ対策をやろうとしています。同じ宣言を受けている地域としての対策ですので、同じ対応が望ましいのではないかと思っています。
記者:
手法や金額水準についても、似たようなものになるということでしょうか。
知事:
地域的な同一性を考えると、違えることについての抵抗感がありますし、公平感が保たれないということになってはいけないと思っています。
記者:
東京都は、相当な金額を用意していますが、関西の大阪府・兵庫県では厳しいという認識でしょうか。
知事:
東京都はそのようなことをやれること自身がうらやましいです。現実は、国でもいろいろな 意見があったように聞いていますが、最終的に東京都がやることは東京都でお決めくださいということになったようです。東京都がどのようなことをされるかということも一つの参考例になりますが、同じようなことをしなくてはならないわけではないと思っています。大阪府と兵庫県は、同一地域ですので、足並みをそろえておく必要があると思っています。
記者:
休業要請の範囲について、大阪府とそろえるということをおっしゃっていますが、大阪府と協議しながら進められたのでしょうか、あるいは、大阪府の案ができるのを待ってそれに倣ったのでしょうか。
知事:
大阪府は東京都にそろえられていますが、その際に相談されている訳ではありません。兵庫県の場合は、吉村知事とも関西広域連合の場でも会っていますし、基本的に範囲を統一しようということを前から申し上げてきています。
記者:
兵庫県の方から、特にこれを入れた方がいいのではないかというような要請はされましたか。
知事:
国との協議があって、国が業種について一定の基準を政令で定めています。特別措置法以外の部分について、どれだけ単独で要請できるかということですが、休業要請の分野については、できるだけ効果がありながら範囲としては狭い方が望ましいので、法律の枠組みの中で検討することが基本になりました。
記者:
言わずもがなかとは思いますが、感染者が出ていない但馬地域に対しても同じような休業要請をかける理由を教えてください。
知事:
但馬地域も兵庫県の一部だからです。兵庫県が宣言対象地域となっているからです。ただし、協力していただくにしても、実態的な対応については、今後発生状況などを見ながら検討していくことになります。その際は十分にそのような状況なのかどうかも確認しながら検討していきたいと思っています。
記者:
休業要請先への支援については、大阪府との協調姿勢は維持するという話でした。大阪府の意向として、政府が用意する給付金の拡充などを考えているとの話があります。現時点で、知事としてどのようにお考えでしょうか。
知事:
1兆円を増やしていただければ、それに越したことはありませんが、政府は108兆円の対策というリーマンショック時の倍以上の対策を打つことになるので、これ以上の充実は難しいとおっしゃっています。しかし、状況がどう変わるかによって、この種の対策は変化しなくてはならないと思います。そのような状況においては、要請をしていくということはあり得ると思います。ただし今、要請して、「はい、分かりました。」という状況にはないと思います。それよりも、交付金を感染症対策、医療の体制づくりや経済対策などに、いかに有効に活用していくかということが問われていると思います。その中の一つとして、ぜひ協力者に対する対応についても認めていただきたいと思っています。認めていただけないと、単独で財源を用意しなければなりせん。単独だと、できたとしても大きな規模にはなりません。したがって、我々の検討している事業を、交付金の対象事業に認めていただけるような働きかけをしっかりしていくことが必要です。今は認めていただけるかどうかについて、明確ではない段階です。そのため、要請をきっちりしていかなければならないと思っています。
記者:
給付金について、例えば零細企業が100万円、中小企業が200万円などとありますが、それに対して県が上乗せするということは考えられないでしょうか。
知事:
要件が満たされた対象事業者であれば、国の交付金ももらえるし、持続化給付金ももらえます。特別な措置をしたとすると、その措置も県から支給できるということになると思います。要件をどのようにセットするかですが、複数の交付を受けられるということは考えられると思っています。
記者:
施策の中で、ネットカフェ難民に対して何かあるのでしょうか。
知事:
今回の新型コロナウイルス感染症対策以前の平成27年から実施している生活困窮者自立支援制度の中に、一次生活支援事業という事業があり、これを活用すると思います。東京都がおっしゃっているのは、この事業を活用し行うという話だと思います。現に、兵庫県も一次生活支援事業を活用し、既に相談事業や一次生活支援を委託実施しているので、この事業を活用して対応します。
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