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(会見中の知事及び記者の発言内容は、議事録でご確認ください。)
知事:
1番目は「令和2年度4月補正予算(緊急経済対策)(案)」です。
今日は政策会議の日ですが、24日に開かれる臨時県議会に提出する補正予算の内容審議が中心でした。今から、令和2年度4月補正予算第1号の概要について説明します。この会見後、今日の新型コロナウイルス感染症患者の発生状況について説明があります。今日の発症者数は、神戸3名、西宮2名、県関係4名、合計9名ですのでご承知おき下さい。
お手元にお配りしている資料に基づき説明します。「Ⅰ補正予算編成の考え方」ですが、資料にあるように、新型コロナウイルス感染症対策を強化するため、令和2年度国補正予算を活用し、令和2年度4月補正予算(緊急経済対策)を編成します。
「1基本方針」は、3つあります。1番目は感染拡大防止対策の強化と医療・検査体制の充実です。2番目は地域産業・県民生活への支援です。3番目は収束後における地域の元気づくりです。この3本柱で編成しています。
「2有利な財源の活用」は、国庫支出金と、地方全体で1兆円と措置されている新型コロナウイル感染症対応地方創生臨時交付金(仮称)、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(仮称)です。また、投資的経費の地方負担分について、補正予算債があります。一般財源については、数千万円ですが、特別交付税を措置していただくことで編成を組んでいます。
2ページ、総額は、一般会計で3905億2200万円。特別会計で、11億1100万円、合計3916億3300万円です。無利子の貸付金を、今回用意したので、預託金が大部分を占め、約300億円が、預託金以外の事業費です。また後ほどご覧いただきます。
「2施策体系別事業一覧」で、3区分(先述の3本柱)に分けて整理をしているのでご覧ください。
4ページ、企業等の事業継続支援で、1番目は休業要請事業者経営継続事業の実施、2番目は先ほど述べた新型コロナウイルス感染症対応無利子資金の創設で、金額が3590億78000万円です。預託金は年度終わりに戻ってくるので、特定財源になります。これに関連する新型コロナウイルス感染症対応無利子資金に対する利子補給が32億8900万円あるので、この関係を除くと、約290億円になります。
5ページは、「3収束後における地域の元気づくり」です。
一覧表の合計をご覧下さい。3916億円のうち、一般会計が3905億円、農林水産資金特別会計が200万円で、国民健康保険事業特別会計が11億です。先ほど述べた無利子資金の預託金、利子補給を除くと、一般会計で281億5500万円、特別会計を入れると、292億6600万円です。
以下、個別事業ですが、私の方から、主な事業について述べます。6ページ「Ⅲ事業の概要」「1感染拡大防止対策の強化と医療・検査体制の充実」「(1)マスク等衛生資材の確保と感染拡大防止対策の強化」「①社会福祉施設等における感染拡大防止対策の推進」で、「マスクの購入等による衛生管理体制の強化」、「感染拡大防止のための個室化改修への支援」を挙げています。
7ページ、「②介護施設への簡易陰圧装置等整備費補助」「③福祉サービス確保のための支援」は、通所サービス事業者等が利用自粛を受けて在宅となった利用者等に対し、居宅を訪問してサービスを提供する場合のかかりまし経費等を支援します。
8ページ、社会福祉関係、障害者関係の様々な事業を掲載しているのでご覧ください。
9ページ、「⑪就労系障害福祉サービス等の機能強化」で、特に、「就労系障害福祉サービス事業所の生産活動支援」を行います。以前から障害者施設の生産品のネット販売+NUKUMORIを行っていますが、さらなる販売強化をするための予算を付けています。
10ページ、学校における感染症対策で、「⑬遠隔手話サービスを利用した聴覚障害者の意思疎通支援体制の強化」のためのシステム整備を進めます。「⑭学校における感染拡大防止対策の推進」で、学校再開に向けて準備していきます。「⑮外国人学校における感染拡大防止対策の推進」で、⑭にならい助成を行います。「⑯県立学校老朽化対策の推進」は、国の予算で、特別支援学校のトイレ改修が予算化されているので、これを活用し、改修します。
11ページ、「⑰県民利便施設等における感染症防止対策の推進」で、国庫補助は芸術・文化施設が対象になっていますが、芸術・文化施設以外の県民利便施設等94施設についても、サーモグラフィー、非接触型体温計等を、各施設に導入します。「⑱備蓄用マスクの整備」ですが、この際に確保します。
12ページ、「(2)検査体制及び医療提供体制の強化」「①PCR検査の外部委託実施」です。「②」の「a)入院医療体制の強化」として「医師・看護師等の派遣」について、派遣元医療機関に対し、派遣に要する経費の一部を助成します。「入院医療機関への支援」として、患者1人当たり1日12000円を補助します。様々なかかりまし経費がかかるので、受入れ機関に交付します。「入院病床の確保(空床補償単価の拡充)」では、新たに入院病床を確保するため、国空床補償単価に上乗せし、空床補償経費を支援します。
13ページ、「b)無症状患者及び軽症患者の入院以外への対応」で、「宿泊施設の確保」として、宿泊施設の借上げ費用や運営費、患者の輸送費などを措置します。
14ページ、「宿泊施設での健康管理体制の整備」とともに、「施設入所者の一時的な受け皿の整備」について、障害者入所施設等で集団感染が発生した場合に、未感染者が入所し続けることが困難なケースも考えられるので、一時避難施設として活用する場合を措置しています。「C)帰国者・接触者外来及び臨時外来等の設置」として、外来患者に支援をしようとするものです。
15ページ、「臨時外来の設置」について、具体的内容を書かせていただいています。また、「d)医療機関における検査機能の充実」についても、検査機器などの整備を助成していきます。
16ページ、「緊急事態措置コールセンター窓口の体制強化」も挙げました。「帰国者・接触者相談センター業務の郡市医師会等への委託」ということで、医師会の協力を得て、保健所業務が圧迫されている地域につきまして、相談センター業務を、医師会等へ委託することも考えています。
17ページ、「③感染症患者の入院医療費の公費負担」については、入院した者の入院医療費の自己負担分を公費で負担することになりますので、これを計上しています。
「(3)情報発信や相談体制の充実」、「①県広報の充実・強化」「②新型コロナウイルス感染症に対応した心のケア支援の実施」「③自殺リスクを抱える者への相談支援体制の強化」なども行います。
18ページ、「(4)学校の臨時休業等を円滑に進めるための環境整備」「①放課後等デイサービスへの支援」について、これは従来から行っていますがさらに追加するのと、「②学習指導員の配置」「③SNS悩み相談窓口の強化」も行います。
19ページ、「④県立芸術・文化施設等映像配信事業の実施」として、美術館などで、無料講座のオンライン配信などを行っていこうとするもの、「⑤県立美術館・博物館魅力発信事業の実施」として、いろいろな県内アーティストの活動動画などを作成して配信しようとするものです。
「(5)遠隔教育、テレワーク等の推進」「①GIGAスクールサポーターの活用」「②障害児童生徒入出力支援装置の整備」なども挙げています。
20ページ、「③県立学校等における遠隔授業環境の整備」として、「遠隔学習支援事業」として、インターネット環境のない児童生徒に対して端末を貸与することとあわせて、双方向の授業を実施できるように、web会議アプリを整備して行こうとするもの。もう一つは、「緊急学習支援事業」ですが、県立学校の生徒、94000人に対して、学習支援アプリを導入し、登校自粛をしていますので、その代替措置としてwebを使って行おうとするものです。それから、「⑤新型コロナウイルス感染症対策に対応した在宅勤務環境の整備」として、県の職員がリモートアクセスシステム、今300人ですが、これを倍増して600人にしようとするものです。
21ページ、「2地域産業・県民生活への支援」「(1)企業等の事業継続支援」「①休業要請事業者経営継続支援事業の実施」については、県と市町が一緒になり実施します。「②新型コロナウイルス感染症対応無利子資金の創設」は、一定の要件を満たす中小企業者に対する利子と保証料の軽減を行う国の制度を活用して、融資制度を創設するものです。
22ページに概要を記載していますが、個人事業主と中小企業者につきまして、売上がそれぞれ5%以上もしくは15%以上減少した場合には、無利子資金が3000万円まで用意されます。セーフティネット保証5号の適用は、5%以上の売り上げ減少の方ですので、5%以上15%未満の中小企業者については、表の一番右側のとおり、無利子にはなりませんが、保証料と貸付利率がそれぞれ割り引かれた利率で対応するという制度になっています。(ページ下の(参考)に記載のとおり)既に4つの資金が用意されていますので、この4つの資金の上に、5つ目の無利子資金が創設されることになります。
23ページ、「融資目標額の引上げ」ですが、新しい無利子資金を用意します。経営安定融資の中に用意することになりますが、通常の経営安定融資も、売上高5%以上減少した場合が貸付要件でしたので、5%以上となると、今回創設した資金と同様の貸し付け条件になります。したがって、経営安定融資は、今回創設した5つの資金に活用されるということになりますので、その部分を従来の経営安定融資に5900億円増やし7700億円。そして、新しく展開ができるような状況になった場合の事業展開融資を500億円増やし、合計で3600億円の融資目標額を1兆円に引き上げます。「③新型コロナ感染症対応無利子資金に対する利子補給」は、無利子化するための利子補給です。
「(2)雇用の維持支援」「①地域企業再起支援事業の実施」については、「がんばるお店お宿応援事業」として、テイクアウトやデリバリーに、できるだけ新規参入していただきたいということで10万円の定額補助を行おうとしています。
24ページ、「タクシー事業者向け観光受入環境整備事業」ですが、キャッシュレスの決済機器を今お客さんが少ない時期に、タクシー業界に整備していただいて、いざというときに備えてもらうため、定額補助をします。事業者単位で1000万円が上限です。
25ページ、「②緊急雇用対策職業訓練事業の拡充」について、学卒者で就職できなかった人や離職を余儀なくされた労働者の就業促進のために、職業訓練のコースを拡充します。21コース、400人拡充します。「③ひょうご緊急雇用対策プログラムの実施」では、県としても、内定取消者等を会計年度任用職員として採用する枠として、100名分を用意します。「④離職者生活安定資金融資制度の拡充」については、従来から近畿労働金庫とタイアップして、非自発的失業者となった場合に一種の小口融資として取組んでいます。限度額は50万円ですが、融資枠を拡充して資金ニーズに応えようとするものです。あわせて保証料については、県が全額負担します。
26ページ、「(3)農林水産物の需要喚起・事業継続支援」「①肉用牛肥育経営安定対策の推進」については、肥育農家に対する価格補填措置で、肉用牛の経営安定交付金事業について、無利子で貸付ができる措置を講じようとするものです。国からの措置と合わせて、生産者が4分の1積み立てておくことになっていますが、不足する場合の措置として、対応をしようとするものです。「②野菜価格安定対策の推進」は、差額補填に充てる資金の追加造成を行おうとするものです。
27ページ、「④美しい村づくり・豊かな海づくり資金の拡充」は、貸付利率の無利子を行おうとするものです。
28ページ、「(4)生活に困っている世帯や個人への支援」ですが、「①生活福祉資金の拡充」で、緊急小口資金10万円、総合支援資金20万円の貸付額ですが、据置期間を1年以内に延長し、償還期限も2年以内や10年以内に延長しようとするものです。「②国民健康保険特別交付金の拡充」ですが、一つは「国民健康保険料(税)の減免措置」が行われた場合の補填であり、もう一つは「傷病手当金の支給」で、新型コロナウイルスに感染された方について傷病手当金を支給する市町に財政支援をしようとするものです。これは市町が条例で、支給できる措置を講じていただかないと支給できませんが、市町では積極的に検討していただいております。
29ページ、「③住居確保給付金の拡充」とともに、「(参考)兵庫県営住宅の提供」として「解雇・離職者向け」、「ネットカフェ利用者向け」に400戸を用意しています。また「④高校生等奨学給付金の拡充」なども行われています。
30ページ、「⑤公立高等学校等授業料の減免」或いは、「⑥私立学校生徒授業料軽減臨時特別補助の拡充」もします。
31ページ、「(5)税制措置等による支援」「①新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置」が並んでいますが、「a)徴収の猶予制度の特例」では、県税にかかる、証紙徴収を除く全税目について1年間徴収猶予できる根拠を今回の条例で提案させていただく予定にしています。また「b)住宅借入金等特別税額控除の適用要件の弾力化」や不動産取得税について適用対象の期間を広げようとします。自動車税の臨時的軽減の延長もあわせて実施させていただきます。
32ページ、「(参考)市町村税に関連するもの」として、固定資産税の軽減措置について、市町が行うことになりますので概要を書かせていただきました。「②県有財産使用料の減免」では県が大家の役割になっている施設があります。例えば美術館の中のレストランなどは県が大家でありますが、このような施設に併設されているレストラン等の事業者が負担する県有財産使用料を減免する予定です。
33ページ、3番目の大きな柱として、「3収束後における地域の元気づくり」「(1)地域経済の活性化」では、「①Welcome to Hyogoキャンペーンの実施」をさせていただこうとするものです。国が「GoToTravel」キャンペーンを行っていますが、それに呼応する対策です。それから「兵庫の特産品購入促進事業」や、「宿泊に伴うおみやげ購入券発行事業」です。34ページ、「ひょうごツーリズムバスの拡大」も考えていますし、「国緊急経済対策『GoToTravel』における県内旅行商品の造成促進」では、ファムトリップなどを実施してPRをさせていただこうと考えます。
或いは、「②商店街お買い物券・ポイントシール事業の実施」や、「③県産ブランド牛肉消費拡大キャンペーンの実施」として、購入した場合に2割相当のボーナスを与えて、それぞれの範囲で消費をしてもらおうとするものです。リーマンショックの際に倣った対策です。県産ブランド牛肉5000円購入、或いはレストランで5000円食事された場合に、「ビーフ1000円券」を差し上げるということをやろうとしています。対象となる店は35ページにあるように、490店になると想定しています。
また芸術鑑賞の機会を増やすべく、これらに対する対応もさせていただきます。
36ページ、「(2)農林水産の競争力強化」「①県産農産物の販売促進」とともに、大きな事業は、「②県産和牛肉の学校給食提供の支援」です。1回の給食で1人あたり100グラムを提供しようということになっており、年3回実施します。全額国庫で実施して、県産和牛肉対策を行おうとするものです。
補正予算(案)の概要は以上です。
2番目は「令和2年度本庁部局・県民局・県民センターの重点目標」です。
本庁5部局と県民局・県民センターの重点目標を整理しています。お読みいただいたら理解していただけると思いますので、私から特にコメントはありません。どうぞよろしくお願いします。
3番目は「第41回全国豊かな海づくり大会兵庫大会~御食国(みけつくに)ひょうご~大会テーマ・キャラクターコスチュームデザインの決定」です。
大会テーマとキャラクターコスチュームデザインが決まりました。大会テーマは「広げよう 碧く豊かな 海づくり」です。大会キャラクターは、はばタンをベースにして、魚の顔と白い長靴の取り合わせでデザインされた、かわいらしいキャラクターデザインになっています。
昨年の12月まで公募し、応募総数が、大会テーマが約3000、コスチュームが約2000ありましたが、この2つが、審査委員会で選定されました。ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
記者:
今回の補正予算はコロナ対策ということですが、県民の皆さんへどのようなメッセージがあると知事はお考えでしょうか。
知事:
今回の補正予算には3つの基本方針があり、それは医療体制の強化と県民生活の不安解消のための対策、そして地域の元気づくり対策であります。
特に医療・検査体制の強化をすることによって、医療の崩壊をしっかり防いでいきたいというメッセージがあります。医療環境を整えていくという我々の思いを県民の皆様に伝えたいと思っています。
2番目は、最も象徴的である休業要請事業者に対する継続支援金についてです。これに加えて、国の制度を活用して、3000万円までの無利子資金を全体として7000億を超える枠で用意しました。たまたま、休業要請対象事業者ではないため、事業継続支援金の対象にならない方も、この無利子融資を積極的に活用していただき、事業継続を図っていただきたいと考えています。また、国の雇用交付金もありますので、これも活用していただき、この厳しい時期が1ヶ月にも2ヶ月にもなるかもしれませんが、ぜひ事業を継続しながら、乗り越えていただきたいという県民の皆さんへの協力をお願いしているものです。あわせて小口の生活支援資金も用意しています。使いやすい資金も用意しているということを、この予算で県民の皆様に強く訴えたいと思っています。
そして3番目の地域の元気づくり予算については、他方、歯を食いしばって事業継続を頑張ってきても、お客様がまた戻ってこなければ困るという観点から、今のうちにそのような場面に備えて業界の皆さんと一緒になって準備を進めていくものです。
この3点が、今回の予算で県民や事業者の皆さんに対して私たちが強く伝えたいメッセージです。
記者:
1点目について、医療体制の整備の点でマスク等の様々な資材について予算化がなされています。しかし実際には、予算を用意しても資材を購入・調達できないケースが現在頻発しているように思います。それへの対策はどのようにお考えでしょうか。
知事:
医療用資機材の確保についてはこれまで、国も様々な対策を表明していますが、我々としては、予算も準備しておかないと発注ができないということもあります。今回の補正予算を通して、すでに発注している部分と今回発注する分をあわせて、1ヶ月分程度の資材確保の状況を2、3ヶ月分の確保に改善できるのです。また、現実的に資材を確保できるのかという点に関しては、進行管理をしっかりして、県民の皆さんに安心感を持ってもらえるような情報を提供できるようにしたいと思っています。
3番目としては、県内・国内でなかなか確保できないような資機材については、友好省である広東省に協力を依頼しており、積極的に協力していただけることになっています。これについては近いうちに具体的な公表ができると思っています。各医療現場では、資機材が足りないために不安感を抱きながら業務に従事している状況があると聞いていますので、そうした方々の不安感を解消できるようにしていきます。そして、いつになったら資機材が提供できるのかという具体的なことについては、個々に伝えさせていただきたいと思っています。国は「やってますよ」と言いつつ、いつになってもなかなか見えてないので、県はそのようなことにならないようにしていきたいと思っています。
記者:
最後に、新型コロナウイルスでお亡くなりになる方がだんだんと増えてきています。そして県の発表においては亡くなられた方の年齢や性別が公表されていないケースもあります。神戸市や西宮市も同様ですが、特に年齢については、公表することで今後の対策にも繋がってくるところだと思います。我々マスコミとしても情報を提供していただきたいと思いますが、その点への基本的な考え方を教えてください。
知事:
亡くなられた方の情報については、遺族の方の気持ちの整理がつくまでの期間、公表を猶予するようなことがあり得ることをご理解いただけたらと思っています。そのような状況が過ぎた後、個々人の状況ではなく、全体としての年代別データなどを公表させていただけたらと思っています。
兵庫県の場合、完全な情報のすべてがつまびらかにされているわけではありませんが、大部分は何らかの基礎疾患をお持ちの方々がコロナウイルスに感染されて重篤化し、不幸なことに亡くなられています。亡くなられた17人のうち、多くの方がそういう状況であるということは間違いなくいえるのではないかと思っています。
記者:
今のお話は、県の保健所管内では、そのとおり適用されていくのかと思いますが、県が管轄してないところでも、知事としては同様のお考えに則って何らかの情報を公表していくべきとお考えですか。
知事:
そこは、統一しなければなりません。県としての傾向がわからないと困りますので、神戸市にしても、各中核市の保健所についても要請をしていきたいと思っています。
逆に各市からすると、例えば、西宮、尼崎、明石や姫路ですと、数が少ないので特定されてしまうということになり、各保健所がやり難いというケースがあると思いますので、県の方でまとめて公表させていただくことによって、そのような特定される危険を排除することができると思っています。
記者:
補正予算について、震災を除くと過去最大規模の3900億円ほどであり、そのうち制度融資がほとんどだということですが、額だけ見れば大変大きいと思います。これについての知事のお考えを教えてください。
知事:
政策金融公庫が、無利子融資を国の制度として行っていますが、申し込みが殺到していて、処理ができていないという実情にあることから、都道府県の制度金融を活用して、そのような需要にも答えて欲しいということだったと思います。我々としても、事業継続のための資金ですので、できるだけ早く処理ができるような体制を作っていきたい。希望があるのに枠がありませんということがないように、かなり思い切って、融資枠をセットさせていただくことにしました。
事業継続において、資金ショートが一番の問題ですので、資金ショートさせないための、国の制度を活用した無利子資金の提供だと受けとめていただくとありがたいと思います。
記者:
兵庫県にも緊急事態宣言が発令されて2週間となりますが、外出抑制などいろいろと、知事も繰り返し要請されているところですが、現状に対する評価と、知事が思われている課題といったものを、お聞かせください。
知事:
県民の皆様の外出抑制効果は、かなりご協力をいただいて、浸透してきていると思っています。一方で、やはり、急にテレワークだとか、大企業はともかく、中小企業では、導入しにくいという事情があります。在宅勤務体制が、十分にできていない状況にあるにも関わらず、少なくとも7割の通勤を控えて欲しいという要請をしていますので、この点、まだ、ご協力を更にいただければと思っているのが一つ。もう一つは、休業要請させていただいていますが、休業されていない業種、事業者の方々がいらっしゃいますので、これらの方々については、協力をさらに呼びかけさせていただきたいと思っています。
いずれにしても、明日、2週間を迎える訳ですので、私としては、県民の皆様と事業者の皆様に更に要請のお願いをさせていただきたいと思っています。
記者:
農業について、飲食店や、あと観光客インバウンド減少によって、神戸ビーフを中心に、県内の農業が影響を受けているかと思います。今回の補正予算で神戸ビーフの消費喚起についても対策が盛り込まれました。県内の農家の方へのメッセージをお願いします。
知事:
神戸ビーフを中心とする、兵庫県産和牛に対するニーズが非常に高かったこともあって、高価格が続いていたのですが、一転、消費が激減することになって、価格が低迷するという事態になっています。大変厳しい環境下で、事業継続していただいているということでありますが、この状況を何とか早くに収束させて、まさに、おいしい兵庫県産和牛を召し上がっていただけるような環境を一緒に作らせていただきたいと思っています。
目処をなかなか示せないのが残念ですが、少なくとも連休明けに対する準備を皆さんと一緒にできればなと、このように願っていますので、ぜひご協力をお願いしたいと思います。
あわせて価格安定制度につきましては、国と協力して、県としても対策を今回の予算でも、行わせていただいていますので、この価格安定制度の活用についても、ご検討いただくとありがたいと思っています。
記者:
緊急事態宣言から2週間になりますが、感染者についての質問です。知事は以前から感染経路不明者の心配をされてきたと思います。調査中も含めて、行動歴が200人を超える数字となっていることに関して、どのように受け止められていますか。
知事:
統計の出し方に少し問題があるのではないかと指摘しています。つまり、200人を超える感染経路不明者ということですが、本当なのかという問題です。ある程度情報が入っているが、プライバシーの問題なので公表を避けてほしいという方もこの中に入っているのではないかと思います。公表の分類を、もっと正確に、細かくした方がいいのではないかと関係当局に指摘をしているところです。かえって不安をあおりかねません。一応の状況が把握されているにも関わらず、個々人のデータとしての公表はやめてほしいということでしょうが、全体としてどういう傾向なのか、公表できるのであれば公表することを考えたらいいのではないかということを、今日も指摘したところです。
もう一つ、最近、兵庫県でいえば、感染源は、春節祭の前は、やはり中国からのお客さん、その後は海外渡航者、特に学生がヨーロッパやアメリカから帰られた方と思われます。その後の3月末の週は、コンパや送別会などの飲食が原因であると考えられます。最近注目すべきなのは、ご家族の感染が増えてきているということではないかと思われますので、家族間感染対策を強化していく必要があるのではないかと感じます。
記者:
200人が全く分かっていないとの認識ではなくて、もう少し公表の仕方を考えたいということかと思います。その一方で、兵庫県にどのくらいそういう方がいらっしゃるのかは知り得ていないのですが、プライバシーの関係で、濃厚接触者に関して非協力的な人が多くなっているのではないかとの指摘があります。そういう方にどうやって協力していただくかについては、どのようにお考えですか。
知事:
難しいですね。ですけれど、いずれにしても感染源をきちんと、たどれるだけたどって、対策を行っていくことが感染症対策の基本です。この基本を理解いただくようにご説明して、説得して、協力いただく。これに尽きると思います。
記者:
無利子融資の関係で、今までも4種類の融資を作られているが、すでに融資を受けた方たちが、無利子にしてほしいという声もあると思います。国に対する働きかけや、知事のお考えはいかがですか。
知事:
もし、必要なら借り換えていただく。こちらを借りて、今まで使われていた資金を返すということをしていただけたらいいのではないかと思います。ただし、それほど大きな利息ではありませんので、保証料を入れて1.5%くらいですので、1千万円で年間15万円です。手続きをやり替えるのは面倒くさいかもしれません。しかし、制度としては新しい制度に乗り換えることも可能だといえます。
記者:
先ほど、知事が言及されましが、日本政策金融国庫で融資実行までかなり時間がかかるということがあり、今回、できるだけ早く処理できるような体制を作っていくということでした。具体的には、金融機関に対して呼びかけを行う等といったことでしょうか。
知事:
金融機関と信用保証協会の、両者の協力がないとできないので、2つの協力を求めながら、できるだけ処理を急ぎます。
記者:
学校についてお伺いします。休校中の学習支援についていくつか挙げられているかと思います。今の段階では、5月6日まで休校ということで、4月24日の臨時議会で挙げられるということもあり、時間が迫っているかと思います。その中で、スピード感や優先順位等があれば教えていただきたいです。
知事:
先行してでもいいので、在宅学習ができる仕掛けを早く動かしたいです。
例えば、スマホやパソコン、タブレットなどを持っていない生徒がいます。それについてはすでに、タブレットを確保して、配れるような体制になっています。ですので、自宅に持っている子と持っていない子も両方に対応できるアプリを早く活用して、自主的に授業ができるようにしていきます。現在、教育委員会が懸命に準備を進めていますので、予算が上がれば、直ちに対応できるような体制を作ろうと考えています。
小中学校になりますと、各市町の教育委員会が中心になりますので、できるだけ県の対応などにならっていただければありがたいです。
記者:
社会福祉施設等における感染拡大防止策の中で、マスクの購入費というのがありますけれど、どのぐらいの枚数を確保できるような予算になっているのか、そういったことは言えますでしょうか。
資料6ページ、「マスクの購入等による衛生管理体制の強化」というところの予算ですが、大体どのくらいのマスクを買うことができるのでしょうか。
知事:
後で報告させます。
記者:
やはり社会福祉施設にかなり重点を置かれているような印象を受けたのですが、社会福祉施設にかなり対策が必要だとお考えでしょうか。
知事:
社会福祉施設、特に高齢者施設については、本県も、デイケアセンターで集団感染が起こり、大変大きな被害を受け、死者もかなり出てしまったということもあります。そのため、社会福祉施設で集団感染を起こさないような体制をこれからもしっかりしていきたいということが基本の姿勢です。
知事:
記者の皆さんの前にマスクを置いてあります。播州織の組合から、差し入れをいただきました。枚数が200、300枚あるかもしれませんが、福祉施設に提供しようと思っています。カラフルで、使いたいようなマスクになっています。これ自身は市販もされていますが、いただきましたのでご紹介させていただきたいと思います。
私が着けているのは、三田市消費者協会の会長さんからいただいた分です。次は、播州織のマスクを着けさせていただこうかと思っています。
どうぞよろしくお願いします。どうもありがとうございます。
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