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知事定例記者会見(2020年4月27日(月曜日))

  1. 県内の患者発生状況
  2. 特措法等に基づく施設の休業要請 ~パチンコ店に対する休業要請について~
  3. 大型連休期間における休業の協力依頼施設の追加及び休業要請事業者経営継続支援事業の申請受付開始
  4. ひょうご新型コロナウイルス対策支援基金の創設
  5. ポストコロナ社会に向けて 兵庫からの挑戦 

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 知事会見を動画で見る(約64分)(外部サイトへリンク)

(会見中の知事及び記者の発言内容は、議事録でご確認ください。)

知事記者会見内容

知事:

 1番目は「県内の患者発生状況」です。

 

 昨日24時で、629人で、9人増えています。入院が252人で、宿泊療養が86人等です。兵庫県は、宿泊療養に移っていただく前に1回入院し、病状を確認した上で、移っていただくので、十分注意を払いながら行っているとご理解いただきたいと思います。クラスター状況や、調査中の内訳、感染不明等については、表のとおりです。
 2ページをご覧下さい。26日(日曜日)までの検査結果です。日曜日と月曜日は検査件数が少なく、発症者数も少ない傾向にあります。昨日判明した感染者数は9名で、本日も1桁ですが、これは主に土日に検体採取したもののPCR検査の結果です。以前、翌日(火曜日)の感染者数が19名(4月21日(火曜日))ということがあったので、明日の結果に注目したいと思います。

 

 2番目は「特措法等に基づく施設の休業要請」です。

 特にパチンコ店についてです。本日の調査結果を踏まえ、資料にあります6つのパチンコ店について、特別措置法45条第2項に基づく施設の使用停止(休業)の要請を行うことにしましたので、公表します。金曜日に話したとおり、25日(土曜日)に、「法律に基づく施設の使用制限の要請を正式にすることがあるので、休業よろしくお願いします」ということを文書で要請し、1日おいて、本日午前中に再度調査した結果、このような要請をします。
 結果は、表に整理しているとおりです。6つの店舗について、法律に基づく要請をします。金曜日の調査では、神戸市内に開店していた店舗がもう少しありましたが、それらの店舗は現在休業されているので、この対処に入っていません。この6店舗についてご協力をお願い申し上げたいと考えています。この6店舗ついては、順次実態を調査し、その結果を踏まえ、さらに要請を重ねていくようにフォローします。

 

 3番目は「休業要請事業者経営継続支援事業の対象者の追加」です。

 金曜日の本部会議後の会見でも申し上げましたが、国の通知もあり、専門家会議等の提言を受け、行楽を主目的とする宿泊事業に供する宿泊施設(ホテル、旅館等又は民泊)について、追加的に休業を要請します。
 大型連休期間中はできるだけ感染症対策を強化する必要があります。100 平方メートル以下の大学・学習塾等、商業施設(生活必需物資の小売関係等以外の店舗及び生活必需サービス以外のサービス業を営む店舗のみ)は休業要請の対象から外していましたが、大型連休期間には、人が集まりやすいこともあるので、人の接触機会の低減を徹底するという趣旨で、休業の協力要請を行う施設に追加するものです。
 資料の太枠内に書いていますように、100 平方メートル以下の大学があるとは思いませんが、100 平方メートル以下の学習塾や商業施設について、大型連休期間中については、休業していただき、人の接触機会の低減を期していただくように協力をお願いします。
 それに関連して、次ページにありますように、支援事業についての休業期間がもともと4月15日から5月6日のうち、今回4月29日から5月6日で約3分の1ですので、中小企業は30万円、個人事業主は15万円の事業継続支援事業の対象とします。
 支援事業について、手続きの概要などを整理しました。支給対象の【要件1】は兵庫県内に事業所を置く中小法人及び個人事業主で令和2年3月1日以前に創業していることです。【要件2】は令和2年4月または5月の売上が前年同月対比で50%以上減少していることです。(休業要請が)5月6日までなので、4月、5月のいずれかの売り上げが50%減っていると対象です。【要件3】は県の休業要請等に応じて、対象となる施設を期間中、継続して休業していることです。追加しているものについては、下の表に整理しています。
 ただし、既に広間のような集会の用に供する部分に協力をしていただいているホテル等が、行楽を主目的とする宿泊事業に該当する場合があります。その場合は、1事業者あたりの支給額ですので、複数の要請に対応していたとしても、30万円、15万円の金額を上限とさせていただきます。
 裏面に申請手続き等を記載しています。本日、募集要項を発表し、受付は明日開始しようと考えています(注:募集要項の発表も翌日28日となりました)。申請方法ですが、郵送かメールで、申請書と添付書類を提出していただきます(注:メールでの受付は停止)。持参はご遠慮いただきたいと考えています。郵送の場合は、簡易書留やレターパックなど、郵便物の追跡ができる方法でお願いします。メールの場合は、記載のメールアドレスに、資料や写真をお送りください(注:メールでの受付は停止)。申請に必要な書類は記載のとおりです。事務手続きとしては、2週間から4週間程度を予定しています。協力していただいた事業者については、事業者名や代表者名、所在市町をホームページで公表したいと考えています。ただし、公表を望まれない方は公表しないこととします。お問い合わせは、専用の相談ダイヤルを設けており、既に体制も整えていますので、ご承知おきください。

 

 4番目は「ひょうご新型コロナウイルス対策支援基金の創設」です。

 新型コロナウイルスと闘う人たち応援プロジェクトという名前です。神戸市は既に、「こうべ医療者応援ファンド」を創設されていますので、神戸市以外の市町と県が共同し、幅広い層から寄付を募り、主として、感染者受入医療機関等で働いている方の勤務環境改善についての支援を行うため、基金を設けます。
 事業実施スキームは、公益財団法人兵庫県健康財団に、この対策支援基金を設けます。事業内容・目的は、感染症受入医療機関等への支援です。配分方法は、実施主体に配分委員会を設置し、公平に配布します。本日から寄附金受入を開始します。口座番号等は、表の一覧にあるとおりです。振込手数料は、無料で協力いただくので、ぜひご理解いただきたいと思います。
 2ページ目に設立趣意書を付けています。「医師や看護師などの医療従事者等の皆さんは、県民の命と生活を守るため、人手や物資が不足する中、日夜、疲労を抱えつつ感染の不安と闘いながら、命がけで医療の現場で奮闘しておられます。」という認識のもと、「我々ができることは外出自粛の徹底」ですが、この「過酷な状況で働いていただいている医療従事者等の皆さんへの感謝も忘れてはなりません。」この上で、「勤務環境の改善など医療従事者等への支援を行うため、県・市町が協働して『ひょうご新型コロナウイルス対策支援基金~新型コロナウイルスと闘う人たち応援プロジェクト~』を創設します。」
 神戸市内の医療従事者等への支援は、神戸市が実施する「こうべ医療者応援ファンド」への参画をぜひお願いします。

 

 5番目は「ポストコロナ社会に向けて 兵庫からの挑戦」です。

 県民の皆様に様々なアイデアの提言をいただきますので、お知らせします。阪神・淡路大震災から25年、本県は新しい地域づくりのステージを迎えていますが、新型コロナウイルスが世界的に流行し、未だ収束の兆しが見えません。こういう未曾有の事態は、私たちの社会に多くの課題を突きつけているという認識のもと、在宅勤務やテレワークなどが要請されていますが、働き方や暮らし方、過度な都市集中、産業構造や経済活動のあり方を見直さなければなりません。今はコロナ対策を最優先で継続していかなければなりませんが、その後、新しい社会を創造するため、一歩を踏み出す必要もあるという認識です。
 1つは、「コロナ対策の社会貢献事例とアイデアの提案募集」です。四角に囲ってありますように、例えば、シスメックスでは、国内初の新型コロナウイルス検査キットの開発に重点に力を入れています。理研では、次世代スパコン「富岳」による新型コロナウイルスの治療薬候補同定等の研究開発を行っています。高輝度光科学研究センターではSPring-8 のビームラインを利用した創薬開発支援を行っています。兵庫県立大学では、看護学研究科の学生によるコールセンター業務の応援をしています。ヴィッセル神戸では、外出制限されている子どもたちに向けた動画配信を行っています。企業や関係団体の取り組みを皆さんに、整理し、提供したいと考えています。
 2つには、「ポストコロナ社会の提案募集」です。四角で囲っているとおり、2003 年のSARS流行の際、中国ではネット取引が急増し、アリババ等のIT企業が台頭し、世界有数のデジタル先進国へ移行する転換期となった事例があります。
 ポストコロナ社会を考えたとき、大きな変化をどう捉え、再構築するかを今からしっかり検討していく必要があるという問題提起です。一つの問題提起としての、兵庫からの挑戦です。このような試みも進めていきます。

 

私からは以上です。

質疑応答

記者:

 患者数が、昨日、今日と比較的少なく出てきているということでしたが、今後の数に関しては、まだ警戒していかなければいけないというところですか。

 

知事:

 土日は、PCR検査の数が少ないこともあって、陽性者数が少なくなります。問題は、火曜日から、過去の週は急激に上昇する傾向が続くことが繰り返されていますので、今週も注目しておく必要があると考えています。もし、陽性者数が減っていく状況であるとすると県民のみなさまの外出自粛の効果が現れてきていると評価できるのではないでしょうか。ただし、今の段階では何ともいえない状況が続いているということだと思います。
 42件をピークにして、発症者数自体が、この2、3週を眺めてみますと、横ばいか減ってきていると受け取れない訳ではないかなと評価したいと思っています。確たる根拠があるわけではありませんが、そのように評価したいと思っています。

 

記者:

 パチンコ店への休業要請に関してですが、今日の午前中に休業していないことを現地で確認されたということでよろしいですか。

 

知事:

 そうです。一昨日の土曜日に、それぞれの事業所に直接、休業要請をお届けして、今日も確認した上で、3時までにそれぞれの6つの事業所に正式な要請を手交しました。

 

記者:

 これまで、第24条第9項に基づく休業要請を昨日まではされてきて、今回は第45条に基づく休業要請を改めて行ったということでよろしいでしょうか。

 

知事:

 はい。第45条第2項に基づく要請をしました。

 

記者:

 大型連休中の協力依頼についてですが、新たにどれぐらいの数が対象となりますでしょうか。

 

知事:

 粗い試算ですが、12,750と算定しています。100平米未満ですので、零細の方も多いので、すべて申請してこられるかどうかわかりませんが、実態調査に基づいた中小企業の数を網羅させていただいたつもりです。

 

記者:

 協力した事業者の公表もすると先ほどおっしゃっていましたが。

 

知事:

 対応に協力いただいた方々には、お名前を公表させていただこうと大阪府と同じ取扱いをしようと思っています。ただし、ご本人が公表を希望しないとおっしゃればしないことにします。


記者:

 大阪府と一緒にするということで公表することにしたのですか。

 

知事:

 そうです。兵庫県は公表しない、大阪府が公表する、というような取り扱いをすると、同じ地域として混乱を生じますので、整合性をとりました。

 

記者:

 パチンコ店のことですが、今日6店舗に要請を行って、その反応はどのようなものですか。これはホームページでも公表されたのですか。

 

知事:

 ホームページで公表しています。まだ要請したばかりですので、追って反応があるのかと思います。ただし、確信犯的な方々もいらっしゃるので、法律に基づく要請をしたからといって、「はいわかりました」となるケースは少ないかもしれません。ただし、従業員の方々も心配されており、電話相談も入ったりしています。地域や関係者の方々の心配も集まっていることを事業者の方も承知されているのではないかと思います。

 

記者:

 この次の段階でも再度要請を重ねていくのでしょうか。

 

知事:

 次の段階は指示となります。休業しなさいという命令なのですが、そこまでいくのかはしばらく様子をよくみてからにしたいと考えています。

 

記者:

 目処的なものはつけているのでしょうか。

 

知事:

 指示の目処はつけていません。スケジュールで、するものかどうかも含めてよく検討したいと思っています。

 

記者:

 緊急事態宣言の解除についての判断の時期や、今後どうするべきか、ということについて知事のお考えはあるでしょうか。

 

知事:

 関西広域連合での国に対する要請の中で一つ、解除基準を明確にして欲しいということを要請しました。西村担当大臣も、5月6日以降の取り扱いについて専門家の意見を聞きながら、できるだけ連休終盤ではなくて、連休の始まり頃には、政府の考え方を示せないか努力をしてみたい、というようなことをおっしゃっています。我々も政府の考え方を十分忖度しながら、私たち自身の考えも整理していきたいと思っています。
 ただし、緊急事態宣言自身は、国が行うことでありますので、5月6日以降の宣言の取り扱いについては、国の動向を注視せざるを得ないと思っています。

 

記者:

 知事としては、連休の前ぐらいにそのあたりがわかると助かるということでしょうか。

 

知事:

 4月30日前後に専門家会議を行うと言われていたかと思いますので、4月30日や5月1日の段階で一定の判断が下せるようになるのではないかと思っています。
 連休が29日から始まりますから、連休前に県の対策本部会議を開いて、県としての連休に臨むにあたっての県民への呼びかけをきっちりさせていただければと思っています。

 

記者:

 学校の休業期間について、神戸市が神戸市教育委員会のほうに延長を要請されたということですが、県としてはどのように考えられているでしょうか。

 

知事:

 明日、県の対策本部会議をやりますので、学校の休業期間についても、一つ課題になると考えています。

 

記者:

 パチンコ店の件で、何点か確認も含めてお伺いします。まず土曜日に18店舗に休業要請を手渡しされていると思いますが、要するに、12店舗は休業に協力してくれたというふうに理解すればいいでしょうか。

 

知事:

 少なくとも今日の午前中は開いていなかったという状況で、確認をしてみると、休業に踏み切りましたという声が多かったと聞いています。

 

記者:

 なお6店舗は、営業が続いている状況ですが、それについての知事の所感をお伺いできればと思います。

 

知事:

 神戸市内が2店舗、豊岡市内が3店舗、佐用町内が1店舗です。神戸市内の2店舗は別として、それ以外の4店舗は患者が発生していない地域での営業活動です。そのような意味で営業を継続したいという欲求が強いのかもしれませんし、地域の要請もあるのかもしれません。
 パチンコの愛好家にとっては、我慢しがたいところがあるとお聞きしていますので、そうするとどうしても多くの人が集うという傾向が強くなります。そのため、ぜひ休業要請に協力して欲しいと言っているところです。
 その地域の人だけではなく、外から人が集まりやすいという状況を踏まえ、是非、連休の間は営業をやめて欲しいというのが我々の本意です。それを理解して欲しいということで、引き続き要請をしていきたいと思っています。

 

記者:

 第45条の指示について、大阪府でも指示を出すか出さないかを慎重に判断したいと言っています。指示を出すか出さないかというのも、兵庫県と大阪府で一定、足並みをそろえるべきだとお考えでしょうか。

 

知事:

 できれば一緒の方がいいと思います。一種の規制ですから、規制の水準に差が無いほうが望ましいということは言えるのではないかと思います。

 

記者:

 今後、定期的に営業状況を見ながら、大阪府とも連携をとりつつということでしょうか。

 

知事:

 そうですね。まずは実態の方の見極めが重要だと思っています。

 

記者:

 休業要請の追加の件について、先ほど約13,000施設と伺いましたが、予算規模としてはどれぐらいを見積もっているでしょうか。

 

知事:

 各市町3分の1負担の市町事業として対応されるということを前提にすると、約23億円ということになります。県の負担が3分の2で、約15億円と見込んでいます。

 

記者:

 これは市町に協力してもらうのが前提だと思うのですが。

 

知事:

 休業要請の対象にした施設ですので、期間の関係で割り落としはしますけれども、従来スキームでの協力を、市町に要請させていただこうと思っています。
 交付にあたっても、県の方が各市町の交付分も受託をして、まとめて交付ができるようにしたいと思っています。

 

記者:

 市町への要請は、これからということでしょうか。

 

知事:

 もう既に要請はさせていただいています。

 

記者:

 パチンコ店について、一昨日が18店舗で本日が6店舗ということです。名前を公表するということで、実際に減っているかと思いますが、その点、実際の効果はいかがお考えでしょうか。

 

知事:

 先程も触れましたように、名前が公表されたから休業した、というよりは地域や従業員の方々が不安に感じられて、店として主体的に判断された事業者が多いのではないかと感じています。
 12店舗の店が土曜日の段階で要請に応えていただいたということになるため、残りの6店舗の皆様についても先人に続いていただくように期待したいと思います。

 

記者:

 先ほど確信犯的という言葉もありました。名前を出すことによって、ここが開いているという情報にはなってしまうかと思います。ここに行ってしまうという懸念に対してはどのようにお考えでしょうか。

 

知事:

 公表制度の持っている裏表の関係です。人が集まる効果がないとは言いませんが、一方で要請対象になっていることを自覚していただくという効果もあるので、そこに期待をしたいと思います。

 

記者:

 休業要請による協力依頼施設の追加について、先週の会見でも、ホテルや旅館等の行楽を主目的とする宿泊施設ということでした。例えば温泉旅館や、ホテルを含むものであって、街中のビジネスホテルは含まないということでよろしいでしょうか。

 

知事:

 一般的にそう言えると思います。街中のビジネスホテルはどちらかというとビジネス目的であり行楽目的で作られているとは言えません。行楽の人も泊まっているかもしれませんが、主たるお客様の対象が行楽目的ではないと言えるのではないかと思います。

 

記者:

 そのあたりの線引きはあるのでしょうか。

 

知事:

 常識の範囲です。厳密な定義がある訳ではありません。

 

記者:

 これまでも宴会場等に限った休業要請をされていましたが、純粋な宿泊施設にも休業要請をするということで、全国的にはまだそこまでしているケースはないのではないかと思いますがいかがでしょうか。

 

知事:

 金曜日の専門家会議の結果を踏まえて、政府から各府県に通知が来ており、その通知に準拠すればこのような取り扱いになります。

 

記者:

 県が全国に先駆けてというわけではないのでしょうか。

 

知事:

 こういう形で大型連休対策として打ち出しているかどうかは存じませんが、協力依頼をしているところはあるのではないかと思います。兵庫県が早いことは早いのではないかと思います。一番最初かどうか、自信はありません。

 

記者:

 パチンコ店の店名公表について、施設名ということで公表されています。休業要請の主体という意味ではおそらく経営している法人相手ということになるかと思いますが、法人名の公表は考えられるのでしょうか。

 

知事:

 パチンコの営業店を閉めていただければいいので、営業店をクローズアップするのが本筋ではないかと思います。全国展開されている法人だとすると、休業要請を受けていないにも関わらず、全部が要請を受けていると誤解を生ずる恐れがあるため、県としては県内で営業されている店を対象に休業要請していくのが筋ではないかと思います。

 

記者:

 ホテル・旅館への休業の協力依頼ですが、線引きについては常識とおっしゃったのですが、それだと曖昧だと思います。自分たちのホテル・旅館が行楽目的なのかどうかを、自分で判断することになってしまいます。もう少し明確な線引きはないでしょうか。

 

知事:

 難しいところです。シティホテルと言われているところでも、シーズンによっては行楽目的になるかもしれません。ですから、連休期間中をお願いしていますので、連休期間中における当該ホテル・旅館の役割を、客層等から判断していただくことが筋だと思います。例えば、有馬温泉を考えてみると、有馬に行く主目的は行楽でしょうから、そういう形で判断するのではないでしょうか。

 

記者:

 ホテルが自分で判断するのでしょうか。

 

知事:

 難しいとは思います。大型連休中に、自分たちが原因として人を集めるようなことは避けよう、という判断の一環の中で、休業することもあり得ます。何も要請対象になっていなくても休むということもあり得ると思います。したがって、趣旨をしっかり申し述べて、我々はお願いしています。人が集まるような施設であるなら、特に、行楽目的であれば協力をお願いしています。

 

記者:

 なぜこういう質問をするかと言いますと、連休中はないかもしれませんが、例えば、旅館・ホテルでテレワークをするとか、医療従事者の方が宿泊する場合があると思います。

 

知事:

 それは行楽目的ではないです。現実にそういう方はたくさんいらっしゃって、利用されている宿泊施設がたくさんあります。そこはまさか泊まっておられる方が行楽目的だとは認識されないのではないでしょうか。

 

記者:

 そこは入らないということですか。

 

知事:

 当然入りません。

 

記者:

 パチンコ店について、そもそもお店の名前まで公表すべきなのかどうかということもあるかと思います。なぜ公表までしなければならないと判断されたのかを教えてください。

 

知事:

 それは法律の規定だからです。法の第45条第2項の規定を発動させようとすれば、要請であっても第4項で公表するようにと書いてあります。ガイドラインにも、法律に基づいて要請すれば公表するように記されていますので、それに従ったものです。
 私個人の考えからしますと、要請の段階でそこまでしなくてもいいのではないかという考え方もない訳ではありません。しかし、国の法律運用のガイドラインがそうなっていますので、それに準拠しているということです。

 

記者:

 休業要請をしている施設が、他にもたくさんあると思います。その中でパチンコ店だけ今回こういった措置をとられた点について、理由を説明してください。

 

知事:

 それは、しっかり理由を説明するまでもなく、例えば、和歌山県や奈良県のパチンコ店に県境を越えて大勢のお客さんがおいでになっているという現象も、既に出てきていました。それから、兵庫県内のパチンコ店でも、県境を越えて大勢の方々が開業の前に並んでおられるという実態がありました。パチンコ店は特に多く見られたわけですので、まずはパチンコ店に対してお願いしたということです。

 

記者:

 そこに集まってしまうとウイルスが広まる恐れがあるということではないのですか。

 

知事:

 そうです。密になるからこそ集まるのは止めましょうというお願いをしています。

 

記者:

 他にもそういった施設があると思うのですが、パチンコ店だけなのはなぜですか。

 

知事:

 県外からも大勢の方が集まるような現象を示している実情が、パチンコ店で見受けられるからと申し上げました。他にそういう現象が生じてくれば、その他の施設も対象になり得るということだと思います。ただし、今のところそういう話は聞いていません。

 

記者:

 発症者数、PCR検査数について、先ほど減少もしくは横ばいで推移とおっしゃいました。一方、補正予算でPCR検査数を増やす段取りをされています。学者の中には、もっと増やすべきだという立場の方もいらっしゃると思います。知事としては今の総数が十分と思っているでしょうか。また、目途があればどれぐらいまで増やすべきとお考えでしょうか。

 

知事:

 PCR検査の検査対象者数は、帰国者・接触者外来で診断された方で、医師がPCR検査をした方が望ましいという指示に基づき検査しています。帰国者・接触者外来に来られる人を拒んでいないので、現状はまだ対応ができているという状況だと思います。
 ドライブスルー方式等は、帰国者・接触者外来に代わるものです。PCR検査の対象物の採取を別の機関でしてもらう、というのがドライブスルー方式で行う話です。帰国者・接触者外来がしっかり機能していれば、そのような手段は副次的な手段に過ぎない、と位置づけられるのではないかと思います。
 まず、帰国者・接触者外来の機能アップを強化することが今の段階です。

 

記者:

 少し前の調査で、医師会か何かが、病院からの依頼に関しては、ほぼ9割方PCR検査をしているが、クリニック的なかかりつけの医師からは拒否されるという報道がありました。そういう点は、今、解消されているでしょうか。またどういう点が原因になっているのでしょうか。

 

知事:

 新型コロナウイルスは感染力が高いため、感染の疑いのある方にはクリニックに相談するのではなく、まずは電話で相談してくださいとお願いしています。その後、電話相談の指示に基づいて、帰国者・接触者外来を訪ねてくださいと申し上げています。
 クリニック自体からPCR検査に回るというルートは、基本的に考えられません。もしクリニックの方が、PCR検査の前段階の相談業務・診察業務に協力していただけるならば、協力していただくことは考えられます。
 例えば、加古川医療センターのテントでの診察などは、地元医師会のご協力を得て実施しています。クリニック自体からというのは、なかなか難しいです。感染リスクをできるだけ避けるやり方を行うべきだと思います。

 

記者:

 休業の支援金について、要件のところで休業の張り紙をすればよい、写真を撮っておくとよいというお話をされていました。チラシの裏に支援金の返還の項目がありますが、これはどのような対応をされるお考えでしょうか。

 

知事:

 補助金を交付するときは、こういう項目も必ず必要になります。

 

記者:

 何らかの通報などがあれば、調べるということでしょうか。

 

知事:

 あえて疑ってかかるのではなくて、要請があったら基本的には対応していく基本姿勢でいます。もともと不正を意図的に行おうというケースがないわけではありませんので、そういう場合には、今おっしゃったような通報なども含めて、活用させていただければと思っています。

 

記者:

 支援基金について、医療機関などの支援、勤務環境の改善とあるのですが、具体的にどのようなものが困っているということを把握していて、どのようなものに使っていきたいというものはあるでしょうか。

 

知事:

 これは色々あると思います。ある病院では金銭的な手当を出したい、ある病院では、それよりはもっと応援部隊を雇えるような環境整備に使いたいなどと聞いています。色々あろうと思いますので、かなり病院の主体的なご判断に委ねられるような対応ができるようにしたいと思っています。

 

記者:

 縛りをつけずに、それぞれの裁量に任せるということでしょうか。

 

知事:

 そうです。

 

記者:

 額は、まだはっきりしていないのでしょうか。

 

知事:

 そうです。まだ全然はっきりしていません。県と市町と一緒の基金にしていますので、ぜひ皆様のご協力を得たいと思っています。

 

記者:

 パチンコ店について、大阪府が公表に踏み切ったことで、混雑・行列を招いた店舗が出たようです。公表に踏み切ることで、実際にそういったことが生じる懸念はいかがでしょうか。

 

知事:

 あるでしょうね。公表すれば、この店は開いているということになりますので、その危険はあると思います。その危険も一つの負のリスクですが、もう一つは、やはり地域の方々や、利用者の皆さんの自覚を促すということも、この公表の効果であると思います。我々としては、それを期待しているということです。

 

記者:

 秤にかけるとどちらの方が大きいでしょうか。

 

知事:

 それは法律の規定に基づく要請になりますので、重みが違うということになるのではないかと思います。

 

記者:

 それを実際に公表に踏み切る時点において、「3密」の回避のようなことも併せて呼びかけたり、対策を講じるようなアイデアはあるでしょうか。

 

知事:

 パチンコ店ですので、なかなか難しいです。私が確認した訳ではありませんが、以前よりもお客さんが増えて、近所の方々から音がうるさいと言われて、窓を閉めて、さらに密閉度を高めてしまったということがあります。密閉がより強くなっています。また、密集していますし、会話の距離も近いかもしれませんから、3つの密の集合体ということは言えるのかもしれません。
 やはり、そのような事態はできるだけ避けて欲しいというのが、私たちから、営業を行っている人たちに対する強い要請です。

 

記者:

 現実的には呼びかけても、県内で6店舗が営業を継続されています。先ほど確信犯という言葉もありましたが、休業を決めている店舗の方が多いということを考えれば、実効性がある部分はあるかもしれません。引き続き、どのようなことを呼びかけていくのでしょうか。

 

知事:

 呼びかけていくしかありません。県内にはパチンコ店が390店舗ほどありましたが、それが現時点で営業している店舗は6店舗ということです。遊技業協同組合にはずいぶん協力いただいて、ここまで営業自粛に取り組んでいただけたといこと自体は、評価に値するのではないかと思っています。

 

記者:

 基金について、これは市町や県である程度寄付を募るだけではなくて、積み増しはあるのでしょうか。

 

知事:

 集まり具合によってです。

 

記者:

 やってみないとわからない部分がありますが、基金全体のボリュームはどれぐらい集まったらよいというのはあるでしょうか。

 

知事:

 県と市町が一緒なので、できれば1億円というのが我々の希望です。

 

記者:

 パチンコ店について、大阪府は一度公表して、追加ということもありました。兵庫県も他の店舗で営業が確認されたら、追加公表なども考えているのでしょうか。

 

知事:

 兵庫県の場合は、パチンコ店全部を網羅したと思っています。その中で、今日現在6店舗だったという認識です。ただし、おっしゃいますように、漏れがあるようでしたら、もちろん直ちに法律に基づく要請をするということになると思います。

 

記者:

 行楽を伴う宿泊施設について、これは国の専門家会議の見解を受けての措置ということでしょうか。

 

知事:

 そうです。専門家会議の見解を受けて、内閣府の感染症対策室長からの指示です。営業継続の範囲内に入っていないということを踏まえて取り扱ってくださいという指示がありました。

 

記者:

 大阪府と合わせたり、今後、関西広域連合でも同様の取り組みをやっていくなどの予定はありますか。

 

知事:

 関西広域連合としては、そういった指示があったという連絡は既にしていますので、それに基づいて各府県が考えられる事柄だと思っています。

 

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