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知事:
(資料に沿って説明)
記者:
今回、引き続き兵庫県が緊急事態宣言の対象区域とされたことについて、改めて、知事の評価と受け止めを教えてください。
知事:
県民の皆様へのメッセージにも書いてあるように、(新規感染者数が)1週間移動平均で5人以下と減少しています。継続とされたのは、大阪府と兵庫県は交流圏域であり、人の往来の多いところですので、国としては、大阪府・兵庫県を一体として評価せざるを得なかった結果ではないかと思います。
もともと、指定の際もそのような配慮がなされてきていました。その際、兵庫県単独であれば指定要件として挙げられている数値には達していなかったのではないかと思います。大阪府との関わりで、一体評価を受けていますので、今回もそのような一体評価を受けるのは、やむを得ません。県民の皆様には、ぜひそのような状況を理解していただいて、ご協力をお願いしたいと思います。
記者:
1週間後の21日には、また宣言区域について見直すという方向性もあるようですが、それについて知事はどのようにお考えですか。
知事:
21日にダイレクトに見直せるかどうかについては、(そもそもの)タイミングとして21日で良いのだろうかと。前から述べていますが、5月7日からプラス14日が21日ですので、21日から(さらに)2、3日見た方が良いのではないかと思います。
ともあれ、それぐらいの時期にもう一度評価をするというのは適切な見直し時期となるのではないでしょうか。その時にも、数値が一定の低水準で動いているとすれば、兵庫県が対象地域から外れるということもあり得るのではないかと思います。
ただし、今回の国の見直しで、8都道府県は従来通り引き続きの対応、その他は対象外という形が、どのように都道府県民に受け取られるのかということを、懸念しておく必要があると思います。制度的な適用としては、我々の地域以外の地域は解除されたかも知れませんが、新型コロナ感染症対策に気を抜いてよいとか、しなくてよいということではないことを強調したいと思います。
だからこそ、政府も、専門家会議も「新しい生活スタイルをぜひ確立するように、国民の皆さん、理解してください」と言っている理由もそういうところにあります。私からも、ぜひご理解をいただきたい、とお願いしたいと思います。
記者:
今回発表になった休業要請等の見直し基準ですが、項目としては2項目となっています。数字的な知事の受け止めとして、かなり厳しい基準を設けたというご認識でしょうか。
また、当初からおっしゃっているのは、基準で機械的に判断するのではなく、総合的な判断も必要だという話をされていましたが、そのあたりのお話をお聞かせください。
知事:
見直し基準や、再要請基準というのは一つの典型的な事例を測るものさしです。これを満たしたから自動的に解除されるとか、あるいは再要請基準に従って、自動的に県民の皆様に休業等を含めて、行動の自粛をさらに強化するとか、ということではありません。
「注2」にも書いていますが、医療体制などいろいろな事情、近隣府県の状況なども勘案しながら考えなければならないと思います。このように、総合判断であるということを前提にした上で、基準設定をしました。
ただし、何もメルクマールがなければ、知事が勝手に判断したのかと誤解を受けてもいけませんので、このような意味で、メルクマールをしっかりと公表させていただき、運用したいと考えています。
記者:
数字的には、厳しいという認識ですか。
知事:
かなり厳しいと思っています。国では、「1週間の新規感染者数が10万人当たり0.5人を下回る」という基準になっているのではないかと思います。
それから、重症病床数については、「率で」ということも考えられますが、重症病床を増やそうとすると、2週間程度の対応期間、リードタイムが必要です。そのリードタイムを確保するために、どれぐらい空床があればよいのかということから逆算して、40床以上と決めさせていただきました。
2つの基準は、共にかなりシビアな運用が必要になってくる基準ではないかと思っています。
記者:
最終的には、明日の対策本部会議で、直近の1週間の状況を見て決められていくというお話でした。直近の現状を見ていると、ほぼクリアしているという印象を受けます。
知事は、休業施設の見直し等をすると話されていますが、その方向性は間違いなさそうだとの認識でよろしいですか。
知事:
そうです。今日の愛媛県のような集団感染が発生しない限りは、まずクリアできると思っています。今のところ、そのような情報は入っていません。PCR検査にもそのような動きはありませんので、明日の段階では、十分クリアできるのではないかと思っています。
記者:
明日の話になるかとは思うのですが、休業要請の段階的な解除に向けて、大阪府と調整されているという話があります。
今夜にでも、大阪府は、基準をクリアしていれば、解除の判断をされて、対象施設等が発表されるかと思います。
兵庫県と歩調を合わせると言いながらも、一部で、対象施設の範囲が異なるようなケースはあり得るのでしょうか。
知事:
完全に一致することはないのではないか、と思います。
大阪府がどのようにされるのか聞いていませんが、一部、県立の社会教育施設等については、基本的に、5月いっぱいは閉めようと。特に室内施設です。
例えば、美術館ですが、屋外を回るとか、通り抜けはよいにしても、美術館内での企画展等は5月いっぱいはやらない、ということにしようと思っています。その点では、大阪府がどのようにされるのか明確に聞いていません。もしかすると、そこはずれるかも知れません。大きな差はそれくらいではないかと思います。
いずれにしても、県境を越えて人の動きを誘発するような施設においては、差が出てくることはないと考えています。
記者:
飲食店等の営業時間短縮を後ろに延ばすことはどうお考えでしょうか。
知事:
もしも大阪府と差があった場合に、一番の問題となる部分です。大阪府が22時で、兵庫県が仮に21時までとなると、大阪府へ行こうとする人が増える可能性があります。「兵庫県も大阪府も一緒なので、兵庫県にとどまり、県境を越えないで飲食等してください」というメッセージを出していく必要があると考えています。
記者:
大阪府は、休業要請の解除を判断した場合、その効力が発生するのは、16日午前0時以降と発表されていますが、そこも合わせるのでしょうか。
知事:
範囲も、スタートも合わせた方がよいのです。人々の行動を誘引するような制度の差が生じないようにすることが一番の基本です。仕組みの差が、人々の行動に影響を与えるのを避ける、ということを基本に取組みます。
記者:
大阪府は、本日夜に対策本部会議を開き、判断するという段階です。
兵庫県も時期を同じくして判断することが出来たのかも知れませんが、明日の午前中とされた理由は何でしょうか。
知事:
大阪府の決定の内容をしっかりと見極めるためです。基本的なところですが、しっかりと同一性が担保されているのかどうかを確認します。
記者:
今の部分から、まだ調整が進んでいるのでしょうか。
知事:
調整は進んでいますが、最終的な対策本部会議を踏まえた方が確実だということで、このような対応にしています。
記者:
本日、大阪府が休業要請対象外の事業者に対して、府独自で、家賃等の負担軽減をするために、最大100万円を支給されます。兵庫県も同様にされるのでしょうか。
知事:
どういう意図でその事業を予算化しようとされているのか、十分理解できていませんので、それを踏まえてから考えます。私の直感では、大阪府と同じような行動は、取れないのではないかと思いますが、これから、慎重に俎上に上げ検討します。
このことは、先ほど申し上げた、タイミングや要請の範囲を同一にしなければならない、ということとは別の問題だと思います。
記者:
再要請基準について、「10人以上」というのは1週間の移動平均でしょうか。
知事:
はい、そうです。移動平均ですので、1週間の状況が10人以上になることを再要請基準の大きなメルクマールとします。
(併せて)大阪府の状況や、PCR検査の数も勘案する必要があります。陽性「率」で判断することは少し疑問に思いますが、検査数が増えるということは、一定の基準で専門の医師が「PCR検査に回した方がよい」と判断した数が増えていることになります。つまり、可能性のある人が増えていることになります。PCR検査数は、一つの大きなメルクマールになると思います。そのため、補完要素として「注2」に書いています。
記者:
これまでに知事は、「基準を定めると、その基準に縛られる恐れがある」というお話をされていました。10人以上という数字を満たさなくても、PCR検査数により再要請する可能性もあるのでしょうか。
知事:
それはありません。10人以上ということを最低満たさないと、再要請にはつながりません。(現時点では)何とも言えませんが、例えば、「大阪府の感染者数が急上昇し、その余波が兵庫県にも及ぶ可能性がある」という評価が見受けられた場合、どう対応するのかは総合的に判断します。大阪府からすると、兵庫県がそういう状況になった場合にも当てはまる、と言われる可能性はあります。
記者:
大阪府と(規制の)程度を合わせなければ、人の移動が生じるというお考えです。
再開にあたって、大阪府に合わせるということだけではなく、「これまで企業や事業者の方が辛抱してこられたので、早く何とかしたい」という思いはあるのでしょうか。
知事:
それは、国としての緊急事態宣言が解消されてからの話になります。
今はこのような現状を踏まえた上で、一定の見直し措置をしようとしています。経済的な問題を解決するために再開を行うということとは、少し程遠いのではないかと思います。
また、県民の方には外出抑制をお願いしていますので、全体的な見直しではありません。だからこそ、逆に、県民の皆様へ(メッセージとして)、3つの自粛を強く要請させていただきました。
記者:
宣言が継続される中で、再び感染が拡大するのではないか、という懸念も強くお持ちだと思います。そのような中で休業要請の一部施設の見直しをされる理由を改めて教えてください。
知事:
感染者数が減っており、それが一定期間継続しているからです。
記者:
その(見直しの)対象施設については、感染のリスクが低いものということで振り分けるのでしょうか。
知事:
対象施設の中でも、クラスターの感染源になったようなライブハウス、バー、キャバレーなど、深夜にわたる接待を伴う飲食店などは、厳しく、これからも休業要請を続けさせていただきたいと思います。
「従来から感染源とされてきたような所は、今後も休業を厳格に続けて下さい」というお願いをしながら、今まであまり感染源にはなっていないような施設については、見直しを図るということにしたいと考えています。
記者:
大阪府、京都府との休業要請の解除の範囲について協議をしている中で、兵庫県側から、「どうしてもここはこうしたほうがよい」というような部分で反映されていることはありますか。
知事:
あまり差はありませんが、飲食店を午後10時閉店にするのか9時閉店にするのかというのは、少し議論があるところです。大阪府は10時閉店とおっしゃっています。それに合わせなければ、その差が人の行き来を助長してしまいますので、きっちりと合わせようということにしました。
記者:
そこは、特にこちら側が押し切られたという感じではないということですか。
知事:
兵庫県としても、例えばクラスターの原因になっているような施設は解除できません。基本的な考え方は一緒です。国の専門家会議も5月4日の延長を決める際に、施設についてランクを付けました。それに基づいて検討していますので、大きな差はそもそも出てきにくいのです。
ただし、図書館、美術館、博物館の取り扱いについては、例えば、来場者に対して、体温を測る機器がなかなか手配できません。オープンしようとすれば、機器の整備などの準備をきちんと整える必要があります。そのような事情もあって、兵庫県の場合は慎重に判断させていただこうと思っています。
記者:
知事は、連休明けの動きや状況について、少し緩んだムードを警戒しているとおっしゃっており、今もそういうお考えだと思います。基本的に、今回、一部緩和されたとしても、継続する部分については、どのくらいの危機感を持って、見ていらっしゃいますか。
知事:
クラスターの原因になったような施設には、休業し続けていただく必要があると思います。4月上旬に多くの感染者が発生しましたが、その原因は3月の3連休後の10日間ほどにおける、飲食を伴う人の動きが要因に考えられます。その点はしっかりと押さえておく必要があるのではないかと。そのため、クラスターの要因になった施設については、休業の協力を要請していきたいと思います。
記者:
県域が広い中で、但馬や西播磨といった地域の扱いについて、基準は変えられないにしても、学校の登校日を増やすなどの対応は、明日、検討する内容とされているのでしょうか。
知事:
考えられます。但馬の皆様からすると、一定の、一律の枠にはめられるのは仕方がないにしても、もう少し実情も考慮してほしい、という思いもあるかと。そのあたりをできるだけ配慮していくことも、兵庫県の一つの特性ではないかと思います。
記者:
学校も含めてでしょうか。
知事:
学校も含めてです。
記者:
週間平均の陽性者数について、その最後の日が5人以下や、10人以上となった時は、その次の日から反映される可能性がある指標だ、と考えてよいのでしょうか。
知事:
1週間の平均値であり、1週間ずっとこの状況が続いていることを表していますが、機械的に当てはめるものではないため、直ちに取組むかは分かりません。いわば、候補者になったということです。
記者:
引き続き休業要請する施設として、ライブハウス等が挙げられましたが、生活必需品以外のショッピングセンターや百貨店等の解除も検討されているのでしょうか。
知事:
解除の対象になっています。大阪府と同じにせずに、兵庫県が解除しなかった場合、大阪府に人が流れてしまいます。休業要請の差で人の動きにインセンティブを与えてしまうことは、避けたいと考えています。
記者:
学校の登校について。今まで登校日を設定していなかったとありましたが、5月末まで休みにするのではなく、神戸地域も含めて地域別に検討されていくのでしょうか。
知事:
これだけ発症者数が減っていますので、そういう中にあって、子ども達のために、今までと同じように登校日のない状況を本当に続けてよいのか、という強い要請もあります。発症者数が減っている事態を踏まえて、検討したいと考えています。
記者:
兵庫県全域で、可能性があるのでしょうか。
知事:
全域です。大阪府もそういう方向で、取り扱いを検討されていると聞いています。
記者:
緩和措置を一番早く始める時期として、大阪府と一緒になる可能性もあるのでしょうか。
知事:
はい。16日が、その一番最初になるかと思います。
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