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1番目は「新型コロナウイルス感染症の現状と対応」です。
本日で、31日間連続新規発症者数ゼロという状況が続いています。1カ月間新たな感染者が発生していません。入院患者数は3名になりました。
兵庫県は、1日あたりの1週間移動平均が5人以下という休業要請の解除基準を定め、運用してきましたが、それは0の状況が続いている状況です。
「2感染経路別等の患者数」をご覧ください。家族153名、職場111名、クラスターなどを記載しています。家族、職場から感染したことにはなりますが、これが(おおもとの)原因ではなく、原因は別の所にあります。
今の段階で、19日以降の取扱いをどうするのかを検討しています。18日に対策本部会議を開き、19日以降の取扱いを決定する予定です。あらかじめアナウンスするとともに、検討中であることについて申し上げます。
焦点としましては、首都圏、北海道、人口密集地との不要不急の移動の自粛をお願いしていますが、これをどのように取り扱うのかが1つのポイントになります。もう1つは、イベントの規模についてです。現在、屋内100人、屋外200人としていますが、国は、19日以降は、屋内、屋外ともに1000人を基準にする考えを示しています。屋内と屋外がなぜ同じ人数なのかは分かりませんが、そのあたりを含め、兵庫県として検討していく必要があります。このあたりが1つのポイントになると思います。
東京都の発症者数が2日間連続40人を超えているので、東京都との往来をどのようにするのかも1つのポイントになる、と思います。
2番目は「但馬水産事務所新庁舎の完成及び開所式」です。
6月25日(木曜日)に開所式を行います。業務開始日は7月6日(月曜日)です。無線局は8月末までに移転完了予定です。沖合漁業の休漁期間に行う兵庫県香住漁業無線局移転完了後、旧庁舎の解体工事を行います。
新庁舎は写真の通りです。ご参照ください。
但馬地域における水産関係機関の拠点としての機能を果たすとともに、試験研究機関と隣接することで来庁者の利便性向上と関連業務に直ちに対応できることに期待しています。
3番目は「兵庫県版レッドデータブック2020(植物・植物群落)の改訂」です。
下線が引いてありますように、植物・植物群落については、前回2010年版から10年ぶり、3度目の改訂となります。次回は、2023年(令和5年)に、昆虫類及び鳥類の改訂を予定しています。改定内容は、今回と前回を比較していただくとすぐお分かりになるかと思いますが、表をご覧ください。
「絶滅」が23種から34種に増え、従来のAランクを「野生絶滅」と「Aランク」とに分けていますが、合わせて395種、従前は306種でしたので、全体として、絶滅の危機や存続基盤の脆弱さがより高まる傾向になっています。
2ページ以降、各分類群ごとに、維管束植物、蘚苔類、藻類、菌類、植物群落という形で整理していますが、いずれも絶滅ランクが上がっています。
植物群落でも傾向は同じですが、選定に際し、人の手が加わった二次的自然(草原等)についても自然植生と同様に評価したところ、千種川河川敷のカワラヨモギ-ハマウツボ群落をAランク、上山高原のススキ群落をBランクとしました。上山高原のススキ群落は、一度、ススキがほとんど出てこない状況になり、危険でしたが、Bランクに位置づけられるまで回復した、と評価できると思います。
4ページにありますように、種名リストや写真、分布域等をホームページ(「ひょうごの環境」https://www.kankyo.pref.hyogo.lg.jp/jp/)に掲載します。また、冊子として「兵庫県版レッドデータブック2020(植物・植物群落)」を発行、販売します(8月頃を予定)。是非ご覧ください。
参考にそれぞれの貴重な植物・植物群落の紹介をしていますので、ご覧ください。
4番目は「県立歴史博物館 特別展『驚異と怪異』の開催」です。
人魚、竜、怪鳥、一角獣など、さまざまな世界の想像上の生き物について紹介するとともに、警告・凶兆(モンストルム)を語源とする怪物(モンスター)の文化史的な意味について考える、というテーマです。
新型コロナウイルス感染症対策のため、混雑緩和のための入場制限、サーモグラフィの活用による体温測定、鑑賞時の社会的距離の確保、マスクの着用など、それぞれの施設におけるガイドラインを守っていただきながら、鑑賞していただくことになります。どうぞよろしくお願いいたします。
私からは以上です。
記者:
新型コロナに関連して、国内でも東京都や北九州、北海道など、まだ新規感染者がでている地域もあります。兵庫県ではこの1カ月ゼロが続いていることについて、知事の見解、受けとめをお伺いします。
知事:
31日間、新規発症者ゼロというのは、5月17日からゼロということです。4月7日に緊急事態宣言が発令され、16日に全国に発令が及び、全国的な取り組みを4月中下旬に進められていたわけです。そのことが結果として、5月初めぐらいから、発症原因になるような人的接触が行われていない、ということを示してきているわけです。そのように考えますと、県民の皆様や事業者の皆さんの協力が、大きく寄与していただいている、ということがいえるのではないか、と思っています。
発症者数の山を見ましても、1つの山は3月の中旬ですし、もう1つの山は4月10、11、12日あたりです。それぞれ、山になっている原因を想定しますと、1つ目の山は、2月末前後の海外、特に春節祭の後の海外からの移動、ということが考えられるのではないか。4月中旬の山は、3月下旬の、年度末の送別会や報告会、あるいは学生の卒業旅行やコンパなどが大きな要因になって、4月中旬のピークを迎えた、ということだと思います。そういう行為が自粛されたことに伴って、今のようなゼロという経過をたどっているのではないか、と思います。
そういう意味でも、県民の皆さんや事業者の皆さんの協力に敬意と感謝を申し上げたい、と思っています。
記者:
大阪府は専門家会議などで、兵庫県と変わらないような、知事が今、分析されたようなことと同じようなことを、専門家の方々が分析されているようです。その中で、例えば、緊急事態宣言、外出抑制、休業要請などが、今回、意味をなさなかったのではないか、そういう厳しい意見も出ているようですが、知事としては、どのように受けとめていらっしゃいますか。
知事:
どこまで寄与したかという、寄与度合までは、はっきり申し上げることはできません。
しかし、ピークをもたらしたのが3月末から4月初めぐらいの行為だとすると、それ以降ピークを減少させて、ゼロを続けられているのは、4月7日の宣言、あるいは4月15日以降の休業要請などの人々の協力というところにあるはずです。
したがって、効果はなかった、と評価をするのは、寄与度合としてはどうなのかということは別として、効果がなかった、ということには当たらないのではないか、と思います。
記者:
冒頭の発言で、ほとんどの検討課題については、知事から説明がありました。19日以降の対応を18日の本部会議で決められるとのことです。
そこで、2点お伺いします。1点目は、知事がおっしゃっていた国の考え方、基準がどうなのか、という点について、県としては、国よりも踏み込んだイベントの緩和になっていくのか、ということ。2点目は、感染者が急増している東京都については、このまま不要不急の移動の自粛というお願いは続けていくのか、ということについて、もう一度お考えを伺います。
知事:
本部会議で決める事柄ではありますが、東京都の動向は注視していく必要があるのではないか。東京都へ、不要不急以外の用務では行かれるとしても、慎重な行動を要請しなければならないのかも知れません。
不要不急の枠を外すと、交流が増えることに伴って、東京に出かけて持ち帰る、東京の方々が持ち込むということで、感染の可能性、蓋然性が、今よりは高まります。そのあたりをどう評価するのかがポイントだ、と思っています。
また、イベントの規模については、19日からプロ野球も無観客で始まりますが、あまり根拠があるとは思えない緩和基準です。つまり、100人が1000人になって、その次が5000人になって、その後は芋づる式、とこのような基準ですから、あまり根拠があるとは思えません。それなりに考えておく必要がある、と思います。
また、屋内と屋外では状況が全く異なるにも関わらず、対象とする人数も同じだというのは、説明がつきにくいのではないか。このあたりも含めて、県としてどうするのか、検討すればよいのか、と思います。
記者:
東京都でも、ホストクラブや「夜の街」がクラスターになっているということがあり、国も19日を迎えるにあたって、感染防止の指針を出していく、とのことです。県として、国が示す指針の取扱いを、どうしていこうとお考えでしょうか。
知事:
今はもう、宣言も発令されてない状況下です。「営業を控えてください」というようなことは、こちらからなかなかお願いする環境にはないのではないか。そうしますと、お願いするとすれば、「感染症防止のガイドラインをしっかりと守って営業していってください」ということをお願いしていく。それが一番の筋道ではないか、と思っています。19日以降の対応としては、ガイドラインの遵守を1つの大きなポイントとして掲げていくことになります。
各業界・分野ごとに、それぞれガイドラインを定めていただいています。それらをしっかりと守りながら、新しい生活様式との調和を図っていただき、事業活動を展開していただく。このことを呼びかけていくということが大切ではないか。その点を、県の対処方針の中で明確に打ち出していくことは考えられる、と思っています。
記者:
その際に、国が示している感染防止の指針を参考にしていくのでしょうか。
知事:
どこまで取り入れるか、ということは、各お店で判断していただかなければならないところがあります。例えば、発熱の有無を測る。「密」になる場合には人数制限をする。店内でもできる限りソーシャルディスタンスとして距離をとる。店の衛生管理をしっかりとする。換気に留意する。このような点は、共通事項として遵守していただかなければいけない項目でしょうから、その部分をしっかりと守ってください、ということを要請していくことになります。
記者:
現在、県内でも関西圏でも、コロナの状況が落ち着いて、従前から言われているように、今、第2波対策の大事な時期だと思います。県議会等でも質問がありましたが、関西広域連合を含めた関西圏の広域連携について、うまくいった部分もあるかと思いますが、逆に、課題として残ったものもあったかと思います。
例えば、本当に徳島県に医療部局を集中させてもよいのか、これについては、大阪府などでもマンパワーの確保のために分散させた方がよい、という考えもあります。このように見えてきた課題と、その課題をどのように改善していくのか、知事が感じたところがあれば、教えてください。
知事:
医療体制や検査体制については、それぞれの府県によって流儀があります。その流儀について、関西広域連合が一律にこうしよう、というようなやり方をとれるほど、広域連合が権限を持っているわけではありません。
そこは、それぞれの地域のスタイルを尊重しながら、例えば、医療資機材の融通や、いざという時のレスキューの派遣、施設の共用などにおいて、お互いに協力し合い、関西広域連合がその調整を行う、ということが一番の基本となる役割ではないか、と思います。
もう一つは、各府県が、この第1波の際にどのような対応を、それぞれ創意工夫してやられたのか、という実例を整理して、情報共有することがあります。そして、参考になることは取り入れていただくということも、非常に重要な広域連合の機能だ、と思っています。
前回、5月28日に関西広域連合を開催した際に、資料を整理して、情報共有しました。基本的には、府県単位で対応せざるを得ないのですが、今、申したとおり、2つの点については、広域連合でしっかりと役割を果たしていけるようにしていきたい、と考えています。
記者:
昨日、兵庫県高野連が独自に、いわゆる夏の県大会の開催要項案を公表しました。ベスト8の5回戦まで行うことや、原則無観客で試合を行うことなどを定めましたが、知事のお考え、ご意見を聞かせてください。
知事:
兵庫県の場合、チーム数が多いのです。チーム数の少ない県ですと、4回試合をすれば優勝戦に至るのですが、兵庫県の場合、7回戦か8回戦くらいやらないと優勝戦に至りません。したがって、窮屈な日程になります。また、高野連はかなり努力をされて、試合会場を確保されて、試合を積み上げようとした結果の中で、打ち出されてきた方針です。16チームまでの選抜になるのか、8チームまでの選抜になるのか、と予測されているようですが、それ以上はなかなか物理的に難しい状況だ、とおっしゃっています。
夏の甲子園はありませんし、練習は十分ではないのかも知れませんが、夏の高校野球の県大会に参加する、という貴重な体験を積んでいただく、という意味で、意義があると思います。将来に対する大きな礎となってくれるのではないか、と期待をしています。
記者:
関西電力について、金品受領問題があり、昨日、旧経営陣提訴の発表がありました。6月25日に株主総会があります。株主として、これまでも「質問書」を出されたりしてきたかと思いますが、今回、何か対応を考えていることがあれば、教えてください。
知事:
兵庫県も、大阪市ほど大株主ではありませんが、200万株強を持っていますので、一般的に言うと、個人株主よりは相当大きな株主であることには間違いありません。株主総会には、質問項目を5つ程度出そうか、と思っています。
1つは、やはり不祥事についてです。今回、会社として損害賠償請求をされるということですが、やはり不祥事を生むような体質を改善するための、基本的な対応はどうか、ということは、まずお聞きしなければなりません。
それから、原子力発電所がこの2、3カ月のうちに、止めざるを得なくなるはずですので、原子力発電所が止まった後の、会社としての基本姿勢をどうするつもりなのか、すぐに料金に跳ね返させるのか、させないのかについて、私どもからすると、「させないのでしょうね」という意味で、基本姿勢を尋ねていくことが必要だ、と思っています。
また、今後のエネルギーについて、地球温暖化との関係で、電力会社としての、エネルギーミックスなどに対する基本姿勢を、あり方というのを、お尋ねする、ということも1つになるのではないか、このように思っています。
記者:
これまで、「株主提案」ではなくて、毎回、「質問書」という形で出されています。そのあたりの理由を、改めて教えていただけたら、と思います。
知事:
提案するためには、提案するだけの情報と内容を十分に、吟味していかなければなりません。今までの状況からすると、まずは質問をして、会社側の基本姿勢や考え方を質した上で提案をし、不十分であれば再質問をするなど、そういう積み重ねが重要ではないか、と思っています。
今回も、会社側の基本姿勢を質していく、ということに、我々の質問の基盤を置きたい、と思っているということです。
記者:
なお、出席はされないということでしょうか。
知事:
出席はしません。
記者:
大阪府の吉村知事が、コロナで低迷している飲食店や宿泊施設を支援するために、「『大阪の人・関西の人いらっしゃい!』キャンペーン」を始める、との話があります。これについて、知事の受けとめは、いかがでしょうか。
知事:
国の方針が、18日までは、県内キャンペーンにとどめる、ということと、19日以降は、海外はともかく、国内の人達の来県などについても、キャンペーン等の事業を展開しても許されることになります。
私たちは、「Welcome to Hyogoキャンペーン」と言っています。兵庫においでくださるのを歓迎するキャンペーンです。「Welcome to Hyogoキャンペーン」を、しっかりと展開していこう、と考えています。
記者:
先日、知事が会見に出られなかったため、副知事に、ご説明いただきましたが、コロナ追跡システムを、大阪府と同じ方式のものと、滋賀県や神奈川県が取り入れているLINEのシステムを使ったものの2種類を、兵庫県は取り入れるとお伺いしました。
今回の予算にも計上され、恐らく明日可決されるかと思いますが、実際、いつぐらいの稼働になりそうでしょうか。また、知事の方から改めて、2種類を導入する理由、どういう考えのもとで2種類にしたのか、ということを教えていただけますでしょうか。
知事:
大阪府のシステムは、我々から見ると、そのままでは使いづらいところがあるため、会社の方と相談を加えて、改良型を活用しようということにしています。LINEの方はまだよいですが、もう一つの方式の方が、そういう改良型にしていく必要が強くある、ということになろうかと思っています。
やり方としては、クラスターまたはクラスターに準ずるような発生源が生じれば、その認定を県がして、情報の拡散やメールを通じた連絡をしていくというシステムにしたい、と思っています。
時期については、できるだけ早くしたい。しかし、今のような改良も進めるため、できれば7月から始められれば、と考えています。
記者:
2つの方式とも両方同時にスタート、という理解でよろしいでしょうか。
知事:
両方とも同じように開始したい、と考えています。どちらを採用するのかということは、利用される方が選択していただいたらよいのではないか、と思います。1つでもよいですし、2つでもよいのです。どちらかにしなければならない、と我々が決めつけてしまうのはいかがだろうか、と思いますので、それはそれぞれで選択していただいて、活用していただくことが望ましいのではないか、と思います。
記者:
この2種類あるということの利点は、どういうところにあるのでしょうか。
知事:
本当はスマホを使わない人がいるため、2種類ではなくて、3種類必要なのです。スマホを使わない人については、連絡先を投函してもらわなければなりません。
しかし、常連さんを相手にしているようなお店だとすると、あまり要らないのかも知れません。つまり、できるだけ徹底していきたい、という意味です。
また、催しなどのことを考えると、LINE型の方が扱いやすいという利点がある、との説明を受けています。
つまり、どちらかに絞らない方が、今後の運用にとっても望ましい、と考えています。5月28日の広域連合で、大阪府からも滋賀県からも、どうぞ活用してください、というお申し出をいただいています。我々としては、それを活用させていただきながら、改良を加えていこうとしています。
記者:
広域連合としても、やはり、2種類なのか、どちらか1種類なのかは分からないのですが、広域連合全体で、取り入れていこうというような動きは、その後、加速しているのでしょうか。
知事:
現在の他の府県の検討状況を承知していませんが、呼びかけには、かなり皆さん関心を持たれていましたので、反応されているところが多いのではないか、と思います。
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