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知事:
1番目は「新型コロナウイルス感染症の現状と対応」です。
既に発表のとおり、陽性者数0人が5月17日から6月18日まで33日間続いていましたが、19日に1名、21日に2名発生がありました。いずれも感染経路が把握できているので、濃厚接触者を絞り込み、直ちにPCR検査等を実施し、万全の体制を取ります。いずれも、兵庫県内で発症したというより、隣の県からの飛び火ということになるか、と思います。
2番目は「県民の信頼確保と厳正な規律の保持」です。
以前はこの時期に綱紀粛正通知を出していましたが、ここ数年は、4月に、年度を通じた綱紀粛正通知を出すのが通例です。今年は、コロナウイルスの影響もあり、今の時期になりました。
1ページにありますように、(1)新型コロナウイルス感染対策は①3密の回避やマスクの着用、会議や研修での体温測定や人数管理・換気等の「職場における感染対策の徹底」、②在宅勤務を取得しやすい職場環境づくり等による「多様な働き方の推進」、③日常の体調管理をはじめとした「健康管理の徹底」を基本とし、新たな生活様式「ひょうごスタイル」の実践行動を県職員が率先して実施します。
(2)不祥事の防止は、従来から強調しています。
(3)事務の適正処理は、今年度から導入した「内部管理制度」に基づき、会計経理・契約等の事務について、統制を明確にし、コンプライアンス体制を強化することを制度化したので、これをしっかりと行います。また、「公文書の管理に関する条例」に基づき、文書管理の徹底を図ります。
(4)仕事と生活の調和は、一昨年の春に宣言した「兵庫県庁ワーク・ライフ・バランス取組宣言」の趣旨を踏まえ、取り組んでいきます。
(5)は、ハラスメントの防止です。
本日、全職員へ一斉メールの配信をしました。
通知本文ついては、私から説明しませんが、ご理解をお願いします。
3番目は「自殺対策の総合的な推進」です。
まず、概要について、令和元年の自殺者数は877人で、1年前に比べ77人減になりました。
平成6年(震災前)が、823人で、平成28年には1000人を下回り、令和元年は800人台に低下しました。令和4年には、800人以下となるように取り組みます。
年齢階層別で見ると、60歳代が少し増えている状況です。環境の変化が大きいからかも知れません。
自殺の理由は、健康問題がほぼ半数です。
職業別の自殺者の割合は、20~59歳の働き盛り層世代において、無職者が約4割です。結果として無職なのであり、発症時期などトータルで見ると、また違った姿が見えてくるか、と思います。
兵庫県の対策は、真ん中にありますように、「1 防ぐことのできる社会的な問題」と認識し、できるだけ「2 包括的な支援として実施」し、「3 有機的な連携を図りながら総合的に対応」します。
取り組みの基本方針は「1 自殺のリスク要因を抱える人への支援強化」、「2 地域レベルの実践的取組への支援を充実」、「3 ライフステージ等に応じたきめ細やかな対策を推進」です。
令和2年度の主な取組は、「1 相談体制の充実強化」です。特に、弁護士会に委託する、経済問題等についての心の悩み相談を強化します。また精神保健福祉センターでの「こころの健康相談」を充実します。あわせて、検索連動型広告での相談窓口の案内の強化、LINE公式アカウントなどを活用した対応を行います。
「2 地域における支援体制の充実」として、地域で「気づき・つなぎ・見守り」ができる人材の養成などを行います。
「3 市町・団体等の地域ごとの取組への支援」として、各市町でも、既に、対策計画を作っているので、市町村と連携し、計画事業の具体化を図るとともに、国の地域自殺対策強化交付金を活用した事業の実施を図ります。
「4 自殺のハイリスク要因を抱える人への支援の強化」として、精神疾患のある方、特に、自殺未遂者への支援体制を強化することは、非常に重要です。繰り返し対応する例が多いので、自殺未遂者ケア研修を強化します。
「5~7 各年齢階層別の自殺対策の推進」では、子ども・若者、中高年層、高齢者層と対応を図ります。高齢者層は、ゲートキーパー手帳を改訂し、ケアマネージャーに配布することで、注意事項などに留意していただきたい、と思います。
「8 自死遺族等遺された人への支援の充実」として、自死遺族に対する対策を行います。
このような取組を実施し、自殺対策を進めていきます。
次ページ、[参考]に兵庫県いのちと心のサポートダイヤルのコロナ関連相談件数を記載しています。4月は321件、5月は230件と、かなりの相談件数があります。
また、インターネットについて、自殺関連用語を検索された数が4月は増えましたが、それ以外の月は若干減少している状況です。
4番目は「『食の安全安心』及び『食育』の推進計画を踏まえた取組状況」です。
まず、「食の安全安心推進計画(第3次)」についてですが、ノロウイルス、腸管出血性大腸菌(O157)などによる大規模食中毒の発生や、広域的な食中毒の発生、あるいは、豚熱などの家畜伝染病の発生や、HACCPを全業種に適用しようとする衛生管理の制度化、等の現状に伴いまして。
「1 危機管理事案発生防止と発生時の適切な対応」、「2 食品関係事業者によるコンプライアンスの徹底」、「3 食品関係事業のHACCPによる自主衛生管理の推進」、「4 県民、事業者、行政のリスクコミュニケーションの推進」、この4つの柱を重点課題として、対応を図ってきているものです。
令和元年度末時点の取組状況を整理しています。網掛けは、目標値を達成している部分です。若干ですが達成していないものも、いくつか出てきています。特に、強調させていただきたいのは、⑩学校給食を原因とする食中毒の年間事件数、⑪大量調理施設を原因とする食中毒の年間事件数、⑫家庭における自然毒による食中毒の年間事件数について、つまり大きな食中毒事案が出ていない、ということが一つの特色です。あわせて、⑧県版のHACCP認定及び国HACCP承認件数が、現在は69件になっています。(※119)は、累計であり、認定・承認後の廃業施設等の件数も含めた件数を記載しています。
令和2年度の主な取組は、まず、第1の柱は、「食品の安全性の確保」で、「1食品衛生法改正内容の周知とHACCPに沿った衛生管理の導入支援」、「2 安全安心な畜産物の生産推進及び流通確保」、「3 安全安心な農産物の生産推進」です。
第2の柱は、「食品を介した健康被害の拡大防止」で、兵庫県食品衛生監視指導計画に基づいた「1 食品営業施設への監視・指導の徹底」、「2 食の安全安心に関する情報発信の充実・強化」、「3 農畜水産物の生産及び卸売段階へのトレーサビリティの導入促進」を図っていきます。
第3の柱は、「食への信頼確保」です。「1 リスクコミュニケーションの推進」にありますように、リスクへの警戒感に関する講習会などを行う。「2 子ども向け食の安全安心実践教室」、「3 食品の適正表示に関する監視・指導の徹底」、「4 ひょうご食品認証制度の推進」を組み合わせて、推進を図っていきます。
3ページは、「食育推進計画(第3次)平成29年度~令和3年度」を踏まえた令和2年度の取組です。
令和元年度末時点の取組の中で、網掛け部分は目標値を達成した指標です。朝食を食べている人の割合の増加については、特に20代、30代男性が低いので▲の評価がついています。意外だったのは、地元や県内でとれた農林水産物を買っている人の割合が増えていない、ということです。また、楽農生活交流人口数も、思ったほどには伸びていません。食育に関心のある人の割合も横ばいで、目標に対しては伸びていません。このあたりは、しっかりとこれから、取り組んでいかなければならない、と考えています。
令和2年度の主な取組ですが、柱1で「若い世代を中心とした健全な食生活の実践」で、「2 学校教育活動全体での食育を実践」していくのですが、新たに教職員用の食育ハンドブックを作成し、中学校での食育を先生方にしっかりと取り組んでもらおうとしています。また、「3 大学生向け朝食摂取率向上プロジェクトの開催」として、大学生の歯科検診に取り組むことにしていますが、これらとも関連させて、様々な機会を捉えて朝食摂取に向けた普及啓発も展開します。「4 『子ども食堂』応援プロジェクトの実施」では「子ども食堂」の開設に必要な経費補助の要件を緩和しました。
それから、2番目の柱、「健やかな暮らしを支える食育活動の推進」で、「1 美味しく、ヘルシー社食ごはん改革の実施」では、社員食堂の食生活改善や栄養情報の発信に取り組んでいきます。「2 フレイル対策強化推進『食べて、元気にフレイル予防』の実施」では、歯科医師会や栄養士会と組ませていただき、モデル市町も設けながら、モデル事業の推進を図っていこう、と考えています。
3番目の柱は、「食や『農』に積極的に関わる活動の推進」で、特に、兵庫楽農生活センターによる「2 農業体験による楽農生活の推進」。また、「3 魚食普及の推進」、「4 ふるさと料理講習会の開催」などを進めていきます。
そして最後、4番目の柱は、「食育推進のための体制整備」で、「1 『ごはん』、『大豆』、『減塩』を柱とした『ひょうごの“食の健康”運動』の展開」をさらに進めさせていただきます。
5番目は「『あいたい兵庫 ひょうご旅手帖』の作成」です。
お手元に冊子をお配りしていますが、「あいたい兵庫ひょうご旅手帖」ということで、兵庫の旅の目的地の紹介をします。
テーマ別に整理しているので、ご参考下さい。
もとより、ひょうご観光本部のホームページなどにも掲載し、兵庫のデスティネーションの紹介をしっかりとすることにより、兵庫の情報を得て、ポストコロナ後、訪問を検討していただきたいという思いで整理し、情報提供させていただきます。
私からは以上です。
記者:
およそ1カ月ぶりに感染者が確認されました。大阪府からの(感染)ということではありますが、経済圏や交流圏が一体であるため、今後、必ずしも増えないという確証はない、と思います。これについて、知事の考えをお聞かせください。
知事:
もしもこれが、感染源が不明で、どこで感染しているのか分からないという状況の中で、発症者が出たとすると、手の打ちようがありません。しかし、今回の場合は、いずれも感染源は掴めています。大阪府と共同で濃厚接触者等を限定して、しっかりと調査をしていくことで、対応できると。危機管理の対象が見えていないわけではないので、しっかりと対応力を発揮していくことが肝要ではないか、と思っています。
ただし、府県を跨ぐ交流が解放されて、この土日も一挙に人の交流が進んできています。十分に、受け入れる側も、「3密」を避けることをベースにした、それぞれの業界のガイドラインをしっかりと守って、対応していくことが肝要ではないか、と思います。
また、外出抑制についても、基本的に自ら判断してください、ということに変えています。その際に、安全かどうかという認識を忘れないで行動していただくことを、県民の皆様には呼びかけさせていただきたい、と思います。
記者:
往来がある中で、注意はしなければなりませんが、今回発表のあった「ひょうごの旅手帖」について、大体どれくらいの数を、どのようなところに配布されるのでしょうか。
知事:
13万部を作成し、駅頭や観光協会、旅行社の窓口など、目の触れやすいところへ置かせていただきます。
しかし、これだけでは情報提供力が弱いので、県観光局のホームページやひょうご観光本部のホームページに、このパンフレットの概要を掲載し、アクセスできるようにします。
そして、パンフレットにはQRコードをつけています。QRコードで情報をダイレクトに取っていただくということをおすすめして、PRしていきたい、と思っています。
記者:
先週の金曜日、大阪府で大阪都構想の協定案が、協議会で可決されました。今後、大阪都構想が再び住民投票にかけられる、という手はずを踏んでいくことが、確実視され、現実味を帯びてきています。
その大阪都構想についての受けとめ方、考え方を教えていただけますか。
知事:
大阪都構想は、大阪都になろうとすると法律の改正が必要ですが、基本的には大阪市と大阪府の二重行政を排除して、権能としては、東京都制と同じような権能を大阪都が持つこと。そして、大阪の場合は4つの区に分けて、中核市並みの区を作っていくことが、基本となる制度改正だと承知しています。
前回、住民投票で、若干(の差で)承認が得られませんでした。今回は、二重行政の廃止というねらいがはっきりしていますので、そのような方向で新しい地方行政システム、しかも、東京に対抗できる地方行政システムが誕生することは、我々としても歓迎しています。
もともと関西の地域リーダーとしての役割を、大阪府には果たしていただかなければなりません。関西圏から見ますと、私自身は望ましい方向ではないか、と位置付けています。
記者:
知事の期待感は大きい、と捉えてよろしいでしょうか。
知事:
そうですね。特に関西広域連合としては、大阪都ができれば、首都圏に対抗できる大阪圏、関西圏が機能する、1つの大きな要因になり得るのではないか、という意味でも期待をしています。
記者:
自殺者の状況について、新型コロナの渦中にあっても、インターネットにおける自殺関連用語の検索回数は、4月を除けば去年と比べて減っている、ということですが、去年が相当多かった、ということになるのでしょうか。
知事:
専門家にお聞きしたり、コメントをいただいたりすると、コロナ対策を社会全体で行っているような時期は、社会的一体感もあるので、自分だけが阻害されている、という感覚を持ちにくいそうです。ですから、心配なのは3年後にどのような状況が出てくるのか、ということです。この点に注意しておかなければならない、と専門家の皆さんがおっしゃっており、こういう状況における心構え(が必要)だ、と聞いています。
阪神・淡路大震災の時も、数字を見ていただきますと、1000人を超えたのは平成10年です。平成6年は800人台でしたが、発生から3年後でした。そのため、電話相談等の相談体制など、これからに備えた対応を検討していきたい、と思っています。
記者:
2年後、3年後というと、目標の令和4年度の800人以下というところに重なります。
知事:
そうですね。ですから、どうしても800人以下にしていかなければなりません。
記者:
現状の見通しは、いかがでしょうか。
知事:
今は順調に推移しています。表面的な数字を見る限りは。しかし、今回の騒動がありますので、これがどういう結果になるのか、留意していかなければならない、と思っています。
記者:
「ひょうご旅手帖」について、13万部は、どのように配布・設置するのでしょうか。
知事:
先ほど申しましたように、関係部署に置いてもらいます。
記者:
県内外含めてでしょうか。
知事:
県内外です。駅頭や旅行社の窓口を含めて置きます。
記者:
先ほど、大阪都構想について、知事のお考えを説明いただきました。実際にこれまで、兵庫県と神戸市については、大阪府と同じような二重行政がある、ないなど、様々な意見もありました。今回の新型コロナの対応において、不都合があった、あるいは改善点があったなど、何か感じられたことはありますか。
知事:
県全体で対応しなければならないことがあるので、情報共有が必要不可欠になります。神戸市、中核市が基本的に保健所設置市なので、保健所設置市と県との関係は、始めはぎくしゃくしたことがなかったとは言えません。しかし、今はルールがしっかりとし、お互い直ちに情報共有ができている、と思います。
国に先に報告が行く法制度となっているので、これはいかがか、と思います。第一次的に、県に情報が入り、国はその次、という主張をしています。これは、制度改正のポイントです。
神戸市と県との間で、従来から二重行政という点では、あまり指摘されておらず、兵庫県としてもそのように認識していません。それは、大阪市と大阪府とのウエートの違いもあるのではないかと。いずれにしても、神戸市は、兵庫県の中で4分の1くらいを占めるので、そのあたりの差は、おのずと出てきているのではないか、と思います。
記者:
知事がおっしゃった、国の方に先に報告がいく制度があり、国との会議の席上で、東京都が発表した数字に対し、保健所を設置している区がその数字は違うと指摘し、区から都への報告がうまくいってないために、正確な数字が入っていない、東京都特別区があまりうまくいっていない、という部分が少し見えてきたように思います。
他方で、大阪都構想が、東京都の特別区に非常に似た制度、それを目指すような形とも言われていますが、そのようになるという懸念はありますか。
知事:
政令市が4つに分かれ、中核市的な区になるので、今の大阪府と大阪市との連携の状況を見る限りは、あまり懸念する必要はない、と思います。
制度がスタートした時と、定着した時に、どのような形で成長していくのか、連携するにあたり十分にお互いに気をつけながら、育てていくことが大切だ、と思います。
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