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知事定例記者会見(2020年6月29日(月曜日))

  1. 新型コロナウイルス感染症の現状と対応
    (1)社会福祉施設における感染症対策方針
    (2)兵庫県新型コロナ追跡システムの構築・運用
    (3)中小企業事業再開支援事業の受付開始
    (4)関係人口創出・拡大スクールの開校

  2. 兵庫県がスマホ婚活はじめます

  3. プラスチックごみゼロアクションの展開~レジ袋売上金(収益金)の寄付の活用~

  4. 県立美術館 特別展「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」の開催 

 

動画

知事会見を動画で見る(約50分)(外部サイトへリンク)

知事記者会見内容

知事:

 1番目は「新型コロナウイルス感染症の現状と対応」です。

 昨日までの県内患者の発生状況を整理しています。
 本日の新規陽性者数もゼロですので、ご報告します。
 現在、PCR検査数は24件程度と少ない状況が続いており、発症者数もゼロが続いている状況です。東京都では、発症者数50人以上が5、6日続いているので、東京に行かれる方は、危険だと言われている場所に立ち入らないように、十分に要請させていただきます。

 「(1)社会福祉施設における感染症対策方針」について。
 先日も少し触れましたように、社会福祉施設で感染者が発生すると、大きな影響を受けることが考えられます。そこで、事前に感染症対策の体制を作り上げる必要があり、検討の上、関係者と相談しています。その、基本的な仕掛けを整理しましたので、説明します。
 (別紙1)入所施設の高齢者の感染が疑われる場合、PCR検査を実施し、陰性ですと問題ありませんが、仮に陽性ですと、高齢者は症状の軽重にかかわらず入院し、濃厚接触者の特定をし、PCR検査の結果により対応していくこと、が基本になります。感染の疑いがある場合は、個室管理を徹底します。
 (別紙2)知的障害等のために、他者の介助を要する者の感染が疑われる場合です。PCR検査の結果、陽性ですと、入院していただくことになりますが、障害特性に応じた受け入れ病院の調整が必要になります。重症・中等症の場合は、一般の患者と同様に対応することができますが、軽症の場合(障害特性により感染防止対策をとることが困難な方)で、宿泊療養が可能と医師の診断で認められるときには、施設内療養を検討する必要があります。これには、専門的な対応、例えば、一棟をその方のために用意したり、各施設の中で一定規模、個別の、個室化したスペースを作るなどにより、対応に向けた検討を進めています。
 (別紙3)精神障害者・精神疾患患者の場合、発熱外来が県立ひょうごこころの医療センターに1本化され、陽性の場合、(原則として)ここに入院しますが、重症・中等症の場合、専門機関に入院していただきます。軽症の場合、当面、こころの医療センターで入院を継続し、陰性になると、民間精神科病院に移っていただきます。
 (別紙4)高齢者施設の協力フローについてです。高齢者施設等で患者が発生した場合、(職員が)濃厚接触者として、健康観察期間等で、施設に出勤できないとなると、人員不足になり、それを補う必要があります。まずは、同一施設、同一法人で可能な限り対応していただき、それでも人員が足りない場合は、県に対して職員派遣等の支援の要請を依頼することができます。県は、県老人福祉事業協会、県介護老人保健施設協会の協力を得て、職員派遣等の対応を依頼していきます。その依頼先を、協力施設として登録しておいていただき、そして、県の要請に応え、協力をしていただく仕組みを作り上げていくため、今、関係者で相談をさせていただいています。
 (別紙5)障害者施設等での協力フローは、基本的に高齢者施設等と考え方は同様で、協力施設等に、事前登録しておいていただき、その協力施設の方から職員を派遣していただくとことになります。その場合、県知的障害者施設協会や、県身体障害者支援施設協議会、市町とも連携した上で、この協力施設等の登録をしていただき、職員確保を図ります。
 (別紙6)介護サービス提供の協力フローについてです。デイサービスなどが閉鎖され、デイサービス利用者が、利用できなくなると、居宅介護支援事業所が、代替サービスを提供する必要が出てきます。居宅介護支援事業所の方が、協力事業所、代替サービスを提供する事業所をあらかじめ、登録しておいていただき、その協力事業所に対して、事業協力を依頼していく仕組みです。
 (別紙7)障害サービス提供に係る協力フローについてです。濃厚接触者として自宅待機となった利用者が、代替サービスを必要とする場合、市町、相談支援専門員、協力施設等と協力しながら、必要な事業所への協力をお願いし、対応していくことになります。
 以上、このような仕組みで運営を図っていきます。現在、関係機関とも調整中ですが、このような仕組みを基本としますので、皆様方にご協力をお願いします。

 「(2)兵庫県新型コロナ追跡システムの構築・運用」について。
 新型コロナ追跡システムの兵庫県版です。施設利用者(県民)が店舗等ごとに掲示されるQRコードを読み取り、メールアドレス等を登録した場合に、当該利用者に対して、クラスター発生時等に県から注意喚起情報を提供するのが基本的な流れです。
 運用の流れは、3ページをご覧下さい。登録手続きとして、お店に店舗・施設・イベント情報を登録していただき、QRコードをダウンロードの上、お店がそのQRコードを印刷・掲示することになります。
 QRコードは2つあり、1つはLINEアカウント用、もう1つは、メールアドレス用となります。兼用できるQRコードを開発しようと検討してきましたが、時間がかかりそうです。お店にLINE用、メールアドレス用の2つのQRコードを貼ってもらう必要がありますが、県民(施設利用者)の側からすると、どちらかを選べば済むということになるので、2つのQRコードを貼っていただき、連絡体制を構築します。
 陽性者が発生した場合、兵庫県が、この追跡システムを活用し、注意喚起情報を、この登録した方にお伝えすることになります。「あなたが○月○日に立ち寄った○○において、陽性者が判明しました。行動記録の作成や、健康に注意してください」といった内容です。
 体調に不安があるときは、新型コロナ健康相談コールセンターに相談していただき、息苦しいなど、若干症状がある方は、帰国者・接触者相談センターに相談していただく、という仕分けにしているので、自分なりに判断して相談していただき、あとは、通常のルートになります。
 1ページにお戻り下さい。(3)の対象は、不特定多数が利用する店舗・施設やイベントとし、対象は限定しません。お申し込みがあれば、対象とさせていただきます。お願いをしたいのは、下表の例にありますように、食事提供施設、劇場等、集会・展示施設、博物館等、ホテル又は旅館、商業施設、遊興施設、運動施設・遊戯施設などです。是非活用していただくようにお願いしていきたい、と思います。
 2ページ、(4)のその他をご覧下さい。携帯電話を所持していない県民に対しても、注意喚起等の情報提供ができるよう、氏名・連絡先等を記載する名簿の備え付けとその保管について、店舗等に促したい、と思います。
 システムの特徴は、①より多くの利用者の登録を図るため、メール通知システムとLINEシステムを並用、②対象とする店舗・施設やイベントは限定しない、③原則として、利用日・施設名を明らかにするため、注意喚起効果が高い、④大きな施設は通知人数を限定するため、区画を分割してQRコードを発行、⑤県のシステムが取得する個人情報はメールアドレスまたはLINEアカウントのみ、の5点です。
 また、このシステムについてのコールセンターを設置します。7月10日から運用開始なので、10日からコールセンターを開始します。
 既に、利用を検討していただいている店舗や施設を参考に載せているので、ご参照下さい。甲子園球場などは、入口ごとに、切符の点検を行い、席が決まっているので、入口ごとにQRコードを付けられるのではないか、と思います。
 このシステムは、大勢の人を対象にするというよりは、それぞれの店舗での発症者を把握することが主眼ですので、そのような運用を心がけたい、と思います。

 「(3)『中小企業事業再開支援事業の受付開始』」について。
 中小企業や個人事業主の皆さんが、感染拡大を予防するために必要な費用を、定額で支援しようとするものです。県内に1事業所の場合、中小法人は20万円、個人事業主は10万円です。2事業所以上ある場合は、倍額の40万円と20万円ということにしています。申込は郵送で受け付けますので、兵庫県中小企業事業再開支援金事務局へお申し込みください。

 「(4)『関係人口創出・拡大スクールの開校~コロナに負けない!オンラインスクール同時開催~』について。
 小規模集落への支援に向けて、外部人材の活動を推進するために、情報提供の範囲を広げて、各団体や個人に情報が届くようにしていこう、という取組みです。
 そのためのコーディネーターを養成する趣旨で、事業を計画していましたが、コロナ時代を迎えたため、オンラインのzoomやYouTube配信も行うことによって、会場参加やzoom参加、あるいはYouTubeライブ配信視聴の3つの方式で参加できます、ということを謳わせていただいて、多くの方々の、参加を募るものです。4回行いますので、積極的な参加を呼びかけさせていただければ、と考えています。

 

 2番目は「兵庫県がスマホ婚活はじめます!」です。

 これは何回も予告をさせていただいておりましたけれども、スマホによる、会員検索・閲覧・お見合い申込機能を、出会いサポートセンターに追加します。はばタン会員への登録をぜひ、していただいて、スマホ婚活を活用していただければ幸いです。
 いずれにしても、使用方法と技術的な面もありますので、追って青少年本部のひょうご出会いサポートセンターの方で、しっかりと説明をさせていただこうと考えていますので、よろしくお願いします。皆さんに報道していただければ、それだけ利用者が増えるということに繋がりますので、ぜひよろしくお願いします。

 

 3番目は「プラスチックごみゼロアクションの展開~レジ袋売上金(収益金)の寄付の活用~」です。

 レジ袋が有料化されているところが、増えてきましたが、7月1日からは、多くの百貨店や、スーパーなどでもレジ袋の有料化が始まります。その中で、このレジ袋の売上金を、温暖化対策や、さらに「プラスチックごみゼロアクション」に使って欲しい、という申し出がございます。(株)オオツキ様、(株)さとう様、(株)大丸松坂屋百貨店様などです。これらの申し出による寄付金を、小学校への啓発資材や、あるいは中高校生への活動支援、清掃作業活動への支援、素材転換の支援などに、使わせていただこうとしています。そのために、ひょうご環境創造協会に設けた循環型社会形成推進基金を活用して、上記のような事業を展開していこうとするものです。
 そして、寄付するかしないかに関わらず、「プラスチックごみゼロアクション推進宣言」をぜひともしていただいて、登録企業として、国の「プラスチック・スマートキャンペーン」などにも協力をしていただいたら幸い、とこのように考えているものです。

 

 4番目は「県立美術館 特別展『ミナ ペルホネン/皆川明 つづく』の開催」です。

 7月3日からの開催となります。「ミナ ペルホネン」とは、フィンランド語で「私と蝶々」という訳だそうですが、皆川明さんの「つづく」という、県立美術館の特別展であります。
 事前に小さな開会式が行われましたので、私も開会式に出たついでに、拝見してきました。いわゆる流行のファッションというよりは、伝統や機能性、あるいは、それぞれの地域の持つ文化などに根差した、息の長い、ファッションを提案されているのが、皆川明さんの基本です。そのような、皆川さんの特質が、各部屋に、展示されているという状況でしたので、ぜひご覧いただきますとありがたい、と思います。

 

 私からは以上です。

質疑応答

記者:

 従前から取り入れようとされていたコロナ追跡システムについて。先ほども説明があったとおり、これはメールアドレスやLINEアカウントの取り込みだけなので、住所や連絡先、名前などは必要とされないシステム、ということでしょうか。

 

知事:

 そうです。ただし、(携帯端末をお持ちでなく)QRコードを読めない人については、連絡先が必要になります。どんな形でもよいのですが、連絡先をお店の方で把握していただくようにお願いしていきたい、と思います。

 

記者:

 利用日と施設名を明らかにする、ということですが、施設名については、お店側が登録するのかと思います。名前を明らかにしても大丈夫だ、という同意の下で運用していくのでしょうか。

 

知事:

 登録していただくということは、「自分のところでもし発症するようなケースがあれば連絡してください」という申し込みでもある、という理解です。

 

記者:

 このシステムの一番大きな課題は、どのようにして普及させていくかです。これについては、店側の登録もありますし、来店した人が登録してくれるか、という両方の点があると思いますが、どのようにお考えでしょうか。

 

知事:

 どの店で(いつ感染したか)という情報が伝わるのは、今の段階では、兵庫県方式だけです。「どのお店で、いつ発症しました」という情報が入れば、非常に特定度が高いのです。だからこそ、その情報発信は県から発信する、ということにしています。つまり、みだりに発信するものではありません、ということも、このシステムではしっかりと保証されているわけです。そういうシステムですので、私は信頼度が非常に高いということから、時間はかかるかも知れませんが、自ずと普及していくのではないか、と考えています。
 利用者にはそれほど抵抗感はないのではないか、と思いますので、お店の協力をどうやって得るのかが、非常に重要です。お店の協力を得られるように、業界団体等も含めて、協力依頼をしっかりとしていきたい、と思っています。そのために、1ページの(3)に例示施設を並べさせていただきました。

 

記者:

 利用者の抵抗感について、私は実際のものを使ったことがないので分からないのですが、スマホをかざしてボタンを押せば、すぐ登録ができるようなシステムなのでしょうか。

 

知事:

 LINEは、直ちにそういう形で登録されます。メール方式は、メールアドレスを入れないと登録されません。

 

記者:

 5分、10分と手間がかかるようなものではないのでしょうか。

 

知事:

 そのようなものではありません。日頃LINEを使われている方にとっては、非常に簡単な対応でできる、と思います。メールアドレスも、お持ちのスマートフォンにもよりますが、一度どこかで登録すると、次は準備ができるそうです。あとは登録ボタンさえ押せば、登録ができるようになります。例えば、A店で一度メールアドレスを入れてもらえれば、B店ではすぐに登録ができる、というシステムだそうです。あまり面倒な仕組みではない、と思っています。

 

記者:

 兵庫県独自として、場所や日時を特定する、ということです。振り返って、先日6月18日の対策本部会議でも、この話はある程度議論されたかと思います。どのようなところがポイントとなり、どこを改良して今回の形になったのかについて、経緯を簡単にご説明いただけないでしょうか。

 

知事:

 6月18日の対策本部会議の時から、基本的なシステムは変わっていません。何が違うのかと言うと、先ほど説明しましたように、LINEシステムとメール通知システムのQRコードを兼用しよう、と思っていた点が違います。しかし、なかなか兼用できるシステムを開発するのは難しい、ということも分かってきました。また、LINEシステムには強いがメール通知システムには強くない、メール通知システムには強いがLINEシステムには強くない、という2つの業者があり、その違いを発見しました。
 利用者の方からすると、両方を登録する人はいません。店舗側には2つのQRコードをつけることとなり、若干手間をかけていただくことにはなります。LINEとメールとの併用をするために、QRコードを2つつけていただくということで普及を図りたい、と思っています。

 

記者:

 先週金曜日に、ひょうご観光本部と県観光局で、「Welcome to Hyogoキャンペーン」についての発表がありましたが、1点、知事の考えを伺いたいと思います。
 例えば、大阪府や京都府は、やはりインバウンドに頼りきっていた部分がありました。その中で、兵庫県は、以前はインバウンドに弱い、という言われ方もしていたかと思いますが、国内については手堅さがある、と思っています。
 全国的に同じようなキャンペーンをするようになって、ある種の争奪戦ではないのですが、奪い合いのようなことが起きかねないのではないか。その点について、兵庫県として、どのように強みを生かすのか、あるいはこの施策に勘案し、含めたものなどを教えてください。

 

知事:

 インバウンドに目を向けないわけではなくて、今の状況の中で、できることを先取りしてでもやっていこう、ということが、今回の対策の主眼になっています。特に、国の「Go To キャンペーン」がもたもたされていますので、「Go To キャンペーン」よりも、できるだけ先行して、県の施策としての取り組みを評価していただけるようにしていきたい、ということが、今回の発表させていただいた主眼です。
 国内客の争奪戦になる可能性を否定はしません。しかし、我々は新規のお客さんの開発にも努力していきたいですし、キャンペーンはそれを目的にしていますが、どちらかというと、従来から兵庫に何度もお尋ねいただいている方々に、さらにお訪ねいただくようにしたい、と考えています。両方を目的としてこの事業を展開していきます。つまり、激烈な観光客争奪戦をするつもりで、「Welcome to Hyogoキャンペーン」を用意したわけではなくて、兵庫県のよさを味わって欲しい、ということが主眼です。
 したがって、「あいたい兵庫」(パンフレット等)の題名を「ひょうご旅手帖」とさせていただいたのは、兵庫県が持っているポテンシャリティにさらに理解を深めていただきたい、という意味です。それぞれに見出しをつけ、QRコードつきで、兵庫県のよさについての解説をまとめさせていただきました。そこがベースになっている、とご理解いただくとありがたいと思います。

 

記者:

 コロナ追跡システムについて。3ページの登録手続きに関して、店舗やイベント会場からシステムに登録があったらQRコードが返るということですが、システム側からこのイベント会場等への矢印は、特にないのでしょうか。お願いや普及、ということに関わっていくのでしょうか。

 

知事:

 その点は、イベント会場に直接というよりは、例えば、業界団体を通じて登録の促進を図っていくなど、大きなイベントであれば事前に分かりますので、そういう方々にもお薦めをしていく、というようなことを考えています。
 いかにたくさんのお店から登録をいただくか、ということで利用価値が広がりますので、しっかりとした登録の働きかけがこのシステムの正否を決めてくれることになるのではないか、と思っています。

 

記者:

 お店などは、一度登録したら、「営業日ごとに」ではなくて、一度そのQRコードがあればずっと特定できる、ということでしょうか。

 

知事:

 そうです。ただし、何店か経営されている場合は、お店ごとに登録していただく、ということが必要になります。

 

記者:

 例えば、県有施設や県が主催するイベントなどは、いかがでしょうか。

 

知事:

 もちろん、それは登録することが前提で、実施させていただきます。

 

記者:

 コロナ追跡システムについて、訪れた日、施設名を通知するのは、今のところ兵庫県だけ、ということです。他府県では、いわゆる風評被害ですとか、特定に繋がるからやめておいた方がよい、という判断もあるようです。このあたりは、いかがでしょうか。

 

知事:

 もともとこのシステムは、いかにその施設の利用者から濃厚接触の可能性がある人を把握して、それ以上広めないか、ということがポイントです。それを実行するということは、風評被害が生ずるというよりは、それだけ完全にお客さんに協力をしているお店だ、ということになるので、私は評判が上がるのではないか、と思います。そのようなことを念頭において、ぜひ各お店に登録していただくようにお薦めしていきたい、と思っています。

 

記者:

 追跡システムに関して、2つ教えてください。
 1つは、先行事例の大阪府より、機能性を高めて開発したい、とかねがねおっしゃっていましたが、大阪府との違いで、兵庫県は特にこの機能性が高い、というところを教えて下さい。
 2つは、10日から運用を始められるということですが、資料に、主な施設を記載してありますが、当初の参加数なのか、もしくは参加目標数なのか、また、どれぐらいに広げていきたいなど、規模感を提示してください。

 

知事:

 メール通知システムとLINEシステムを併用している例は、あまり聞いていません。大阪府の場合はメール通知システム、滋賀県の場合はLINEシステムと。気張った取り組みをしたわけではありませんが、両者を併用しているというのは、利用者の利便を考えたシステムとなっているのではないか、と思います。
 加えて、日時と場所を特定して、県が必要だということを判断し、通知をしますので、情報通知の管理が行き届く、コントロールすることができる、ということが言えるのではないかと思います。
 お店の件数が一定になったら、一斉に情報が届くというシステムよりは、限定情報をお知らせすることができるという意味で、受ける方の受け取り方も、しっかりと受けとめていただけるのではないか、と思っています。
 それから、ボリューム感は、まだ何とも言えませんが、少なくとも、県の経営継続支援金をもらわれたような方々は、ぜひ登録していただきたい、と個人的には願っています。

 

記者:

 社会福祉施設における感染症対策方針について、知事もこの点に関しても、かねがね急ぎたいということで定められたのかと思います。その時から、仁恵病院の例などを出して説明していただいています。おそらく、障害者施設などは、対応が難しいからこそ、こういう枠組みを作っておかないと、というような推測をするのですが。こういう対策を立てられた、急がれた理由というのを、もう一度改めて、教えていただけますか。

 

知事:

 今は小康期ですから、冷静に仕組みを検討できる時期に、検討しておく必要があったのは、社会福祉施設だったのです。社会福祉施設も、いざとなって、感染元になってしまうと、もう戦場ですから、ゆっくりと対応を考えられません。みんなで協力して、何とか対応するしかない、という状況になりますので、今のうち、事前に、仕組みを作っておきたい、というのが第一義でした。
 仕組みとしても、それほど難しい話ではありません。特別養護老人ホームなどは、高齢者が多いですから、できるだけ、重症化、クラスター化させない、ということが重要です。陽性者が見つかったら、直ちに、病院に転院してもらうのですが、実際問題は、特に特別養護老人ホームなどは、介助サービスがついていますので、必ず濃厚接触者のクラスターができます。そうするとその人たちが、一定期間、サービスができなくなります。その代替要員をどうやって確保するのかということで、協力施設を登録して、協力施設の職員の皆さんの協力を得ていく。
 それには、できるだけ事前に登録をしていただいて、いざという時に、その人達に参加していただけるような仕組みを、構築して運営をしていきたい、と思います。そのために、今、関係機関と、こういう基本的な仕組みを前提に相談をしている、ということです。
 仁恵病院の時は、幸いだったのが、4階部分が完全に空いていたのです。そこへ疑似患者や軽度な陽性者を移す、ということが可能でした。
 あらゆる施設が、そういうことができるのかどうか。個室をある程度まとめて、軽度の人たちに対応する、というようなことも。一度は入院して、それから医師の判断で、軽度だから施設療養でよい、ということになったら、もう一度、施設の特定の区画に戻って療養をする、というようなことも考えられるかも知れません。
 (いずれにしても)一度は入院して、受け皿をきちんと整備して運用していく、ということが基本になりますので、そのような流れを前提にして、体制を作っていこうということにした、ということです。

 

記者:

 今日の会見の項目ではない、別の質問で恐縮です。先日、知事もコメントを寄せられている案件で、モバイルクリニックという、コンテナを使って、発熱外来や、検査をする施設を作るというプロジェクトがあります。クラウドファンディングで資金の募集をしており、今度、尼崎総合医療センターに寄贈されることになっているようです。
 知事もいろいろと応援メッセージを寄せられていますが、このプロジェクトについて、どのような利点やメリットがあると感じられているのか、教えていただけますでしょうか。

 

知事:

 PCR検査のための検体を採る、その接触者外来が原因となって、院内感染を引き起こしています。今度、神戸市の中央市民病院でも、臨時病棟を整備されると聞いています。(同様に)このコンテナ室を持っていって置くことができれば、病院本体とは切り離された、接触者外来医院の一部となり得ます。そのため、リスク管理として危険回避をするのに、非常に簡易で効率よくできるのではないか、と思います。
 こればかりを置くというのは、どうかという事にもなりますが、時期や場所によって、必要な接触者外来へ移動することができる、というモビリティもあります。そのため、接触者外来における、外来のリスク軽減と、必要性があるところへのモビリティという2つの点で、活用ができる施設であると思い、県立病院で活用してみようではないかと、メッセージを出させていただいています。

 

記者:

 いろいろと、世の中には、テントやキャンピングカースタイルなどもありますが、今回、尼崎の方にこれが寄贈されて、実際に使ってみて、良ければ、今後もう少し導入するということも、あり得ますでしょうか。

 

知事:

 現場サイドの意見を十分にお聞きした上で、判断をしていかなければならないと思いますが、ご指摘のような可能性はない訳ではありません。

 

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