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知事定例記者会見(2020年7月27日(月曜日))

  1. 新型コロナウイルス感染症の現状と対応
  2. 今期4年目を迎えるにあたって
  3. 令和2年度兵庫県戦没者追悼式の開催
  4. ひょうごで働こう!「バーチャル合同就職説明会」の開催
  5. 「キッザニア甲子園」に介護の仕事が体験できるパビリオンがオープン
  6. 人権文化をすすめる県民運動
  7. 人と自然の博物館 収蔵資料展「頌栄短大植物標本コレクション~ そんなに集めてどうするの?~」の開催

動画

知事会見を動画でみる(約56分)(外部サイトへリンク)

知事記者会見内容

知事:

 先ほど、臨時議会で473億円の第3次補正予算が可決されました。今後、コロナウイルス対策を中心に、しっかりと、県として対応していかなければなりません。今後ともご指導よろしくお願いいたします。
 少し残念だったのは、臨時議会で(節目である)350回目の議会となったことです。例えば、9月議会ですと、長い会期の中で様々な取り組みができただろう、と思います。
 350回目がこのような臨時議会であった、ということは、議会人にとっては少し寂しい思いをされたのではないかな、と思います。したがって、最後のご挨拶でも、再度また350回(ということ)を取り上げ、議会と知事との二元代表制の意義について触れさせていただきました。

 

 1番目は「新型コロナウイルス感染症の現状と対応」です。

 お手元の資料は、昨日の49人の陽性者までを取りまとめた数です。昨日現在で、重症者は4人です。中等症で入院された方が、(その後)重症化するケースもこの中に含まれます。
 2ページ目をご覧下さい。23日に、感染者数の1週間の移動平均が20.3人となり、「警戒期」から「増加期」になりました。
 年齢別で見ると、やはり20代、30代が半数近くを占め、40代まで含めると70%近くである、ということがお分かりいただけるか、と思います。
 職業別で見ると、ほとんどが会社員や学生です。
 管轄保健所別の患者数は、芦屋、伊丹、宝塚、神戸、尼崎、西宮、ということで、阪神間・神戸に集中していることがうかがえます。
 感染経路別患者の割合については、直近1週間は、6月19日から7月26日とあまり大きな差はありません。県外の飲食店は、6月19日から7月26日が多くなっています。飲食店、家庭、職場等、友人との密な会食・談話等、というようなところに限られていますが、家庭、職場が、第1次感染源になるはずはありません。一般的に言うと、飲食店、友人との密な会食・談話等が、第1次感染源で、それが家庭、職場に持ち込み、広がっていると言えます。
 高齢者は、直近1週間で少し増えていますが、高齢者の増え方は、家庭でうつされる例が多くなっているのではないか、と推測しています。
 本日の新規陽性者数は12名です。陽性者数の推移ですが、1週間の移動平均数が26.4で、明日、37名になると、移動平均数が30人を超えることになります。
 現在、対応策について検討していますが、休業要請を一律にやることは、国自身も考えていませんし、他の地域も全然考えられていないので、これをとる余地はありません。
 県を跨ぐ移動制限についても、県を跨ぐ移動自身が問題なのではなく、移動した後にどこを訪ねているのか、ということが課題です。県を跨ぐ移動制限を一律に行うことはどうか、という課題を持ちながら対策を考えていかなければなりません。このため、次なる対応をどうするかについて、非常に苦心している、というのが今の状況です。
 現在増加している理由は、全く想像の域を出ませんが、相変わらず、お酒を伴う飲食店、夜の繁華街と言われているところ、カラオケ店、ライブハウスなどがクラスターの源であるとすると、そのような機会が多かった時期が今で言うと、7月の上旬から中旬にかけて、ということになります。何がそのようなところへ行く機会を多くしているのか、ということを想像しなければなりません。もし、多かった時期がその頃だとすると、もうそろそろピークアウトしていってもよいはずですが、もうしばらく様子を見てみないと、評価しにくいのではないか、と思います。 

 

 2番目は「今期4年目を迎えるにあたって」です。

 来月1日から、今期の4年目を迎えることになります。
 私のメッセージを整理していますが、まず、第1の課題は、「新型コロナウイルス対策の推進」をしっかりとしていく必要があります。それに伴って、地域経済の回復、社会活動の活性化や、その他の諸活動を再開していく必要がある、と思っています。
 第2の課題は、「ポストコロナ社会としての情報化、グローバル化」として、今回のコロナの事態で、さらに私たちが抱えている課題が浮き彫りになった、と言えるのではないでしょうか。特に情報化とグローバル化への対応です。
 兵庫県庁もそうですが、デジタル化がいかに遅れているか、ということを実感させられたのではないか。いまだにFAXが中心の業務もあるなど、そういう状況はいかがか、ということが明らかになってきました。
 また、「ひょうご情報ハイウェイ」は、平成14年に始め、当時22億円近くかかったのですが、情報通信基盤が発達してくることに伴って、随分高度化してきました。県は、こういう高速大容量の通信基盤を持っていますので、これを使いこなせるような情報通信環境を整えていく必要があります。
 もう1つはグローバル化との関係で、県としては、県内回帰あるいはサプライチェーンの再構築を図っていく必要がある、と考えています。
 3番目は、「地域の活性化」です。地域に対する新しい取組や見方が、出てきています。丹波市長の話でも、丹波市への移住をしたいという照会は、昨年の3倍来ており、町の不動産屋さんでは500万円から1000万円ぐらいの住宅の在庫がもうなくなった、という話を聞きました。このように現実に、関心だけではなく、大都市の脆弱性、東京一極集中の弊害などから逃げよう、という動きが出てきています。テレワークにより、空間的距離を越える働き方ができる、というようになってきました。そのような動きを捉えながら、地域活力を持続させる、そのような地域の自立を進める取組をして、加速させなくてはなりません。
 五百旗頭先生が座長の「ポストコロナ社会兵庫会議」からも提案をいただいていますし、「兵庫2030年の展望」も県政150周年でまとめ、現在新しい長期ビジョンの検討も進められています。それらの動きを、具体の戦略やプロジェクトで仕立て上げて、兵庫の未来への道筋をしっかりとつくる必要がある、と考えています。
 5期目の残り1年で、しっかりと道筋をつけて、県民の皆さんとともに取り組んでいく、ということが役割なのではないか、と考えています。
 あと、2ページ以降は、「兵庫の未来への道筋」として、いくつかの事項を挙げていますので、これは参照してください(説明は省略します)。

 

 3番目は「令和2年度兵庫県戦没者追悼式の開催」です。

 8月4日、県の公館で行います。「6 新型コロナウイルス感染防止対策」に書いていますように、参加者は、前回70周年の時の557人から、今回は約180人に絞ります。しっかりと、注意をしながら、75周年の追悼式典を開催させていただくことにします。

 

 4番目は「ひょうごで働こう!『バーチャル合同就職説明会』の開催」です。

 こちらは各企業が企業説明などをバーチャルで行うのと並行して、Web就職相談コーナーで個別の相談なども行います。3ページにありますように、出展予定企業は60社になっていますので、成果を上げられることを期待しています。

 

 5番目は「『キッザニア甲子園』に介護の仕事が体験できるパビリオンがオープン」です。

 介護の人材不足と言われてきていることもあります。介護現場を、「トライやる・ウィーク」などで経験している子供たちは、かなり関心を持ってくれたのですが、なかなかそうでない子供たちには情報が入ってないということもあります。
 キッザニア甲子園に、福祉関係の出展をしていただけないか検討してきていましたが、ようやくケアサポートセンターを出展して、介護の仕事が体験できることになりました。効果があることを期待しています。

 

 6番目は「人権文化をすすめる県民運動」です。

 今年のスローガンは、「ひろげよう こころのネットワーク」です。
 Webサイトを開設して、「ひょうご・オンライン人権フェア」を、8月1日から行います。Webサイトで、著名人による人権メッセージなどが、そこから発せられることになっています。一般社団法人日本障がい者サッカー連盟会長の北澤さんや、ひょうご人権大使の伊東浩司さん、INAC神戸レオネッサ所属の選手、シンガーソングライターのBOROさんなどが、メッセージを寄せていただくことになっていますので、ご期待をいただきたいと思います。
 内容の豊富なチラシが入っていますので、ご参照ください。

 

 7番目は「人と自然の博物館 収蔵資料展『頌栄短大植物標本コレクション~そんなに集めてどうするの?~』の開催」です。

 人と自然の博物館で、一部を公開させていただきます。大変貴重な、植物標本がありますので、子供さんたちを連れて鑑賞していただくと、楽しい夏休み経験にもなるのではないか、と思っています。

 

 私からは以上です。

質疑応答

記者:

 新型コロナの件でお伺いします。昨日49人の新規陽性者が出て、過去最多ということです。急に増えたという印象を受けますが、知事は、率直に昨日の数字をご覧になられて、どう感じられているのでしょうか。

 

知事:

 実際は驚きました。しかし、民間機関に検査委託をしている結果が、集中的にその日に集まったこともあるのかも知れません。それでも、その前が24人、23人、35人、30人と結構な数が続いてきたため、49人が40人ぐらいに下がったとしても、やはり大変なボリュームだ、と思います。
 今日は12人と少ないのですが、これは昨日が日曜日で、民間機関は4連休の後であるため、どうしてもPCR検体が少ないことの結果ではないでしょうか。
 なお、陽性率に関しては、陽性者49人の時は13%とかなり上がりましたが、直近1週間で平均すると4%ぐらいになります。
 1つ1つの数字よりは、1週間の移動平均で判断しなければならない、と思います。現在、新規陽性者数26.4人であり、感染拡大期の判断基準30人にかなり近づいている、と言えます。
 県民の皆さんや事業者の皆さんに、すでにご協力をいくつか依頼していますが、外出などについてもよく考えていただく。立ち回り先についても、よく考えていただく。事業者の皆さんは、ガイドラインに則した対策をしっかりと取っていただく。「コロナ追跡システム」に登録していただく。1つ1つは、ダイレクトにどう関わってくるのか、効果は分かりにくいのですが、しっかりと皆さんがそのような対応をしていただくことで、コロナ対策にもなる。そして、生活や経済に大きな影響を与えずに対処していくことにも繋がるのではないか、ということを呼びかけさせていただきたい、と思っています。

 

 

記者:

 対応策について、今回は、休業要請も含めて、一律にはなかなか採用されないのではないか、という印象を受けます。対応に今、苦心されているとのことでしたが、対応を進めていく方向性として、知事はどのように検討していくのでしょうか。

 

知事:

 兵庫県の陽性者の特性を見てみると、感染源がかなり絞られていることは間違いないのです。そこから、1次感染者が兵庫県で宴会を開いたり、夜の街の従業員の方などが、感染源になられて、そこからクラスター化しつつあります。
 しかし、数字を見ていただくと、家庭と職場が一番多いのです。そのような場所でうつった方が、家庭や職場に持ち込んでいることになります。つまり、1次感染者は特定の場所で感染し、2次感染者が家庭や職場に持ち込んでいる、ということがはっきりとしているため、その陽性者の濃厚接触者や関係者をきちんと押さえていくことが、今、一番現実に即した対策だと思っています。
 ですから、そういうところを中心に、県民の皆さんにはしっかりと呼びかけをして、注意をしていただくということが有効なのではないでしょうか。事業者の皆さんにも、ガイドラインなどに即した対策を行っていただくことが有効なのではないか、現時点ではまだこのように考えています。

 

記者:

 その1次感染源となっている業種ですが、想定されているところに対して、何か規制をかけたりすることは、現時点では特にお考えはないのでしょうか。

 

知事:

 今はどういうことがあり得るのか検討させていただいていますが、なかなか従前のように休んでもらったらよい、と言えなさそうである状況です。そのため、どのような協力があるのだろうか、ということを検討中だと申し上げた方がよいと思います。

 

記者:

 感染者の方が増えている中で、拡大期も近づいてきています。病床確保については、「拡大期2」で650床まで増やされますが、さらに安心度が高まるような対応はお考えでしょうか。それとも現時点ではこれで十分なのでしょうか。

 

知事:

 現実に一度515床までは確保したため、経験済みの病院で515床までは、順次拡大していけるようにお願いできる、そういう状況にあると思っています。また、ホテルなどの宿泊療養施設も500室までは目途がついていますし、これから交渉していこうというところもありますので、それらを入れると700室は十分確保していける、と思います。そうすると、650床と700室で、1350床となります。上手に、軽症者等をホテルと組み合わせながら治療を行えば、医療が重大問題になるようなことはないのではないか、と考えています。ただし、「拡大期2」に至って、まだ拡大するような状況だとすると、今のご指摘のような点も視野に入れながら対応していく必要がある、と思います。

 

記者:

 西村大臣が昨日の会見で、経済界へ在宅勤務7割を要請していく考えを示されました。地域をどこかに限定してというようなことは言及されていませんが、このような国の考え方が出た中で、兵庫県として、在宅勤務などを県民に対して呼びかけるなどの対応を、何か考えているのでしょうか。

 

知事:

 これは、企業に呼びかけていくことであると思いますが、すでに企業では、かなり在宅でいけるところは在宅でいこう、という取組みをされている会社もかなりお聞きしています。さらにプラスアルファがどれだけできるのか、ということではないか、と思います。
 また、8割・7割の根拠は、そう明確ではないのです。専門家会議で言い出されましたが、接触機会が減れば感染しません、と言っているのと、あまり変わらないようにも思えます。そのため、なかなかストンと落ちて、対応しようということになりにくい目標になっているのではないか、という気がします。
 ただし、何か目標がないと人々は行動しない、という点もありますので、兵庫県でも呼びかけるかどうかを、検討させていただきたい、と思っています。

 

記者:

 知事が今期4年目を迎えることについて。知事の考えではなく、例えば、国に対し、これまでに要請してきたが、意見を言ったが、実現しておらず、さらに今後も(要請を)続けたいことは、どのようなことでしょうか。

 

知事:

 まずは、治療薬の開発、ワクチンの開発です。治療薬、ワクチンの開発の目途が付けば、対応ぶりが全然違ってくるはずです。したがって、開発して下さい、というのがまず第1だと思います。

 

記者:

 コロナ以外で、大きな県全体の政策としてはどうでしょうか。

 

知事:

 県全体については、兵庫県の場合、非常に県土が広大で、道路、河川など社会資本整備がまだ十分に整備された、という状況になっておらず、特に道路ネットワークが、ぷつぷつと切れています。河川についても、課題を抱えている河川があるので、社会資本整備をまずはしっかりと進めていくことが重要です。
 もう1つ重要なことは、社会基盤として、情報基盤をどのように整備していくのか、ということです。情報ハイウェイというような、大きな幹線は作っていますが、その幹線から、各企業が利用する支線をどのように、きめ細かくしていくのか、ということが問われます。国としての対応も、今は通信会社の協力が基本になっていますが、整備を進めていただきたいと思っています。
 3番目は、国土の利用のあり方についてです。一極集中で本当にこれからもやっていけるのか、ということを、もっと真剣に考えなければなりません。結局、若い女性が、東京都に集まっています。したがって、こどもの数が、地方部で減っています。東京都に行った女性が、出生率を上げているかというと上げていない、という実態があります。若い女性の東京一極集中をどうやって阻止するのか、ということを、真剣に検討しなければなりません。
 我々は、就職の問題として捉えていますが、もちろんそれも重要な課題ですが、1回東京に行きたい、という願望みたいなものを、だめとは言いにくいのです。行ったらすぐに戻って来なさい、というような社会的システムができないか、こうしたことも検討していく必要がある、と思います。
 兵庫県の場合、5つの国と言われていますように、非常に県土が広いので、県土ごとの特性をいかに生かしながら、地域の特色ある発展をどう遂げていくのか、その後押しをしっかりとしていく必要がある、と思います。

 

記者:

 新型コロナの感染者の発表方法について。具体的に言うと、姫路市と明石市で、年齢非公表で発表している感染者の方がいます。
 県としても、各市の意向ということで今日の資料でも非公表が2となっています。このことは、年齢別の対応が必要だという流れの中で、非公表のままとされるのはいかが、と思います。県として全体の統計の中で何歳代と含める、というお考えはないのでしょうか。

 

知事:

 ある程度感染者数が溜まってきて、その地域で薄まるようであれば、将来的に考えたいと思います。まだ特定され過ぎてしまいます。前後の日で差し引きすると、(個人の)特定に繋がるということが過去にもありました。
 ただし、大勢には影響がありません。20名でしたら影響があるのかも知れませんが、例えば315名のうちの2名ですので、大きな流れにはあまり影響がない、と思います。
 明石市と姫路市は感染者数が少ないところですから、問題にされているのかも知れませんが、大きな捉え方としては、あまり大きなウェイトは占めてない、と言えるのではないでしょうか。もう少し調査が進んで公表できるようなことになれば、公表させていただきます。

 

記者:

 「今期4年目を迎えるにあたって」に関連して、この4年を振り返って、ご自身としてできたこと、できなかったことについて、コロナの対応も含めて教えてください。

 

知事:

 コロナの対応は最近の問題で、急に襲ってきた現象ですから、しっかりと対応していかなければなりません。
 今期の中で一番大きな課題は、県政150年をどう迎えるか、ということだったと思います。この150年を県民の皆さんと一緒に、一つの大きな節目として迎えて、今後の県政の方向付けをし、「兵庫2030年の展望」という形で示しました。そして、そのプロジェクト化を進めていくことにした、ということは大きかったと思います。
 もう1つは、例えば、社会資本整備について、道路で言うと、大阪湾岸道路西伸部が着工しましたし、あるいは北近畿豊岡自動車道の豊岡南インターまでの整備の道筋に目処がつきました。もう今年度中には豊岡南まで開通することになります。このように着々と社会基盤が進んできていることは言えるのではないか、と思います。
 ソフトの面で言うと、高等学校の通学区域を再編し学区を拡大してから一定期間が過ぎて、各高等学校の特色化が進んできています。それぞれの学校で、地域の代表としての、特色を学べるような学校群の配置になっているのではないか、と思っています。
 また、大きなこととしては、行財政構造改革が概ね目標を達しました。そのおかげで、あと10年で阪神・淡路大震災の借金も返済できる状況に至りました。これも、兵庫県の発展のためには、非常に大きな基礎づくりの完成だ、と思っています。

 

記者:

 任期は残り1年ということですが、来年、知事選挙が予定されており、この対応について、現時点での知事の思いをお聞かせください。

 

知事:

 一生懸命、自分の任期を全うする、ということです。出る、出ないは、全然別のことだ、と思っています。

 

記者:

 出る、出ないは、別のこと、ということですが、そのことについておっしゃることはありますか。

 

知事:

 ありません。自分の任期をしっかりと全うします。知事として頑張ります。

 

記者:

 新型コロナの感染者数については、感染源はかなり絞られていることは間違いない、とおっしゃいました。しかし、6月15日以降の患者数で見ますと、調査中が47%もあります。「かなり絞られてきている」というのは、我々の知らないところで、47%(の中)でもある程度は感染経路が追えている、ということなのか。半分は調査中であるが、感染源が追えているとは、どのような根拠なのでしょうか。

 

知事:

 追えているところを見るだけでも、こういう仕分けができるぐらいです。ですから、調査中の中にも相当程度このような仕分けができると類推できる、ということで、私は申し上げています。根拠があるわけではありません。
 追っているものについて、ここまで分析ができるということですが、(調査中は)発表されたくない、教えたくないという方々が大半です。そういう方々はなぜ(教えたくない)か、と言うと、あまり言いたくない場所、ということなのでしょう。そうすると、飲食店などがクローズアップされてくるのではないだろうか、という意味で申し上げました。

 

記者:

 感染者数が、今のところ急激な伸びを示しています。知事としては、感染者の封じ込めを狙っているのでしょうか。それとも、ある程度の感染者数は、今後も、1日20人、30人ぐらいのペースで続くことは、やむを得ないという考えで、今後の施策を打っていくのでしょうか。

 

知事:

 それは、当然封じ込めを狙っています。感染がかなり明らかになっているということは、1次感染源からもらって来た人達が、家族や職場で2次感染させている可能性が高い、ということです。2次感染を受けた人たち、家族や職場の人たちの接触者や関係者をしっかりと潰していくことによって、それ以上の広がりを阻止していきます。これは、今、我々が取っている作業ですので、これにしっかりと取り組むことが、これ以上広げないことの基本になるのではないか、と思っています。
 また、先ほど少し触れましたように、7月の上旬から中旬にかけて、きっとそのような飲食店とか、楽しみの場所に行かれるような機会が多かったのではないか、とも考えられます。3月末同様に、民間会社だと株主総会の後、株主総会の後の人事ということも考えられます。そう考えてくると、今頃が少しピークで、今後ピークアウトする可能性があるのではないか、と私は見ています。見込み違いであればお詫びを申し上げなければなりませんが、そういう期待をしています。

 

記者:

 以前の会見で、東京都由来、大阪府由来の人数を挙げておっしゃられたことがあります。今、そのような直近のデータはお持ちでしょうか。もしお持ちでなければ、次回以降、そういう分析を発表していただけないでしょうか。

 

知事:

 それはちょっと難しいのです。

 

記者:

 どういうところが難しいのでしょうか。

 

知事:

 特定できないからです。つまり飲食の場所、東京都に出張に行ったから、そういうところで飲食したからもらってきたのかも知れませんし、大阪府へ飲食に行ったからもらってきたのかも知れませんが、特定はなかなかできません。
 東京都由来、大阪府由来というのは、大きな推測の話であって、数字で表せ、と言われたら、それはなかなか難しい、ということになろうかと思います。

 

記者:

 昨日、ボーガン(クロスボウ)を使用した事件がありました。検討会で新しい条例案を検討されているかとは思いますが、この事件に関する受け止めと、条例化にあたって、検討会への期待を教えてください。

 

知事:

 ボーガン(クロスボウ)が人を殺める道具として使えるということを、宝塚市の事件で広めてしまったわけです。ですから、非常に警戒を持ったがゆえに、できるだけ早く規制対象化しよう、ということにしたわけですが、第2の事件が起こってしまいました。
 このため、深刻に受け止めて、できるだけ早く条例案を固めて、こういうことをするということを公表していく、提案する前に公表していくということも考えていった方がよいのではないか、と思っています。
 したがって、今回の事件を踏まえてみると、今、持っている人達にも届け出義務を課すぐらいの制度化を検討しなければならないのではないでしょうか。今までは、ボーガンを購入しようとした人達、新規に持とうとした人達を中心に、制度化を図って、登録制にしようとしていたわけです。しかし、経過的な対応も必要なのではないか、と今回の事件は示唆しているのではないか、と思っています。

 

記者:

 現時点で検討会は、今、持っている人が対象ということよりも、これから買われる人が対象だったように思います。

 

知事:

 ですから、今持っている人も対象にしていかなければ、効果が半減されてしまう恐れがあるのではないか。

 

記者:

 そのことも含めて、検討会では検討されるのでしょうか。

 

知事:

 検討してもらわなければなりません。

 

記者:

 数日前、コロナ担当の西村大臣が、感染防止策をとっていない接待を伴う飲食店の店名の公表ができないか、ということを検討していて、場合によっては各都道府県に通知をする、という話が出ていたようです。
 この対応についての知事の受け止めと、今後そのような対応ができるようになった時に、県の施策として、どのような対応をとるのでしょうか。

 

知事:

 対策の結論として、そういうことを考えられるのか、と思いますが、その前に、やはり、きちんとガイドラインに則した対策を行うような指導をして、徹底していかなければならないのではないか。その組み合わせを検討する必要があるのではないか、と思います。

 

記者:

 ボーガン(クロスボウ)の話に戻ります。今、検討している案は、これから購入する人たちへの規制かと思います。先ほど、知事は、すでに持っている人への規制がどのようにできるのか、という話をされました。それから、今の時代、店舗で買う人はほとんどいなくて、やはり、ネットでの購入が恐らく中心になっていると思われます。そのあたりをどのように(進めるのでしょうか)。
 見えないところで取引をするため、本人が届け出ない限り分からないという形です。実効性という意味で、果たしてどのように進められようとしているのでしょうか。

 

知事:

 所有者に義務を課すことが第一義だと。そして、届け出なかった場合には、罰則で担保する、ということだと思います。
 通信販売などで、県境を越えるから規制できない、と言って諦めるのではなくて、通信販売で買っても、買った人がいるわけですから、買った途端に届け出なければならない義務を課すことで、それで掌握する、ということではないか。そして、お店やそういう通信販売業者には協力依頼をしていく、という構成なのではないか、と思います。
 しかしながら、最近どのような議論になっているのか、確認をしていませんので、これから早速に確認をした上で、制度化を急ぎたい、と思っています。

 

記者:

 以前、この(条例化の)話が出た時に、9月議会までには遅くとも、というようなお話をされていました。実際はやはり、今議会にも間に合いませんでしたし、9月議会という形で考えていらっしゃいますか。

 

知事:

 そうです。9月議会には必ず提案して、議会で議論していただいて、条例化したい、と考えています。

 

記者:

 週末の神戸市のコロナに関する会見で、市中感染の動きが見られるということと、第2波が神戸市にはもう訪れている、という見解を示されました。
 知事としては、県内の感染者の状況を見られていて、どのようにお考えでしょうか。

 

知事:

 第2波と言うか言わないかは、その定義がしっかりとはしていません。第1波の、例えば、兵庫県で言うと42人が49人になったから、もう第1波を超えたから第2波だ、と言えば言えないわけではないのかも知れません。しかし、私は、まだ様子を見る必要があるのではないか、と思っています。
 それから、市中感染の話は、最初に東京都が出発になって、その関係で大阪府に波及して、大阪府で飲食店等から持ち込んで、兵庫県で家庭や職場、あるいは飲食店というようなところで発生してきています。そういう現象の流れをずっと捉えていくと、市中感染だとおっしゃりたいのかも知れません。しかし、私は、まだ市中で至るところで先を追えない、つまり感染源が追えないような状況ではないのではないか。もっとしっかりと感染源を追うことによって、陽性者の濃厚接触者や関係者を封じ込めていく、こういう努力をすべきなのではないか、と思っています。

 

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