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(資料に沿って説明)
記者:
今日、「拡大期1」に入ったということで、「感染小康期」から2週間足らずで一気にステージが3つ上がった状況です(7月17日「警戒期」へ、23日「拡大期」へ移行)。今の県内の感染状況を見て、知事のご認識はいかがでしょうか。
知事:
6日単位でワンランクずつ上がってきているので、急カーブであることは間違いありません。先ほど、県民の皆さんにも、正念場であるという認識を持ち、ご協力いただきたい、と申し上げました。発生状況の急激な増加に対し、相当強い懸念を持たなければならない状況である、と認識しています。
記者:
そうした中で、今回、外出自粛等の制限を強化されたところです。先ほど大人数の目安は2桁以上だということで、お示しいただきましたが、会食や飲み会には県内も含まれますか。
知事:
もちろん県内も含みます。以前は、主としてターゲットが特定されていることを前提に、対策を構築していましたが、先ほど冒頭で説明したように、広がりが見えてきており、職場、家庭での感染が増加しています。このため、県内での大人数での会食、同席状況をできるだけ避けていただいた方が望ましい、ということで要請させていただきます。
記者:
若者に対し、特に注意喚起をされていますが、この若者は20代~30代を想定すればよいのですか。
知事:
そうです。最初の発生状況では、10代、20代、30代で区切っていますが、そのような年代も対象になる、と思います。
記者:
あくまでも、今回はお願いがベースです。これまでの分析であれば、会食が一定の感染を広げる原因とも見られます。お願いベースなので、どこまで実効力があるのか、ということが気になるところですが、いかがでしょうか。
知事:
食事をするな、というわけにはいかないので、やはり、それは要請(お願い)ベースになる、と思います。
最近、高齢者の感染が若干増えています。全部が全部とは言いませんが、家族との会食などで感染されている事例が出てきています。家庭内に持ち込むというケースもかなり見られるので、注意喚起する必要があります。
家族での会食が悪いわけではないので、その点は十分に注意しながらやっていただきたい。若年層からうつされるケースが多いので、若年層の状況を、自らよくチェックしていただければ、と思います。
記者:
飲食店については、政府の方で、まだ正式決定ではないのかも知れませんが、感染が悪化するようであれば、夜10時まで、という一定の時間を区切り、都道府県知事が営業時間短縮を要請できるように準備を進めていく、という報道があります。そうなれば、知事は1つの手法として、(営業時間短縮の要請を)使うお考えはありますか。
知事:
問題は、時間制限をお願いするにしても、やはりご協力いただいた場合の、一種の見返りが、どのような形で要請されるか分からない、ということです。単純にそのようなことをやってみたらどうですか、と言われても、なかなか、踏み切りにくい、という気はします。まだそこまで、対策として俎上に挙げていません。
記者:
大阪府について、本日200人以上発生し、相当急増しているようです。隣県ですので、当然、交流も多いです。この大阪府の急増する状況について、知事はどのように見られていますか。
知事:
昨日、大人数とは言われていませんが、5人以上の会食を20日間やめましょう、という呼びかけをされたので、やはり危機意識を持たれている、と思います。
特に、感染の源になっている施設が、大阪府に集中しているのではないか、という認識も前提とし、思い切った要請をされたのではないか。この時点の要請が効いてくるのは10日以降ですが、そのような危機意識を訴えていただいている、ということを我々も共有したい、と思います。
記者:
今回、5段階の4段階目にまで達し、最終ステージしか残っていない状況です。今後の発生状況はまだ見通せませんが、この5段階の対応のままでよいのか、あるいは、もう少しフェーズを考えていかれるのか、今、どういうお考えですか。
知事:
これは、最終段階になってから考えなければなりませんが、病床の確保などについては、5段階よりも次の段階に備えたスケジュールを事前に持った上で、対応していかなければ、急には間に合いません。そうした対応を考えなければなりません。もう一段階追加することは、視野に入れておく必要がある、と思います。
記者:
今後の感染状況を見ながら、ということですね。
知事:
私のシナリオは狂いました。7月中旬の、株主総会の後の大きなパーティーや宴会、歓送迎会などがあったりしたことに伴うのではないか、と想定していました。もしも、それが原因だとすれば、ピークアウトしつつあってもよいのですが、それだけが原因ではないような状況です。本日46人発生したので、大変心配しています。
記者:
6月18日の段階では、「感染拡大期」は1つで、当時は、そのフェーズに入ったら、「緊急事態宣言並みの対処」も想定されていた、と思います。今回、6日ごとに、フェーズが変わっていますが、今回の対応は、「実態に即して」というより、「現実的な」という対応になるのでしょうか。
知事:
結局、「緊急事態宣言並みの対応」の評価です。その時点では十分な評価ができていませんでした。しかし、一律に県民の皆さんに犠牲を強いる要請と、コロナ対策への効果等を考えてみると、一律の要請は「効果ゼロ」ではありませんが、犠牲が大き過ぎる、という(のが現在の)評価です。
そのため、もう少しターゲットを絞ったり、手法を工夫したりした対応が望ましい、ということで、実態に応じて、皆さんに対策をお願いすることにしています。
政府の方針もそのような方向ですし、近隣各府県の基本的なスタンスも同様ではないか、と考えています。
記者:
先ほど、食品衛生法は、直ちにコロナ対策にはならない、ということでしたが、本来業務と合わせてチェックしていただこう、という姿勢ですか。
知事:
指導とはなかなか言いにくいのですが、食品衛生法上の指導に合わせて、コロナ対策についても確認していき、確認して(対策が)されていなかったら、「してください」程度のお願いをしていく、ということです。
記者:
特措法等の改正も、当然すぐには出来ませんし、法律上の問題ではありますが、動ける人に対応していただこうということでは、風営法(による対応)もほぼ一緒であると思いますが、どのようにお願いしますか。
知事:
県警本部長にも協力のお願いはさせていただいています。例えば、食品監視指導員にトラブルが起きてはいけませんので、警察官に同行していただくことは、十分に考えられるのではないか。
その場合、風営法上の指導も、警察官の方がされることもあり得るのではないか、と思っています。
記者:
コロナ対策の法律ではないのですが、現行法で様々な法律を駆使して対応する、ということに関しては、いかがですか。
知事:
「単に、我々に対する要請だけなのか」、「何も具体的な行動を取らないのか」、という歯がゆさを持たれている県民層もあります。私たちができる具体的な動きそのものも示すことにより、協力をさらにしていただく、ということの契機になれば、と思います。
記者:
先ほどの質問でもありましたが、急速に感染が拡大しており、わずか2週間足らずでかなりの増加率です。この原因の分析をお願いします。
知事:
クラスターの発生源で感染された方々が持ち込んでこられた、というのが最初の状況でした。つまり、その方が発症した、陽性になったという(ケースでした)。その方が、職場や家庭に持ち込むケースが増えてきて、それが現実に家庭や職場で感染された方の増加に繋がっています。したがって、ステージがワンランク上がっている状況になっているのではないか、と考えられます。
4月上旬も非常に急速に拡大しました。その時とよく似ている動きを示しています。その時よりも少しボリュームが大きい、ということではないか、と思います。
記者:
クラスターの発生源が、いわゆる大阪府や東京都と見られていて、そこから感染して、県内に持ち込む方が、県内において、家庭内や職場内で広めている、ということでしょうか。
知事:
そのような状況が出てきているのではないでしょうか。県内の飲食店等がクラスター源になっている、というケースはほとんどありません、いまだにありません。(それ以外の場所で)陽性になった方々が原因となって、2次感染を家庭や職場でさせています。ですから、家庭や職場で陽性となった人達の濃厚接触者や関係者をきちんと押さえて、それ以上の感染を防いでいく、これが対処の原則ではないか、と思います。
記者:
東京都や大阪府で増えていることについて、そちらでの抑え込みが兵庫県の感染者の増加の低減にも繋がる、というお考えもあるでしょうか。
知事:
これは、現実的に因果関係が証明されているわけでもないので、何とも決めつけるわけにはいきません。しかし、現に、兵庫県内で、大阪府や東京都で発生しているような場所がない、ということを考えると、やはり東京都や大阪府での感染の源の対策は、しっかりとやっていただく必要があるのではないか、と考えなければなりません。
また、そのような感染の源になるようなところに、兵庫県民に近づかないようにしていただく必要があるのではないか、ということもあり、あえて(感染が再拡大している地域への)、不要不急の外出自粛を強調させていただきました。
記者:
資料2について、「感染拡大期2」にある、「接触機会の8割低減」や「出勤者数の7割低減」、という文言について教えてください。
知事:
何らかの目標がなければ、なかなか自粛行動には移りにくい、ということもありますので、目標設定を検討してみなければならない、という意味で、「検討」と書かせていただいています。決めているわけではありません。
記者:
休業要請とはまた別の形で、何か目標値に近づけるような施策を検討して、手を打たれる、ということでしょうか。
知事:
実施すべき手立ては、相当講じたことになります。さらに何か手立てが残っているか、と言うと、先ほどもご質問があったような、一定の業種に限って営業制限をかけていくようなこと。これを実施するのかしないのか、ということしか残らなくなるのではないか、と思います。
それの効果自身について、そこまでやった効果がどこまであったのか、ということは、なかなか実証されていません。あえてそこまで取り組むのかどうかは、慎重に検討しなければならない課題だ、と思っています。
記者:
一応、今回数値は示されましたが、内容については、今後、検討するということでしょうか。
知事:
(数値は)示していません。「検討」、と書いているだけです。
記者:
「感染拡大期1」に入っていますが、「増加期」に入った時点で、対応の方向性は「制限強化」という対応になっていると思います。知事は、一律の規制は難しい、と重ねておっしゃっていますが、外出自粛等の要請を見ますと、人々の行動変容を促すには、ややメッセージが曖昧だと思いますが、どのように考えていますか。
知事:
曖昧ではなくて、外出自粛まで求めるような事態になっている、と理解していただきたいです。
記者:
大人数の会食や飲み会を避けるということについて。例えば、大阪府に勤務されている兵庫県民と大阪府で働いている大阪府民で、同じ職場で働いている方々や、夜の街に出かける人々がいると思います。兵庫県民と大阪府民とでは要請の内容が違うので、メッセージを受け取る側からすると、やや曖昧なような気がします。
知事:
きちんと決められると、行動がしにくくなり、生活上の影響が大きくなるのではないか、と思います。
大人数という判断については、「2桁は大人数だ」、と言いましたが、5人から9人までの間でどこが適当なのか、ということの選択しかありません。これは明確になっている話ではないでしょうか。不明確ではないと思います。
ただし、兵庫県としては、「5人」というような数字を持ち出しにくい、と言っているのです。
記者:
「接触機会の8割低減」の検討についても、決めているわけではないということですが、この時点でも具体的な数字は挙げないのですか。
知事:
それは、その時の検討結果の問題で、今は、そこまでの検討をしていません、ということです。
記者:
運用している病床について、すでに652床を確保しているということです。これは、「感染拡大期2」の650床に即した対応をされている、ということかと思います。
このことは、安心度を高める、という意味合いで捉えればよいのでしょうか。また、それに付随する宿泊療養施設は、どのフェーズに合わせた対応を、今回は、考えておられるのでしょうか。
知事:
ほぼ、「感染拡大期1」の宿泊療養の500室程度の目処は立っていますので、さらに、700室まで確保できるように交渉を続けていきたい、と考えています。
記者:
宿泊療養も(今の「拡大期1」)フェーズでは500室程度ですが、700室に向けて準備していく、という考え方ですか。
知事:
そうです。
記者:
検査体制の強化について、「濃厚接触者以外も検査拡大」とあり、これまでも一定の検査を行っているが、明文化したということでした。これは、現在の方針と同じ、と考えてよいのでしょうか。
知事:
同じです。神戸市の学校の取り扱いで、濃厚接触者の検査について、私学の事例では2~3人で、垂水区の事例では関係者全員、阪神間でもかなりの範囲で行っている、という事例がありました。
その時もすでに履行はしていましたが、その事例のように取り扱いの差が出ていますので、はっきりと今回、明示しました。
記者:
「濃厚接触者」ではなくても、比較的近くにいた接触者は、無症状でも検査を行う、ということでしょうか。
知事:
「濃厚接触者」と認定されなくても、同じクラスや、同じ職員室で仕事をしていたなど、そのような範囲も検査対象となり得る運用をしてきましたが、そのことを明示しました。
記者:
集中的に検査を行い、感染拡大を防ぐ、ということでしょうか。
知事:
そうです。
記者:
外出自粛について、若年層をはじめとする「グループ」に対して、「接待を伴う飲食店等の利用を控えるよう要請する」ということです。「大人数」は10人以上が対象になるだろう、ということでしたが、「グループ」は何人以上でしょうか。
知事:
大阪府のように言うと、「5~9の間」ということになるかも知れませんね。
記者:
5人以上ぐらいの規模が集まる機会を控える、ということでしょうか。
知事:
数字では、なかなか決められないのではないか、と思っています。3人でも、2人でも、グループと言えばグループだ、という議論もあります。しかし、2人や3人をグループとは言わない、とすると、大人数ではない、それなりの集まりを言うことになるのでしょう。
記者:
もう少し小さい規模で、人が集まるような機会で、対象者としては全ての世代に、このような要請をした上で、特に10代から30代の若年層に対して、呼びかけているのでしょうか。
知事:
若年層の方がグループを作りやすいのでしょうが、若者だけではなく、壮年層もあるのかも知れませんから、「行き場所は考えてください」、というメッセージです。
記者:
今日、大阪市の松井市長が、5人以上の会食の自粛を示したことについて。一律的な休業要請などの対応が無理なため、大阪市というクラスター源となりそうなところがたくさんある場所に限って、クラスターが発生した場合は、1日1万円程度の協力金のようなものを払う、という話を出されました。
現時点で、兵庫県は、内容としては会食を控える呼びかけをするなど、同じような考え方であるかとは思いますが、お金の関係で、今、何か考えていることはあるのでしょうか。
知事:
休業要請をする場合は、お金の問題が出てくるのかも知れません。しかし、利用者への呼びかけですので、お金の問題が生じるということは、考えられない、と思っています。
従来から言っていますように、反射的利益の範囲ですので、補償や、そのようなことが生ずる余地はない、と考えています。
記者:
大阪市内などでクラスター源になっている施設があるという話が出ているかと思います。しかし、兵庫県と大阪府の間で、大阪府のクラスター情報のようなものが、なかなかすぐには出てこない、という話を伺いました。知事として、何かそのあたりの情報はありますでしょうか。
知事:
いいえ。情報交換は常にしております。今回の私どもの対処方針の内容についても、大阪府の方には連絡をさせていただいています。
記者:
入院体制について、6日前の「感染増加期」に移行した際に、400床程度、うち重症70床程度を早急に構築する、とありました。この間、6日しかありませんでしたが、もう構築できていた状態だったのでしょうか。
知事:
もうできています。
記者:
それを、またすぐに「拡大期1」に移行する、ということでしょうか。
知事:
515床まで前回も確保したため、515床までは病院側も、フォーメーションを組みやすい体制になっています。そのため、最後の方の650床を確保していくのに、現在、いろいろな相談をさせていただいています。
記者:
(前も)6日間、(今回も)6日間と急激に増えてきましたが、医療体制の早急な構築は、間に合っている、ということでしょうか。
知事:
何とか構築できるのではないか、と思っています。
1つ言い忘れていましたが、兵庫県は、陽性の患者は必ず一度入院させて、重症化しないかどうかを、医師に診断をしていただいた上で、宿泊療養施設に回っていただくか、そのまま入院していただくか(判断する)、という体制を取っています。
医師会の平林先生に、「この体制を必ず維持してください」、ということを言われ、関係者の皆さんからも要請を受けています。「そのような取り扱いを原則として、しっかりと守っていきます」、と答えています。
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