ここから本文です。
知事:
1番目は「新型コロナウイルス感染症の現状と対応」です。
既に発表していると思いますが、本日の新規感染者数は8名でした。7月20日以来の1桁の数字で、7月20日は7名でした。
お手元の資料にありますように、1週間平均患者数は30.4人になるので、もう少しで、もしかすると明日、30人を切る可能性があるかも知れません。
対策は、従来の対策を続けざるを得ませんが、懸念しているのは、色々な所で、クラスター化しそうな所が点在してきている、ということです。そこにうつす人達である原因者が、どこからもらってきているのか、ということはともかく、クラスター化しそうな所を、2次感染させないよう封じ込めをきちんと今後も続けていく、ということは非常に重要だと思います。
あわせて、すでにお願いしております「お盆を過ぎても、『引き続き、警戒宣言!』」へのご協力を県民の皆さんにはお願いしたい、と考えているので、よろしくお願いします。
「(1)兵庫県新型コロナ追跡システムによる注意喚起情報通知時のPCR検査の推奨」について。
国が、接触確認アプリ「COCOA」について、通知を受け取った人で必要があれば、PCR検査を実施することに取り組む、と発表されました。県の追跡システムについても、PCR検査を実施できるようにしたい、と考えています。いざという時に、安心できるシステムが裏打ちされたので、さらに、QRコードの利用、登録をしていただき、活用していただきたいと思います。
事業者の方からしても、QRコードを利用すれば、直ちに連絡がきて、PCR検査の対象にもなる、ということで、それだけ安全を徹底しているお店だ、ということにも繋がるので、効果が大きいのではないか、と期待しています。
「(2)『地域外来・検査センター(PCRセンター)』の開設」について。
これまで帰国者・接触者外来病院で受診をし、PCR検査を行ってきましたが、帰国者・接触者相談センターを介さず、かかりつけ医等からの紹介で、医師会との協力のもと、PCR検査の検体を採取することができる「地域外来・検査センター(PCRセンター)」を開設することになりました。
1つは、東播磨圏域です。「加古川・高砂PCR検査センター」と称します。もう1つは淡路圏域です。洲本市、淡路市、南あわじ市の医師会の協力の下、「淡路圏域地域外来・検査センター」を開設します。
対象者は、診療所等を受診した患者で、医師がPCR検査を必要と認めた者で、ドライブスルー方式で「唾液」検査を行う予定です。
「加古川・高砂PCR検査センター」は、8月28日開設予定、「淡路圏域地域外来・検査センター」は、9月1日開設予定なので、ご活用いただくようお願いいたします。
これ以外に、既に神戸市、西宮市、姫路市の3カ所に類似のPCRセンターが開設されているので、ご活用いただければと思います。
「(3)新型コロナウイルス感染症に関する沖縄県への看護師の応援派遣」について。
全国知事会による派遣第2陣になりますが、本県からは8月27日から2週間程度、県立病院の職員9名を派遣することになりました。全国で今回の派遣数は22名ですが、22名のうち、9名を兵庫県から派遣します。
他の県は、既に、知事会の方で発表していますが、北海道、宮城県、福島県、山梨県、愛知県、広島県、徳島県、鹿児島県で、兵庫県を含め、9道県です。
9道県で22名、うち9名が兵庫県です。なぜ兵庫県が多いのか、というと沖縄県と兵庫県は、友愛県の関係があるからです。友愛県の関係として、兵庫県として、できるだけの協力をさせていただきます。
「(4)熱中症に気をつけましょう~『ひょうごスタイル』を踏まえた熱中症予防行動~」について。
これだけ暑さが続いているので、熱中症の注意喚起もあわせてさせていただくため、このようなペーパーを作りました。応急措置として、(1)涼しい環境へ避難、(2)脱衣と冷却、(3)水分・塩分補給、(4)医療機関へ運ぶ、ということを書いています。
症状で、めまいや立ちくらみ「熱失神」、筋肉のこむら返り「熱けいれん」は軽症ですが、このような時には、直ちに応急措置として涼しい環境へ避難し、水分・塩分を補給してください。全身の倦怠感、脱力、頭痛、おう吐等の症状が出たような場合は、病院に行くことも1つの選択ですが、まずは応急処置をすぐに講じていただくことが、重症化しないためのポイントになるので、呼びかけさせていただきます。意識障害が起こると重症で、「熱射病」ということになります。直ちに入院治療が必要です。
裏面に、熱中症の症状と重症度の分類を書いています。分類3.度の意識障害が生じたら、病院へ搬送することが必要です。2.度は、先ほど言いましたように、直ちに応急処置をし、涼しい環境へ移動し、水分・塩分の補給し、意識障害がなければ、様子を見ながら対応し、意識障害が少しあるのであれば、病院で診察を受けることになります。
めまい、立ちくらみが出たら、熱中症の始まりということで、十分に気をつけていただきたいと思います。
参考資料については、特に、高齢者は注意をする必要があるので、高齢者の特徴やチェックポイントなどについて整理しています。ご活用していただきたいと思います。
2番目は「令和3年度国の予算編成等に対する提案」です。
来年度予算に対する本県からの要望ですが、概要にある通り、「1. コロナ対策の更なる推進」として、〈医療提供体制・感染拡大防止対策等の更なる充実〉について要望しています。我々としては、特に、〈今後の景気浮揚・雇用確保のための対策〉が重要なテーマになるということを強調させていただきます。需要喚起対策の実施として、公共事業費の大幅な追加や、ハード事業に関する交付金の創設。更なる消費喚起対策の推進として、GoToキャンペーンや商店街対策などの消費喚起対策と、緊急雇用創出事業の創設についても提案しています。今年の4月から6月のGDPを年率換算した27.8%減は、GDPの6割近くを占めている個人消費が落ち込んだことに伴うものであるため、一般的な景気対策としての需給ギャップを埋めることにあわせて、消費喚起対策が不可欠だということを強調させていただきます。
〈地方財政への支援〉については、しっかりとした対応をぜひお願いしていきたいと考えています。今後、〈ポストコロナ社会を見据えた地域づくり等〉が必要となりますが、東京一極集中を是正するための対応ということとあわせて、情報通信基盤の強化が不可欠だということを強調しています。
そして、新しい働き方、新しい仕事の取組という意味で、起業・創業の活性化、特に、神戸を中心に大阪・京都と「スタートアップ・エコシステムグローバル拠点都市」形成の地域として指定されたため、これを活用した地域づくりを進めていきたいと考えています。
「2. 安全な基盤の確立」として、防災・減災対策の推進は、特別枠である緊急対策事業の単純な延長ではなく、さらなる充実を図りながら、3か年ではなく5か年以上のような長期的な対応を要請していきたい、と考えています。
兵庫県庁舎等再整備への財政措置は、市町村庁舎の場合、特別の起債が用意されているものの、県庁舎については適用がありません。本来でしたら、25年前の阪神・淡路大震災の後、震災の影響を受けて県庁舎を建て替えてもよい状況でしたが、応急措置で済ませました。それは、復旧復興はやはり県民生活優先で進めていくべきだ、という基本的な考え方があったからです。ようやく県民生活の再建の目途が立ち、庁舎の方に目が向けられるような状況にもなったということですので、震災直後と同様に、特別な対応をお願いしていこうとしているものです。
「3. 安心な暮らしの実現」として、地域医療の確保で、医学部「地域枠」入学定員(臨時定員)の継続措置をお願いしていますが、これは現在、兵庫県が募集をして、医師の養成をしています。医学部を持っている大学に特別枠として上積みをしていただいて、養成しているわけですが、今は21、22名(うち臨時定員16名)です。自治医科大学が、2年か3年おきに1人プラスになるため、21名から22名の養成枠を持って、医師の養成をしている訳です。しかし、もし臨時定員を撤廃してしまうと、医師の偏在是正にも貢献しなくなりますし、絶対量も確保できなくなります。都市への医師の集中ももっと進んでしまう、ということにもなりかねませんので、知事会とも連携しながら、この医学部地域枠の入学定員の臨時枠の継続を強く要請しているものです。
「6. 交流・環流の促進」として、新たな過疎対策法の制定について、現行制度が今年度で切れるため、新たな過疎対策法の制定をしていく必要があります。その地域要件の設定などを要請しています。1つは、旧市町単位で判定してほしい、ということ。もう1つは、30年、25年という期間の比較ですが、最近は、急速に人口減が生じている地域があるので、15年の人口減の比較を要件に加えてほしい、ということです。
「7. 地方財政の充実、強化等」として、超過負担の解消について、学校施設の整備に関する補助単価の引上げで、乖離率約2割、社会福祉施設の整備に関する補助単価の引上げで、こちらの乖離率が児童福祉施設は4割、障害福祉施設は8割という状況がでてきています。従前ですと、財務省、総務省などの関係省庁と3者で実態調査をして、是正をするのが、通常になっていましたので、超過負担の解消について、見直しをしていただくように調整をしていきたい、と思います。
宝くじの売上向上については、もっと当たりくじを増やしてほしい、という要請をします。最高が12億円で、当たった人はよいのかも知れませんが、12億円が当たる率はものすごく低いわけです。そんな大金が当たらなくても、100万円でも50万円でも当たった方がよほど嬉しいので、当たり本数をたくさん作ってもらった方がよいのではないか、という提案です。高額当せん金を強調するような売り方をするから売れなくなっているのではないか、という心配もしており、要請をするものです。
以上、概略を説明しました。
3番目は「フェニックス共済 加入強化月間(9月)の実施」です。
9月は加入強化月間になっています。ぜひご協力をお願いしたい、と思います。いまだに、当初目標の加入率15%を達成できていない状況にあります。ぜひ理解を深めていきたい、と思います。
4番目は「兵庫陶芸美術館 開館15周年記念特別展『出石焼-但馬の小京都で生まれた珠玉のやきもの-』及びテーマ展『Message-現代陶芸コレクション-』の開催」です。
兵庫陶芸美術館開館15周年記念特別展を、9月12日から約3カ月間させていただきます。今回は、「出石焼」をテーマに、白磁の魅力に焦点を当てた特別展とさせていただきます。あわせて、現代陶芸コレクションのテーマ展を開催させていただきます。
私からは以上です。
記者:
コロナウイルス関係について、お盆の人出の多かった期間から2週間ほど経ちますが、1週間平均患者数は30人程度まで戻ってきて、今日も約1カ月ぶりに、1桁台の水準になっています。
先週も伺いましたが、改めて、現状の感染状況をどのように認識されていますか。
知事:
今日は8件です。(国の)分科会会長もおっしゃっていたように、7月27、28日ぐらいがピークで、あとは少しずつ減少傾向になってきて、さらに最近は減少が定着してきているのではないか、というのが全国的な傾向です。そうした傾向自身は、それほど大きく差が生じている、変わった動きを兵庫県がしているわけではない、と思っています。ただし、兵庫県の場合は、大阪府でかなりの発症者数が、まだ生じているのに比較しますと、減少してきている、と言えるのではないか。これは、県民の皆さんへ我々もいろいろと呼びかけていますが、相当注意をしていただいて、特にリスクの高いところへの出入りということに対して、注意をしていただいている、ということの表れなのではないか、と思っています。
ただし、冒頭でも少し触れましたように、今まで、あまり感染者が発症していなかった施設で、ぽつぽつと感染者が出てきています。そこの感染者が出てきている原因は、もしかするとリスクの高いところで感染された方が、2次感染させているということになるのだろう、と想像できますが、その先が追えていません。
何度も申していますように、感染源がどこか、ということも重要ですが、それよりも、感染された方の濃厚接触者や関係者を、できるだけ早く範囲を確定して、PCR検査をして、そこからの2次感染、3次感染が生じないようにしています。この努力の積み重ねが、一歩一歩ではありますが、大変意味のある積み重ねだと。今後も、それに取り組んでいきたいと、思っています。
記者:
コロナ追跡システムによる注意喚起情報通知時のPCR検査の推奨について、すでにこのシステム自体が7月以降稼働していく中で、何か要望みたいなものが、実際に該当された方々から上がってきて、それを受けた措置、ということなのでしょうか。
知事:
該当している方からの要望ではなくて、例えば、お店などの方から、あるいは、もし連絡を受けたとすると、連絡を受けた方の立場になった場合の措置として、PCR検査が受けられれば、自分が感染した、ということを県に連絡していただきやすい。つまり、自分が発生源になったのだが、他にあまり広がらないようにしてください、という意味での対応もしやすい。
また一方で、利用者の側からすると、QRコードをかざして、もし通知があると、PCR検査を受けられるという状況になります。
せっかくのシステムをもっと有効に使うという意味の裏打ちとして、効果があるのではないか。こういう提案は、この追跡システムを作った時から両者からいただいていました。今回ようやく、国のCOCOAも、それに踏み切られることになりましたので、我々も、同様の取り扱いをすることにしました。
記者:
地域外来・検査センターの開設について、まずこの2カ所を先に開いた経緯。それから感染者は、阪神間が多いですから、中核市以外の、阪神の北の方面へ展開するという予定など、その他の地域へ広げる計画があるのかを教えてください。
知事:
以前から3カ所、加古川周辺・淡路島・阪神間が挙がっていました。ようやく準備が整った2カ所から、先行させてもらうということになりました。阪神間も今、相談をさせていただいている状況です。それはまだ確定していませんが、できるだけ早く、追随していただきたい、と思っています。
記者:
「Go Toキャンペーン」について、国の予算編成(への提案)の中で、(言及が)ありましたが、他府県の知事では、「Go To キャンペーン」は、ちょっとまずかったのではないか、という意見も出ているようなのですが、知事自身としては評価されている、と考えてよろしいでしょうか。
知事:
「Go Toトラベルキャンペーン」で、例えば、東京からと言っても東京は除かれており、近県の方が多いのです。「Welcome to Hyogoキャンペーン」は、近畿(近畿2府4県)・近隣県(岡山県、鳥取県、徳島県)ですので、そういう意味からすると、それが第1原因となって、今回のコロナ感染症が拡散したのではないのではないか。全国のコロナ感染症の拡散は、こういうキャンペーンのせいではないのではないか、と大局的には見られる、と思っています。
記者:
PCRセンターの開設で、追加でお伺いします。帰国者・接触者外来を通さず、受け入れるセンターを設置する意味は、どういうとこにあるのでしょうか。
知事:
数を増やそうということです。気楽に、PCR検査がしやすい対応をしていこう、ということだと思います。
たくさんのチャンネルを用意した方が、県民に対しても、安心感を持っていただける。試みの1つと考えていただくとありがたい、と思います。
記者:
県北部は、感染者があまり発生していませんが、そちらの方に、このようなセンターを設置していくお考えはありますか。
知事:
今のところは、具体な相談はしていません。
まずはやはり、感染者の多い阪神間に作っていく、すでに西宮市では始められているわけですが、まずはその努力をしていくのが先か、と思っています。
記者:
「Go Toキャンペーン」について。このキャンペーンが始まって1カ月と少し経っています。県内の観光業に対して一定寄与したかどうか、の評価を教えてください。
知事:
まだ途上ですので、私自身も評価できるだけの情報を持ち合わせていません。
ただし、積極的に取り組んでいるところから、お客さんが来やすくなった、という声を聞いたことはあります。
記者:
今回の国提案でも、事業の拡充についての記載があったか、と思うのですが、今後継続していく中で、どのようなところに期待をされているのでしょうか。
知事:
私は、大きな商品開発で、全国的に展開しようというねらいが、国の施策としてはあったのではないか、と思います。それよりも、各県の観光地に即した対応ができるような仕掛けを、もっと強化してもらった方が、現実的にアピールしていくことに繋がるのではないか、と思っています。
全国からお客さんを呼び集める状況には、まだなっていません。近隣府県から来ていただきやすい対応をどのようにしていくか、と考えたときに、現地の温泉とか商店街にふさわしい対策を行っていくことがよいのではないか、と考えています。
記者:
地元の意向や特色のようなものを反映できるような。
知事:
そういう要素も取り入れながら行っていく必要があるのではないか、と思います。
記者:
キャンペーンそのものの実施については、いろいろとバタバタしたスタートではありましたが、知事としては、キャンペーンを実施してよかった、あるいは悪かったという評価をしていますか。
知事:
前後したかも知れませんが、GDPの減り方などを見てみると、その主要因は消費支出が落ちていることなのです。ですから、消費支出をどのようにして喚起していくかという対策を、政府として行うのは当然のことです。そのため、1つの事業としては、十分に期待される事業になり得るのではないか。まだ十分に効果が出ているとは言われていませんが、十分に期待される事業となり得るのではないか、と思っています。
記者:
先週、コロナの感染者が2000人を超えましたが、そのことについての所感をお願いします。また、秋冬の医療体制について、県の方針と現状の知事の考えをお願いします。
知事:
患者が何人になったら大変だ、ということにはなりにくいので、累積として2000人を数える患者さんが出てしまった、ということについては、そうだったとそのまま受け止めるしかない、と思っています。
ご指摘いただいたように、医療や検査の不安があってはなりません。すでに650床の病床と、110床の重症病床を確保しています。今日の資料にあったと思いますが、重症者は14名です。110床に対して14床です。入院の患者数が多いのですが、宿泊療養は48名です。もっと迫ってくれば、宿泊施設との併用をうまく活用していきながら対応していける、と思います。病床の不安は、現時点では、懸念するような状況にはなっていない、と言えます。
PCR検査についても、お待たせして、無理矢理検査調整をしている、というわけではありません。今日の8件の陽性も、400件を超えるPCR検査の結果です。PCR検査自身についても、大きな心配をするような状況には至っていません。懸念は、現時点ではないと言ってよい、と思っています。
記者:
国ではインフルエンザの流行時期に備え、ワクチンの接種を推奨する、という話もあります。県としての秋冬の対応は、医療体制の確保をより進めていく、ということでしょうか。
知事:
疑似患者が生じた場合は、疑似患者を収容して、陽性か陽性でないかを振り分けるということが必要になります。それは、まずPCR検査をしていくということです。最初の動線できちんと一般患者と分けて、疑似患者もいわゆるコロナ患者の導線で受け入れて検査をします。そして、特に抗原検査などを活用して、振り分けていきます。そうすれば、インフルエンザの流行期と重なったとしても、今のような状況が持続できる、と考えています。
記者:
最初にお話いただいた現状分析について、今減っている状況については、県民の協力があったから、とありました。その他、これまで県が先回りして、2次感染、3次感染を防止するためにPCR検査を積極的にやってきたことが功を奏している、という見方でよろしいでしょうか。
知事:
従来から、どこでうつったかと考えると、それはリスクの多い場所です。したがって、リスクの多い場所の利用は十分注意してください、という呼びかけをさせていただきました。これが県民への要請の基本でした。
一方、我々としての対応の基本は、陽性者が出た場合には、濃厚接触者の特定と、感染前の関係者を特定することです。そして、PCR検査を行うことによって、2次感染の原因となる人を早く捕まえて隔離をしていくことが重要だ、という対応をしてきました。その両面の効果が出てきたのではないか、と思っています。
今後も、我々の対策の基本は、陽性者が出た場合には、その陽性者の濃厚接触者の特定と関係者の特定をできるだけ早く行って、次なる2次、3次感染を防いでいくことだ、と思っています。
記者:
1週間の平均感染者数が30.4人ということになり、明日、30人を切るかも知れない、という状況です。「感染拡大期2」から「感染拡大期1」へ下がった際には、会議を開いて下げる、という意思決定は特にありませんでした。今回は、下がった場合に対策本部会議を開く予定はありますか。
知事:
「下がったから」というよりは、今のような状況を踏まえて、どう考えていくのかです。特に10人を割るような状況になれば、当然、今、警戒宣言で県民の皆さんにお願いしているような事柄を見直さなければならない、ということになります。まだ、仮に30人を割ったとしても、お願いしている事柄を直ちに見直すような状況になるのか、ならないのか。それを相談することはあり得る、と思っています。
ただし、4月、5月の時は、急速に件数が減っていきましたが、対応としては、緊急事態宣言が解除される、ということを前提に対処方針の見直しをしていきました。そういう状況に至っているかどうかをしっかりと判断して、決めていかなければならないのではないか。そのため、今週中には対策本部会議を行う必要があるかも知れない、と思っています。
記者:
コロナ追跡システムについて、これはまず大阪府が始め、兵庫県も始めました。この追跡システムで通知があると、検査を受けることができるのは、今のところ兵庫県だけでしょうか。
知事:
全国的にもそれぞれ各県で検討されている、と思います。国が「COCOA」について方向性を出されたので、各県独自の追跡システムも、準じていくことが基本ではないか、と考えています。
記者:
兵庫県が初めて、という認識ではないのですか。
知事:
8月21日に、国が「COCOA」について、接触確認アプリから連絡を受けた方に必要ならばPCR検査をします、という方針を出されました。
兵庫県は、それに準じました。他の各県も、そのような県があると思います。現時点で、データ(情報)は持っていません。
記者:
いつ頃から、通知があると、PCR検査が受けられるのでしょうか。
知事:
今日からです。
記者:
国への予算編成に対する提案の中に、ポストコロナ社会を見据えた地域づくり等の「多極分散の国土構造への転換」の中で東京圏への立地規制の制度化とありますが、これは具体的にどういうことですか。
知事:
工場、事務所を新たに作れないように、ということです。
記者:
東京圏に、でしょうか。
知事:
はい。
記者:
作れないような制度を何か作ってほしい、ということですか。
知事:
はい。今、大学の新設は規制されています。だから、その対象施設を広げてほしい、ということです。
大学は、文科省の法律で済みますが、立地規制はそういう訳にはいきません。立地規制として、拡張ではなく、新たに要請します。
記者:
人の移動を大きく変えるような、特に居住という観点で何か、要望はされますか。
知事:
居住は、憲法の居住の自由があるので、制限するのは大変難しいのです。それとの関連で見ると、住んではいけない、とは言えませんが、こちらにどうぞ、という誘導ができるのではないかと思います。
記者:
熱中症について、温暖化やヒートアイランドなど、要因は様々に指摘されています。温暖化ということになると、兵庫県だけで何かするのは難しいのかも知れませんが、ヒートアイランド、都市化に対しては、兵庫県として、これまでいろいろと計画を練られ、取り組まれています。今後、何か新たな取り組みはありますか。
知事:
ヒートアイランド現象では、例えば、屋上緑化、壁面緑化により緑地率を高める対応を、県民緑税などを使わせていただき、やっています。緑化箇所は表面温度の低下に効果がある、ということは、実証されていますが、これらの緑化によりヒートアイランド現象の緩和にどこまでの効果があるのか、ということの評価はなかなか難しい、という状況です。
それよりは、資料に書いてありますように、涼しいところで過ごす、水分をたくさんとる、ということに注意していただく方が、対処的な対応としては、効果がある、ということは言えると思います。
まち全体としての対応としては、緑地率を上げることは、1つの、広い意味での対策に繋がる、と思います。
記者:
今、緑地率のお話がありましたが、県は、目標を持っていますか。
知事:
ひょうご花緑創造プランに目標が掲載されています。直ちにお答えできませんが、後程、お答えさせていただきます。
記者:
PCRセンターですが、これは、県初の開設でしょうか。
知事:
西宮市、神戸市、姫路市は、すでに作られています。医師会と県とが相談して設けるPCRセンターとしては初めてですが、神戸市は神戸市医師会と相談し、西宮市は西宮市医師会と相談をしています。
記者:
県としては。
知事:
県としては、初めての対応です。
記者:
今後、阪神間に作られる、というお話がありましたが。
知事:
中核市以外の、保健所を持っていない、伊丹市、宝塚市などをにらんだ対応を考えています。時期は、まだ不明ですが、そういう検討をしています。
記者:
県内の重症病床について、余裕があり、体制ができている、ということをおっしゃっています。例えば、他府県が逼迫した時、兵庫県で受け入れる、あるいは、広域連合で、そのような話がある、など、今何か考えていることはありますか。
知事:
広域連合では、もともと病床の融通について、対象行為の1つに挙げているので、逼迫状況が厳しくなってくると、協力できるところは協力していく、ということになると思います。
しかし、重症者は、移動が大変で、移動させること自身がどうか、ということにも繋がるので、非常に制約のある中での相互協力になるのではないか、と思います。
記者:
患者の受け入れの融通について、何か具体的に進んでいる話はありますか。
知事:
まだ、現実の協議にはなっていません。兵庫県として、どこまで協力できるのか、という検討は、内部的にはしています。
記者:
話の流れとして、逼迫している府県がどこかあれば、そこが助けて下さい、と手を上げるスタイルなのか。話し合いが具体的に始まっていますか。
知事:
「助けてくれ」、だと思います。押しかけたとして、要らない、と言われたら、押しかけた方の立場はないので、そのあたりは、あうんの協議をしていかなければならない、と思います。
関連資料
お問い合わせ