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知事:
従来、9月補正予算については、災害など緊急措置を行わなければならないケース以外は、(当初予算で)年間の予算を組んでいるので、行わないことが原則でした。今回は、ご承知のようにコロナ禍において、その対応を引き続き行う必要があり、秋から冬にかけてインフルエンザが予測されるので、その両面対応が必要です。また、コロナ対策だけではなく、ポストコロナの時代を見据えた公共投資、安全投資について、制度を活用しながら行っていく必要があるため、予算編成することにしました。
基本方針は、「1 新型コロナウイルス感染症への対応」、「2 ポストコロナ社会を見据えた兵庫の基盤づくり」の2つの柱です。
特に、「1(2)地域経済の活性化・地域の元気づくり」は、コロナの影響をいかに克服するか、「2 ポストコロナ社会を見据えた兵庫の基盤づくり」は、将来的な基盤を整備していく、という使い分けをしています。
財源は基本的に、(新型コロナウイルス感染症対応)地方創生臨時交付金、(新型コロナウイルス)感染症緊急包括支援交付金を活用します。公共事業等については、公共事業等事業債が、地方負担額の約9割を占めるので、残りの1割については、一般財源である地方交付税を財源に使います。
補正予算の執行にあたっては、事業効果を早期に発現させるため、適切な準備を進め、早期の事業執行に努めます。
2ページをご覧下さい。今回の補正は、(一般会計)1864億4400万円です。公営企業会計は、36億円で、ほとんどは流域下水道です。また、病院で5億円ほどあるので、その分を合わせ、1900億6600万円という総額になっています。
財源内訳をご覧下さい。ほとんどが国庫ですが、特定財源の1569億円は、基本的に、制度融資の預託金です。銀行の資金を使いながら、資金コストを下げるため、県が、各銀行に原資の一部を預託する形で供給しているものです。この預託金は、毎年、預託額を過去の累積を見ながら決めるとともに、最後は、(年度末の)3月31日に戻ってくるため、特定財源になっています。
施策体系別で事業一覧を記載していますが、個別にご覧いただくことにしたいと思います。
5ページ、「Ⅰ 新型コロナウイルス感染症への対応」は、1696億円です。戻って、2ページの表(下から2行目)の「2(1)①中小企業への運転資金支援」で、1575億4800万円という数字が出ていますが、これは今、1兆円にしている枠(融資目標を3000億円増やすので、それに伴う預託金の増額が必要です。その部分が、「Ⅰ新型コロナウイルス感染症への対応」の(予算額の)大半を占めている、ということを、大まかに確認しておいてください。
再び5ページ、「1(1)医療提供・検査体制の充実」です。
「① インフルエンザの流行を見据えた外来・検査体制の拡充」は、「(ア) 発熱等診療・検査医療機関(仮称)の整備」を行います。箇所数は250カ所を目標とし、通常の身近な医療機関で、相談・受診・検査を提供できる体制を整備します。空気清浄機、パーティション、その他の設備等を1カ所当たり160万円交付することにより対応します。検査研修なども行っていただく必要があるので、医療10圏域で1圏域につき20万円交付します。
「(イ) 地域外来・検査センターの追加設置」です。医師会と協力し、常設検査機関ではない臨時の検査センターを増やします。現行8カ所になっている検査センターを、今回、県分として4カ所分を追加します。現行の政令市等分としては、神戸市、姫路市、西宮市、尼崎市、明石市の5カ所になっていますが、尼崎市と明石市は現在、設置検討中です。これは既に予算化しています。県分の計7カ所ですが、すでに淡路、東播磨でスタートしました。現行、県分は3カ所になっていますが、現実に動いているのは2カ所で、準備が進みつつあるのは宝塚市です。あと4カ所程度検討していく予定です。地域は、伊丹市、三田市などの阪神北地域、西播磨、但馬が候補です。
6ページ、「(ウ) 帰国者・接触者外来の追加確保」です。帰国者・接触者外来は、現在、予算上は60カ所の予算措置がされています。皆さんには66ヶ所確保した、と申し上げてきたと思いますが、予算的には10カ所増やし、70カ所の予算を準備することにします。現在の帰国者・接触者外来は、66カ所です。
「(エ) 抗原検査の拡充」です。抗原検査は、時間が短縮できる、ということもあるので、今後、35万4000件の検査件数を見込み、対応することにします。特にインフルエンザ流行期の場合には、インフルエンザなのかコロナなのか、両方の検査をする必要があるので、抗原検査が中心になる可能性がある、ということで、この措置を行いました。これは、新型インフルエンザ対策特別措置法に基づき、負担割合は法律で法定されているので、県負担の2分の1は、別途、包括交付金ではなく、予算化しておく必要があります。
「②県立病院における感染症対策の強化」です。県議会の議員の皆様からの協力に基づき、パルス方式キセノン紫外線照射ロボットを導入します。議員の皆様の協力は1億円なので、尼崎総合、加古川、丹波、淡路の各医療センターに配置させていただきます。その他、西宮病院、ひょうごこころの医療センター、こども病院、がんセンター、姫路循環器病センターについては、臨時交付金を活用し、整備することにし、計9病院に配置します。
7ページ、「③ 精神科救急の受入再開に向けた県立ひょうごこころの医療センターの改修」です。精神疾患の新型コロナウイルス感染症対応に伴い停止している精神科救急を、北1病棟を改修することにより、12月から供用開始できるようにしたい、ということで準備を進めます。
「④ 在宅高齢者・障害者一時的受入体制の整備」です。図示していますように、在宅高齢者・障害者の一時受け入れの独立した建物を用意し、対応します。特に、家族が面倒を見ていただいている在宅の高齢者、障害者は、家族が陽性になった場合に、面倒を見る人が誰もいない、ということがあるので、この方々を、一時受け入れ施設に収容し、関係者で対応できる施設を作るものです。
8ページ、「(2)感染予防に向けた情報発信の強化」です。
「①新型コロナウイルス感染症追跡システムの構築・運用」は、登録件数が増えてきているので、サーバーを増強します。現在、2台活用していますが、3台増やし、5台体制にしようと考えています。事業者が登録時に1分間で40件対応できる能力にしよう、と考えています。
「(イ)システムの普及啓発」として、県所管の全飲食店(22,736 店)への周知徹底のため、感染防止対策宣言ポスター、新型コロナ追跡システム導入の依頼文等を送付します。ガイドラインに基づく対策等を行っていただいている店舗には、ポスターを貼っていただく、ということを狙っています。
「②次なる波に備えた情報発信の強化」は、新聞をはじめとする、マスコミのみなさんの協力を得るための経費を計上しました。
9ページ、「(3)新しい生活様式を踏まえた今後の感染拡大防止への備え」です。
「① 県立施設の換気設備の強化」については、6月補正の時に、避難所になりうる体育館の換気設備を、1カ所当たり300万円程度の事業費を見込み、計上していましたが、それ以外の施設も、換気機能を強化する必要があるので、整備します。
「②県庁舎等におけるひょうごスタイルの推進」では、職員研修のオンライン化などについても対応できるようにさせていただきます。10ページ、いなみ野学園や県警についても同様です。
「③ 県庁舎等における県民の感染防止対策の推進」です。県庁舎内に置くアクリル板ですが、会議室に設置するとともに、消毒液等の衛生資材の備えをさらに増やします。
「④県議会における感染防止対策の推進」です。県議会は、現在、当局の席は、隣同士アクリル板を立てていますが、議員の席についても、隣同士は、アクリル版を立てます。また、委員会室においても、同様の対応をします。7月議会、6月議会両方とも、(席の配置について)臨時的な対応をさせていただきましたが、非常に後ろの方の席になったり、2階席になったりしている方々がいました。議場としての一体感が保ちにくいこともあり、そのような対応をします。
11ページ「⑤地域公共交通新型コロナウイルス対応型運行の支援」です。国が2カ月間の支援を行うことになったので、県としても、国の補助期間である2ヶ月を上乗せし、国の制度と県市の共同で行う制度で4カ月間、路線維持のための助成措置を行います。参考に国の制度を書いています。
12ページ「2 地域経済の活性化・地域の元気づくり」です。
「(1)① 中小企業への運転資金支援」は、現在、1兆円の融資目標ですが、3000億円増やします。ページ下の参考に書いている、現在の感染症対策の6資金のうち、5.新型コロナウイルス感染症対応資金(無利子・無保証料)4000万円限度の資金と、6月議会で創設した、5000万円限度の県の保証料無料化資金(新型コロナウイルス感染症保証料応援貸付)の2つが、大半は活用される場合が多いです。参考に書いてあるとおり、既に、現行融資枠は7700 億円になっているので、あと3000億円の枠を確保します。中小企業者の皆さんに、資金手当の用意はできている、ということをアナウンスすることにより、事業継続意欲を高めてもらおうとするものです。
13ページ、「②京都丹後鉄道の運行支援」です。これは京都丹後鉄道が、鉄道再構築事業として、国の認定を受けているため、京都府や沿線市町と一緒になって、協調して支援をしようとするものです。
「(2)地域経済の活性化に向けた支援」です。
「①商店街お買い物券・ポイントシール事業の拡充」については、4億円強増やそうとしています。県と市町が一緒になって、商店街からの申請が多い、商品券あるいはポイントシールで2割のプレミアムを付ける事業を行います。
「②宿泊に伴うおみやげ購入券発行事業の拡充」です。概ね1~2割を目処に購入券を進呈するキャンペーンを行います。
14ページ、「③地域企業デジタル活用支援事業の拡充」です。中小企業が、テレワークやデジタル技術を活用したサービスの提供をしようとした場合の支援です。
14ページの下に、持続化補助金の概要を書いています。国が、小規模事業者に対して、補助上限50万円で3分の2の助成制度を設けています。これが非常に弾力的で使いやすい制度ですが、小規模事業者は、資本金5000万円以下、従業員5人以下、製造業でも、資本金3億円以下、従業員20人以下となっており、これに当たらない事業者は、国の制度が使えません。そのため、「③デジタル活用支援事業」や「④中小企業事業再開支援事業」を用意して、感染防止やデジタル化のための設備投資を応援しようとしています。県単独の制度です。これらは、地方創生臨時交付金を使おうということで当て込んでいます。
15ページ、「⑤神戸ルミナリエ2020代替事業の開催」です。神戸市と協調しながら行います。
「⑥淡路花博20周年記念花みどりフェアプレイベントの開催」についても、今度の4連休の9月19日から11月中旬までプレイベントとして実施させていただきます。
16ページ「(3)農林水産物の需要喚起」です。
「①県産農林水産物直売・消費応援事業の実施」については、農林水産物の直売所において、商店街と同様に購入額の5分の1の金券を配布して、その配布されたものを次回以降に使っていただく販売促進対策を行います。
「②ひょうごの酒・酒米需要拡大の促進」については、ブリュッセル国際コンクール日本酒部門は1年延期しましたが、需要拡大のために、そのプレイベントを開催させていただきます。
17ページ、「③但馬牧場公園の機能強化」です。内容としては、多言語対応のアプリの導入や、但馬牛の歴史や魅力をYou Tube等で発信する、動画の作成が中心です。ユニークなのは、出張博物館と称して、出前講座を各学校や団体等へ回ろうとするものがあります。
「④県産木材利用拡大キャンペーン事業の実施」です。現在、県産木材の利用が、このコロナ禍で非常に低調となっています。したがって、着工戸数を増やし、県産木材の利用を増やしていくことを願って、県産木材費の5分の1相当(定額30万円)を助成しようとすることにしたものです。
18ページ、「(4)県民生活の安定化に向けた支援」です。
「① 緊急生活福祉資金貸付原資補助事業の拡充」については、総合支援資金で、6カ月分、総額最大120万円まで借りられる制度で、県社会福祉協議会が貸し付けています。9月までに原資が枯渇しないように、今回65億円程度を追加するものです。
「② 授業料減免を実施する専修学校への支援」です。大学等に準ずる若者が学んでいる授業料について、家計が急変した学生は、所得制限を設けさせていただきますが、授業料の減免について4分の1、助成対象にするものです。支援スキームを見ていただきますと、国、県、学校負担、生徒負担で、60万円をそれぞれが4分の1ずつ負担し合う仕掛けにしました。
19ページ、「③ 緊急対応型雇用創出事業の拡充」です。雇用関係は、遅れて影響が出てきます。これから、失業者が増える可能性がありますので、我々ができることは、つなぎ雇用ではありますが、臨時的な職場をつくることです。それによって、大きな雇用ショックを和らげたいという意味で、すでに7月補正の際にも500人の緊急対応型雇用創出事業で対応し、さらに500人の対応をしようということです。
「④ 緊急雇用対策職業訓練事業の拡充」です。4月補正の際に400人の職業訓練定数を増やしていますが、今回も同じ400人ですが、訓練コースが違いますので、補正額が異なっています。
「⑤ 緊急対応型障害者在宅ワーク創出事業の実施」です。在宅での障害者のネットワークを作って、障害者の雇用を促進するモデル事業を実施しています。そこで、この在宅障害者仕事確保ネットワーク事業が今のような情勢から新規の発注がほとんど見込めないという状況になっていますので、県としてできることを、緊急避難的に発注しようとするものです。
20ページ「⑥ひょうご障害者ワークフォーラムの開催」は、障害者の仕事のマッチングを試みようとするものです。
21ページ以降が、「Ⅱ ポストコロナ社会を見据えた兵庫の基盤づくり」です。
「1 県民の安全・安心の基盤づくり」です。
防災事業などを中心に、「① 社会基盤等の防災機能の強化・充実」として、「(ア)補助事業」では142億円の補正をします。道路、砂防、公園、造林、林道、漁場整備などが中心です。(イ)直轄事業についても、25億円ほどの補正を計画しています。豊岡道路は、豊岡南より北の区間です
「② 流域下水道の地震津波対策の推進」については、ほとんどが、変電設備、汚水ポンプの長寿命化の対応です。
それから、ユニークな事業を1つ。22ページの「③ 山間部等における停電対策の推進」を予算化しました。
九州で、台風10号により相当停電が発生しましたが、ほとんど送電線が倒木によって電気が送れなくなったことが原因です。そのため、昨年、関西広域連合が、電力会社、ガス会社、NTTと停電対策の包括協定を結んでいる動きの中の1つとして、今年度、補助率4分の1で助成して、事前に、関電等と相談して、2500カ所程度の危険のある樹木を伐採する事業を始めることにしました。かなり、事前防災の対策としては、ユニークな対応になると思っています。
「④ ボーガンの安全な使用及び適正な管理の推進」として、ボーガンの安全使用及び適正管理の条例を出させていただきますが、それのPR費用を500万円計上しました。
23ページ、「2 新時代に向けた情報基盤・交流基盤等の構築」です。
「① 情報通信ネットワーク基盤の整備促進」については、学校からアクセスポイントまでの容量が、今100Mbpsですが、10倍にして、1Gbpsにする必要があります。その費用と、県庁WANについては、今1Gbpsですが最大10 Gbpsまで対応できるような体制を整備していくものです。
「② ニュースバル放射光施設産業利用拠点の整備」については、企業ニーズの高いビームラインの改修を実施するものです。
24ページ、「③ 地域プロジェクト・モデル事業の実施」です。県政150周年の記念事業で策定しました「2030年の展望」の具体的なプロジェクトについて、その具体化を図っていく必要があります。地域プロジェクトごとの分科会をつくり、議論をし、シナリオを書いて、そして先見的なモデル事業を実施していこうとすることで、スタートを切らせてもらうことにしました。
「④ ひょうごで暮らす!体験キャンペーン事業の実施」です。最近、非常に地方で住もうとの関心が高まっています。地方というのを全く味わったこともない人たちにとってみると、未体験になります。一度、お試しをやっていただいたらどうか、ということで、お試し移住、そしてテレワークでつなぐという試みをしていただくものです。
25ページ「⑤ WEB 合同企業説明会の開催拡充」も実施させていただきます。
「⑥ 県立高校における農業人材の育成」については、農業人材育成のために実践的な機械の導入をさせていただきます。篠山東雲高校のリモコン草刈り機などは、大変注目されています。農作業で何がきついかというと雑草刈りです。例えば、田んぼの脇にある、かなり面積の広い斜面を人力で刈っていたら、熱中症で倒れてしまうことになりかねません。こういう自動のロボットで草を刈ってもらうというような機械を導入して、先進的な育成を図ろうとしています。
私からは以上です。
記者:
5ページの最初、今後のインフルエンザ流行に備えた発熱等診療・検査医療機関(仮称)の整備について。これは、国の通知を受けての対応ということだと思いますが、こうした新たな取り組みの効果や期待について、もう一度お聞きしてもよろしいでしょうか。
知事:
この数は、新型インフルエンザが流行した際に、我々が準備した診療所の数と同じで、250カ所です。それに準じて対応していこうとしています。コロナとインフルエンザは初期症状で区別がつきません。したがって、今はコロナの場合は、基本的に帰国者・接触者外来で診断を受けて、要否を決めていますが、それだけではとても対応がしきれない状況が予想されます。民間病院や医師会の皆さんの協力を得て、コロナであれば、コロナの対応をしなければなりません。混在させるわけにもいきませんので、設備を整え、体制も整えた施設を250箇所用意して、帰国者・接触者外来と同機能とまでは言えませんが、補足していただくようなセンターを、発熱等診療・検査医療機関(仮称)と称する機関を設けたいと思い、準備しようとしているものです。
記者:
12ページで、融資目標額を3000億円引き上げる、ということですが、これが最終になるのでしょうか。
知事:
現在の融資実績は、8月末現在で6590億円です。ですから、(1兆3000億円まで増額することにより、)ほぼ2倍を確保することになります。コロナ以外の一般枠を考慮しても、一般資金はこういう状況ですから、きっと1000億円ぐらいだと思います。したがって、コロナ関連を5000億円確保したことに繋がりますから、十分対応できるのではないか、と考えています。
記者:
15ページ、神戸ルミナリエの2020代替事業について。以前、中止になった際に、「代替事業を」ということでしたが、これをやることについて、知事としての思いをお聞かせください。
知事:
今、渡航・入国の制限をしていますので、イタリアからのディレクターも来られませんし、材料を製作しても運び込めない、という状況もあり、延期せざるを得ません。
(今回は)26回目のルミナリエです。震災25年を経て最初のルミナリエだということもありますので、やはり何らかの代替措置が必要なのではないか、ということです。ルミナリエほどにはなりませんが、「3密」を避けながら、光のお祭りとして、亡くなった方への鎮魂と、今後の明日への希望、というルミナリエのテーマを発信できるような事業をやろうではないか、ということで、検討を進めているものです。私は、「密」を避けるという意味で、「神戸の市街地を全部光で囲ったらいいのではないか」と言ったのですが、そうするとルミナリエよりもお金がかかりますので、少し難しいのです。今、適切な検討をしてくれていますので、東遊園地を中心にすること、25年のルミナリエを振り返ることの2つを基本コンセプトにして、検討を進めています。評価していただける代替事業になるのではないか、と思っています。
記者:
5ページの同時流行対応について補足的に伺います。厚生労働省としては、10月中に体制整備という言い方をしているかと思います。この250カ所は10月中にある程度もうでき上がるようなイメージなのでしょうか、それとも五月雨式にできてくるイメージでしょうか。
知事:
診察開始は、状況によって順次、ということになるかと思います。ただし、対象施設を決めておかなければ、準備していただけないことになりますので、来月中には対象施設を確定して、協力いただける体制を作りたい、と考えています。
記者:
PCRセンターについて、さらに4カ所設置して、西播磨、但馬、阪神北を新たに加えるとのことですが、この地域を加えることのねらいは、このエリアも感染者が出ていて、今後もある程度感染が出ることに備える、ということなのでしょうか。
知事:
必ず作るかどうかについては、これからの状況次第です。また、地元の体制次第です。阪神間は、しっかり対応していく必要があるのではないか。西播磨等については状況次第ですが、予算的な準備をしておきたい、という意味で計上させていただいています。
記者:
先ほど内閣総理大臣に菅氏が首班指名されました。新政権にコロナ対策で要望したい点を教えてください。また、それ以外に先月から新総裁に選ばれた際などにも伺っていますが、新政権に求めたいことを改めてお聞かせいただけますでしょうか
知事:
コロナ対策では、例えば空床補償などについては9月までしか緊急包括支援交付金の対象になっていませんでした。このような基本的な事業について対応できるような措置を、と期待していました。昨日、予備費の活用が閣議決定されていますので、具体個別のコロナ対策については、基本的にほぼ対応ができる枠組みをセットしていただけたのではないか、と思っています。
これからの新内閣に要請したいのは、従来から言っていますように、この度のコロナ不況を乗り越えていくためには、消費支出の減が大きな原因になっていますので、消費支出を拡大していく措置がまず必要です。GoToトラベルで東京が入ってくるとか、GoToイートが動き出すとか、GoTo商店街、GoToイベントが動き出していくということは、消費拡大に非常に大きな効果があるのではないか、と期待しています。それらの事業だけではなくて、さらなる対応が必要ならば、機動的に対応していただきたい、ということが最初です。
2番目ですが、リーマン・ショックの時は金融不安から世界中の大企業に影響が及んで需要不足になりました。今回は、消費不足から始まったのではありますが、部品調達などのサプライチェーンの問題などから、2次産業にもかなり影響を与えています。また、1次産業にも影響を与えています。そのため、公共事業などの積極的な投資による事業拡充を図っていただく必要がある、というのが2番目です。その際、河川、高潮、地すべりなどに対する安全投資について、今年度までで3カ年の特別枠の枠組みが終わることになっていますが、新しい枠組みについて、3年と言わず5年、7年などで作っていただいたら、と思っています。
3番目は、雇用です。失業者が増えてきているという傾向もありますし、兵庫県も、現に有効求人倍率が1を割ってしまっているという状況が出てきています。雇用の確保に対して、積極的に政府としての対応を打ち出していただいて、雇用不安の払拭をぜひお願いしたいと思っています。
記者:
地方分権、地方創生に関しては、どのような要望、注文があるでしょうか。
知事:
地方創生交付金については、総理があれだけ、地方振興が重要な課題だ、とおっしゃっていただいていることもあります。併せて東京一極集中や大都市の過密から、地方へ移り住むというような動きも、最近出てきている、ということもあります。地域振興、地方創生のさらなる充実を図っていただきたいです。継続ではなくて、さらに地方創生交付金を充実していただきたいと思います。また、私は、制度的な、例えば「新産・工特」(新産業都市と工業整備特別地域)等で高度成長をもたらしたのと同じような(制度を求めます)。今は、規制緩和だけが特区制度で行われていますが、規制緩和と合わせて集中投資を、特に情報関連の集中投資をするような地域指定の制度を作っていただくことについて提案をさせていただいています。
地方が具体的に動き出せるような基盤づくりに、政府として配慮していただくとありがたい、と思います。
記者:
知事も先ほどお話しされた雇用について。今回の緊急対応型の雇用創出事業で1000人まで拡充されるということです。有効求人倍率が1を割っていて、今月も1を切る状態が見込まれる中で、戦略的にこの規模に拡大したかなど、どのような考えかをお聞かせください。
知事:
どちらかというと、戦略性はあまりなくて、緊急避難的な対応を準備しておく必要があるのではないか、ということです。特に、雇い止め現象がかなり増えてきている状況が、兵庫県でも見られます。その方々を一時的なつなぎ雇用にはなりますけれども、緊急雇用させていただいて、次なる正規雇用につないでいく。そのような対応をするための措置、と考えていただいた方がいいと思います。
そのために、今回は500人緊急雇用を増やすのと、職業訓練校の定数をさらにまた400人増やす、という措置を行わせていただきました。
記者:
今日、新内閣が発足し、閣僚もほぼこのまま決まるということですが、この顔ぶれを見て、感想やこういう政治をしようとしているのではないかなど、見通しのようなものはありますか。
知事:
菅総理らしい、手堅い着実な実行力のある内閣を編成されたということではないか、と私は受けとめています。特に、社会資本整備や、GoToトラベルなどの所管大臣である、赤羽大臣は留任ですし、それから、コロナ対策の総合司令塔の西村大臣も留任されています。そして、今後の、Society5.0などの推進や行政のデジタル化を進める担当部署をつくろうということで、デジタル改革担当大臣を設けられました。それから河野太郎行革大臣を設置されることによって、霞が関の縦割りを、どれだけ総合力が発揮できるような体制に組み換えられるか、という意思表示をされているように受けとめられます。最初に申し上げたように、実行力のある実務型の内閣を編成された、と言えるのではないかと思っています。
記者:
期待されているのは、特に新しいデジタル庁とかということでしょうか。万博相もできましたがいかがでしょうか。
知事:
25年の万博は、しっかりと日本全体としてもやっていく、という意思表示を強く示されたという意味で、歓迎すべきことであると思っています。
記者:
今回の新内閣のデジタル庁について。知事は縦割り行政をなくす意味合いもあるということですが、実際、この構想をどのようにご覧になっていますか。
知事:
まだ、中身はよく分かりません。
記者:
考え方はどうですか。
知事:
デジタルの関係は、技術的には文科省、放送・電波の関係は総務省、業界は、経産省で推進しています。個別的にいうと、環境省、気象庁、と関わっている所が非常に多いのです。全体としての科学技術政策担当大臣がおられ、統括することになっていましたが、事務局自身はそれほど大きくなかったので、横串を通すような、デジタル化に関連する体制を強化する、ということを考えられているのではないか、と思います。それくらい馬力をかけていただかないと、このデジタル化という問題は、行政は民間に遅れを取ってしまう、という一種の危機感もあります。そのため、担当大臣も作られ、デジタル庁も目指そう、という提案をされているのではないか、と受け止めています。
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