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(資料に沿って説明)
記者:
無症状者・軽症者への対応については、知事にある程度権限がありますが、若干、国の方針と違う、ある意味、兵庫県独自の対応をされています。
これについて、今日の本部会議の中で出た、国の方針に対する兵庫県としての評価と、なぜ兵庫県は自宅療養ゼロという方針を堅持することになったのか、ということについて教えて下さい。
知事:
逆に、国の方針がなぜあのような形で出されているのか、納得のいく十分な説明があるとは、我々としては受け止めていません。いずれにしても、国としては、軽症者や、症状が出ていない人については入院させなくてもよいのではないか、という方針を出されています。この方針の一番の理由は、自宅療養が、現実に先行していることをなかなか直せない、というところが、実質的な判断のベースではないか、と私どもは受け止めています。
兵庫県は、これからも、入院が原則、自宅療養はゼロ、という今の方針を貫くことができないわけではありません。しかし、もしもそれを貫こうとすると、阪神間の大阪等に通勤されている方々から、県の方針は厳しすぎるのではないか、という議論が出てくる可能性もきっとあります。
そこで、軽症の方は、症状が出ているので、やはり入院を原則にします。無症状の方については、症状が出る前に感染力が高まる、ということも言われており、自宅で療養すると、家族にうつす、という危険性があるので、入院しなくても、医師の指示、判定で、療養施設で最初から療養をしていただく、というケースも認めることにしました。
記者:
現状認識について。1カ月半、(感染者が)1週間移動平均で10人台が続いています。知事が以前からおっしゃっているような感染リスクの高い所への立ち入りがなければ、このような状況がしばらく続く、という判断をされていますか。
それに伴い、この状況が続けば、何か社会活動制限等の緩和、見直しを検討されるようなことがありますか。
知事:
現状認識ですが、「感染警戒期」が1カ月半近くも続いているということを考えると、今のような傾向の中では、急増するということは、あまり考えにくいです。
医療体制は、病院等の病床数は確保しながら、運用の見直しだけさせていただきます。つまり、663床で運用をすると、人が全部配置されていることになります。そういう意味で、運用の見直しをさせていただくことにしました。確保はしているので、いざという時には、すぐに対応できます。
「社会規制」というより、「県民への呼びかけ」です。規制しているつもりはなく、呼びかけているつもりです。今の段階では、感染症予防対策をしていないところには注意しましょう、というのが基本原則なので、その基本原則は現在のところ、やはり続けさせていただいたらいかがか、と思っています。
したがって、大人数の飲食を控えましょう、ということにもその前提があります。「感染症対策がされてないところでの大人数の飲食は控えましょう」という呼びかけをさせていただいているので、例えば、ホテルでのパーティーなど、対策がされている所は、自粛を呼びかけているわけではありません。
そういう意味で、現時点での呼びかけの内容については、9月の半ばにあった前回の対策会議で打ち出した方針をそのまま続けました。
記者:
確保しながら、病床の運用を続ける、ということですが、この判断の背景・根拠にあるのは、感染者数が落ち着いている、という考えなのか。それ以外の、例えばコロナ以外の救急対応、病院経営への悪影響、ということを鑑みた判断でしょうか。
知事:
コロナの発症者数が落ち着いている、という状況がメインです。ご指摘のような配慮は、要因として考慮したわけではありません。しかし、結果として、そのような効果が、副次的に出てくる可能性はないわけではない、と思います。
記者:
発熱等診療・検査医療機関の指定募集を10月20日に締め切る、ということについて。現時点で、医師会とある程度、具体的な数字が詰まっているのか、もしくは、逆にしんどい、というような話は、今日の会議でありましたか。
知事:
それはありませんでした。とりあえず、第1次の締め切りを10月20日にしていますので、その結果を見た上で、必要があれば、さらに医師会や関係医療機関と相談をしていくことになる、と思います。
記者:
医療体制の自宅療養について。兵庫県では、このような方針になりましたが、兵庫県は、他府県に通勤などで行かれる方が非常に多い県でもあります。例えば、隣の大阪などで発症して、そこで発生届が出されて対応となった時は、どのようになりますか。
知事:
職場地で(検査)結果が出るかもしれませんが、(その後は、)住所地での対応になります。
記者:
つまり、大阪で一旦そうなっても、その後の管理は、兵庫県がするから兵庫県のこの方針でいく、ということでしょうか。
知事:
そうさせていただきます。
記者:
入院のことについて。数を減らすことになりましたが、以前、病床数を増やす時に、準備期間が大体1週間ぐらいはかかる、という話がありました。今度の場合には、また戻す時には、どのぐらいの日数がかかるものでしょうか。
知事:
増やして、減らして、ということが、通常に行われてきており、だいぶ慣れています。以前は2週間と言いましたが、1週間以内には十分できる、と思います。もっと早いところは、2日、3日で確保できます。
記者:
それでは、いきなり急増しても大丈夫、という状態ですか。
知事:
そうです。増加傾向に転ずるような場合には、従来の傾向ですと、かなり急速に増加していきます。その際は、過去の傾向も勘案しますと、できるだけ多く確保していく対応になる、と思います。
記者:
先ほども質問があった、250カ所のかかりつけ医の確保について。現時点で、どれぐらいの所から応募があるのでしょうか。
知事:
先ほど言いましたように、10月20日に回答をいただくことになっています。あまり中間回答をしても意味がないので、10月20日の回答結果を見た上で、調整させていただきたい、と思っています。
また、コロナ感染者が多い地域は、阪神間と神戸、姫路です。そういう地域では、ある程度確保されていなければ困るので、もし確保されていないのであれば、追加確保のために相談をしなければなりません。
それから、但馬のような地域では、(感染者が)少なすぎるかもしれないため、確保のために努力するのか、接触者外来病院の協力を得るようにしていくのかなど、応募状況を見た上で、地域に応じて対応していきたい、と考えています。
記者:
募集という形で集まらなかった場合のことは、特に想定されていますでしょうか。
知事:
もちろん、想定しています。その際は、状況を踏まえて、相談させていただいて、確保していくようにしたい、と考えています。
記者:
病床数の縮減について。例えば、病床確保施設のうち何カ所かを下げるのか、それとも平均的に下げるのか、いかがでしょうか。
知事:
これは、まちまちです。病院ごとに段階が決められていて、1ランクか2ランク下げようという話であるため、その時は、全く0にはしないが、例えば、病棟を2つ開けていたものを1つにすることや、動線を変える病棟を半分にするなど、病院ごとに対応を検討していただくことになります。
記者:
この縮減した病棟は、これから開放して一般的に使ってもらって、いざとなったら、開けていただくというようなイメージでよろしいでしょうか。
知事;
そうです。ずっと開けてくれ、という話ではありません。今は、ずっと開いてしまっているような状況です。
記者:
開いていると、病院も空床が大変です。
知事:
一般病棟としての機能も確保していかなければならないので、その両面を配慮して、少なくした、ということです。
記者:
先ほど、かかりつけ医の話も出て、これからということですが、聞いたところ、名前を公表されると風評被害が心配だ、という医師もいるようですが、いかがでしょうか。
知事:
本来、名前の公表ができれば、患者側が自分で選択して、そこへ行けばよいのですが、今のようなご心配もあるため、関係者が相談を受けて紹介する、という基本スタイルを取らせていただくことにしました。
記者:
20日以降の状況に応じてでしょうか。
知事:
20日の締切りを踏まえて、23日には名簿を作ります。
記者:
そのあたりでまた、記者に公表するということでしょうか。
知事:
これは公開をするものではありませんので、記者には公表しません。関係者間で共有するものになります。そのため、まずは電話で相談することにしています。
記者:
自分のかかりつけ医に相談すればよいのでしょうか。
知事:
それで結構です。かかりつけ医が相談を受けると、自分のところで対応していなければ、相談センターに電話するように指導されることになります。そのため、全く関係のないところに名簿を共有する必要はありません。
記者:
公に出すわけではない、ということですか。
知事:
そうです。これは、一番医療関係者が懸念されていた点です。公開されてしまうと、今おっしゃったような風評被害の対象にもなり、一方で、大勢の患者が特定の病院や診療所に押しかけてしまう可能性があります。それら両方の面で懸念があったので、今回のような取り扱いをさせていただきます。
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