ここから本文です。
(資料にそって説明)
1 自宅療養者ゼロの堅持
原則、「自宅療養者ゼロ」を堅持し、「容体急変への適切な対応」、「家庭内感染の防止」を徹底
2 入院医療体制の強化
重症対応120床程度、中軽症対応530床程度の計650床程度での運用に向けた準備を進め、宿泊療養施設についても、700室程度での運用に向けた準備を推進
1日あたり100人以上の新規感染者が確認される状態が続くと、上記のような体制であっても、病床のひっ迫を招くことになりかねないことに十分注意して対応
3 医療機関、社会福祉施設への対策強化の検討
発熱等診療・検査医療機関等や社会福祉施設における感染を防止するため、当該施設への研修を強化するとともに、クラスターに隣接・近接している医療機関や社会福祉施設の職員や利用者への必要な検査の実施を検討
4 Go To Eatキャンペーンへの対応等
Go To Eat参加飲食店では、パーティション、アクリル板、テーブル等を利用し、利用客が家族や介助者等を除き「4人以下の単位」とする
Go To Eatに参加しない飲食店についても同様の協力を要請
5 県民への更なる呼びかけ
感染リスクが高まるとされる次の「5つの場面」について改めて注意喚起
(①飲酒を伴う懇親会等、②大人数や長時間におよぶ飲食、③マスクなしでの会話、④狭い空間での共同生活、⑤休憩室、喫煙所、更衣室等)
ガイドライン等に基づく感染防止策がなされていない、県内外の感染リスクの高い 施設(特に接待を伴う飲食店、酒類の提供を行う飲食店、カラオケなど)の利用を控えることについて改めて注意喚起
リスクの高い施設利用後の自身の体調や行動への注意喚起
6 県民への医療従事者や感染者等への風評被害防止等の呼びかけ
感染症に対する正しい知識や理解を深め、憶測やデマなどに惑わされないようにするとともに、医療関係者、患者関係者などへの風評被害・差別を防止することにより、感染者や濃厚接触者などが保健所の調査に協力できるよう呼びかけ
7 催物開催制限の延長
11月末までとしていた催物開催制限を令和3年2月末まで延長
記者:
2日連続で100人を超えており、直近1週間の平均が右肩上がりで、80人台が迫ってきている状況ですが、それについての知事の受け止めをお聞かせ下さい。
知事:
先ほども触れましたように、11月13日に1週間平均が50人台(51.6人)になってから5日間で、急速に患者さんが増え、80人台近く(79.6人)になってしまいました。この要因は、十分に分析できていませんが、急上昇は、第1波の時も、第2波の時もありました。急上昇して、(その後)だらだらと下がっていくのがパターンなので、この106人(11月17日)をピークに、だらだらとでもよいので、今後下がっていってほしいし、それを期待したい、と思っています。
今、取組んでも、効果が出るのは2週間後ですが、県民の皆様にしっかりと注意をしてもらうことで下落をもたらしたい、そのような取り組みを行ってもらいたい、という気持ちでお願いをしています。
記者:
県民への呼びかけについて。「大学関係の皆様へ」ということで、大学にスポットを当てた呼びかけが、今回入ったかと思います。これはやはり、クラスターが発生している事実と、感染者の年代別の状況などを見て、そこにポイントを当てた呼びかけが必要との判断でしょうか。
知事:
第一義的には、クラスターが大学で発生しているからです。赤穂でも1カ月ぐらい前にクラスター化した例があり、また最近、かなりの数がクラスターになったので、大学関係者等に呼びかける必要があるということで、特出ししました。
記者:
病床の状況について。全国的に見れば、兵庫県は、高い数字になっている部分もあり、今後、運用を増やしていくということです。その状況(の説明)を改めてお願いします。
今日、専門家会議(対策協議会)がありました。医療現場から、病床を増やしたとしても、現場の精神的な負担や、物資の負担など、そのような声が出てきたかと思います。そうした対応についての考えを聞きせてください。
知事:
医療現場の声としては、物理的に、病床数を増加させても、具体の医師、看護婦等のスタッフがきっちりと働ける状況に配置されなければ、機能しない。そのような、対応を一般の病気の急患や重篤な方々の治療をしながら体制を作っていく必要があると。そのような点について、きちんと留意してもらう必要がある、という指摘を現場の声として強く聞いています。
もともと、「準備を進めていく」と言っています。空床のままで準備を進めていくことには、あまり意味がありません。患者さんがいないのにもかかわらず、スタッフを配置しても、あまり意味がありません。現実に、いざという時にきちんと機能する体制がとれるように準備を進めていく。
そのことも踏まえながら、現場の声として、トータルにきちんとやって欲しい、という声を聞いたので、そのような基本原則を貫きたい、と考えています。
記者:
病床の使用率が、3割、4割あたり(11月17日現在44.3%)で、全国と比べると、高くなっていることについては、どうお考えですか。
知事:
基本的に、自宅療養者ゼロ、という運用をしているので、大部分の人たちが一度入院し、それから、療養施設に移る、ということも(高い使用率に)現れているのではないか、と思います。
記者:
改めて、社会的な往来の自粛や、西村大臣が、営業時間を短縮した飲食店については、国が負担する仕組みを立てていますが、今回、そのような対策を取らなかった理由を教えてください。
知事:
北海道のススキノ地区のように、エリアがかなり限定され、そこがいわば感染源になっている、というようなことが、かなり明確な場合には、営業停止、あるいは時間制限、というようなことも、取り得る施策の1つになるのかもしれません。
しかし、兵庫県の場合は、そのような状況ではないので、我々として、現時点では、社会的規制としての取り扱いは、選択肢に挙げていない、ということです。
記者:
対策協議会の荒川座長が、12月に入り寒くなる前の、この1、2週間が分岐点、山場ということを、取材でお答えになりました。知事も先ほど、(効果は)1、2週間後にはなるが、ここが下降線になるようにと。まさにそこが、12月上旬に重なるか、と思います。
その意味で、この週末が3連休になるということで、あえての往来自粛などは、呼びかけられないかと思いますが、この3連休について、留意して欲しいことなどについて教えてください。
知事:
やはり、基本的に、3密を避ける、ということです。我々が言っている、リスクの高いところ、例えば、飲食、大人数での宴会などは、3密を避けられない状況が出てきます。大声でしゃべる、飛沫など、ということが出てくるので、いくつかの場面に応じて要請をしています。この3連休においても、この県民への呼びかけを、ぜひ留意していただきたい、と思っています。
特にこの5つ場面の最初の3つ、飲酒を伴う懇親会等、大人数や長時間に及ぶ飲食、マスクなしでの会話。このような点には、基本的に留意をしていただきたい。特に、感染防止策がなされていない、リスクの高いところへの出入りは控えていただきたい。この点を、この3連休にも、県民の皆様に留意事項としてお願いしたい、と思っています。
記者:
3連休は、行楽シーズンなので、3連休自体が、そのような感染リスクの高い場所に行ってしまう可能性を高める、というような認識はありますか。
知事:
3連休自体、交流しやすい環境になるのは、やむを得ないのではないか。しかし、その際に、十分に3密を避ける対応をしていただきたい。そのために、かなり細かな立ち入った要請までしている、と理解いただければと思います。
記者:
「Go To イート」の利用制限について。大阪府では、今週の3連休の初日から制限していく、というような発表がありました。兵庫県では、もう、今日から要請するのか、あるいは、週末から飲食店に対し、要請を行っていくのか、どのようなスケジュールでしょうか。
知事:
お手元の資料「Go To Eatキャンペーン事業の概要」のとおり、もう既に、商品券の販売がされています。
事業に参加する飲食店は、原則、4人以下ごとの対策に了解をされない方々に対して、食事券(やポイント)の利用を拒否することが基本になっており、本部会議でこれを決定しました。21日から順次適用されます。
記者:
飲食店に要請を行うのは、今日から。
制限が付くのが21日から、ということでしょうか。
知事:
そうです。
記者:
21日から制限をするよう、今日から要請していく、ということでよろしいでしょうか。
知事:
はい。
記者:
今回、病床の運用の数を増やすように準備するということですが、病床数が650床で、宿泊療養施設が700室。これは、確保している病床のほぼマックスに近づいているかと思います。今後、この確保の数を増やすことは、これからの検討事項に入るのでしょうか。
知事:
ご指摘のように、650床と700室は、今我々が想定している病床数とホテル等の療養施設の数です。それをマックスの数と言うとすれば、今の段階でのマックスであると思っています。
また、さらに増加させなければならないような状況が予想される、あるいは、近い未来に考えられる・想定されるのであれば、さらなる努力をしていく必要がある、と思っています。
ただし、特に医療施設について言うと、人がついてこなければならないので、非常に難しいことになります。
従って、700室のホテル等の療養施設をさらに増やすことによって、軽症者以下の人たちは、できるだけそちらを利用するということも、1つの選択肢に将来なるかもしれません。
これは今の段階では予測がつかない状況ですので、まずは650床と700室の体制を目がけて、準備を進めていきたいと考えています。
記者:
宿泊療養施設を導入しだした4月の初め頃は、非常に、世間で旅行している人が極めて少ない状況で、ホテルの確保もしやすかった時期とも言えます。ホテルにとっても、ただ空室で、何もならないよりは、そういうところに提供することによって、幾ばくかのお金にもなります。
ところが今は、旅行者がそれなりにいる状況の中で、宿泊療養施設をあの時のように増やすことが、難しいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
知事:
まだ、病床数を増やして対応することと比べると、その困難は低いかと。かなり利用率の低い施設も把握しているので、協力いただける余地があるのではないか、と思っています。
記者:
今、実際に運用ではなくて、確保している700床ですが、これを増やす交渉などはしていますか。
知事:
もちろん、確保もできていませんから、状況によって、交渉して、プラスにしていくという努力は、していかなければならなくなる場面があるかもしれません。
ただし、今の場面は、そこまでは想定しなくてもよいのではないか、と思っています。
記者:
例えば、ホテル側からの、「いざという時にはうちも(使用してください)」というような申し出や、県が所有する、宿泊できるような施設で、まだ使っていない施設などの検討は、いかがでしょうか。
知事:
県の施設は、なかなか難しいのです。もともと、物理的なセパレートが、構造的にしにくくなっています。それができるような施設でなければ、難しいのです。
もう1つは、近くの施設があまりありません。近くの施設でなければ、非常に不便になり、医師会等の協力を得られないことにも繋がります。
やはり、民間事業者の皆さんの協力を、そういう場合には、いただくことになると思います。
記者:
資料4の「3 医療機関、社会福祉施設への対策強化の検討」について。感染者が急増する中、こういった必要性が今日の会議の中でどのように出されたのでしょうか。
知事:
例えば、発熱等診療・検査医療機関の方々は、まだ、コロナに対して十分な認識や対応の経験が少ないということもあるので、医師会とともに研修を強化していくということが必要です。
それから、福祉施設の皆さんは、基本的に医療従事者ではありませんので、医療的な対応や知識には、疎いところもありますから、そこをやはり補完しておく必要があるのではないか、という指摘がありました。
もう1つは、クラスターが出たような施設の周辺の施設は、不安が生ずる可能性があるので、必要な場合の検査も俎上にあげて、準備をする必要があるのではないか、という指摘からです。
ただし、現時点では、全部の対応の仕方などが確定していませんので、検討という形で整理しました。
記者:
今、感染者が急増し、1日あたり100人が2日間連続で続いています。今後も見通せない状況の中で、検討の段階ではなく、急いだ方がよいのではないかと、個人的には感じたのですが。いつまでにやりたいなど、ありますか。
知事:
関係者もあることなので。医師会や保健所の運用とも関わるので、その関係者などと意見をできるだけ早く調整をして、軌道にのせたい、と思っています。
記者:
一方で、このように病床数もマックスに近づいていく中で、新しい今後のコロナ対策の意見が、今日、出されたのでしょうか。
知事:
今日は、(資料4のとおり)7つの項目について議論をしました。これだけでも、今までとかなり違った形で訴えているのではないか。検討項目になっているのではないか、と思っています。
さらに適切な対策があれば、積極的に取り組んでいきたい。特に、現場の声は大事にしていきたい、と思います。
記者:
明日の関西広域連合委員会で、コロナ対策が議題にあると思います。明日取り上げる議題について、どのようなことを話し合い、相談しよう、とお考えですか。
知事:
広域連合なので、まずは各府県の取り組み状況を共通理解しておくということ。また、これから年末も控えているので、府県民の皆さんに注意事項をしっかりと訴えていく、ということが中心になるのではないかと思っています。
記者:
病床数も最大に近付いていき、今日の協議会後に、荒川座長から「これ以上感染者が増加すると、医療体制も逼迫する可能性がある」という言葉がありました。「感染拡大特別期」については、どのようにお考えでしょうか。
知事:
昨日も言いましたように、「特別期」と言っても、区切りをそのようにセットすることの効果について。県民の皆さんに「大変な状況になりつつあるぞ」と訴える効果は期待できるのかと思いますが、対策をどこまで増強できるのか。それとあわせて、「特別期」と設定するのかしないのか、検討する方がよいのではないか、と思います。単に「感染拡大特別期」と名乗るだけでは、実質的な区分をする意義に乏しいか、と現時点では思っています。
ただし、これが先ほどの質問のように、マックスに近づいているので、さらに対策を上積みしていくことを、考えなければならないようであれば、「感染拡大特別期」と称した方が、理解されやすいかもしれません。
現時点では、上積みをしていくような状況ではない。「感染拡大特別期」をセットする意義が乏しい、と思っています。
記者:
「感染拡大特別期」に関して。新しい具体の施策を大事にしているということです。その「感染拡大特別期」は、知事の考えの中では、社会規制、自粛などを求める際に、新たな抜本的な対策として、今とは違う段階の自粛などの場合に、「感染拡大特別期」と名乗る方が適当ではないか、という考えでしょうか。
知事:
どんな対策をセットするのか、ということとあわせて検討する必要がある、ということです。今、言われたような対応が付いていないから、「感染拡大特別期」にしない、という意味ではありません。
一番、重要なポイントは、病床数をさらに上げるのか、宿泊療養施設のベッド数をさらに上げるのか、というところが、一番のポイントになり得ると思っています。
お問い合わせ