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1.令和2年12月15日からの大雪の被害状況
2.新型コロナウイルス感染症の現状と対応
1.県内の患者の発生状況
2.新型コロナウイルス対策6資金の融資実行期限の延長等
3.関西広域連合『関西・年末年始緊急宣言』
3.高病原性鳥インフルエンザの発生と対応状況
4.行政手続に関する押印の見直し
5.兵庫県内のマイナンバーカードの取得状況等
6.令和3年 新年の抱負
7.「建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する兵庫県計画」の策定
知事:
11日に、来年の知事選挙には出馬せず、退任する、というあいさつをしたので、政策会議で、政策会議メンバーの皆さんにも、その旨をお話しました。
1番目は「令和2年12月15日からの大雪の被害状況」です。
今日の11時現在です。(1)人的被害は、雪下ろし中に転落し、骨盤骨折された方が1人です。(2)住家被害は、積雪により屋根が崩落、建物が傾倒した事例が1つ、一部損壊が2つです。(3)孤立集落は、現在はありませんが、8地区135世帯が孤立しました。(4)停電は、約10軒残っていますが、今日中には、復旧する見込みです。最大は、12月17日(木曜日)14時50分の約9,640軒です。浄水場も全て、復旧済みです。(5)主な道路の状況は、4箇所、通行規制が残っています。別紙の5番、6番は、本日夕方に開通します。19番は、この奥には人家がないので、少し時間がかかる予定です。3番の状況は、確認して、後ほどお知らせします。(6)鉄道、(7)航空、2避難等の状況については、(現在は)ありません。
県としては、但馬県民局に豪雪警戒但馬地方本部(その後、対策地方本部)を設置し、対応にあたりました。市町は、新温泉町と香美町で災害警戒本部が設置されています。
2番目は「新型コロナウイルス感染症の現状と対応」です。
1. 県内の患者の発生状況
今日は、44件でした。昨日までの累計の結果が、お手元の資料にある数値です。
入院調整が少し多いように見えますが、病院でクラスターが発生しているので、(もとの)病院にそのまま入院されている人を、ここに含めています。クラスターが発生し、(もとの)病院でそのまま治療を展開されている方々がいます。実際の入院調整は、30人前後とみられているので、工夫をした上で、発表形態をしっかりとしたい、と思っています。
昨日現在では、検査数が852件のうち104人で、陽性率が高いのですが、これは、クラスターの発生が多いということもあり、その発生関係を中心に検査をしていることの表れではないか、と考えています。
11月21日に1週間平均が100人を超えてから、1カ月間、100人を超えている状況が続いています。
直近1週間の分析をすると、クラスターが多いということもあり、完全に、若い世代と高齢者が逆転しています。若い世代が3割、中堅が3割、60代以上の高齢者が4割で、3対3対4、という比率になっています。以前は、大きな流れとしては、4対3対3、だったので、それが、3対3対4になっている、という状況です。
保健所別は、人口10万人単位で、龍野が、宍粟市のクラスターの関係で、数値が高くなっています。その他は、阪神間及び姫路(が高い状況)、となっています。
感染経路別は、クラスター42%、家庭35%、職場等が11%で、そのクラスター(約4割)の中でも、医療機関3割、高齢者福祉施設が1割なので、先ほど説明した高齢者の割合も高くなっている、ということがうかがえます。
どこで患者が増えているのかも課題ですが、これらの場に持ち込むきっかけはどこだったのかが問題なのです。リスクの高いところ、専門家会議でも5つの場面と言われていますが、飲食、大人数の飲食で、可能性が高い、と指摘されていることと、つながりがあるのではないか、と考えています。
2.関西広域連合「関西・年末年始緊急宣言」
土曜日の関西広域連合の本部会議で、「関西・年末年始緊急宣言」をまとめ、発表しました。
最初は、もう少し項目が多かったのですが、みんなで議論し、このように整理しました。非常に端的に、わかりやすくできているので、ぜひ活用していただきたい、と思います。
3つの柱になっています。「帰省の自粛」、「外出自粛等」、「年末年始の行事・イベント等」です。年末年始は、忘年会・新年会は、できるだけやめましょう。成人式、初詣など、イベントの前後は、リスクの高い施設への出入りなど、行動に注意しましょう。と呼びかけています。
ご理解いただければ、と思います。
すでに、兵庫県は、年末年始緊急宣言を出していますが、今週中に、もう1回、まさに年末年始の前に対策本部会議を開催し、再び年末年始緊急呼びかけ、というようなものを出し、呼びかけたい、と思います。
関西広域連合の「年末年始緊急宣言」の内容と被る点があるかもしれませんが、あえて、呼びかけを強化するようにしたい、と思っています。
3.新型コロナウイルス対策6資金の融資実行期限の延長等
新型コロナウイルスの対策6資金の融資の実行期限を延長します。基本的に、県独自でセットしている資金については、3月31日を基本にし、4.新型コロナウイルス危機対応
貸付は、危機関連保証の延長が決まり次第、1月31日を3月31日に延長します。5.新型コロナウイルス対応資金(無利子・無保証料)資金は、国の延長方針を受け、5月31日まで、延長します。
県の制度金融は、とりあえず今年度いっぱい、ということにします。来年度、同様の資金を用意するかどうかは、当初予算の中で、検討します。ある程度、用意することを前提に検討していく必要があるのではないか、と考えています。どうぞよろしくお願いします。
3番目は「高病原性鳥インフルエンザの発生と対応状況」です。
淡路市における発生事例については、(2)経過等の説明は省略します。
(4)発生農場の防疫措置です。1.殺処分は、11月28日(土曜日)12時に終了。2.鶏舎等の消毒は、12月3日(木曜日)17時に、防疫措置完了。3.殺処分鶏の焼却は、12月10日(木曜日)18時に終了しました。
作業人員は、県、国、他県、自衛隊、計2,317人という数字になっています。本県の場合、殺処分に当たり、9鶏舎ありましたが、県の職員が処理する鶏舎と、自衛隊の皆さんに処理してもらう鶏舎に分担し、対応しました。
(5)発生農場周辺における措置は、1.搬出制限区域の解除、2.移動制限区域の解除、3.消毒ポイントの廃止の予定です。特に、移動制限区域の解除は、発生農場の防疫措置完了後21日経過した25日なので、消毒ポイントもその後、廃止を予定しています。
(6)発生事例を踏まえた県内養鶏場への対応は、1.情報提供と注意喚起はもちろん行っています。2.県内一斉消毒を、すでに2回実施しています。3回目を年明けに実施する予定です。3.飼養衛生管理の自己点検をしっかりとやってもらうことを呼びかけています。防鳥ネットの不備や壁や天井などの隙間などの自己点検を実施し、その結果を踏まえ、農家に対して、改善、指導をします。
2の岡山県美作市における発生事例ですが、大変大きな養鶏場(育雛場)で、飼養羽数は、64万4525羽です。上郡町、佐用町が10km圏に含まれます。金曜日(11日)に疑似患畜に判定されました。PCR検査の結果、高病原性鳥インフルエンザ、と確定されました。((3)本県の対応として、)1.搬出制限区域に含まれていますが、農林水産省と協議し、卵の出荷は11日以降可能、ということで対応しました。あわせて、2.消毒ポイントを2か所設置しました。
特に、他の養鶏場に注意喚起をしていくことが、非常に重要だと考えているので、他の養鶏所への指導もあわせて、強化しています。
4番目は「行政手続に関する押印の見直し」です。
全庁にわたり、調査しました。表のとおり、県独自の手続は、1895ありますが、1866手続(98.5%)については、押印を見直します。10月の基本方針を踏まえ、できるだけ早く、押印を廃止する手続をとります。29手続が残りますが、引き続き、早急に検討していきたい、と考えています。
(資料の右下、参考に記載のとおり)国の方針に基づく手続が、1408ありますが、これらについては、国の動向を踏まえ、見直していくことにします。以上のことを整理したのが、資料右側の「3 今後の対応」です。説明は省略します。
別紙をご覧下さい。押印の存続も含め引き続き検討する手続(29手続)として、(1)印鑑登録証明書等付き実印を求める手続、(2)金融機関届出印を求める手続、(3)認印を可能とする手続、と3つが並んでいます。(3)認印を可能とする手続については、できるだけ早く検討を行い、廃止できるものは、廃止していく、ということにします。(1)印鑑登録証明書付き実印を求める手続については、証明の制度との関連があるので、しっかりと検討する必要があります。(2)金融機関届出印を求める手続きは、金融機関との関連があるので、これからも検討を続けていく必要がある、と考えています。
5番目は「兵庫県内のマイナンバーカードの取得状況等」です。
本県は、マイナンバーカードの取得率が高い方で、兵庫県民は、11月末で32.86%取得しています。全国順位は(6月末から)変わっていませんが、伸びを見ると、全国平均よりも少し伸びが高い状況になっています。その中で、県職員や市町職員の取得状況を見ると、9月末で54.29%、58.16%という状況です。
今後のマイナンバーカードの取得促進対策ですが、1つ目は、マイナポイント事業に参加してくださいということです。2つ目は、12月30日から来年3月末まで、QRコードつきのマイナンバーカード交付申請書が、地方公共団体情報システム機構より送付されてきますので、ぜひこれで申請してもらいたいです。3つ目は、県と市町の職員を中心に利活用促進協議会を来年の1月に設置し、公立図書館のネットワークの強化、つまり図書館利用カードの共通化です。これをまずは促進していってはどうか、ということを手始めに、積極的な施策の対応ができるような検討を進めていきます。
4つ目は、来年3月より、健康保険証の利用が開始されます。利用に際しては、初回のみ、簡単な利用申込が必要です。被保険者番号等の記載や入力は不要ですが、申込方法は、1.市町の窓口か2.マイナポータルでのオンラインの申込の2通りになっています。私は、マイナポイント事業にはまだ参加していないのですが、マイナポイント事業に参加しますと、健康保険証の利用申込についてもチェックする欄があって、そこにチェックを入れれば、参加したことになります。マイナポイント事業でクリックをしていただき、参加していただくと、ありがたいと思います。そうすると、病院や薬局で、マイナンバーカードのカードリーダーが置かれていれば、そこにマイナンバーカードをかざすことによって、利用可能になります。ただし、しばらくは、マイナンバーカードリーダーを持っていない病院や薬局については、マイナンバーカードだけでは使えませんから、保険証の提示が必要な場合があります。
6番目は「令和3年 新年の抱負」です。
(1ページ)「ポストコロナの新時代に挑む」という題名で、新年の抱負を整理しています。
(3ページ)まだ来年度予算編成が済んでいませんので、主要施策については、今の段階での主なものです。来年度の主要施策についても整理しました。
また、トピックスとして、大会・イベント、公共ホールや美術館などの催し、オープン施設、各県民局における話題を整理しています。9ページに、「令和3年トピックス」として取りまとめていますので、参照いただくとありがたい、と思います。
来年は、最後の官選沖縄県知事である島田叡氏の生誕120年であるため、記念事業を行います。
県立美術館では、4月から6月にかけて、特別展「コシノヒロコ展」を行います。また、県立芸術文化センターにおける佐渡監督プロデュースオペラは、「メリー・ウィドウ」を実施します。
オープン施設については、芸術文化観光専門職大学が開学します。また、兵庫の津ミュージアム(仮称)につきましては、初代県庁館(仮称)が、秋にオープンすることになります。さらに、こどもの館もリニューアルオープンしますし、人と防災未来センター東館のリニューアルオープンもあります。ご承知のように、北播磨・阪神地域へのこども家庭センターの新設、播磨科学公園都市にある、ひょうご環境体験館もリニューアルオープンします。播磨科学公園都市のバスターミナル・交流拠点の整備も終了して、活用されていくことになります。
7番目は「『建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する兵庫県計画』の策定」です。
基本的な方針としては、1つ目は、請負代金の額や工期等の設定を明確にして、工事施工の日数を適切に設定するとともに、施行時期を平準化していくこと。2つ目は、設計段階で施工方法等の検討を十分に行い、施工段階では安全措置の実施をしっかりと行うこと。3つ目は、建設業者や建設工事従事者の皆さんには、意識の向上として、「安全文化」の醸成に取り組んでもらうこと。そして、4つ目は、処遇の改善や、担い手の確保等につないでいくための措置を行っていくことです。
これらを基本方針として、(資料の)真ん中と右側に講じる施策と取組例を挙げています。
大雪による県内の道路通行規制状況(別紙)の3番が片側通行だったかと思いますが、明日中には、両側通行ができるようにする、ということです。
私からは以上です。
記者:
今年最後の定例会見ということで、振り返って、うまくいった点や様々な県政課題などもあるかと思いますが、感想をいただければと思います。
知事:
何しろ今年は、3月1日からずっとコロナ対策に追われてきましたが、結果的に第1波、第2波、そして今第3波にかなり大きな波が押し寄せてきていますので、それをいかに早く鎮められないかということが、大きな課題だった、と思っています。
ただし、それだけではなく、例えば、コロナで様々な催しが中止になりましたが、ほとんどは単に中止するのではなく、代替措置を行いながら、規模を縮小して対応することができたのではないか。
ルミナリエも、26回目を中止せざるを得なかったのですが、心のシンボルとしての、明かりは灯すことができたのではないか。
神戸マラソンも10回目を中止せざるを得なかったのですが、三木の防災公園で、リレー形式ですが、代替措置を行う、というような工夫を重ねることができたのではないか、と思っています。
それから、基盤整備で言うと、北近畿豊岡道の日高と空港までの間が、開通して、次の準備にかかることができ、完成が見えてきた状況になっています。山陰近畿や湾岸道路西伸部、そしてその延長にある播磨臨海道路などについても、アセスメントや都市計画への準備が着々と進んできている、ということが言えようかと思います。
美術館を中心に、いろいろな企画展を、縮小、変更、中止したりしましたが、これも工夫をしながら、10月から開館できています。それから、オンラインを活用したいろいろな試みが、新たに芽生えてきた、と言えるかと思います。芸術活動や、働き方改革につながる在宅勤務などの、社会的な実験が実行された、とも言えるのではないかと思います。
それから、安全安心対策でのインフラ整備については、5カ年計画・10カ年年計画に基づいて、推進が図られてきました。その大きな促進枠組みであった、減災防災国土強靱化の別枠措置も、5カ年計画として、国の補正予算の中に盛り込まれたこともあり、さらに促進を図っていくことが必要だと思っています。
去年は全く雪がなく、スキー場等が非常に厳しい状況に置かれましたが、今年は逆に、一番初めに降雪被害を説明したように、雪不足にはならないのではないか、という期待があります。ゴルフ場が今、若い人にかなり利用され、人口が増えているため、それと同じように、スキー関連人口も、コロナ時代にふさわしく増えてくれることを願っています。
記者:
コロナ対応について。関西広域連合で、先ほど帰省の自粛を呼びかけているというお話があったかと思います。これは県内の帰省に当てはまるのでしょうか。県の中だけでの帰省にも当てはまるのでしょうか。
知事:
どちらかというと、東京や大阪などに、勤務や通学している人たちに対する呼びかけ、と受け取ってもらうのがよいと思います。そのため、県内での動きをやめてください、というのが主目的ではないと理解しています。
我々からすると、県民に呼びかけをするため、例えば、(東京や大阪に)学生さんがいる(県内在住の)ご両親に対して、(子どもへ)「帰省は注意しろよ」、と呼びかけてもらうことをお願いしたい、ということかと思っています。
関西広域連合では、大都市部とそうではない地域とで、若干スタンスが違いました。大都市部ではない地域では、帰省を自粛しようという呼びかけをすることに対しては、どうか、という意見もあったところを、このような表現で取りまとめたという状況です。
感染状況などを今後も見定めながら、適切な判断と行動をぜひお願いしたいと思っています。
記者:
昨日の知事会の中で、感染症法を改正して罰則を設けては、という提言をされたかと思いますが、条例による実施というのは、検討されないのでしょうか。
知事:
これは大変難しい課題です。感染症法に何も書いていないことは、自由だと考えられるのか。規制法なので、規制をしている場合に上乗せや横出しが、法律の趣旨から見て、できるのかできないのか。今の感染症法を厳密に、十分に議論したわけではありませんが、なかなか、横出しや上乗せは難しい法体系になっているのではないか。そのため、やはり法律改正を、知事会としても要請をしていく、ということだと理解しています。
なかなか、条例で取り組んでいく、特に罰則をつけた形での条例化というのは、難しい課題があるのではないか、と思っています。
記者:
マイナンバーカードについて。県職員の取得が50%少し(54.29%)と、感覚的には、発行を呼びかける県からすると、取得数が少ないのではないか、と個人的に感じたところです。まずは、その足元から呼びかけるなど、何か対策は取られているのでしょうか。
知事:
資料の表を見てもらうと、知事部局は8割を超えています。病院局や教育委員会が少し低いので、それぞれの呼びかけを強化してもうらう必要がある、と思っています。
それと市町を見ると、随分、ばらつきがあります。平均は58%ですが、小野市やたつの市、佐用町は、100%やほぼ100%と並んでいる訳です。これらのノウハウを、他の市町にも整理をして、こんなやり方でやっていますというのを伝えて、取得強化を進めていければと考えています。
記者:
今後、そのノウハウなどを取り入れて、呼びかけをしていく方針だ、ということでしょうか。
知事:
そうです。やはり、来年の健康保険証の利用が、3月から始まりますので、この利便性を強調しながら、マイナンバーカード活用のメリットを周知していくことが、取得に繋がっていくのではないか、と考えています。
マイナンバーカードをまだ持っていない人は、マイナンバーカードを申請して受け取る際に、あわせて健康保健証利用の手続きもできるので、ぜひ周知徹底して、活用を図ってもらえればと思っています。
記者:
押印の見直しについて。(廃止が)98.5%という数字が上がっていますが、知事からは、形にこだわらず現場に即した対応を柔軟にしていく、と伺いました。今後の課題等があれば、お願いします。
知事:
職員の認識も問題です。判子を押したい人もたくさんいます。サインよりは判子の方が、気持ちがこもって手続をきちんとしている、ということです。そのような意識から変えていかなければなりません。押印という1つの形式を言っていますが、実を言うと、仕事の進め方や手続の簡素・合理化の一環です。
特に、県民の側からすると、「どうして」、「こんなものに意味があるのだろうか」というような認印を求めていた訳です。手続の簡素・合理化の一環として、押印の廃止手続を進めていこうとしていることを、県民の皆さんにも理解いただきたいです。また、我々、職員の認識も変えていかなければならないので、よいきっかけになるのではないか、と思っています。
記者:
12月の下旬となりました。これまで、知事は、12月中旬までにコロナの病床を100床増やす目標を掲げていましたが、今現在の状況等はどのようになっていますか。
知事:
プラス50床以上は確保できていますが、100床まで獲得できたかは、微妙な段階になっていると思っています。
それとあわせて、年末年始の体制の問題もあります。これも、医師会と協議を進めています。
今週の水曜日(23日)か木曜日(24日)に、対策本部会議を開いて、そのあたりも確認をした上で公表したい、と思います。
記者:
やはり、想定よりも時間がかかっている、という印象なのか、(それとも)このぐらいの時間はかかるものだ、という感じなのでしょうか。
知事:
運用しようと思ったら、運用体制が整っていなければなりません。人がついてこなければなりません。今回の場合は、運用体制も含めた対応をしっかりとしていこう、ということなので、時間がかからざるを得ない、と思っています。
記者:
コロナの関係で。先日、厚生労働省が発表した病床の利用率を見ると、兵庫県が一番高くなっている、という状況です。
これについての知事の受け止めと、ずっと県が掲げている「自宅療養ゼロ」を堅持する方針について、今の考えをお聞かせください。
知事:
従来から本県は、「自宅療養ゼロ」と「原則、入院」というのを基本方針としていました。なかなか、運用現場として、一度入院された人を直ちにホテル等の療養施設に移すということが、よほど(病床が)窮屈になってこなければ、円滑には進みにくい、という事情があります。そのために、(病床の利用率が)高くなっているのではないか、と考えています。
ホテル等の療養施設の利用率は、3割に届かないぐらいの利用率(988室確保に対して249人、25.2%)なので、そういう意味からすると、軽症や症状の無いような人達も、一度入院する人がかなりいます。と言うのは、重症の患者は40人から45人ぐらいで、これはほとんど横ばいですから。
つまり、病床とホテル等の空室とが一体的に運用されれば、もっと(病床の利用率が)下がっていくはずです。それが60%代ぐらいで高止まりしていますが、それは運用の問題で、そのような運用がなされている、ということなので、あまり心配をしていません。
全国統計は、厚生労働省自身が、ホテル等の療養施設をもっと活用しなさい、と指令を出しているのに、病床だけに目をつけて、率を出しているわけです。全体としてどうなのかを見てもらうには、兵庫県の場合であれば、750床、まだ達成できていませんが、750床プラス(宿泊施設の)1000室。その1750に対してどうなのかというようなことも、1つの参考指標として見てもらう必要があるのではないか、と思っています。
記者:
今、言われたように、一体運用で、宿泊施設の活用をもっと増やしていく、と知事はもう11月の初めぐらいから言われて、もう1カ月あまりが経ちます。
この一体運用というのは、現場の医師の判断も当然あるかとは思いますが、思ったほど順調には進んでいないという印象なのか。それとも、まだ産みの苦しみが続いている、ということなのか。
知事:
特に、医師レベルになると、慎重な判断をされます。一度入院した人は、できるだけ、本当に大丈夫だというメドがつくまで、病院で療養してもらう方が安全だ。そういう安全思考が働くので、そういう運用の実態が反映されているのではないか、と思っています。
しかし、(宿泊療養施設を)活用すると安全ではない、と言っているわけではありません。ですから、そのあたりは、弾力的な判断を現場でもしてもらうように、我々としてはお願いをしています。
きっと(病床が)窮屈になればなるほど、そのような問題のない方々は宿泊施設で、という方向で運用されていくのではないか、と思っています。
記者:
押印の見直しについて。今、98.5%を廃止できるという話ですが、具体的なスケジュールはいかがでしょうか。年度内とされていますが、そのスピード感を含めて、具体的に庁舎内で決められていることはあるのでしょうか。
知事:
(押印を)もうやめてもよいのではないかというものは、電子決裁を基本とするなどは、1月からできればやっていこうと、できることからどんどんやっていこうと。河野大臣ではありませんが、そういう基本方針で臨んでいます。
年度末にまでずれ込むということではなくて、できることはどんどん手続的に準備さえできれば、押印の廃止を進めていこう、ということを前提に決めた事柄です。
記者:
昨日も知事会で発言があったかと思いますが。大阪の飲食店に対する時短要請の県内への影響、いわゆる「しみだし」というのを調べるということで、何か結果について、聞こえてきている部分はありますか。
知事:
こちらも水曜日か木曜日に、対策本部会議をやりますので、そこで正確なデータ等も披露してもらおうと思っています。中間的で、きっちりとした整理ではありませんが、聞いている状況では、「しみだし」で増えている、つまり9時以降に、お客さんが増えている、という現象は見られていないのではないか。
それよりも、一般的に、お客さんが落ちているという方が、大きいのではないか、と言われています。商店主などの皆さんに「景気ウォッチャー」みたいな形で聞いても、そんな感覚でおられます。
記者:
対象としているのは、尼崎市(の店舗)ですか。
知事:
尼崎市、西宮市、神戸市(の店舗)です。
記者:
公表のメドは、水曜日、木曜日あたりの対策本部会議後ということでしょうか。
知事:
そうです。そうすると1週間が経ちますから、1週間の比較ができる、と思っています。
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