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(資料にそって説明)
1 入院医療体制の強化
(1) 病床の状況
・各医療機関にさらなる病床確保を要請し、756床を確保
(2) 宿泊療養施設の状況
・12月19日から988室を運用
(3) 入院受け入れ医療機関の負担軽減
・医師の判断により宿泊療養も可能とする低リスクの軽症者の範囲を拡大
・感染症回復後、引き続き入院が必要な患者の積極的な転院の受け入れを医療機関に要請
・標準治療及び重症患者の転院基準の周知等により、中等症患者の診療体制の充実と重症対応医療機関の負担を軽減
2 発熱等診療・検査医療機関の指定
・指定医療機関1,042カ所(12月21日現在)※今後も引き続き指定を進める
3 社会福祉施設におけるPCR検査の実施方法の変更(対象:新規就労職員及び新規入所者)
・保健所の業務が過重とならないよう、外部委託により実施する方法に変更
4 年末年始における医療体制等
(1) 入院受入体制
・入院受入病院(55病院〔756床〕)における新規入院患者の受入体制の確保
(2) 外来診療体制
1. 発熱等診療・検査医療機関等による対応状況
・発熱等受診・相談センターからの紹介を受け入れる医療機関を確保
※他院及び発熱等診療・検査医療機関からの受入可能な医療機関(199)(神戸市除く)
2. 薬局による後方支援体制
・医療機関と連携して営業するよう県薬剤師会を通じて要請
※経費支援を実施[1日あたり@15,000円]
(3) 検査体制
・衛生研究所等(6機関)、地域外来・検査センター(8機関)、民間検査機関において対応
5 年末年始における相談・入院調整
(1) 一般県民向け相談窓口
・発熱症状等がある場合等に、医療機関を紹介する発熱等受診・相談センターを開設
(2) 医療機関と保健所の相談・連絡体制
・県・政令中核市とも24時間体制で対応
(3) 入院調整・宿泊療養調整
・保健所及びCCC-hyogoが24時間体制で対応
6 飲食店に対する年末年始における感染防止の徹底
生活衛生同業組合に対して、年末年始における感染防止の徹底を依頼
・パーティション、アクリル板等による飛沫感染予防
・業種ごとの感染拡大予防ガイドラインの遵守
・感染防止対策宣言ポスターの掲示、兵庫県新型コロナ追跡システムへの登録等
7 Go To Eat キャンペーンの販売済みプレミアム付食事券及びオンライン飲食予約サイトでの付与済ポイントの利用自粛
・直近7日間の感染者数が10万人あたり10人を超える地域の販売済みプレミアム付食事券等の利用自粛を呼びかけ
8 再び「年末年始感染防止」緊急要請
感染拡大の緊急事態に対応し、知事メッセージとして要請
・東京・大阪など、感染拡大地域からの帰省はできるだけ控えること
・忘年会、新年会は、できるだけ控えること 等
記者:
感染状況について。ここ最近、最多(感染者数)を更新するなど、年末を前に厳しい状況となっています。改めて、現状の受け止めと、年末年始への対応を再び打ち出した意味を教えて下さい。
知事:
(新規感染者数が)減少に転じていないからです。県民の皆さんに、年末年始は行動を慎んでもらわなければ、感染が収まらない状況が続くかもしれないので、年末年始に向けて注意喚起をすることとしました。
増えている理由は難しいのですが、クラスターが発生していることがあります。クラスター関係者をできるだけ多く検査し、2次感染を防ぐ、というのが基本方針なので、そのような考え方で対応している結果、クラスター関係の陽性者をより多く見つけている、ということかと思います。
記者:
年末年始、忘年会や新年会の開催が予想され、知事メッセージにもその点が盛り込まれています。一方で、地域のクラスターが起きていないため、休業要請(時短要請)はしない、という話がありました。飲食店への休業要請を忘年会や新年会が予想される中で、出さなかった理由は何かありますでしょうか。
知事:
専門家会議でも、もともと、大元の感染源は、飲食を伴う場面ではないか、ということを非常に強調されています。我々も、年末年始の忘年会や新年会は、まさに飲食の場なので、できるだけ控えてください、という要請をしました。
記者:
年末年始の医療体制について。通常時でも急増すると(病床の逼迫が)見込まれますが、仮に年末年始に急増した場合、今日のベッド数から見ると、1月1日は(新規入院受入39病院の病床数529床に対して、12月23日24時現在の県内の入院患者数494人を差し引くと、空いているベッドが)35床しかない、というデータになっています。
知事:
宿泊療養施設は空いているので、宿泊療養施設の活用というのを、しっかりと考えていきます。
記者:
仮に急増した場合、入院調整が急増するのではないか、という懸念があります。その点について、例えば、1月1日の受入可能数を増やすなどは考えられますか。
知事:
これは、「CCC-hyogo(新型コロナウイルス入院コーディネートセンター)」を機能させるので、そこで努力をしていくことになる、と思います。
記者:
宿泊療養施設がまだ空いている、という発言がありましたが、(その理由として)現場の安全思考が働いている、と発言されていました。弾力的な運用を促すとしていますが、以前から継続的にそのような発言がある中で、あまり数が改善されていません。
知事:
入口と出口をどうするのか、2つ問題があります。
入口の負担をできるだけ軽減するために、65歳未満の無症状の人、40歳未満の症状があまり重くないような人は、そのまま宿泊療養してもらってもよいのではないか、という運用を、入り口ではします。
出口では、入院していても、治療により特別の対応はほとんどなくなったが、確認のために入院している人がかなりいます。そのような方々に(宿泊療養施設に)移ってもらい、入口と出口の弾力的対応を組み合わせていくことになる、と考えています。
記者:
そのような意味で言うと、近い将来、需給のバランスが解消される、という見通しでしょうか。
知事:
なかなか難しいと思います。厳しい状況ですが、できるだけ破綻させないような努力をそれぞれで積み重ねてもらう必要があるので、しっかりと協力をお願いしていきたい、と思います。
記者:
先ほど電話番号の話がありました。県の新型コロナ健康相談コールセンターは、24時間開設していますが、中核市などは、繋がらない時間帯があります。
知事:
その時は、県の方に電話をしてもらえれば大丈夫です。
記者:
この健康相談コールセンターで対応してもらえるのでしょうか。
知事:
はい。そうです。
記者:
資料10の大阪府の時短要請による影響に関して。数字を見る限り、当初懸念された、大阪からの影響が押し寄せてくる、ということは出ていないのではないか、と思います。
兵庫県も大阪府も、各自治体で不要不急の外出自粛を以前から要請している中で、そのような外出自粛要請が、一定程度、効果が出ているとお考えでしょうか。
知事:
評価が難しいのです。例えば、大阪府は、かなり営業自粛に協力されている、と聞いていますが、東京都の場合は、協力されていないところが多く、東京都は、なかなか減らないのではないか、という指摘もあるようです。
11月に100人を突破した時点から、県民の皆さんに対し、かなり繰り返し、外出自粛、県境を越える往来自粛について呼びかけをしてきました。この2日前の190人という数字には驚きましたが、その前日は、44人だったので、平均すると多くはありません。そのように考えると、それなりの効果が、県民の協力の下に出ている、と言えるかもしれません。
1週間単位で見ると、1.1倍で、若干増加しているので、まだ注意を怠る現状ではない、と思います。呼びかけ等をしなかったとすると、この程度で収まっているかどうか、そちらの(収まっていないという)懸念の方が大きいのではないか、と思っています。年末年始は、どうしても、人の出入りが多いシーズンなので、さらに今回、緊急要請をした、という基本姿勢です。
記者:
神戸市、尼崎市、西宮市の7店舗の数字を比較していますが、これは、大阪府と同じようにお酒を提供するようなお店も含まれているのでしょうか。
知事:
そのようなお店を選んでお願いしました。
記者:
純粋に、大阪府と同じ条件で比較できるように、ということですか。
知事:
純粋に比較できるかどうかはわかりませんが、いずれにしても、お酒の伴う飲食のお店です。
記者:
病床を80数床、新しく確保したということです。100床を目標にされていましたが、100床は確保できそうでしょうか。また現状のシミュレーションとして、1日何人の感染者が出ても大丈夫だ、という数字はありますか。
知事:
100床というのは、650床を前提に750床程度を目標にします、と言っていました。その時点からすぐに、670床程度になりました。それとの比較で80床としていますので、概ね100床は確保したということになるのではないか、と思っています。
また、どのくらいもつのかということについては、軽症者と中症者、重症者の入院日数や宿泊療養日数がどの程度になるかを想定して、シミュレーションをします。当初、シミュレーションをしていた時は、重症者が4週間、中症者が3週間。軽症者は2週間としていましたが、現行は10日間です。そういう前提でシミュレーションをすると、150、160人が毎日発症しても、回っていくという試算はあります。しかし、これは単なるシミュレーションですから、だから安心ですとまで言えるのかどうか、これはまた別物だと思います。
今の時点で、この状況が続く限りは、医療破綻には至らないのではないか、と我々は考えています。しかし、これが200や250という状況が出てくるとすると、非常に厳しい状況になります。そこまで至るようなことがないように、今、県民の皆さんにも協力を呼びかけており、医療関係者も、歯を食いしばって頑張ってもらっている状況ではないか、と思います。
記者:
目安の数ではあるが、150から160人が1カ月毎日続いても大丈夫という試算は、一応している、ということでよろしいですか。
知事:
そうです。
記者:
ひとまず年末年始に向けた対応のメドをつけられたのかと思います。その後、年末年始が明けた後でも結構ですが、今、一番懸念されていることについて、対策本部会議ではどのような課題が出ましたか。
知事:
数を減らすことです。どうやったら、感染者の数を減らせるのか。感染者数が増えている、ある程度のボリュームがあることが問題です。「感染拡大期Ⅱ」というステージは、平均40人以上でした。それに今は100プラスぐらいの水準になっています。いかに早く数を減らす状況を作り上げるか、もたらすか、これが一番の課題だ、と思っています。
記者:
「再び年末年始感染防止緊急要請」のメッセージについて。帰省の自粛ということで、東京や大阪から兵庫県内に戻って来られることが書かれています。総数は少ないのかもしれないのですが、例えば、兵庫県からの東京や大阪への帰省や、感染者が少ないところへの帰省も、できれば、なるべく控えて欲しい、というお考えでしょうか。それとも、そのあたりは自己判断に任せる、ということでしょうか。
知事:
関西広域連合は、「地域の実情に応じて」という条件をつけていますが、両方とも強く呼びかけています。兵庫県の場合は、わざわざ感染地域に行こうとする人は少ないだろう、と考えます。そのため、逆に受け入れの方を中心に呼びかけています。注意してください、ということには変わりありません。
記者:
今週の定例会見(21日(月曜日))の段階では、病床の数を100床増やすのは難しいか、という話でした。今こうして、100床増やしたことの、実現したことの受け止めを教えてください。
知事:
それだけ関係医療機関が協力してくれた証しだ、と思います。特に、既存の病院にも、さらに増やしてもらったことと、新たに5病院が、22病床ですが参加してくれました。この既存病院の協力と、新たな5病院の協力、その結果だと思っています。大変、努力をしてもらったことに、敬意を表したい、と思います。
記者:
年末年始の体制についても、想定していたぐらいの体制ができあがった、という評価はされていますか。
知事:
どれくらいの体制が望ましいのかというのは、感覚的にはよく分かりませんが、私流に言うと、かなりの協力を実質的にしてもらっているのではないか、と思います。従来ベースのベッドに対して、7割、8割はがんばりましょう、という数字になっています。これは、各医療機関が相当、年末年始の厳しい状況の中で協力してくれている、と私自身は感じています。
記者:
他府県の状況を見ていると、なかなか思うように病床数が増えない、年末年始の対応が増えないという事情もあるようです。兵庫県の場合は、思い返しますと、「発熱等・検査診療医療機関」の時も目標をかなり大きく上回る数の医療機関が協力をしてくれました。兵庫県の医療機関は、割といろいろと協力してくれるように見えるのですが、どのような要因があると思いますか。
知事:
それは、日頃からの医療機関や医師会と県当局との情報交流が、しっかりとできているとことが一番の基盤なのではないか。だから、協力する時には協力しよう、という姿勢で対応してくれているのではないか、と思っています。
記者:
医療現場の逼迫具合について。例えば、山下(感染症等対策)室長が、一昨日の190人陽性者が発生した時に、「医療現場で逼迫のスピードが明らかに増していて、緊張感も極限に近づいているのは間違いない」と、かなり強い表現を使った印象がありました。
知事は、今のこの医療現場の逼迫状況について、山下室長と同じような考えを共有しているかと思うのですが、その医療現場にかかっている負担について、今、どのように受け止めていますか。
知事:
一番の課題は、入院調整が増えてきている、ということです。「CCC-hyogo」が斡旋しても、なかなかスムーズに斡旋ができないケースも増えてきています。それは、それだけ引き受けられない病院が出てきている状況を表しているので、現場レベルで、かなり厳しい状況に置かれている、と言えます。それを、山下室長らしい表現をした、ということではないでしょうか。
私は、どちらかというと、数字を眺めて判断しがちですが、特に病院ごとの逼迫感というのはなかなか、現場で仕事した人でないと分からないのだと思います。数字としては確保されていても、特定の病院レベルでは、もう満杯の状況がある。その特定の病院が、(地域で)頼られている基幹病院となると、なかなか「CCC-hyogo」も斡旋がうまくいかない状況が出てきます。そのような状況が増えてきている、という実態を踏まえて、厳しいということを何度も強調し、「極限に近づきつつある」という表現を使った、ということだと思います。
安心しているわけではなくて、厳しさが毎日、毎日、増してきている。100人を超える人たちが、もう1カ月以上新たに発生してきている。それに対して、対応してきてくれているので、厳しさを増してきている。シミュレーション上、数字は動いていく(回る)とは言えますけれど、現場のそれぞれのところにおいては、大変厳しさが増していると言えます。
もう1つは、コロナ対応によって一般病床が圧迫を受けています。例えば、まだ実現していませんが、県立姫路循環器病センターは、1病棟を閉鎖してでも、県立加古川医療センターの応援に行かなければならない、ということを検討しています。一般病床がこのような体制をとることによって、かなり圧迫を受けています。そのこと自身も、一般病床を担当している医師や看護師からすると、冬になると救急患者が増えてくる状況の中で、「コロナ以外の患者に対して、十分な対応ができるのだろうか」という不安や懸念が出てきます。それが圧迫感になっている、と言えます。
何度も強調するようですが、陽性者数を減らしていかなければならないことが、1から10までの課題だと思っています。
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