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知事定例記者会見(2021年3月3日(水曜日))

  1. 新型コロナウイルス感染症対の現状と対応
  2. ひょうご消費生活プランの策定
  3. 河川対策アクションプログラムの策定

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知事記者会見内容

知事:

  1番目は「新型コロナウイルス感染症の現状と対応」です。

 今日は40人でした。昨日は44人、一昨日は21人だったので、少し足踏み状態が続いている状況ではないか、と思います。病床使用率は、重症が約38%、全体では28.6%です。宿泊療養施設は4.1%で、もっと使用率を上げ、調整者がまだ残っているので、この数を減らすように努力していく必要がある、という指摘をし、検討してもらっているところです。
 若干、クラスター的な報告もあるので、それらにも留意しながら、これからもしっかりと対応していきたい、と考えています。
 緊急事態宣言解除後、営業時短を含めた県民、事業者への要請は、7日までとなっているので、8日以降の取り扱いを相談する必要があるため、明日の午後、対策協議会と対策本部会議を開催する予定です。協議会は、13時30から開催予定です。その後、対策本部会議を開き、対応します。協議会を開催するのは、宣言は解除されましたが、3月は、年度末に人事異動等に伴う送別会が多く、卒業式などの行事も増えてきます。4月のはじめは、入学式、歓迎会などが予想されるので、年度末の行事が増えることも含め、今後の事態にどのように対処すればよいのか、ということを相談します。
 2ページ目、(5)感染経路別患者数をご覧下さい。この1週間は、家庭が57.4%です。クラスターは30.4%で、この2つで87.8%になっています。
 経路は、家庭外、きっと飲食の機会で無症状の人からうつされた人が、家庭に持ち込み、家族にうつし、その家族が無症状で勤務先にうつし、勤務先でクラスターを生じている、というケースが、ほとんどではないか、とこの数字を見ると思われます。化学的な追跡結果ではないので、断言はできませんが、この数字を見ている限りは、このようなシナリオが予想されます。
 (2)年齢別患者数をご覧下さい。60代以上が約40%、10代未満が約35%、40代、50代が約25%なので、若干、高齢者にシフトしていることが窺えます。このあたりは、クラスターの状況があまり変化していないことと関連しているのかもしれません。

 2番目は「ひょうご消費生活プランの策定」です。

 従来から県として、消費者教育の推進に関する法律に基づく、消費者教育推進計画を持っていました。
 消費者庁が発足し、消費者生活についてのトータルプランを作る、ということを、消費者庁の、国としての消費者行政強化作戦の中に掲げていることもあります。それに基づき、消費者教育推進計画の改定とあわせて、消費生活相談や消費者の安全・安心確保を含む消費生活行政全体の基本プランとして策定するものです。期間は、令和3年度~5年度までの3年間です。有識者会議で検討され、パブリックコメントを実施し、策定し、(本日、)公表するものです。
 概要は、A3の資料ご覧下さい。「Ⅱ消費者を取り巻く現状と課題」で心配しているのは、「(1)民法改正による成年年齢引下げ」です。もともと消費者として、様々な被害が生じてくるのは、従来だと20歳からです。20歳を超えると、契約主体になるので、その契約主体として、被害に遭う、というケースが非常に多くありました。それが、2歳引き下げられるので、十分に注意喚起をしていくことが必要です。
 「(2)高齢化の進行」は、言うまでもありません。様々な特殊詐欺事件が起きていますが、高齢者が狙われています。しかも、人の良い兵庫県民が大分被害に遭っているという状況が目立つので、そのような意味でも、高齢化の進行という、課題があります。
 「(3)高度情報化の進展」です。電子商取引、キャッシュレス決済等の拡大で被害に遭います。他に、「(5)社会や環境を意識した消費行動への要請 (SDGsに向けた取組)」、「(6)グローバル化の進展 (越境取引拡大、在留外国人増加)」に伴い、生活を取り巻く変化に対応した対策が必要になってきます。
 「推進にあたっての視点」の上に、施策の3つの柱を書いています。「1 消費者教育・活動の推進」、「2 消費生活相談対応力の充実」、「3 消費者の安全・安心確保の推進」、という3つの柱です。この3つの柱が、「Ⅳ 推進方策」の3つのカテゴリーに分かれていると、ご理解ください。
 令和5年の目標値は、「(1)成年年齢引下げを踏まえた若年者への取組強化」、「(2)消費者被害に遭いやすい高齢者・障害者や周囲への取組強化」、「(3)社会 や環境を意識した消費行動の醸成の強化」、「(4)デジタル化やポストコロナを見据えた新たな消費形態等への対応」、という形で定めています。特に、(2)の「過去3年間に消費者トラブルに遭ったことのある人の割合」は、令和2年の調査では11.5%なので、これを8%以下に下げる、いうことを1つの大きな目標にしています。
 目標値を達成できるように努力します。
「Ⅳ推進方策」は、動画・オンラインなどの活用、情報リテラシーの強化、エシカル消費の普及、という観点です。県としての消費生活相談の高度化を図るとともに、SNSを活用した相談にも力を入れていきます。あわせて、災害時の、複合災害時において、風評被害対策等に、力を入れます。
 3ページは、それらのターゲットと対策をマトリックスの形で整理をしています。参照されると、わかりやすい、と思います。

 3番目は「河川対策アクションプログラムの策定」です。

 今回、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に基づく補正予算が成立したところですが、この補正予算をスタートとして、今後9年間で、1800億円程度の事業費を投じ、河川対策を行っていきます。
 基本的な考え方は、2つです。1つ目の「①事前防災対策の加速化」は、ただいま説明しました5カ年加速化対策等を活用します。2つ目は「②事業計画の明確化」です。河川改修については、前期は、整備箇所の着手・完了時期をできるだけ明確に示します。後期は、整備箇所の完了時期までは、示し切れていない箇所もありますが、概ねの時期を明示します。既存ダムの有効活用、中上流対策、堤防強化は、事業箇所を明示していくことを内容としています。
 右側に、ポンチ絵を書いていますが、わかりやすさに重点を置いているので、全部の事業がポンチ絵どおりということはありません。
 例えば、「①河川改修等の推進」は、河床掘削、築堤等を行います。「②既存ダムの有効活用」は、堤体のかさ上げにより洪水をためるポケットを増やすことと合せ、事前放流などを行います。「③中上流部対策の強化」は、パラペットによるかさ上げ、護岸整備による局所的な流下能力の拡大と、河川上流土砂・流木流出対策を行います。「④超過洪水に備えた堤防強化」は、ブロックによる堤防法尻の補強、堤防天端の保護を行います。「⑤堆積土砂撤去の推進」は、計画的な堆積土砂撤去です。
 これらを、アクションプログラムとして取りまとめました。
 2ページは、主な箇所とその箇所図です。ご参照下さい。

 私からは以上です。

質疑応答

記者:
 知事は、明日、対策本部会議を開くと言われました。8日以降の県内の対応ですが、かねてから時短の緩和や地域を狭めるなど、段階的な解除の考えを示されていると思います。本部会議を迎えるにあたって、現時点で、具体的な地域、時間短縮の幅など、腹案を示せるようなことがあれば、教えて下さい。

知事:
 難しいですね。
 すでに大阪府と京都府が、時間短縮については、21時まで、と示されていますので、兵庫県だけ例えば22時にする、という選択は難しいのではないか、と思っています。
 エリアについては、大阪府も京都府も、大阪市、京都市と政令市を中心に、時短の実施をされているのですが、兵庫県の場合はどうするのか、ということがありまして、神戸市のみにするのか。1月12日から結果として2日間だけになりましたが、その時の対象エリアは阪神間を入れましたが、大阪とのバランス上、阪神間にも広げておくのか、ここはまだ決めきれていません。明日の対策協議会、対策本部会議を経て、検討の上で決めていきたい、と考えています。

記者:
 地域的なものに関しては、神戸市よりさらに西の方も含めることもあり得る感じでしょうか。

知事:
 西の方は現状では、先ほどの資料をご覧いただいても、保健所単位で見る限りは、多くの発症が見られていないので、西の方が入ってくる可能性は少ない、と思っています。

記者:
 首都圏での緊急事態宣言の延長の関連です。4都県の知事は、延長要請の方針を固められて、政府でも延長の検討に入ったという報道があります。この動きについての知事の所感と、例えば対策本部会議で、首都圏を特に対象にしたような対策等を取るのか、そのあたりの考えを聞かせてください。

知事:
 今までもお願いをしていますが、宣言下の地域への往来はできるだけ控えて欲しい、ということを言っています。そういう呼びかけは延長する(続ける)ことになると思います。
 現時点で、首都圏、特に東京の動きが全国を左右する可能性がありますので、東京が慎重な姿勢を示されているということは、歓迎すべきではないか、と思っています。

記者:
 変異株の関係です。神戸市が数日前に独自調査の結果を公表されました。県が同様の検査など、そういう調査を公表したり、実施したりする予定はありますか。西村大臣も、変異株の感染率の高さや、神戸市の占める割合の多さに懸念を示されました。知事ご自身が、神戸の変異株の割合の高さへの懸念など、変異株に特化した対策というのは難しいかと思うのですが、対策で何かしようと思われていること、現時点で決まっていることがあれば、教えてください。

知事:
 変異株の地域別の発表の正しさについて、まずは認識しておかなければならない、と思います。PCR検査を行い、PCR検査の一環として変異株が見つけられて、それが登録されて、全国一元的に発表されている。
 ですから、PCR検査の少ないところでは、変異株が仮にあったとしても見つかってこない、少数しか出てこない、こういう調査の実態です。数が多いから、その地域に変異株が流行しているなどの、非常に厳しい状況にある、という評価はできないです。まずは、この発表の仕方やデータの取り方などの持っている意義づけを、しっかりと確認した上で取り扱う必要がある、と思っています。
 ただし、兵庫県において、神戸市が発表されましたが、(厚労省から)公表されている数字よりも、発表時点では神戸市の発表の方が多かった。このことが示すように、今のこの調査のあり方では(評価ができない)。神戸市はしっかりとPCR検査と遺伝子分析もされていますので、変異株の確定もしっかりとされています。そういう状況を評価すべきではないか、と思います。
 変異株対策は、普通のコロナ対策と同様ですので、県民や市民の皆さんが、普通のコロナにかからない、感染しない、あるいは施設に持ち込まない。この対応をしっかりと続けていくことが、一番の対策だということを呼びかけていきたい、と思っています。

記者:
 「河川対策アクションプログラムの策定」について。
 知事は、非常に力を入れてきた防災・減災の対策ということで、先ほども、事業計画の明確化、事前防災対策の加速化という発言がありました。これが進むことによる効果を、改めて、コメントとしてお願いします。

知事:
 河川対策は、総合対策です。兵庫県は総合治水条例も持っていますが、この総合対策を進めていく中で、ポイントとなるような事業、これが、築堤、河川の断面を広げるための掘削や、土砂の撤去など。本来であれば下流から順番に持ち上げていく対策を中上流でも、下流部の能力とバランスをとりながら行っていくなど、河川の総合対策事業を全部一覧にして、9年間の事業計画で、県民の皆さんにお示しをすることが、これでできます。計画的、年次的に実現していくことによって、さらに、河川の安全度が高まっていく、という県民の安心感と理解を深めてもらえるという効果を私たちは期待しています。
 河川の話は、都市河川などは目によくつきますが、中上流や大きな河川だと、何の事業をしているのかよくわからないということもあります。今回のアクションプログラムで、事業の内容等についても県民の理解を得ながら進めていける。そういう効果も期待しています。

記者:
 感染者の動向で、今のグラフを見ていただくと少し反転(・増加)しているかのような雰囲気です。今週8日以降の対応は、知事の話を聞いていると、基本的には緩和の方向と聞こえたのですが、現行の対策を続けて、もう少し様子を見るという選択肢はあるのでしょうか。

知事:
 それもあり得ないわけではありませんが、緩和といっても、地域をどうするかということだけです。一律に全県一体として執り行うのが望ましいのか、それとも、エリアを絞って対策を重点化して行うのがよいのか。これは対応の選択の問題ですので、十分に相談した上で決めていきたい、と思っています。
 緩和というように我々は、舵を切り換えているわけではありません。「兵庫県が緩和」、と書かれると、また一気に心構えが緩んでしまうことに繋がりますので、「そういう方向ではない」、ということを強調したい、と思います。

記者:
 今後、緩みがちな時期は、3月下旬から4月頭と続く中で、実効性のある対策というのが、どのように取られるのかというのが、今後の鍵になってくるかと思います。例えば、飲食店に対して何か集中的な対策をとるなど、不要不急の外出自粛を呼びかけるだけではない、何か施策を考えているのか、そのあたりはいかがでしょうか。

知事:
 冒頭に感染シナリオの話を大胆にしましたが、家庭内に持ち込まれて、そこが起因となってクラスター化しているというケースが、少し多いように思われます。そうすると家庭にどこでうつって持ち込んでいるのだろう、ということになると、今、指摘されたような行事がどんどん増えていく。そういう過程の中で、機会が増えて持ち込まれるということが予想されます。その行事が増えて、機会が増える中であっても、安全対策をしっかりとやってもらう必要がある、ということ。
 事業者の人には、感染症対策の、すでに基準がいろいろと定められていますので、それをしっかりと取り組んでもらいたい、と思っています。
 この間の(関西)広域連合で議論が出たのは、「食事の際に話す時はマスク」ということですが、私が主張しているのは、「話す時には扇子」。食べた後にまたマスクを口にすると、マスクに食べ残しがついたりしますから、私は扇子と言っているのですが、食事の最中でも気をつけましょう、というのが1つだと思います。
 もう1つは、事業者の皆さんには感染症対策を徹底してもらわなければなりません。アクリル版を置くのは一般的ですが、広域連合の議論で出たのは、CO2センサー、炭酸ガス感知センサーの使用です。事業者には「1000ppmになると窓を開けて換気をする」という基準を設けて、CO2センサーを設置してもらい、換気にきちんと留意をしてもらう、食事における対策を注意してもらうということが重要なのではないか。一般の県民もそうですし、事業者の人にも注意をしてもらう。これが1つの対応の強化に繋がればよい、と思っています。

記者:
 変異株について。検査体制の地域的な格差が確かにあるかとは思うのですが、神戸市も変異株の感染が拡大しているという分析を示しています。この状況について、県として、知事としての受け止めはいかがでしょうか。

知事:
 数が増えているわけですから、1週間毎に比較すると増えている、ということですので、それはそれで注意していかなければならない、と思います。一方で、変異株は、感染力が強いと言われていますが、症状については、重症化はあまりしない、とも言われています。あまり変に恐れて、「変異株だから、今の一般的なコロナと違う」というような対応はいかがか。したがって、今の時点では、「通常のコロナ対策をしっかりとやって、変異株にも対処していきましょう」という呼びかけをしていきたい、と思っています。
 もう1つ、国が中心となって、(新型コロナウイルス全般の)モニタリング調査を、しっかりと端緒を見つけるために、やっていこうということになっています。県としても、モニタリング調査を、国と共同して、できれば今週中には始めたいと思います。どこでやるかが問題なので、今、できるところを相談しています。できれば、今週中にはスタートさせたい、と考えています。

記者:
 やはり三宮などの繁華街が中心になるのでしょうか。

知事:
 結局、繁華街でやるしかないのではないか。それは、繁華街に来る人達が、不特定多数の人達ですが、モニタリングは、そのような不特定多数の母集団を対象にした方が望ましい、と言えるのではないか、と思います。

記者:
 変異株の検査体制について。神戸市は、独自で感染者の6割程度を検査している、ということですが、兵庫県としても独自の検査などをする予定はあるでしょうか。

知事:
 神戸市以外の部分として、県は、県の保健所で集めたものを県立健康科学研究所でやっています。他の(政令・中核市の)保健所分も、基本的には県立健康科学研究所が受託して、対応しているものが多いので、その中では発見できます。発見できないのは、民間機関のPCR検査ですが、なかなか(発見に)結びつかないところがあり、そのあたりをこれからどのように対応していくのかが、課題だと思っています。
 京都や大阪府が少ないのは、そういう事情があるのではないか、と推測しています。

記者:
 対策本部会議を明日開く、とのことですが、ここで審議される(内容として、)期間は月末までの対応なのでしょうか。

知事:
 期間ももちろん審議対象です。大阪府(の要請期間)が21日までになっています。したがって、大阪府、京都府よ(14日まで)よりも伸ばすのか伸ばさないのか、ということも1つのポイントとして、検討項目として議論していきたい、と思っています。

記者:
 変異株の検査について。国から自治体に対して、検査をするように、と言っている割合は、全体の5%から10%を目処、という言い方をしています。県もそれに応じた割合で検査をしている、と聞きました。
 神戸市では、今、指摘があったように、それが60%とかなり高く、多い数の検査をしている、ということです。神戸市に聞きますと、民間検査の検体も、神戸市が回収しに行っていて、なるべく数を増やしていこうとしているそうです。
 県としても60%を、なかなかすぐには難しいのかもしれませんが、この5%から10%という割合を、国の要請しているレベルを超えて、増やしていく考えはありますか。

知事:
 感染状況次第ではないでしょうか。つまり、変異株であろうと、従前株であろうと、コロナ感染としては同じ感染です。感染力が強いと言われている変異株だから、感染者がまた急激に増える、という状況が想定されるのならば、変異株検査も強化していく必要が出てきます。そのあたりの感染状況いかんによって、変異株検査も、できるだけ割合を増やしていくことが、基本方向になっていくのではないか。
 変異株があろうとなかろうと、感染者が少なくなっている状況だとすると、とりあえずは国の割合ぐらいで対応するのも、選択肢の1つではないか。そのあたりは、今後の状況も見定める必要がある、と思っています。
 ただし、今後増やすのか増やさないのかについては、まだ私は情報を得ていません。相談を受けていませんので、今後の検討課題になるかと思います。

記者:
 それが、明日の対策本部会議や協議会で、議題の中に含まれてくることはありますか。

知事:
 変異株の取り扱い自身は、当然、対応は同様だとしても、状況分析の対象にはなるはずです。検討課題になる、と理解しています。

記者:
 ワクチン接種について。3月から来週以降にも県内の医療機関の従事者向けの接種が始まるかと思います。ワクチン接種が始まることについての受け止め、今後期待する部分を伺います。

知事:
 医療機関の皆さんから最初に接種を受けてもらいますが、できるだけコロナに対する免疫を増やしていくことのスタートになりますので、大いに期待をしています。一方で、ワクチンの交付量が少ないので、なかなか行き渡っていかない、というもどかしさもあります。国に対しては、できるだけ早く必要量を交付してもらえるように、さらに働きかけていきたい、と思っています。
 なかなか難しそうです。したがって、交付があったものを、できるだけ効率的に、いわばバランスがとれた接種につないでいくことが課題なのではないか、と思っています。

記者:
 例えば医療従事者であれば、交付が3月の1週目、2週目。これから市町の高齢者向けは4月下旬くらいまでなど、いろいろとスケジュールは示されていても、そのあとがなかなか見えてきません。いつまでという計画についても、厚労省が分からないので、県が計画を立てていくにあたっては、全然見通しがつかない状況なのでしょうか。

知事:
 交付量を想定して、見通しも含めた計画をしておく必要があるのではないでしょうか。分からないから、「分からない」と言って済ますのではなく、一定時期にこれくらいの量で来るだろう、と想定して、遺漏のないスケジュールと計画を事前に持っておく。持っておいた上で、実際の状況と調整をしていく、こういう作業をしていかなければならないのではないか、と思います。

記者:
 今のところ、いつまでには県内の医療従事者への接種を終えるなどの目安はありますか。

知事:
 今の状況だと3月中は駄目なのでしょう。きっと高齢者と医療従事者が4月に重なるのかもしれません。本当は早く終えたいのですが。まずは、医療従事者が、安心して医療行為にあたってもらえるようにした上で、高齢者にバトンタッチできれば一番よいのですが、もしかすると重なるのかもしれません。

記者:
 ワクチン接種の話については、明日の本部会議や協議会で議論されるのでしょうか。

知事:
 状況を説明します。

記者:
 モニタリング調査についてですが、現段階で何人規模を想定されているのでしょうか。

知事:
 私が聞いているのは、数百人規模です。何カ所でできるかということもありますが、まずは取りかかることが非常に重要ですので、1カ所でもよいから今週中にはスタートしたい、と思っています。

記者:
 変異株の件で、知事が先ほど、重症化するといった確かな根拠はないが、感染力は強いと言われたと思います。変異株が第4波への引き金になるのではないか、という危機感は、知事の中でお持ちなのでしょうか。

知事:
 今の段階では何とも言えません。予測がつかないというのが、今の実情だと思います。陽性者数の発生が、10人や20人で落ち着いている状況がずっと続いていると、変異株であろうと既存株であろうと、十分にコントロールできる状況になっていると思います。先ほどのモニタリングなども含めて、それが急に変化するような兆しが見えてくると、順次対策を強化していきます。
 我々は、2回経験しているわけです。去年の4月8日からの緊急事態宣言下での対応と、今回の11月から徐々に増え始めて12月、そして1月における、第2段目の緊急事態宣言下での対応の、2回経験しています。それらを十分に踏まえながら、今後の対応を見通していくことが重要ではないか、と思います。

記者:
 コロナの関係で、1つ伺いたいのですが、年度末ということで、入学式や卒業式などいろいろあるかと思います。学校や大学に知事から呼びかけることがあれば、お願いします。

知事:
 やはり謝恩会や卒業式後のコンパ、新入生歓迎会ということについて、慎重に検討してもらいたい、というのが1つです。本当は開かないのが一番よいのですが、もし、どうしてもそういうことを、やらざるを得ないような状況があるのだとすると、密にならないように、しかも1グループ4人以下という、感染症対策の基本をしっかりと守ってもらい、対応していく。このことをしっかりと呼びかけていきたい、と思っています。

記者:
 卒業式や入学式に関して。例えば分散して開催してほしいや、本人以外の出席をやめて欲しいなど、そういったことは何かありますか。

知事:
 主催者が、すでに卒業式や入学式については、万全の対応をやろうと、感染症対策をやろうとしているため、それは主催者の指示に従ってもらえればよい、と思っています。

記者:
 宣言が解除されたということで、県内の一部のイベント会場、コンサートホールでは、前倒しで少し緩和している動きが出てきていますが、それはお聞きになっていますか。

知事:
 イベントの規模については、屋内だと2分の1、屋外でも5000人が今の基準です。それが守られていない、というイベントは聞いていません。

記者:
 明日、改めてそのあたりの人数を決めるのでしょうか。

知事:
 屋内は2分の1、というのは原則だと思います。しかし、屋外は、5000人を維持するのかどうか、そこがポイントだと思います。

記者:
 5000人程度まで前倒しして、広げている、というぐらいでしたら許せるのでしょうか。

知事:
 緊急事態宣言下でも5000人です。規模をどのようふうに考えるのか、ということです。

記者:
 これまでは少し制限していた所が、広げるような動きを見せているようですが。

知事:
 これからの話です。そこは、問題のある行為ではありません。

記者:
 6日からイカナゴ漁が始まります。全盛期の100分の1、200分の1、とかなり激減し、県漁連も様々なことをしていますが、増える状況にありません。
海が砂漠化している、という話がかなり長期化しています。
 兵庫県だけの話ではなく、瀬戸内海全体でもあり、他の地域もあるかもしれませんが、兵庫県が率先して、全国に訴えていく必要がある、と思います。

知事:
 資源管理をどうしていくのか、ということも含めて、「水質規制」から「水質管理制度」に移行しよう、ということをずっと主張してきました。それは、今国会に、瀬戸内法(改正案)が提出されています。それに基づいた枠組みで、対処していくことになるのではないか、これが、制度的な枠組みの1つです。
 もう1つは、藻場を育成する必要があります。これをできるだけ広げていくことと、底質の改善です。漁業者にも協力してもらいながら、底質改善事業をやっています。これは、底にたまっている有機物質を水中にかきまぜることになるので、大変効果があるのではないか、と期待しています。関係事業者が、協力してでもやる、とされています。
 しかし、それらの事業は、始まったばかりなので、今年のイカナゴ漁にどれだけ影響があるのか、はなかなか予測がつきません。事前調査の状況では、今ご指摘のように、相変わらず100分の1ぐらいが実態なので、資源保護のために、播磨灘は厳しい操業期間の短縮を今年も行わざるを得ないのではないか、と関係者も覚悟しているのではないか、と思っています。

記者:
 今年の海苔の収穫状況についてはいかがでしょうか。

知事:
 今年は、春が少し早いです。ということは、水温の上昇も早いのです。海苔の色落ちが、平年ベースよりも早く見られたりしているので、生産量に影響が出るのか、出ないのか、という状況ですので、心配しています。
 しかし、このような状況の時には、値段が上がります。良い品質の海苔に対する需要が増えます。さらに、コロナ禍で、家庭での海苔の消費は増えているかもしれませんが、飲食店、高級飲食店での消費が止まっているので、そのあたりが価格にどう影響するか、ということとも、関連してきます。仮に、生産量が少なければ、値段が上がって欲しい、ということが産地の願いです。 

 

 

 

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