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知事定例記者会見(2021年3月15日(月曜日))

  1. 新型コロナウイルス感染症対の現状と対応
  2. 第6期兵庫県障害福祉実施計画の策定
  3. 福祉のまちづくり基本方針の改定
  4. 障害者雇用・就労対策の推進
  5. 兵庫県動物愛護管理推進計画の改正
  6. 兵庫県地球温暖化対策推進計画の改定
  7. 「淡路花博20周年記念 花みどりフェア」(春期)の開催
  8. 「文鹿祭」の開催
  9. 水素ステーションの開所及び燃料電池バスの運行開始

動画

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知事記者会見内容

 知事:
 1番目は「新型コロナウイルス感染症の現状と対応」です。

 お手元の資料は、昨日24時現在です。(別途発表済みですが、)今日は、33人でした。月曜日としては、1週間前は9人、2週間前は21人、3週間前は14人、4週間前は27人、という状況だったので、33名は、やや、多いと感じます。
 実態は、大きな変化がありません。2ページ目をご覧下さい。(4)管轄保健所別患者数で見ると、芦屋、神戸市、尼崎市が、かなり発症数が多い、という状況です。(5)感染経路別患者数は、家庭、職場、クラスター、の3つですが、家庭に、無症状で持ち込み、無症状で感染した人がまた、職場、クラスターの原因になっている施設等で感染源になっている、このような従来からの構図がそのまま続いている、という状況です。
 「国の新たな感染状況のステージの指標」をご覧下さい。赤のライン(項目)は、直近1週間とその前1週間の比です。最近は、1.22、1.22、1.45、1.33、今日も、1.33位だと思います。(直近1週間314人で、その前1週間205人の1.53倍)実は、東京都よりも、1週間比で言うと、高い状況が続いているので、お手元にありますように、「年度末 感染者が増加しています」、というメッセージを県民の皆さんに、理解を求めるために発出します。
 緊急事態宣言解除から2週間が経過しましたが、県内の感染状況を見ると、1週間の感染者数が前週比1.3倍となり、東京の1.1倍を上回るなど、感染者急増の気配があります。ウイルスの変異株による感染も増加しつつあります。感染を再拡大させないためにも、今が大事な時です。年度末の歓送迎会、謝恩会など行事の多い時期ですので、ご協力をお願いしたいと思います。
 内容は、基本的に大きな変化はありません。不要不急の外出の自粛、都道府県間の移動の自粛、飲食、カラオケなどリスクのある場所への出入りの自粛、卒業旅行、謝恩会、歓送迎会、花見による宴会などを控える、食事会などは、1グループ4人以内、会話の際は、扇子やマスク等により、飛沫の防止をお願いします。
 事業者には営業時間短縮を4市についてお願いしています。マスク、手洗い、定期的な換気の励行。テレワークの推進です。
 年度末、感染者が増加している、ということを踏まえ、県民の皆さんの協力を得たいと思いますので、よろしくお願いします。

 「県内主要駅における人出の動向」をご覧下さい。下の表ですが、令和2年12月の平均値に対する人出の状況ですが、3月8日から3月14日までの1週間の22時時点で見ると、12月の平均値までには至っていませんが、緊急事態措置を開始した直後の1週間と比較すると、三宮周辺が63%増。姫路は36%増、尼崎は10%増、となっています。かなり増えてきている、という実態です。
 現在が上昇気運になっている、と断じてはいませんが、資料にもありますように、感染者が急増の気配、懸念があるので、県民の皆さんに注意喚起をお願いします。ぜひご協力をよろしくお願いします。

 「兵庫県新型ワクチンの専門相談窓口について」情報提供します。ワクチン接種についての様々な相談に対して、電話相談を行うこととし、今日からスタートしています。専門職を配置し、「副反応にはどのようなものがありますか」、「ワクチンを受けた後に熱が出たが、どうすればよいですか」、「持病があり、薬を飲んでいるがワクチンを受けることはできますか」、「接種したところの痛みが続くがどうすればよいのか」、など身近な対応の相談に乗りますので、是非ご利用ください。

 2番目は「第6期兵庫県障害福祉実施計画の策定」です。

 「ひょうご障害者福祉計画」を実施するための計画です。この(基の)計画については、来年度、改定を予定しています。(同時改定を予定していましたが、)コロナ禍における影響なども踏まえた上で、改定した方がよい、ということで、来年度に改定します。それとの関連で、実施計画を直す必要があれば直します。実施計画については、今年度中に策定することにしました。
 令和3年度~5年度までの3カ年計画です。
 「3 計画の構成」は、地域移行、就労移行、障害児支援のほか、(追加として、)質の向上、という方向で、相談支援体制の充実・強化等、障害福祉サービス等の質の向上についての研修の強化なども入れ込んでいます。
 (横長の資料)「第6期兵庫県障害福祉実施計画 主な成果指標」に第5期実績と第6期概要を書いています。それぞれ、「1福祉施設の入所者の地域生活への移行」、「2 精神障害者を地域全体で支える体制の構築」、「3 地域生活支援拠点等が有する機能の充実」、「4 福祉施設から一般就労への移行等」などについて触れています。
 2ページ目にありますように、「5障害児支援の提供体制の整備等」、これは以前からあります。新たに追加した、「6 相談支援体制の充実・強化等」、「7障害福祉サービス等の質の向上」について、内容としています。

 3番目は「福祉のまちづくり基本方針の改定」です。
 「(2)基本方針の位置付け」に書いてありますように、「福祉のまちづくり条例」に基づく福祉のまちづくりを総合的に推進するための基本的方針。「まちづくり基本方針」、「ひょうごユニバーサル社会づくり総合指針」の福祉のまちづくりを推進するための指針です。
 令和3年度~7年度の5カ年計画として策定します。
 A3資料の1ページをご覧下さい。右上の「3前基本方針の目標及び評価」をご覧いただくと、着実に推進が図られている、ということが伺えます。
 真ん中の、「5主な推進施策と目標」です。「1 すべての人が安全かつ快適に利用できる施設のよりきめ細やかなバリアフリー化の推進」です。この中で強調したいのは、「福祉のまちづくりアドバイザー」による「チェック&アドバイス」の実施です。チェックをしてもらい、アドバイスをもらいますが、この方式を、「(2)① 事務所・工場等のユニバーサル化」にも活かします。あわせて、ホテル(宿泊施設)などについてもユニバーサル化の促進を図ります。
 「2 すべての人が円滑に移動し、活動できるまちのユニバーサル化の推進」です。鉄道、バスのバリアフリー化に併せて、まちのユニバーサル化を推進します。これは、従来から(建築物について)アドバイザーによる、チェック&アドバイスを実施していますが、さらに「まち」で強化します。
 「3 ハード整備の取組を補完する心のバリアフリー化の推進」です。これは、情報提供の推進、人的支援の推進、相互理解の推進を計画化しています。
 2ページ目に、「主な推進施策」があるのでご参照ください。

 4番目は「障害者雇用・就労対策の推進」です。

 令和2年6月1日現在の障害者雇用率は、2.21%(全国:2.15%)と平成30年4月に引き上げられた法定雇用率(2.2%)を初めて達成することができました。
 企業における雇用状況は、1人以上の雇用義務が生じる企業(従業員45.5人以上。3,481社)のうち法定雇用率達成企業は50.9%(全国:48.6%)。未達成企業の約6割(1,025社)が一人も雇用なし、という状況です。
 令和3年3月から法定雇用率が2.3%に引き上げられています。右側の「表① 企業規模別の雇用率・達成企業割合」を見てもらうと、兵庫県の場合、50.9%のうち、達成割合が低いのは、300~500人未満の企業(50.4%)、45.5~100人未満の企業(46.7%)です。ターゲットは、この2つになるのではないか、と考えています。
 「令和3年度における取組」は、「①兵庫型ジョブコーチの派遣を本格化し、障害者の就労・職場定着を支援」、「②アドバイザー派遣や助成により特例子会社・事業協同組合の設立、雇用拡大を支援」、「③職場体験、障害者雇用への理解を深めるワークフォーラム開催等」、「④ 障害者の在宅ワーク促進を図る法人を支援」等です。
 令和2年度の雇用者数は、16167.5人で、端数が付いているのは、雇用者として短時間勤務の人は0.5人とカウントするからです。令和元年と比べると、2.8%増になっています。
 県機関における障害者雇用率は、知事部局:2.62%(議会事務局含む)警察本部:2.81%、企業庁:5.28%、病院局:1.69%(法定雇用率未達成)、教育委員会1.42%(法定雇用率未達成)、という状況です。
 2ページ目に、「令和3年度の主な取組とこれまでの実績」を整理しているのでご参照ください。

 5番目は「兵庫県動物愛護管理推進計画の改正」です。

 A3の資料をご覧下さい。「Ⅰ 動物飼養に関連した問題発生」については、動物を取り巻く現状と課題としては、「1 適正飼養の指導を強化する必要がある」、「2 動物による生活環境汚染の発生を未然に防ぐ必要がある」、「3人と動物の共通感染症対策の充実を図る必要がある」ことです。
 「Ⅱ 動物愛護意識の現状」の、課題は、「1 飼養者の意識向上を図る必要がある」ことです。
 「Ⅲ 危機管理対策」にも触れています。
 「具体的な事業」としては、「1 犬の飼い主に対する指導」、「2猫の飼い主に対する指導」、「3 飼い主のいない猫への対応」、そして、「4 犬及び猫の引取り」です。国の取り扱いも変わり、(1)飼い主からの犬・猫の引取りは、攻撃性等やむを得ない場合のみ実施、(2)所有者不明の犬・猫の引取りは、周辺環境が損なわれるおそれがある場合等には実施、このような取り扱いになっており、単純に引き取ってください、というような要請には、応えられません。しかし、どうしても飼養する環境にない場合は、引き取らざるを得ないケースがある、ということになります。
 「Ⅱの3犬・猫の譲渡(適正飼養者の育成)」として、(1)生存の機会を拡大するとともに、優良な飼い主に譲渡、(2)適正飼養者育成に寄与する団体等を通じての譲渡(団体譲渡)の推進、(3)ボランティアの協力を得て離乳前の子犬・子猫を保育・育成し、譲渡します。 

 6番目は「兵庫県地球温暖化対策推進計画の改定」です。

 目標の強化など、2つの大きな改正ポイントを書いています。
 1番目は、「2050年の将来像」を明記しました。「2050年二酸化炭素排出実質ゼロ」を目指すことにした、ということです。
 2番目に、その途中年である、「2030年の目標を強化」しました。新計画では、35%~38%削減(2013年度比)を目指すことにしています。また再生可能エネルギー導入目標についても、80億kWhにし、再エネ比率を22%に高めることを、大きな項目として、打ち出しています。
 (A3資料、1ページ目)兵庫県の場合は、図表1をご覧いただくとはっきりしていますが、産業部門が非常に大きいのです。図表2の円グラフの通り、産業部門が65%と、約3分の2を占めています。そのため、産業界の協力を得なければ、なかなか目標が達成できないため、産業界との協議会などを通じながら、対策を強化していくことにしています。
 「2050年、二酸化炭素排出実質ゼロ」の実現に向けた取組の方向性として、2ページに書いていますが、様々な対応を、「くらし」、「しごと」、「まち」、「さと」の分野として、整理をしていますので、ご参照ください。特に、再エネと水素を中心に、プラスチックや繊維の対策なども、強化していこうとしています。
 3ページ目、具体の6方針に基づく対応について、方針①の「1 条例に基づく事業者の温室効果ガス排出抑制の推進」では、従来の公表は、事業「者」ごとでしたが、年間1500kL以上を排出するところについては、事業「所」ごとにも公表します。そして、500kL以上のところは、事業者ごとの公表を付け加えます。そして、大気汚染防止法に基づくばい煙発生施設の設置工場では、500kL未満であっても、排出抑制計画の作成と提出、そしてその結果を報告、というように強化します。
 方針②の再生可能エネルギーの導入拡大では、太陽光、小水力、バイオマス、風力などについて、促進を図ります。それから、方針③の地域循環共生圏の創出では、地域ぐるみの対応も、推進していきます。方針④は、暮らしの中の省エネということで、いろいろな対応を進めます。方針⑤は、森林の適正保全、適正管理です。方針⑥は、人材の育成を上げており、総合的に対応していこうとしています。
 (4ページ目、)もう1つ、地球温暖化対策推進計画の内容に、「適応策の推進」を入れています。適応策は、温暖化が進んでいくのに対して、私たちの生活や産業構造などを、どのように適応していけばよいのかについて、4ページに記載しているとおり、「各主体が取り組む適応策の例」としても、非常に広範囲にわたっています。
 このような広範囲にわたる、総合的な対応が必要だということを、地球温暖化についても、認識してもらうことが重要であり、推進計画の中に、適応策についても入れ込んだ、ということです。
 
 7番目は「淡路花博20周年記念 花みどりフェア(春期)の開催」です。

 昨年、秋春にやる予定の花みどりフェアを、春秋に行うことにしましたが、春期のフェアがこの3月20日~5月30日までの72日間の予定で、開催されます。
 テーマは、みなとつながる「花緑 食の島」淡路です。メイン会場は、淡路島国営明石海峡公園等ですが、洲本市中心市街地と淡路ファームパーク・イングランドの丘にも参加してもらい、サテライト会場として、あわじ花さじき、ウェルネス・パーク五色、淡路人形座など76の観光施設に参加してもらっています。
 別紙1には、主な行事。それから、別紙2には、新型コロナウイルス感染症対策の概要を取りまとめています。特に別紙2で、入場者については、検温を当然実施し、新型コロナ追跡システムも活用してもらいます。また、密を避ける対応をし、会場内の滞留者数の上限を設定して、適正管理をします。飲食についても、原則としてその場では調理を行わずに、衛生基準の整った店舗等で、あらかじめ調理したものを、持ってきて販売する、ということにします。
 そして、蓋付きの容器に入れるなどの対応をし、飲食エリアも限定して、アルコールは出しません。それから、飲食エリア内の間隔も確保します。バスや、施設の対応についても、しっかりとしています。
 飲食の時の扇子やうちわ、マスクの使用も推奨します。それから換気のためのCO2センサーなども活用することにしています。

 8番目は「文鹿祭(ぶんかさい)の開催」です。 

 昨年、生田神社で予定していた鹿祭り「文鹿祭」を順延しましたが、今度の3月23日第4火曜日が「4火(しか)」と読めるので、この第4火曜日にやるそうですが、生田神社を活用させてもらい、鹿祭りを開催します。こちらもしっかりと感染症対策をして、ソーシャルディスタンスにも配慮し、密を避ける対応もしながら、開催します。

 9番目は「水素ステーションの開所及び燃料電池バスの運行開始」です。

 姫路市に、水素スタンドができます。飾磨区中野田1丁目69ですが、ここの特色は、燃料電池バスの運行を、神姫バスが始めるので、そのバスへの水素の供給も、このスタンドで行います。燃料電池バスの導入は、西日本では初めて、ということになります。
 それから、関連行事として、次世代自動車の展示会や、燃料電池自動車「新型MIRAI」の試乗会なども、行われることになっています。

 私からは以上です。

 

質疑応答

記者:
 新型コロナについて。感染者が少し下げ止まり、再拡大の懸念があるのでは、ということを言われていましたが、その受けとめを改めて教えてください。
 また、コロナの要請措置が21日までの期限でしたが、今後の対策と方針、その決定時期など、現在検討されている所を腹案で結構ですので教えてください。

知事:
 先ほどもご覧いただいた、(国の新たな感染状況のステージの指標)で直近1週間とその前の1週間の比で、前週差が1.4や1.3、と少し増えています。その傾向が累積していくと、上昇していっているということになりかねません。この段階で、もう一度、県民の皆さんにしっかりと「こういう実情にあるのだ」、ということを認識してもらって、協力を求めたい、という意味で、先ほどの「年度末 感染者が増加しています!」という呼びかけをしました。
 ぜひ、ご理解をいただきたい、と思います。
 また、今の対策は、3月21日までとなっていますので、いずれにしても今週中には、対策本部会議を開いて、22日以降の対応を決定していかなければならないと思っています。ただし、今のような状況ですので、0(ゼロ)にするような状況ではないので、引き続き、それなりのご協力をいただくような対策を行っていく必要があるのではないか、このように今、認識しています。
 どのような対応をしていくのかは、対策本部会議が金曜日だと少し遅過ぎるかもしれませんから、木曜日を目処に開催して、それまでに対応策を十分に検討していきたい、と考えています。

記者:
 要請でいうと飲食店への時短が、飲食店の人や県民の人にも、特に注目が集まっているところか、と思うのですが、延長など、そのあたりはいかがでしょうか。

知事:
 そのあたりも含めて検討します。

記者:
 次は、例えば3月末までの期間など、そういうのも含めてでしょうか。

知事:
 いつまでの期間かというと、時短を要請するとなれば、一定の協力金を交付することになりますので、協力金が交付できる措置を国は今のところ、1カ月程度としています。宣言が解除されてから1カ月程度ですから、その1カ月程度は伸ばそうと思えば伸ばせる期間だと言えます。とりあえず、そういう形で刻むことになる、と思います。
 いずれにしても、年度末と年度初めを警戒していかなければならない時期ですので、年度末と年度初めを睨んだ対応を考えて、検討していくことになる、と思います。

記者:
 項目2の「第6期兵庫県障害福祉実施計画の策定」、項目3の「福祉のまちづくり基本方針の改定」、項目4の「障害者雇用・就労対策の推進」の福祉、障害関係について。
 知事は、従前からそういうことに非常に力を入れてこられたかと思います。
 先ほども説明で強調されたところもありますが、今回、改めてこの計画の中などで、特に、この項目の数値目標や重視してきた点など、今後これを極力早い段階で達成しなければならないなど、何か強調したい点はありますか。

知事:
 「障害福祉実施計画」では、障害者雇用のフィールドを広げていくことが非常に重要だと思います。雇用率が達成できていない、また、基本的に雇用されていない企業が半分ありますので、特にそういう雇用されるような企業開拓を進めていく。そのためには障害者の能力アップを図っていかなければなりません。兵庫型ジョブコーチやあるいは農福連携の推進など、ネットワークで繋いで仕事が家庭でできるような環境を整えていく、あるいは授産商品の販売を強化して、それを買ってもらうことが障害者の雇用増強に繋がる。こういう施策を総合的に推進していって、障害者施策の効果が県内で上がることによって、兵庫が障害者に対して、しっかりとした対応をしている地域だ、ということを理解してもらえる、兵庫県づくりに繋げていければ、と願っています。
 また、「福祉のまちづくり基本方針」も同じような観点ですが、特に障害者目線、障害者の視点をまちづくりの中に生かしていきたい、というのが今回の福祉のまちづくりの基本方針です。「(福祉のまちづくり)アドバイザー」による、「チェック&アドバイス」という仕掛けを前の計画から入れていますが、さらに適用範囲を広げて、工場や事務所、事業所などの整備・運営などについても「(働く空間)チェック&アドバイス」の仕掛けで改善を図っていきたい、と考えています。

記者:
 組織改編の関係で。「復興支援課」の名称変更によって、「復興」という名称が組織改正でなくなるのではないか、という話があったのですが、現在の方針はいかがでしょうか。もしも、「復興」の冠がなくなるのでしたら、この時期に変更される意味は何でしょうか。

知事:
 「復興」というのは、災害が起こってからですので、事前の対応を支援していくことも含めた組織に変えたほうが望ましいのではないか、というのもあり、事後対策と事前対策との両方を支援する課に変えようという意味で検討しています。
 タイミングは、基金事業が今年度で終わりますので、来年度は基金の精算が残りますが、タイミングを捕まえて名称変更しよう、それから事業の内容も充実しよう、としています。

記者:
 「復興支援課」の名称が変更になるのは、既定路線でしょうか。

知事:
 はい。

記者:
 現在何か名称変更であがっている案はありますでしょうか。「災害支援課」という報道もありましたが、そのあたりはいかがでしょうか。

知事:
 「災害支援課」や「防災支援課」などを検討しています。「防災」だと事前対策だけのイメージになりかねませんので、さらに検討を加えたい、と思っています。

記者:
 では、名称まで決まっていない、と言うことでしょうか。

知事:
 案はあるのですがまだ決まっていません。「防災支援課」が有力な候補ですが、「防災支援課」だと、事前だけか、というイメージにもなりますので、それでよいのかどうかも含めて検討していきたい、と思っています。

記者:
 来週、明石市が、(虐待を疑われた乳児の)一時保護の件について、最終報告を検討委員会で行うというスケジュールを出しています。先週、知事は、医師のアドバイスを受けて、県としては適切に判断した、と言われたか、と思います。その医師の判断がどういうものだったのかについて、知事はご存知でしょうか。「100%虐待」と医師は判断していたかと思いますが、「100%」という点について、科学的、医学的にどうなのか、と考えますが。

知事:
 私が承知している限りでは、通常の、例えば、テーブルにぶつかった、あるいは、兄弟がぶつかって転んだ、などでできるような傷ではない、というように言われて判断された。それについては、2人の医師が確認をされている、と承知しています。

記者:
 「100%虐待だ」と言っていたこともご存知でしょうか。

知事:
 それについては、私は原文を読んでいません。そういう判断がされた、と承知しています。
 「100%」であるかどうか、については、必要なことではないのではないでしょうか。ただし、通常では起き得ないような症状である、ということを言われていると承知しています。

記者:
 診断書や鑑定書に「100%」という文言があること自体、普通であれば疑ったような目(があってもよかったのでは。)

知事:
 それだけ、かなり明瞭な状況だったということなのではないでしょうか。科学的な「100%」かどうか、という話よりも、それだけ一般的には起こりにくいような症状を示していた。つまり、虐待でない限り起こらないような症状を示していた、ということを言われたということなのではないでしょうか。

記者:
 知事として、「100%虐待」と書かれていたとしても、それは別におかしなこととは感じられないのでしょうか。

知事:
 それは、表現上、強調する表現として使われていた、ということなのでないですか。

記者:
 先日、検証についても伺いましたが、改めて過去の会見を見返した時、県としては、今回の件、今回の明石市のこの事案については「検証しない」というように言われています。

知事:
 私はそのようには理解していません。

記者:
 この事案について、改めて第三者委員会で検証するのでしょうか。

知事:
 改めてではなくて、県として、こども家庭センターで第三者委員会を作っています。(第三者委員会から助言をいただいて、今後のあり方に生かしていくのですが)第三者の意見を聴くためには、どういう状況で、どのような判断をして、どのような取り扱いをしてきたかを見極めなければ、第三者の判断や助言をいただくことができません。私が最初に聞いた時から、そういう形で第三者の意見を聞く、と聞いていましたし、やってもらったらよい(と思っています)。

記者:
 今回のケースに関しての検証については、これまで、県としては行わないという姿勢だったかと思うのですが。

知事:
 私はそうは言っていません。

記者:
 (担当部局が)県としてその姿勢を示されて、そのトップ(知事)としてその姿勢についてどう思われますか。

知事:
 私はそのようには言っていません、とお答えしましたが。

記者:
 担当課が、そう言っているのですが。

知事:
 担当課は担当課で一主張があるのかもしれませんが、私が言っているので、従ってもらわなければ、と仕方がありません。

記者:
 今後、知事から、指示をされるのでしょうか。

知事:
 「知事が」というよりも、従来からそういう報告を受けていました。第三者の意見を聞いて、適切な取り扱いをしていく、と聞いていました。だから、第三者の意見を聞こうとしたら、「どういう顛末でこういうことになったのか」まで、きちんと説明した上で聞かなければ、意見を言ってもらえません。

記者:
 担当課とすり合わせができていない、ということなのか、認識がずれているのでしょうか。

知事:
 すり合わせではありません。きちんとした今後の取り扱いの意見を伺います、ということになれば、そのような作業をやるしかありません。

記者:
 それが、もしもできていないとすれば、どうされるのでしょうか。検証はされていない、知事が思っているような検証がされていないとすれば。

知事:
 検証は、もうすでに何度もやっているのですが、さらに、このような状況なので、意見をきちんと聞こう、ということを決断しています。その意見の聞き方について、いろいろと検討していくことになります。

記者:
 もしも、まだ検証ができていないとしたら、今後もしなければならない、と考えてらっしゃいますか。

知事:
 意見を聞くのは、これからの話です。

記者:
 それは、今回の事案に関してではなくて、今後の一時保護のあり方について、ということだと思います。

知事:
 一時保護のあり方を議論しようとすれば、今回の事案も、しっかりと踏まえていかなければなりません。そのために、しっかりと(今回の事案も)踏まえた上で、今後のあり方を決めていくことになります。

記者:
 それが今、できていないのではないでしょうか。1月の(担当課の)会見の時に、今回のケースについて検証はしない、とはっきりとした回答を行ったはずです。

知事:
 それであれば回答をした担当課に訊ねてください。私に聞くのであれば、私が言っているように受け止めてもらえればよいのではないでしょうか。

記者:
 担当課の判断はどうなのでしょうか、ということをお伺いします。

知事:
 担当課は私ではありませんので、私に原課の判断はどうなのか、と聞かれても判断のしようがありません。私は、今後の参考にするためには、今回の事件も踏まえた上で、意見を聞かなければならない、と言っています。簡明な表明をしています。

記者:
 来週、明石市から結論が出ます。1年3カ月離されたことの結果の重大性について、改めて、知事として、どのように捉えていますか。

知事:
 宝塚市や姫路市で起きた事件はどういう事件だったでしょうか。家庭に戻したら、戻した途端に虐待が始まって、不幸にも亡くなりました。そういう事例を踏まえて、第三者委員会まで作って、家庭に引き取るか、引き取らないかの適切な判断をした上で、対応しようという仕組みを作りました。そのような運用をしていました。

記者:
 結果として、今回の保護が誤りかどうかということは、司法などの判断でもあります。1年3カ月というのは、親子にとって、おそらく私の想像する範囲では、やはり貴重な時間だったと思います。

知事:
 長いのか短いのかというのは、事態によって違ってきます。それぞれの取り扱いの事案によって違います。長いか短いかについては、一般的な議論はできないでしょう。一般的な議論ではなくて、1年3カ月でも、3カ月でも、適切に、事案に応じた対応がなされていれば、(適切に)なされていることになります。もし(適切に)なされていない部分があるようであれば、それは「(適切に)なされていなかった」と、次なる反省点になるのではないでしょうか。単に1年3カ月だから長いとは決めつけられません。

記者:
 今回の件に関しては、知事は、どちらで思っていますか。

知事:
 私は、現場の判断が正しい、と思っています。兵庫県のこども家庭センターが取り扱った判断は正しい、と思っています。

記者:
 新型コロナの関係で、時短要請について。先ほど知事の発言もありましたが、今のように、少し1週間前との比較が増えて月曜でも少し多い。まだ十分見極めなければならないと思うのですが、今のような状況であれば、4市での解除というのは難しい、という考えでしょうか。

知事:
 今の段階では検討中です。

記者:
 今の段階ではどうも判断がつかない、ということでしょうか。

知事:
 今、判断するのだったら、対策本部会議を開催する必要がありません。
 対策本部会議でしっかりと検討した上で決めていくことになります。
 こういう対策は予断を持たない方がよいですが、(直近1週間と)その前の1週間対比で増えているという状況が出てきていますので、県民に対して「認識してください」という呼びかけをした、ということです。

記者:
 知事選について。先週から、金澤副知事に各種団体から多くの立候補要請が寄せられています。
 金澤副知事も立候補すると見られますが、立候補要請なども含めた現状の動きについて、知事の受けとめを教えて下さい。

知事:
 去年12月の末、自由民主党が、知事選挙等検討調査会と総会を開かれて、金澤副知事に出馬要請されたはずです。それを受けた形で、関連団体が同じく出馬要請をされました。しかし、コロナの緊急事態宣言などが行われているような最中では、タイミングとしていかがであるか、ということにも配慮されて、今の時期になったのではないか。そのように受けとめています。

記者:
 今のところ、たくさんの団体から要請が寄せられていますが、金澤副知事への期待など、そのあたりはいかがでしょうか。

知事:
 私は、改革と調整ができる人、兵庫にふさわしい未来を切りが開ける人が知事として望ましい、と言っているので、金澤副知事が、その資質があれば、その挑戦をしていかれることに、近いうちになるのではないか、と思っています。

記者:
 兵庫県は、今、増えてきている、という状況です。この件について、緊急事態宣言下においては、大阪府、京都府と一体的に対策をやっていきましょう、という話でした。その大阪府、京都府とのコミュニケーションは、その後も継続されているのか、それとも今の段階では兵庫県が単独として、引き締めを図る時期だ、と思っていますか。

知事:
 今日の声明は、私が単独で行っています。いずれにしても、22日以降の取り扱いについては、大阪府も21日までなので、一体的に協議をしていくことになる、と思っています。

記者:
 少しずつ増えているような懸念がある状態の中で、今後、このような増え方をしたら「まん延防止措置」など、第1波から第2波の時にあったような位置付けは、今後新たに作り直しなどをするのでしょうか。

知事:
 そのような「感染期」(フェーズ)に応じた対応ぶりを再編成することよりも、この1月から2月にかけて、病床逼迫という状況が続いたので、そのような状況になっても、それなりの対応ができるような体制を今の段階で準備をしていくことは重要である、と思っています。
 そのために、例えば、ホテルなどの宿泊療養施設で、医師のフォローアップができる体制を、兵庫県医師会の皆さんの協力を得て作りましたが、これを、西宮市だけではなくて、例えば、姫路市などで検討することもあり得ます。
  また、うつす可能性のない患者は、急性期の病床から一般病床に移ってもらう、あるいは、高齢者は、元の高齢者施設に戻ってもらう、というシステムをしっかりと作り上げていくことが必要になります。
 自宅待機の方々のフォローアップなどについても、今の段階で仕掛けをさらにブラッシュアップすることがあるのかどうか検討していく、このようなことが重要な事柄である、と思っています。
 すでに、最大限である1200室程度の宿泊療養施設の確保、という経験があります。今は、少し縮小していますが、拡張期にはどのような順番で拡張していくか、ということも、すでに経験済みです。それをきちんとシナリオ化していく、そのあたりの準備をトータルでやっていくことが大事である、と思います。

記者:
 出会いサポートセンターについて。36都道府県で同じような取り組みをされていますが、その中でも、すごく一生懸命やっている所、軽くやっている所、といろいろあります。兵庫県の場合、色々とやられている、ということを今、取材しています。出会いサポートという事業を、県の事業としているのは、どのような理由からですか。

知事:
 少子化対策の基本は、未婚化と晩婚化です。
 未婚化と晩婚化対策を進めるには、特に最近は、男女の出会いの場が少ない、との指摘もあり、慣れていない、ということも言われています。そのような場を作ろうということで、平成11年に始めた事業ですが、かなりの成果を上げています。
 従前は、仲人の役割を果たすボランティアの働きがありましたが、今は、仲人さんはいないので、公的ないわば仲人機関を作っていくのはどうか、ということで始めました。
 しかし、なかなか登録人数が増えない。ある程度の人数がいなければ、紹介しにくいので、この2年ほどの間に、オンラインでの出会い、民間の機関との連携も、考慮に入れた対応を始めている、という状況です。

記者:
 県がやる、ということで、考え方によっては、民間に様々な事業者がいる中で、ライバル同士になってしまう。そのようにも見える気がしますが、それについてはどうでしょうか。

知事:
 民間を利用される方は、それなりに意思がはっきりとしている人が多いのです。
 しかし、県に相談に来る人は、漠然とした方々もいます。そういう方々に対して、安心して紹介ができるような機関としての機能を果たしていければよい、と思っています。我々は、民間の分野に踏み込もうと思っているわけではありません。
 特に、民間の機関を利用しようとすれば、それなりの利用料もかかります。そのようなことを考えると、払える人しか、そのような出会いのサポートがないのか、ということになってもいけません。
 我々の存在感、地位もあるのではないか、と思っています。

記者:
 将来的に、この事業がどのようになっていくとことを、知事は期待していますか。

知事:
 実際は、このような機関がなくても、晩婚化、未婚化が進まなければ、よいですが、今までの時間的経過で見ると、ますます晩婚化し、未婚化の割合が増えてきています。家庭を持ちたい、という希望は多いので、そのような希望に応えることのできる、出会いのチャンスを作っていく、という事業の必要性は、まだあるのではないか、と思います。

 

 

 

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