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知事:
今日の議会で、当初予算が可決しました。繰越予算も提案したので、これと合わせて、来年度、早速に事業を推進することになります。
1番目は「新型コロナウイルス感染症の現状と対応」です。
(1)県内の患者の発生状況
今日は23人でした。先週は33人だったので、月曜日は休日体制ということもありますが、久方ぶりにかなりのマイナスになりました。
資料は、昨日24時現在です。概ね、基本的な傾向は、変わっていません。病床使用率、重症対応、宿泊療養は、ほとんどが同じ状況です。懸念とすれば、重症対応の占有率(重症病症使用率)が40.5%と、少し高くなってきていることに注意する必要があります。
裏面をご覧下さい。④管轄保健所別患者数(人口10万人当たり)は、芦屋、伊丹。伊丹は、クラスターがあったので、その影響。神戸、尼崎、西宮が、依然として高い、という状況です。
⑤感染経路別患者数は、家庭56%、職場11%、クラスター23%(のうち特に)高齢者施設12.7%、という状況になっています。
直近1週間とその前週比では、22日は1.34倍です。21日は1.49、20日は1.44、19日は1.62、18日は1.65、17日は1.88、16日は1.73、15日は1.52倍、と先週対比でかなり高い倍率を示していましたが、ようやく1.44、1.49、1.34倍、という形で、少し落ち着いてきた、この傾向が続いてくれることを期待しています。
(2)令和3年度補正予算(案)
今日、(県議会に)提案した令和3年度の補正予算ですが、予算規模としては、152億300万円です。これは、3月8日から31日までの、飲食店への営業時間の短縮に対する、協力金の予算です。
令和2年度予算ではなく、令和3年度予算にしたのは、支払いが来年度となるからです。負担割合は、国8割、地方2割、それを、2対1で、県と市町で負担します。
(3)児童養護施設等を退所して進学する者への支援事業の実施
児童養護施設や里親のもとで育つ子どもたちについては、議会でも質問がありましたが、給付型の奨学金制度そのものは、かなり充実してきています。
しかし、子どもたちは退所し、初めて独立して生活を営むので、例えば、オンライン授業に要するパソコン、タブレット、スマートフォン、Wi-Fi環境の整備など、独立して生活を営み始めるのに伴う様々な費用がかかります。そのかかり増しに対し、一時金として、支給しようとするものです。
この4月からの進学者を支援していきます。
(県議会で)質問があった際は、奨学金の給付型を充実する、という話でしたが、奨学金制度は、一昨年、昨年、と既に充実してきており、既存の制度を十分に活用できるので、このような、現在困っている状況に対して、支援することにしました。
2番目は「参画と協働の推進方策の策定」です。
「県民の参画と協働の推進に関する条例」に基づき、「県民の自発的・自律的な地域づくり活動の拡がりに向けた支援指針」と、「県行政への県民の参画・協働を推進するための計画」で構成する推進方策を策定します。
「地域づくり活動支援指針」と「県行政参画・協働推進計画」です。県条例では、地域の共同利益への参画、県行政への参画の2つの公益への参画を規定していますが、それぞれに指針を定めており、それを、令和3年度~7年度までの5年間の指針として、整理します。
A3の資料をご覧下さい。「2社会背景と地域社会の課題」として、(1)進行する人口減少、(2)小規模集落の増加、(3)コロナ禍の影響、(4)地縁団体の組織力の低下などの地域社会運営上の課題、を上げています。
県民生活審議会から、昨年の9月、「多様な力が集まる住民主体の地域づくり」、ということで、8項目からなる提言がありました。「情報収集・分析・発信する力の強化」、「参加・スキルアップのきっかけづくりの充実」、「何かしたいときに気軽に立ち寄れる拠点の整備」、「若者がチャレンジできる機会や雰囲気の醸成」、「事業を展開する力の強化」、「多様な主体と協働する力の強化」、「地域を持続的に運営する力の強化」、「できる時にできる方法で関わる仕組みの充実」の8つです。
資料右側に、新しく取り組む内容(前方策からの追加・変更箇所)について、下線を引いています。多面的にわたるので、1つ1つの項目についての説明は省略します。
3番目は「県の移住情報の充実~移住ポータルサイトと移住ガイドブックをリニューアル~」です。
移住ポータルサイトと移住ガイドブックをリニューアルします。今の、地方回帰現象に十分に対応できるような改革、改善をします。
「夢かなうひょうご」の移住ポータルサイト、「兵庫県移住定住ガイド」の改訂をします。
4番目は「ひょうご環境体験館のリニューアルオープン」です。
3月24日にリニューアルオープンします。(1)展示グラフィック・模型の刷新、(2)シアター映像機器・ソフトの刷新、(3)中庭赤とんぼ模型の新設、屋外活動強化のための(4)屋根付き屋外施設の新設、です。
子どもたちに活用してもらいたい、と願っています。
5番目は「播磨科学公園都市 交通結節点(バスターミナル)供用開始式典の実施」です。
4月1日から、バスターミナルを供用開始します。将来は、このバスターミナルを起点とし、都市内交通への小型EV車や電動キックボードによるサービスを検討しています。
(3月28日の式典では、)試乗会も併せて行います。
6番目は「美術館等からのお知らせ」です。
(1)県立美術館特別展「コシノヒロコ展」の開催
感染症対策に十分に注意を払いながら、4月8日~6月20日まで、コシノヒロコさんの集大成となる「コシノヒロコ展」を開催します。
コシノさん自身が、自分のこれまでの活動の全容を展示したいということもあり、大変力を入れられた展示になっている、と思われます。
先日、安藤忠雄さんがご覧になり、非常にすばらしい展覧会になっている、という感想を述べて帰られました。私は、まだ見ていないので、開館前にでも出来るだけ早く、見させてもらいたい、と思っています。
関連行事で、4月11日に、コシノ3姉妹、ヒロコ、ジュンコ、ミチコさんのトークショーを実施します。ヒロコ先生と電話で話した時に、ミチコさんがイギリス住まいなので、コロナ禍で帰ってくることができるのか、ということを心配されていました。3姉妹でのトークショーなので、楽しくなると思います。
5月15日、16日は、ファッションショーも実施します。
(2)県立芸術文化センター LINE UP 2021
今年のラインナップを紹介します。ラインナップの資料をつけていますが、主なものとして、まず一番に紹介しなければならないのは、佐渡監督の作品です。いつもは、創作オペラを発表していましたが、今年は(喜歌劇)「メリー・ウィドウ」を、実施します。ただし、今年は残念なことに、配役は、今のようなコロナの状況で、外国人が参加できませんので、日本人のダブルキャストで行う、ということになっています。桂文枝師匠にも、協力(出演)してもらうということで、盛り上げてもらえるのではないか、と思っています。
それから、この「メリー・ウィドウ」のプレ事業として、「ハイライトコンサート~ええとこどり!」を、4月と5月に県内5会場で実施します。
また、芸術文化センター管弦楽団(PAC)の定期演奏会については、9月に新しいメンバーが加わって、旧メンバーには卒業生がいるため、9月からが、新しいメンバーによる出し物になります。第126回から第134回までの、定期演奏会を予定していますが、佐渡芸術監督には3回、(指揮を)振ってもらうことにしています。
アウトリーチ活動について、小中学校や特別支援学校、医療機関や福祉施設などにも、出かけていくことになっています。
また、「3」にあるように、「世界に開かれた芸術文化センターならではの多彩な大型公演」ですが、コロナ禍であるため、これらが順調に開催できることを期待しています。
私からは以上です。
記者:
飲食店の時短営業の要請に応じた事業者に対する協力金について。書類の不備が多かったりして、なかなか思うように(支給が)進んでいない現状があるようですが、そのことに対する知事の所感や、何か事業者に向けてのメッセージなどがありましたら、お願いします。
知事:
(事業者の皆さんが、申請に)かなり慣れているという前提で、進捗率が高くなると期待をしていたのですが、添付書類などで、若干、追加の資料をお願いしたりすることが重なっているようです。できるだけ早く、その添付書類などについて協力してもらいたい、と思っています。
それはつまり、確認のために、例えば、店内の感染症対策の状況などを写真で送ってください、添付してください、となっているのですが、それが添付されていなかったり。「感染症対策をやっているお店です」というポスターの写真の添付をお願いしているのですが、その写真がないなど。確認資料を十分につけてもらえていないところがありますので、そのやりとりで手間取っていると聞いています。
それでも、一所懸命頑張っています。これから、事務処理が促進されていくのではないか、と思っています。
記者:
項目外で、ラインアプリについて。ライン利用者の個人情報が中国の関連会社で閲覧可能になっていた、という問題を受けて総務省が、ラインの使用を中止します、ということや全国の自治体にも調査を依頼している、と発表があったようです。兵庫県は、このライン活用について、どのように対応する考えでしょうか。
知事:
県が広報手段として、ラインを利用してホームページ(へのリンク)を載せているなど、そうしたものは、どのように活用されようと、県として提供している情報ですから問題はありません。
問題はラインでいろいろな相談事を受けている事業について、どうするかです。個人情報を優先するだけで済むのか。つまり、個人情報を流出する(恐れがあるという)ことだけでラインの利用をやめてしまう、ということで済むのかどうか、きちんと見極めなければなりません。ただいま検討中です。
例えば、「いのち相談」(いのちと心のサポートダイヤル)を考えると、ラインで「いのち相談」にかけてきている人は、必死の思いでようやく相談をしてきています。その場合に、相談手段をやめてしまってもよいのだろうか、ということをしっかりと比較考量した上で対応しなければならない。単純に個人情報が漏れているから使わない、というだけでは済まないのではないか、と思っています。その点を見極めた上で取り扱いを決めたい、と思っています。
記者:
県として検討をしている、ということですが、方針が決まれば発表されるのでしょうか。
知事:
はい。もちろん公表したいと。利用者に対しても、しっかりと理解を得なければなりませんので、そのような取り扱いについては、十分検討した上で、広く広報したいと思っています。
記者:
知事は、先週(18日)の記者会見で、まん延防止等措置については、県は直近7日間の移動平均55人以上が10日間ほど続いたら検討課題、という発言をされていました。
今日で先週の会見から5日連続で(直近7日間の移動平均)55人を上回る状況です。知事の発言どおりとすれば、55人以上があと5日続くと、そのような検討課題ということになるのでしょうか。
知事:
(まん延防止等措置は)せっかく作られている制度ですので、制度を利用するかしないかという検討をしておく必要がある、ということだと。問題として、措置を行うことによってどういう効果が期待できるのか、ということを見極める必要がある、と思っています。
ただし、今日の数字(23人)が先週(33人)に比べて、(陽性者数が)10人近く減少しているので、この傾向が明日も明後日も続くと、それは望ましいことです。それでも、制度的に使おうとすれば、どのような使い方があるのか、ということは、今も内部で検討をしています。
コロナ対策として何が決め手なのか。はっきり言って、なかなか決め手というのが、難しいのです。人から人へうつるというのが実態なので、人との接触を避けて、無人島状況をつくるのかという話になると、人の社会というものが維持できなくなります。コロナ等の対応と経済や社会生活との両立をどのように図っていくのか、ということ。それを目指す中で、この制度自身もどのような活用のあり方があるのか、十分に検討した上で対応していかなければならないので、現在、検討中です。
記者:
変異株について。特に、神戸市では重症病床使用率がかなり高く、5割を超えるような状況ですが、神戸市を中心にした何か対策を検討する考えはありますか。
知事:
今は、神戸市、尼崎市、西宮市、芦屋市の阪神間のエリア指定で、事業者の、飲食店の協力をお願いしていますが、変異株などの状況を見ても、神戸の発生が多そうだという状況もあります。そのあたりも今後の対応の1つの判断要因にはなり得る、と思っています。
前回の対策本部会議後に変異株の調査状況も説明しましたが、国が基準として、(ウイルス量が多い)Ct値30以下であれば検査する、と示しています。私たちも、Ct値30以下のPCR検査の検体に対しては、もう一度、変異株の検査を実施しています。
国が5~10%と言っていますが、本県でも、すでに50%や60%程度の検査率になっています。今更、(検査率を)高めてくださいという話ではないのです。そのような状況の中で変異株の割合を出していますので、神戸市以外は、まだそれほどでもないという状況にあるのかと。(ただし、)注目はきちんとしていく必要がある、と思っています。
記者:
月末に対策本部会議をもう一度開くということですが、具体的に曜日までは決まっていないのでしょうか。
知事:
今週末か来週早々には開かなければ、4月1日以降(の対応を)どうするのかについては、決まっていません。4月1日以降の対応なので、できるだけ早い方が、準備期間があった方がよいのではないか、とも思われます。
一方で、患者の発生数がどのように推移するのかを見極めなければならない、という2つの要素があります。
適切に開催時期を決めたい。少なくとも来週早々に。どんなに遅くとも、最低月曜日ぐらいには開催しなければなりません。したがって、今週末から来週早々という時期になるのではないか、と思っています。
記者:
次期知事選について。知事与党として20年間井戸県政を支えてきた自民党が、分裂の見通しになっているのですが、知事与党の動きについて、どのような所感を持っていますか。
知事:
分裂するのか、しないのか、決まっているわけでもありません。両方、ぜひ大人の判断をしてもらい、上手な方向を見出してもらうとありがたい、と思っています。
1つにまとまって、自民党として行動されることは、今までの自民党パワーの源泉だったのではないか。そのことを十分に踏まえて、大人の行動をしてもらいたい、と思っています。
記者:
それは、まとまった行動に期待したい、1つにまとまることに期待したい、と捉えてもよいのでしょうか。
知事:
そうです。
記者:
今月末まで阪神間に、時短要請を出されています。また、今は、桜の開花の情報も入ってきて、お花見のシーズンを迎えますし、歓送迎会の季節にもなりました。繰り返しになるかとは思うのですが、どのように過ごして欲しいのか、県民にメッセージをお願いします。
知事:
お花見に行く時は、密にならないように、それから、花見酒をしないように、ぜひ注意してもらいたい、と思います。また、歓送迎会の機会が多いかと思いますが、これも大人数で長時間にわたらないような注意をしてもらいたいことが1つです。
もしも、どうしても食事会が行われる場合には、お酒は飲まないでもらえればと。お酒が入ると、どうしても長くなります。お酒は避けてもらえれば、と思います。そして、(以前から)お願いしているように、1グループ4人以下単位、つまり、1テーブル4人以下になるように、気を付けてもらうようにお願いします。
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