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【発表項目】
(資料に沿って説明)
記者:
協力金を事業規模に応じて支払われると。これは従来からいろいろな団体が要望してきたことです。これまで一律だったものが、計算式を伴うことになるということで、見る限り、かなりとは言いませんが、計算方法が、当然提出する事業者の方もそうですし、チェックをする県でもいろいろと手続き的に時間がかかるものになるのかな、と思います。
スピード感を持って、売上が減って苦しい事業者に対して、協力金を出していくために、今後どういった対策、対応が県では検討されているのか、もしくは検討しようとしているのか、教えてください。
知事:
やはり要件を満たしている証明をきちんとしてもらう、ということが基本になります。昨年と一昨年の確定申告の法人税申告などの写しをきちんと用意して、売り上げを証明してもらう、ということになると思います。それは省略するわけにはいきませんので、申請者の協力を是非よろしくお願いしたい、と思います。もちろん、提出されたら、できるだけ早くチェックをして、交付するようにします。
今、手間取っている問題は何かというと、添付書類の不備です。添付書類の不備がないような申請を、よろしく協力をお願いしたい。添付書類はこのようなものですよ、といった書き方などについては、十分に周知徹底を図っていきたい、と思っています。
記者:
今回は、まん延防止等重点措置ということで、ある意味、県内が3つの地域、区分に分かれてしまいます。特に、豊岡などの「そんなに制限がないところ」、「少し制限があるところ」、「きつい制限があるところ」、と3つあります。
一方で、県民の皆さんに対しては、今出ている資料(「まん延防止等重点措置実施区域における対策」)で、不要不急の外出などを一律に要請されています。
これは、少し県民の人たちに混乱が生じるような要素もあるのかな、と思うのですが。県民へのメッセージで、「特にいずれの対象にもなっていない地域の県民」、そして、「県民全体」に対しての知事のメッセージをいただけますか。
知事:
県民の皆さんに対して、外出自粛などについての要請は、一律に出していくべきだと思っています。というのは、エリアの中だけで完結している行動がほとんどだとすれば、白地のところへは言わなくてもよいのではないか、と考えられますが、県内ではどうしても他地域との交流はありますから、その際に留意をしてもらう、という意味でのお願いは継続する必要がある、と思っています。強調の度合いが異なってもよいのではないか、という指摘もあるかもしれませんが、これは難しいのです。
ただし、市町にも啓発をしてもらいますので、市町の啓発ともタイアップしながら、周知徹底を図っていきたいと思っています。
記者:
まん延防止の対象区域になっていないところは当然あって、これからの感染状況がどのように推移していくかにもよりますが。現段階で、仮定の話ですが、その感染の広がりが、また他の地域、4つの市以外でも見られた場合について、知事として地域の追加を検討する考えはありますか。
知事:
今の時点では、まだ4月5日からこの区域に対する措置が実施されます。当面は、神戸と3市が対象地域ですが、言われるようにその周辺地域等で、急速な感染状況の広がりが見られる、ということだとすれば、追加、ということも考えていかざるを得ない、と思います。十分に検討対象にしていかなければならない、と思っています。注意を払っていきます。
記者:
今回のまん延防止等重点措置になったことで、これまでと違いが出るところが、1つは時短の「命令」ができて、その実効性が担保される措置だと思います。
その中で、大阪ではマスクの着用も、しっかりとしていない飲食店の事業者には、その罰則の対象にするとの話もあります。
兵庫県はこうした、強制力、罰則のような措置を講じるのは、どういった対象の、どういった場合に、例えば、県民が受けるのか、事業者が受けるのか、その点はどのような考えでしょうか。
知事:
それは法律の建て方が、事業者対象になっていますので。事業者がマスクをしていない客を店の中に入れない、あるいは会食の際に飛沫対策をしながら食事をしてください、ということをお願いするなど。これは基本的に事業者に義務が課せられている、と理解しています。
記者:
そうした中で、事業者の方に(罰則が)かけられますが、その際には、この資料(「まん延防止等重点措置実施区域における対策」)にあるような、「飲食店等への感染対策の徹底を要請」に①から⑫までありますが、これの何か1つでも満たしていなければ、そういった罰則の対象になるのか、そこの考え方はどうでしょうか。
知事:
難しいでしょう。どの程度であれば、行政罰の対象として告発できるのか、ということは。その前に命令などがあります。その中で、重要性に応じてお願いをしていく。それについて、守られないような場合には罰則の適用もあってしかるべし、という運用にならざるを得ません。
政令の建て方も全部を満たしていなければ駄目だ、とはなっていません。建て方とすれば、例示が書かれている、と理解すべきだと思います。
記者:
その時に、子細に対象を判断していくということですか。
知事:
刑罰などの構成要件的なものといえのるかどうかというと、それは難しい。もう少しゆるい構成要件になっているのではないか、と思います。
記者:
知事としても、その罰則などは、そういう命令・勧告を前提としていると。それ(罰則)は最終措置だと。まずは。
知事:
法律が改正されて「まん延防止等重点措置」が、最終的には緊急事態措置とは、行政罰として10万円の差を設けられてはいますが、行政罰で担保されている制度になっていますから。それを前提にした、的確な運用を行う義務がわれわれにはある、ということになろうかと思っています。
記者:
資料「まん延防止等重点措置実施区域における対策」で、神戸地域と阪神南地域を除く地域ということでくくられています。この①外出自粛、③イベント制限、④出勤抑制、⑥医療提供体制というのは、4市以外の県内全域に網がかかっている、という理解でよいのでしょうか。
知事:
特措法第24条第9項に基づいてお願いしているのは、基本的には、このまん延防止等重点措置の対象地域と阪神北と東播磨と中播磨という地域です。
記者:
4市については、特措法に基づくという部分もあり、中播磨なども特措法に一応基づいている、ということでしょうか。
知事:
そうです。項目が違いますが、特措法第24条第9項の一般的な要請が根拠です。特措法のまん延防止地域については、特措法第31条の6第1項の罰則まで適用がある要請をしています。その差があります。
記者:
今回はこのような(措置)、また、前倒しして緊急事態宣言が出た時とほとんど同じような措置だと思います。
そういうところで、県民、事業者に対して、呼びかけを。また県民にとっては厳しい時期が来ますが、その点については、知事からどういうメッセージを出されますか。
知事:
やはり、この陽性患者の発生の急上昇を踏まえて、本格的な第4波を招かないように、今、入口段階でしていくことが重要だ。県民の皆さんにそのことを十分に理解してほしい、という意味で、まん延防止等重点措置の対象区域に指定してもらいました。その意味を十分に県民の皆さんに周知して、理解をした行動を取ってもらうようにしたい、と思っています。
今までと同じような取り組み以上の取り組みが、今回、必要ではないか、というのがバックにあると理解してもらえれば、と思います。
記者:
病床使用率が相変わらず60%台を超えているということで、改めて知事の受けとめをお願いします。
知事:
60%ということは、40%はまだあるということですが、このままの状況が続いていくと病床のひっ迫を招きかねない、という状況の60%だと考えられます。今の段階でできることを出口対策、入口対策、それから自宅待機対策など総合的対応をやっていこうと。先ほど説明したような対策を、総合的にやっていこうとしている、とご理解ください。
記者:
病床のひっ迫がありかねない、と言われました。神戸市ではすでに9割を超えています、重症病床も。知事が以前、言われたように、今ある数がすべて常時使えるわけではない、ということです。まだ、この60%は余裕がある、とお考えなのでしょうか。
知事:
今回、病床ひっ迫の原因は、変異株の患者は入院が原則、という厚労省の基準があったからです。
それが、療養施設でも可という運用に転回されますので、かなり運用上の対応も可能になるのではないか、と思っています。
ただし、神戸市の場合は、圏域外、神戸市外に対しても、入院要請の調整を、CCC-Hyogoに協議が来たりもしているので、それには積極的に対応していきたい、と考えています。
記者:
外出自粛要請が、5月5日まで延ばされた一方で、姫路など14市町(の時短要請)が4月21日までと据え置かれたのは、どういった理由からでしょうか。
知事:
外出要請は姫路のようなところにもしています。もともとまん延防止の対象地域になる前は、3週間の、4月1日から21日までの措置としてお願いをしてきていました。
まん延防止対象地域になったところは、1カ月間、4月5日から規制、協力をお願いするのですが、それ以外の地域については、状況によっては協力要請を延長することもあり得ると考えています。
検討するとすれば、5月の連休明けまで、ということになり得る、可能性がありますが。今の段階では、一応、21日までの状況をしっかりと見守り、効果を検証した上で、どうするのかを検討する、ということになろうかと思います。
記者:
感染防止の徹底について。飲食時以外のマスク着用の点。いわゆる、今「マスク会食」と言われる、食事の飲み物や食べ物を口に運ぶ時以外にはマスクをずらしてつけて、という「マスク会食」を推奨する都道府県知事もいますが。
井戸知事としては、そこまで県民に求めたいということなのか、いかがでしょうか。
知事:
マスク着用の徹底だけでは駄目で、要は、飛沫感染を防御すればよいのであって、私が言っているのは扇子です。飛沫感染を防止するような食事のスタイルを確立していきたい、ということですから、その趣旨をしっかりと表すようにしたい。
記者:
アクリル板などがあれば、(食事中は)必ずマスクをずらして、というような点までは求めない、ということでしょうか。
知事:
私はかえって不潔だと思います。マスクに食べかすがついたり、汁が飛んだりしますから。よいのかどうかというよりは。強制する話ではない、というように思っています。
チェックリストは、飲食時以外のマスクの着用の徹底を呼びかけている、という点は、マスクだけでは困るので扇子を入れておかなければ。
記者:
見回りの時のチェック欄について。「不十分な場合は、改善を求めるとともに、時短協力金事務局と情報共有」とあるのですが、これは場合によっては、協力金を見送る、支払わないなど、そういう措置がなされるということでしょうか。
知事:
なかなか運用は難しいでしょう。しかし、最終的に何度もお願いしているにもかかわらず守ってもらえないとすれば、そのようなこともあり得ると理解しています。
ただし、1回検査に行って、「やってないから駄目」とまで言えるのかどうか。そういう運用はしにくいのではないか。「ちゃんと改善します」と言ってもらえるようなら、改善の事実を確認して対応する、ということも十分にあり得ると思います。
記者:
改善を求める、というのは指導などをする、ということになるのでしょうか。
知事:
補助制度(「第2弾がんばるお店事業」)も設けていますので、この補助制度を活用して、しっかりと対策を取ってもらうことを指導していくことになる、と思います。
記者:
罰則については、最終手段として。兵庫県でも、法律に基づいている部分で罰金ということも考えているのでしょうか。
知事:
非常に運用が難しいとは思います。命令を出して、それでも守られないような場合に、罰則ということになりますから。手順を追って、最終的には罰則の適用もあり得るということで、事業者の皆さんに協力の徹底をしてもらうという仕組みになっています。
その運用を県としても、しっかりと進めていきたい。ただし、すぐに適用します、と言うつもりはありません。
記者:
最終手段として。
知事:
あくまでも協力をしてもらう。
いわば、最終担保措置だ、というように運用すべきだ、と思います。
記者:
法律ですと、罰金を行政罰として20万円です。
知事:
緊急事態宣言下であれば、30万円。
記者:
見回り活動の関係について。対象店舗が1万6000店程あって、なかなか人手の確保という意味でも結構、大変ではないか、と思います。
委託業者調査員と書いてありますが、自治体職員ではなくて、民間委託で対応する、ということでしょうか。
知事:
自治体職員もついていかなけらばならないのでしょうが、主力は、民間委託をしたいです。そんなに職員はいませんから。大阪だと5万店と言っていますが、うちも1万6000店ですので、民間委託事業者にも協力してもらうことになるかと思います。
その代わりに、特別公務員(県特別職非常勤)の職員証を発行します。県の特別公務員になって、回っているということが分かるようにしよう、と考えています。
記者:
大阪は、大体40人、50人規模の人数構成を考えているということでしたが、兵庫県は(いかがでしょうか)。
知事:
私も人数までは承知していませんが、対応できる体制を取りたいと考えています。
記者:
見回った結果、完全にというか、きちんとやっているようなお店は、言わずもがななのでしょうけれども。
知事:
きちんとやっているところには、証明書を出そうかと思っています。
記者:
それは県としての証明書ということでしょうか。
知事:
はい、県としてです。ここは、きちんと対応しているお店ですよ、というものです。消防法でいう、「適」マークみたいなものを出したい、と思っています。
記者:
不備のあるところというのか、協力していないようなところを見つけた場合について。その際は調査を実施して、2巡目の調査もやるということですが、それでも結局ダメだとなると、そういう場合はどうなるのでしょうか。
知事:
その時は、協力金を支給しない、ということになります。
記者:
最終的には、そういうリストアップをしたところから、協力金の申請があっても(支給しないということでしょうか)。
知事:
きちんと指導に応えてくれていないのに、協力金を支給するという訳にはいかなくなる、ということだと。一般的には、きっとそのようなことも考えて、協力金との兼ね合いで協力してもらえるのではないか、と思います。
記者:
同じく飲食店の見回りの部分で、確認です。神戸市や、独自で保健所を持っているところにでも、県として見回りをする予定でしょうか。
知事:
はい。今日も、対策本部会議には4市の防災責任者に同席してもらいました。そこでこの見回りなどについても、協力をしてもらうようにお願いをしています。
特別公務員に指定するにしても、何人かのチームを作って対応する訳ですので。そのチームの中には、正規の職員の皆さんもいなければならないでしょうから。そうすると、尼崎と西宮と神戸は、独自で保健所を持っていますので、その協力を得ることになろうか、と思っています。具体的には、今後、相談しましょう、ということにしています。
記者:
先ほどの話の中で、指導に応えないところには、協力金を支給しない、とありました。協力金の支給要件の中に、「この項目を守る」というものも入れて、セットで申請するような形にはしないのでしょうか。
知事:
それは要綱の作り方ですが、ガチガチにしてしまうと、いわば本質ではないような要件が満たされていないだけで、協力していない、と断じてしまうことになりかねません。そこは柔軟な認定をしていく必要があるのではないか、と思っています。
ただし、あまりに柔軟な、柔軟な、というと、やらなくてもよい、と思われてしまっても困ります。チェック項目は、できるだけ明確にして、協力要請をしていきたい、と思っています。
記者:
夏にも、保健所を通じて、食品衛生法の兼ね合いで見回りをしたと思います。その時と同じようなことを、もう1回するということですが、今回、期待する効果は、どういうところですか。
知事:
今回の方が、チェック項目まで用意して、チェックをして、確認をしていきますから、前回よりも徹底している点検になろうかと思っています。ですからそれだけしっかりとした対応をしてもらえる、ということを期待しています。
記者:
県民や事業者への呼びかけについて。変異株の流行など、今まで以上の取り組みが必要ではないかということを、(そうしたことが)バックにあると理解して行動してほしい、と先ほど言われました。
今まで以上の取り組みが必要な理由について、もう一度お願いします。
知事:
いいえ、必要だから。必要なので呼び掛けています。
記者:
例えば、変異株が流行しているなど、どういった状況が。
知事:
変異株かどうかは立証されていませんが、現実に1日当たりの発症者数が、200人前後がもう4日間続いている訳です。そのような意味では、先ほど言いましたように、第4波の入口にはあるのではないか。それを、第4波を本格化させないためにも協力をお願いする、ということだと思います。
記者:
見回りの強化について。見回りをして、守っていなかった場合に指導をして、それでも守ってもらえないとなった場合に。場合によっては、協力金を支払わないなどの、罰則の命令を課すこともある、という理解でよいですか。
知事:
そういうことになります。
記者:
大阪府ではアクリル板の設置などを義務化するような言い方をしています。兵庫県でも、従わない場合に、最終的には罰金も視野に入れる、ということは、「義務化」をしているという認識、言葉の使い方、で間違いないでしょうか。
知事:
「義務化」というと要件になります。要件として運営するのかどうかについては、そこは慎重でなければならないのではないか。
つまり、行ったときに(アクリル板などが)出ていなければ対象外にします、と義務化すると、後の是正措置に対する、期待の運用をどのようにしていくか、ということが。運用上、難しくならないか、という気はします。
「義務化」というのは、かなり強制力のある言葉です。もちろん強制をバックにしているわけですが、見回りをするから義務化をする、というよりも、自主的にまずは対応していてください、というのがわれわれの基本スタンスだ、と思っています。
記者:
強制力をバックにしているということは、飲食店にとっては「義務」に感じるのではないか、と思うのですが。
知事:
言葉遣いですね。どこまで強く感じるのか、感じないのか、というところですが。われわれとしても指摘をして、指導をしていくことになりますから。指導を受けたくなければ、自発的に事前にやってください、ということになると思います。
記者:
その意味でいうとやはり「義務」だと思うのですが、いかがでしょうか。
知事:
私は、そういうものを「義務」と言うのかどうかと。義務と言うと要件になります。そのことが運用上の要件かまでは、あるいは協力金の支給要件かまでは、一律に決めつけられないのではないか。実態に応じた判断をしていく必要があるのではないかと。
要は、ソーシャルディスタンスをどれぐらい取るのか、飛沫防止対策をどのような形でやっているのか、という合格点の程度をどのように認定していくのか、ということだと思われます。1つ1つのやり方だけで合格・不合格と決めるのは、運用上難しいのではないか、と思われます。
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