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【1 入院医療体制等について】
Ⅰ 入口対策
1 入院医療体制
(1) 病床確保計画の見直し
一般医療と両立しつつ、この冬の最大数の2倍程度の感染者数にも対応できるよう病床確保計画を見直し、
入院・宿泊療養等の役割分担を徹底
(2) 病床数の拡充
各医療機関に当面の措置として、国の支援制度も活用し、4月中を目途に100床程度の病床確保を要請
(3) 入院対応医療機関の役割分担の徹底
① 重症、中等症、軽症対応病床区分のさらなる明確化と役割に応じた運用の徹底、保健所及び医療機関
相互の情報共有
② 県立加古川医療センターの臨時重症専用病棟(4/15供用開始)を活用した重症患者の受入対応力強化、
感染症に対応する医療人材の育成
2 宿泊療養施設体制
(1) 宿泊療養施設の拡充
新たに1施設(姫路市内・150室)を確保(合計1,150室程度)。4/20運用予定
(2) 受入対象患者の弾力運用及び医療ケアの充実等
① 医師等の判断により、無症状者等の入院を経ない宿泊療養を実施
② オンコール医師・常駐看護師等の対応に加え、県医師会協力の下、宿泊療養施設のうち2施設(西宮
・姫路)へ医師を派遣し、軽微な発熱者や高齢者等の療養を支援
Ⅱ 出口対策
1 症状軽快者の転院等受入促進
(1) 重症対応医療機関から中軽症対応医療機関等への転院促進
(2) 入院対応医療機関から宿泊療養施設への転送促進を各医療機関へ再徹底(4/2)
2 回復者の転院・社会福祉施設への受入促進等
(1) 退院基準満了証明の発行
(2) 転院・退院支援
① 「新型コロナウイルス感染症回復者転院支援窓口」を設置(受入登録病院:193病院)
② 転院受入医療機関においてクラスターが発生し空床・休床が生じた場合、重点医療機関並の空床確保
料を支援
③ 新たに介護サーヒ゛ス等が必要な場合、居宅介護支援事業者等がサーヒ゛ス提供事業所を調整
(3) 転院受入医療機関等への支援等
転院受入医療機関及び退院受入社会福祉施設等への支援(支援額10万円/名)
(4) 変異株患者の退院基準の見直し要請
全国知事会と連携して国に変異株患者の退院基準の見直しを要請
→見直し(4/8通知)
Ⅲ 自宅待機者等へのフォローアップ
1 健康観察等の実施
① 感染予防対策の周知徹底、アプリを活用した健康観察、保健師等による相談
② 高齢者や基礎疾患を有する者等へハ゜ルスオキシメーター等を活用した家庭訪問等を実施
③ 診療訪問支援額 1日あたり5万円(4月中に実施)
④ 食料品・衛生資材等の配布(4/12~)
2 自宅療養の実施(4/10~)
医療機関等の負担を軽減し、一般医療とのバランスも考慮しつつ、自宅療養を実施
(1) 対象者
65歳未満の陽性者もしくは子育てや介護等の特別な事情があり宿泊療養に適さない者などで、①無症状
又は軽症で酸素飽和度が96%以上、かつ、②独居又は同居者がいても個室隔離や消毒などの感染対策が
行える者
(2) 健康観察等フォローアップ体制
健康福祉事務所等で実施(上記1①~④)
Ⅳ 高齢者施設等のクラスター対策
1 高齢者施設の従業者等に対する検査
高齢者が長期入所する施設(3月実施)に加え、その他の高齢者入所施設及び障害者入所施設において、従業
者を対象に集中的に検査(4月~6月)を実施(特に、「まん延防止等重点措置」実施区域に指定された地域に
ついては、月2回程度の実施を目指す)
2 高齢者施設等で感染が発生した場合等の対応
① 施設等に発熱等の症状を呈する者がいる場合、陽性者の有無に関わらず、幅広く迅速に検査を実施し、
疑い患者等として個室管理等必要な健康観察を実施
② 感染症専門医・感染管理認定看護師の早期派遣によるゾーニングの設定や感染拡大防止対策指導など初
動体制の徹底
【2 変異株について】
(1) 療養の対応
無症状者等は、原則宿泊療養(医療機関の負担を考慮)、症状等に応じて入院対応
(2) 国への退院基準見直しの要望
科学的知見が得られるまでの間、2回のPCR等検査で陰性確認を要することから、入院期間が長期化し病
床を逼迫しているため、国に対して退院基準の見直しを要望
→従来株と同様の取扱いに変更(4/8通知)
【3 ワクチンの接種スケジュール等について】
(1) 医療従事者向け優先接種(接種期間:3月上旬から6月(予定))
(2) 高齢者(65歳以上)向け優先接種(接種期間:4月12日から7月(予定))
・6月末までに全ての高齢者(全国約3,600万人、県約168万人)に2回接種できる量のワクチンが順次
出荷される見込み
・国からの配分数を元に、市町別高齢者人口の割合を基本として、感染者の状況も加味し、市町への配
分数を割当
【4 ゴールデンウィークにおける医療提供体制の確保について(4/29(木)~5/5(水))】
(1) 外来医療
①「発熱等診療・検査医療機関、薬局」の確保
健康福祉事務所・保健所と郡市区医師会等が協議のうえ、輪番制による対応等を要請
② 「発熱等診療・検査医療機関、薬局」の診療・営業に対する支援
(年末年始対策と同様)診療・営業1日あたり @15,000円
(2) 入院医療
① 入院医療体制の確保
・入院対応について、通常と同様の体制確保を各医療機関に要請
・保健所及びCCC-hyogoの入院調整業務を通常と同様
② 入院患者受け入れに対する支援(年末年始対策と同様)
・入院医療機関に対する運営に要する経費支援を増額
入院1日あたり@12,000円/人→@24,000円/人
【5 見回り等の強化について】
(1)「飲食店等見回り連携チーム」の設置
県及び4市(神戸市、尼崎市、西宮市、芦屋市)による「飲食店等見回り連携チーム」を設置し、営業時間
短縮、アクリル板等の設置等の徹底を図るため、4市約16,000店への見回り活動を強化(8つのチェック
項目の確認)
(2)「扇子・うちわ会食」の推進
・特に飲食店利用者に対し、会話の際の扇子やうちわ、マスク等による感染防止対策の徹底を呼びかけ
・「飛沫防止用うちわ」を作成し飲食店へ配布(4市約1.6万店舗×20本/店程度=32万本)
・県民運動の取組として広く周知
【6 その他の兵庫県対処方針の修正内容について】
【産業労働部関係】
感染症の影響による離職者に対するつなぎ雇用を確保するとともに、早期再就職に向けて多様なニーズに
即した職業訓練を実施
① 緊急対応型雇用創出事業(実施規模:1,200人)
② 離職者等再就職訓練事業(拡充規模:800人)
※介護やIT・資格取得等ニーズの高い分野への職業訓練を充実(219コース4,150人)
【7 県民の皆様へのお願い】
(1) 外出の自粛
○ 県全域での不要不急の外出・移動の自粛。特に大阪など、まん延防止等重点措置区域への往来の自粛
(2) 営業時間の短縮
○ 時短要請に応じていない飲食店等への出入りの自粛
(3) 飲食店等での注意
○ 感染対策を行っていない飲食店、カラオケ店などリスクのある場所への出入りの自粛
○ 会食の際は、1グループ4人単位、2次会に行かないなど長時間の飲食を控える、会話の際は扇子(う
ちわ)やマスク等により飛沫を防止
(4) 感染対策の徹底
○ 家庭内での感染が5割超。感染リスクのある施設利用後は、家族との接触に注意し、マスクや手洗い
など家庭内で「人にうつさない」行動を
○ 職場や施設、学校等において、マスク、手洗い・手指消毒、人と人との距離の確保など、基本的な
感染対策の徹底
記者:
自宅療養について。知事は、かなり前の会見では、「最後の手段」という位置付けだったかと思います。
今回、改めて決断するにあたって、苦悩した点や、迷った点があれば、教えてください。
知事:
もしも、このまま(毎日、新規陽性者数)300人がまだ続く状況になれば、重症者であっても入院できないような状況になってしまう恐れが出てきます。
今はまだ、辛うじて、(医療体制は)もっていますが、そういう(新規陽性者数が300人続く)状況を踏まえた場合に、自宅療養ゼロを維持するのは、限界にきている。自宅でも療養できる人は、自宅で療養してもらいフォローをしっかりとしていくことを、組み合わせざるを得ない状況になってしまっているので、踏み切りました。
現場では、自宅療養ゼロを貫く原則を立てていたところ。現実に待機をしてもらわざるを得ない期間が、1日、2日と伸びていくのです。そうすると、「なぜ早く宿泊療養施設に入れないのだ」、「なぜ入院させないのだ」という、現場における陽性患者からも、原則論に立った要求をされることになり、対応ができなくなりつつあります。
そういう現場の状況も勘案して、自宅療養は、フォローアップ体制をそれなりに確実に確保しながら、対応することに踏み切らざるを得なかった。これはぜひ、医療現場の声、医療現場のひっ迫状況に対する状況を踏まえての選択である、ということを理解してもらいたい、と思います。
記者:
この状況で、また様子を見るのかとは思いますが。まん延防止等重点措置をやってからも、さらに急上昇が続いているということで。例えば、今後このような状況が続く場合、新たな緊急事態宣言の要請も検討に入るのでしょうか。
知事:
まん延防止等重点措置地区の適用は、4月5日から、アナウンス効果も考えると4月3日ぐらいからです。少なくとも10日以上後でなければ、効果が出てこないので、4月の中旬の状況を見定めたい。われわれは、まん延防止等重点措置の適用地域の効果に期待したい。今の段階では、見極めざるを得ないのではないか、と思っています。
記者:
「飛沫防止用うちわ」は、知事の発案でしょうか。
知事:
実は、私は、選挙啓発のグッズによいのではないか、と言っていたのですが。そのような動きの中で、きちんと適材(しかるべき者)が進言をしてくれて、活用を図ることになった、と承知しています。
記者
以前は、自宅療養ゼロを、なかなか現実的にはできなかった時期がありました。ただし、原則としては維持してきました。
その時に聞いた話で、自宅療養ゼロにしなければ、若者などを自宅に置いておくと、どこかへ出歩いてしまうのではないか、ということを危惧されていたかと思います。このあたりの対策は、どういうことが考えられますか。
知事:
それぞれが、人にうつす原因者になりかねない、ということを、少なくとも陽性患者であることを自覚してもらうしかありません。
これだけ大勢の方々が感染し、しかも医療がひっ迫している状況を、十分に認識した、特に、若い人たちの行動に期待したい、と思っています。
縛り付けておく訳にもいきませんから。これは、協力を求めていく、というのが原則だ、と思っています。
記者:
自宅療養を始めるとしても、病床はまだ増やさなければならないと思います。
今日の対策本部会議の中で、いろいろな、医師会の人などが来ていたかと思うのですが。100床を増やすことについて、何か、協力ができそうだ、このあたりが難しいなど、どういう意見が出ましたか。
知事:
100床増やすこと自身は、民間病院が中心になるのだと思いますが、特段、難しいな、という意見はありませんでした。
ただし、転院や退院を、スムーズに進めていく必要がある。どうしても民間病院は医師や看護師の体制が十分ではないので、公立病院が中心になって、そのあたりの体制を強化していく必要があるのではないか、という意見はありました。
一方で、例えば、重症ベッドを増やそうとすると、患者1人に対して看護師を1人や2人配置しなければならない、という状況が出てきます。公立病院でも、一般病床をつぶしたとしても、そう多くの数を確保できない、というような議論もありました。一方で、中軽症の受け入れベッドをそのような形で増やしていくことが現実的なのではないか、という意見もありました。
これらの意見も踏まえながら、さらなる病床確保について、あるいは転院、退院の受入の体制については、さらなる検討を加えたい、と思っています。
記者:
うちわについて。大阪であれば、例えば、マスク会食を、義務化とまでは言わないですが、結構強い言葉で要請、求めている場面があったかと思います。
例えば今回で言うと、飲食店の利用者に対して要請する、と文言として書いてありますが。飲食店の事業者であったり、どこがまず対象なのでしょうか。これに関して、例えば罰則などの最終措置は念頭にあるのかどうか、いかがでしょうか。
知事:
後段の質問から答えると、利用者に対しては、罰則などの適用はありません。事業者に対して、可能性がないわけではない。時短などに対する協力が果たせないとなると。
事業者に対しての協力依頼は、先ほどのまん延防止の対策の一覧にも入っているように、兵庫県としては、扇子やマスク等の飛沫防止対策を万全にしてください、ということで、すでに要請をしています。それにあわせて、会食者の協力ももらおうとする意味で、作成をしています。
記者:
今回の罰則や過料というのは、最終手段として念頭にある、と最初のまん延防止等の時にも言われていました。事業者にも求めるということは、例えば、事業者がマスクをしていない人に注意をしていなかったり、ということが繰り返されれば、指導の中で改善されないと見られたら。アクリル板等が設置できていないのと同じように、罰則などというところも、最終、念頭にあるのでしょうか。
知事:
それは可能性としては残りますが、かなり、余程のケースでなければ、適用自身は、構成要件を満たすことを立証していくのは、なかなか難しいのかもしれない、とは思います。しかし、最終的な担保であることは間違いありません。
記者:
少なくとも、この(うちわ)20本を置くように、というところはやはり、お願いしていくことになるでしょうか。
知事:
(飛沫防止の)材料もくれずに何だ、と言われてはいけませんので。
事業者の皆さんにしっかりと協力をお願いしていく、ということにつながると思っています。
記者:
自宅療養について2点。今回、自宅療養とすることによって、今の入院患者数、宿泊療養者数、あるいは入院調整数などに、どれくらい改善の余地が見られるのか、という試算などはしているのでしょうか。
明日から入院する人、入所する人に適用されるのであって、現時点で(入院、入所)している人には影響はない、という認識でよいのでしょうか。
知事:
最初の数字(患者の発生状況)を見てもらうと、現実に入院調整の数が602人です。これは実質的に自宅にいる方々です。
この602人の数を、現実に自宅療養でも対応できる方々に仕分けをして、そして、自宅療養以外の方々をできるだけ早く解消していく。そういう努力を重ねていくことが、自宅療養に踏み切ることの成果でもある、と思っています。
量的にどれだけ減るか、という試算はまだしていませんが。先ほど言いましたように、1つは厚労省が変異株の患者の退院基準を弾力化したので、それだけでかなり回っていく可能性があります。
もう1つ、自宅療養をすることによって、入院、宿泊療養への圧力がその分だけは減るので、宿泊療養施設、入院病床の運用としては幅が広がって、弾力的な運用ができることを期待しています。
ただし、(新規陽性者数)300人がこのままずっと続くようでは、いずれ資源に限界がありますから、パンクしてしまうことになります。冒頭で述べたように、専門家の皆さんの指摘は、「何しろ患者を増やすな。減らせ。」ということを、あわせて強く指摘されました。県民の皆さんにも、その点を強く理解してもらいたい、と思っています。
記者:
今日(8日時点)で、6指標がすべてステージ4.になりました。第3波のピーク時に近づいているような状況だと思うのですが。今の第4波の状況は、第3波を上回るような危機感を感じていますか。
知事:
そうです。最初に、患者数の立ち上がりのカーブを見てもらいました。第3波の立ち上がりのカーブは、第2波に対してかなり急増したカーブだと思っていましたが。ところが、(第4波のカーブは)第3波に対してもかなり急な立ち上がりになっています。急速な患者数の増加になっています。
第4波の方が、ベースも高いのです。第1波から第2波の時は、ベースはゼロでした。第2波から第3波の時は、ベースが(1週間平均)10人から15人程度。第3波から第4波の場合は、2月28日の23.1人が最低で、概ね、25人から30人ぐらいがベースで、急速に立ち上がっています。ベースも高いし、患者の増加数も高い。
しかも、尾身分科会会長の指摘のように、変異株が主だという状況を認めざるを得ませんので。そうだとすれば、第3波を上回るような、第4波の危険は非常に高いのではないか、強いのではないか、と思っています。
だからこそ、思い切った対応として、自宅療養もシステムの1つの中に組み込まざるをえない、と認識したということです。
記者:
自宅療養ゼロ方針を1年以上貫いてきて、ここで変えることは重い決断だと思います。この措置は、第4波がある程度おさまっても、一定期間は続けていくイメージでしょうか。
知事:
できるだけ自宅療養ゼロの原則に戻せるような状況になって欲しい、と思っています。
どれぐらいになれば戻せるのか、今は上昇時期ですので、検討対象にはなり得ないと思っていますが、検討はしておく必要がある、と思っています。
記者:
「扇子・うちわ会食」について。会食の際、話す時に使えば、使わないよりはよい、というのは分かるのですが。参考にした情報や、科学的根拠などはあるのでしょうか。
知事:
フェイスシールドがOKならば、飛沫感染防止でうちわや扇子もOKのはずです。私の連想はフェイスシールドです。
記者:
今日の本部会議・協議会の委員から、それに対する意見というのは、何かあったのでしょうか。
知事:
「もう、うちわなどで会食をさせるような段階ではないぞ」と。「もう、会食自身を何とかしろ」と。そして、「感染者の数を減らせ」という、強い意見をある委員からはもらいました。
記者:
そういった意見がある中でも、何もしないよりはしたほうがよい、という(ことなのでしょうか)。
知事:
往々にして、食事の席というものは、何もしないで黙食する人ももちろんいますが、グループであれば、どうしても会話が弾んだりしますから。その時に、何らかの対応をしてもらえたら、注意をしてもらえたらどうかと。扇子でもよいし、うちわでもよいし、ハンカチでもよいのです。
要は、口元に何かがあって、飛沫を防げればよいわけですので。そういう意識を持ってもらいたい、というのは、こういう小道具の役割かと思っています。
記者:
うちわを使えば大丈夫、というようなものがあるのでしょうか。
知事:
大丈夫とは言っていません。飛沫感染の防止に役立つのではありませんか、と言っているだけです。
大丈夫などということは、どのような場面でも、マスクをしていても大丈夫とは言えないのです。だから、大丈夫とは言っていません。
ただし、飛沫感染対策の一助にはなりますよ、と言っているだけです。
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