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【発表項目】
知事:
1番目は、「新型コロナウイルス感染症の現状と対応」です。
今日は、月曜日の(新規)陽性者数としては、今までで最大の159人でした。結果として1週間(平均患者数)で、280.9人です。先日説明しましたように、例えば839床の病床に100床増やしても939床、そして1000室のホテル等療養施設に150室増やしても1150室。両方足しても2000少しです。1週間で全部が満杯になってしまうほどひっ迫してきている。従って、前回発表しましたように、自宅療養に踏み切らざるを得なかった。そういう状況になっていることをぜひ理解してもらいたい、と思います。それだけ医療体制が厳しい状況に置かれていることの表れなのです。
東京等がまん延防止等重点措置実施区域に指定されました。本県も伊丹市、宝塚市、明石市が、ここにきてたいへん感染者が増えているという実情にありますが、もう少しこれらについては状況把握に努めたい、と思っています。すでに4月1日からは、まん延防止等重点措置実施区域以外の中播磨、東播磨、阪神北は協力をしてもらう地域に指定しており、取り組んでもらっているので、神戸、阪神間の地区としっかりと協力をしてもらいながら対応していければ、と願っています。
やはり家庭内感染が非常に多いのです。家庭内感染が多いことをどう評価するのか。1つは変異株の感染力が強まっているということの表れだと思いますし、もう1つは家庭に持ち込んでいる人がいて、それはどこから持ち込んでいるのか。それは、飲食の場が一番リスキーな場面だということが考えられますので、飲食の事業者の皆さんの協力を引き続きしっかりと得ていく必要があると。改めて、感染状況を見ながら感じているところです。
2番目は、「令和3年度本庁部局・県民局・県民センターの重点目標」です。
この重点目標については(資料のとおりですので)、ご質問等があればお答えすることにさせてください。
3番目は、「『行政手続オンライン化推進計画』の策定」です。
「情報通信技術を活用した県行政の推進等に関する条例」、これは昨年10月の9月議会で条例化し、施行が4月1日です。その条例の施行にあわせて、行政手続のオンライン化の推進計画を策定するものです。
資料「行政手続オンライン化推進計画」の概要を見てもらうと、計画の趣旨や位置づけ、実施機関、対象手続等を簡略に書いています。
「2 位置づけ」は、同条例第4条の「情報システムの整備に関する計画」です。「3 計画期間」は、令和3年度から5年度の3カ年計画。これは国の動向など、デジタル庁の設置などもありますので、それを踏まえて随時改定を予定します。「4 実施機関」は、県庁内の組織全部です。「5 対象手続」の根拠は、①法令、②条例、③要綱等のすべてで、①申請、②処分通知、③縦覧、④作成等を対象にしています。
その右側、「1 利用者中心の『サービスデザイン思考』の導入」です。オンライン化が目的ではなく、利用者サイドに立った行政サービスにおける手続きの利便性向上を図ろうとすること。利用者視点でのサービス提供のあり方を検討する「サービスデザイン思考」を導入することです。「2 業務プロセス改革(BPR)の徹底」にも繋げることができればと。この2つの目的で計画を進めようとしています。
「Ⅲ 基本方針」として、基本原則を4つうたっています。「①デジタルファースト」、「②ワンスオンリー」、「③コネクテッド・ワンストップ」、「④デジタルデバイドへの配慮」。この4つを基本原則にして、申請は、従来は「紙が原則」、「オンラインでもできる」ということでしたが、この原則を変えて、申請は「オンラインが原則」、「紙でもできる」ということにするものです。そして、「2 サービスデザイン思考による『利便性向上と事務効率化の両立』」を目指そうとしています。
「Ⅳ オンライン手続の推進」、「1 行政手続の棚卸しと対象手続の選定」、「(1)行政手続の棚卸し」について。オンライン等対象の手続が4368あり、そのうち「申請等」と「処分通知等」が大部分になります。「2 業務プロセス改革(BPR)の実施」についても、できるだけ改革を図って見える化をしていきます。「(3)『優先手続』の選定」として、どれから取り組んでいくのかは、「①件数が多い年間400件以上のもの」、「②何度も反復して行われるもの」、「③添付書面等が少ないもの」、これらを中心に進めていきます。
2ページ目、「V 情報システムの整備」、「1 情報システム整備の基本方針」として、基本的な取り組みスタイルはその図表にあるような「情報システムの目指す姿」が。「2 サービスフロントの情報システムの整備」として、どんなシステムを使うかという場合に、「①全国システム」との関連、「②専用型システム」を入れればよいもの、「③汎用型システム」で対応した方がよいもの、これらに応じたシステムの選択をしていくことになります。また、「(2)簡易なオンラインシステムの活用」もあわせて行うことになります。
「3 添付書類等の省略」にあるように、それぞれの事務の性格と、省略できる書類などを、マトリックスで整理をしています。このようなイメージで考えていこうとするものです。
「Ⅵ デジタルデバイド対策と広報の展開」では、「1 デジタルデバイドの是正」は非常に重要な事柄だと考えています。現実に、オンラインを利用しようとして取り組んでも、パスワードがどうだというようなことだけで、あきらめてしまうケースもたくさんありますので、デジタルデバイド対策もしっかりと行っていきたい、と考えます。
3ページ目、「行政手続オンライン化推進計画」のロードマップで、令和6年度までのスケジュールを整理したものです。この計画に従って推進を図ることができれば、兵庫県も全国の自治体の中では、相当の地位を確立することができるのではないか、と考えます。
4番目は、「令和2年度県民意識調査『兵庫の未来を考える』の調査結果」です。
例年やっていますが、毎年の調査項目に加えて、「兵庫の未来を考える」を年次テーマとして、調査しました。ただし、昨年の秋ですが、コロナ下であったということもあり、回収率が6割になっています。これは例年よりも若干低い回収率ではなかったか、と考えられます。
(1ページの)「居住地域の生活環境の満足度」については、「満足」が横ばいというか、若干1.6ポイント増加しており、項目別には2ページに整理しています。
(3ページの)「居住年数」は、やはり20年以上の人が多いのです。地域別では、阪神間は短い人が多いと言われていますが、それでも阪神南と阪神北が5割を切っている以外は、神戸も含めて、5割以上という状況です。
(4ページの)「居住場所」については、「一つの場所に長く定住する」と考えている人が、8割を超えています。
「居住したい場所」というのは、5ページにありますが、「大都市」よりは、「地域の中小都市」が多く、いずれも市街地と住宅地を加えた数値(での比較)になっています。
(6ページの)「居住地選定の視点」は、「買い物」や「医療・福祉サービス」、「交通の結節点」など、やはり生活の利便性が大きな要因になっていると言えます。
それから、「充実感」で見ても、「家族団らん」や「趣味やスポーツ」、「知人や友人と過ごしている時」というようなものが、大きな理由として挙げられています。
(7ページの)「理想の同居者」という質問が適当なのかどうか分かりませんが、「親との同居」が4分の1を占めている。また、20代であっても、結構、家族と一緒に住んでいる、ということが出ています。
(8ページの)「理想的な仕事」というのは、「収入」とそれからやはり、自己実現というのでしょうか(「自分にとって楽しい仕事」等)。そのようなものに、大きなマルがついています。
(9ページの)「理想的な働き方」というのは、「残業や休日出勤が少ない」や「転勤がない」、「趣味の一環」のような、生きがいとしての仕事というところに、集まっているという感じです。
それから、「テレワーク」については、10ページですが、「経験者」は12%であまり多くはありません。多くはありませんが、これからの課題ということではないか、と思います。
11ページに、「テレワークの課題」も整理されています。
また、13ページに、「テレワークの普及による変化」について、「通勤時間がなく時間を有効活用できる」という人が非常に多いということが言えます。
(14ページの)「学校(教育)」でも、「他者への思いやり」や「学力をつけること」などが、主目的として考えられています。
今後の「教育手法」としては、「対話」、それから「体験学習」というのが非常に大きな要素として取り上げられています。
(15ページの)「科学技術」については、分からないことに対する不安で、「犯罪が増えるのではないか」というところに表われているか、と思います。ほかに「ふれあいが減少する」(という不安)や、「元気に長生きできる」ような技術開発が進められる(という期待がある)、ということも言えると思います。
「外国人」との関係で言うと、「意思の疎通が難しい」と感じている人が多く、(その一方で)「地域の一員として捉え、国際的視野が広くなる」という答えもある、ということかと思います。
(16ページの)「地域社会の将来像」として、期待するものというのは、「介護・福祉、医療の体制が充実している」、「犯罪や交通事故が少ない」、いわば安全な環境。「子育てや教育環境が充実している」というような、地域社会(の将来への期待)を持っているということです。
(17ページの)「生活満足度」については、「満足」は8.4ポイント増加しているのですが、「不満」は、1.0ポイントの減少にとどまっていると。どう評価するのか、ということかと思います。
(18ページの)「家族との関係」や「住んでる地域の住み心地」、あるいは「住居」というところが、(生活)満足度の主要構成要因であろうかと思います。
もう一方で、(19ページの)今の生活についてどうか、ということを聞くと、今の生活が「低下している」が6.9ポイント増えて、「向上している」は、2.4ポイント増加しています。コロナ禍でずっと、生活が家庭中心になっていることに対する評価なのかもしれません。
(20ページの)毎年調査項目の、「大地震発生の可能性」については、やはり、1.4ポイントですが、危機感が募っています。
(21ページの)「地域活動への参加」については、近年の傾向として、若干減少気味。
(22ページの)「県政への関心」については、5.0ポイント前年より増えていますが、これはコロナ対策などが、影響している可能性があるのではないか、と思っています。
(23ページの)「よくやっている」というのは、「安全対策」や「インフラ整備」、「防災対策」ですが、「安心できる福祉対策」などでは、もう少し努力が必要だと言われていますし、「行革への努力が必要」だと評価されています。もう少し、きっちりとしたPRをしていかなければならないのではないか、と考えています。
(24ページの)行政機関について知っているか、知っていないか。「知っている」が41.0%で、「全く知らない」が56.1%ですから、これはやはり、もっと知ってもらわなければばらない、という結果ではないか、このように思っています。
5番目は、「令和2年度第4回県民モニターアンケート『防災に対する意識と取り組み』の調査結果」です。
こちらは7割の回答率です。
(1ページの)「居住地域の災害に対するリスク認識」では、「安全認識」は1.4ポイントの減少ですので、ほぼ横ばいという感じではないか、と思われます。
(2ページの)「(兵庫県CG)ハザードマップ」について、認知度は上がっていると評価できるかどうかですが、ほぼ横ばい。しかし、「活用している人」は、増加しているということなのではないか。
「避難場所」については、9割以上の人が「知っている」。
(3ページの)「防災情報」は、「テレビ」や「ポータルサイト」、「ひょうご防災ネット」。意外と「ひょうご防災ネット」が健闘しています。
(4ページの)この1年間で「避難情報が発令」されたのは10.5%で、前年よりは5.7ポイント少なかった、というようなことです。
(5ページの)「ひょうご防災ネットのスマートフォンアプリの認知度」ですが、「知っている人」の合計が5割を超えていますが、「知らない人」がやはり45.6%いるということで、さらに活用を図ってもらう必要がある、ということが言えるかと思います。
それから、「マイ避難カード」については、4割の人は「知っています」が、6割は「知らない」という状況ですので、さらに活用を図ってもらう必要があると思います。
(6ページの)「家族で十分な話し合い」が行われているかというと、「避難路」については、令和3年度を見ますと、かなり前年度から下回ってきているということですが、(注)にあるように、問いの仕方も変えていますので、そのあたりの影響があるのかもしれません。
(7ページの)「避難情報を提供する手段」としては、「エリアメール」、「テレビ」、「インターネット」などが、最近の傾向として強い、ということが言えます。
(8ページの)「耐震診断や耐震補強」ですが、4割はそのような動きを「している」が、6割の人は「わからない(耐震補強をしていない)」という状況ですので、ぜひ耐震診断は、してもらえたらと思います。
(9ページの)「災害への備え」ですが、「飲料水や食料品の備蓄」については、76%の人が備蓄している。「家具の固定」をしている人が約5割弱。「携帯トイレ(又は凝固剤)の備蓄」をしている人は、3分の1という結果です。さらに、しっかりと取り組んでもらう必要がある、という状況なのではないか、と思います。
(11ページの)「防災訓練への参加」については、「参加したい」と願っている人は結構いるのですが、「参加している人」は、最近少し減り気味という状況です。
(12ページの)「住宅再建共済制度」については、「知っている人」が約半数になっていますが、さらにしっかりとPRしていく必要があるのではないか、と考えています。
(13ページの)「安全に避難するための地域での取り組み」として、「(フェンス等に)避難場所等の方向を表示」という項目が非常に多かった、と出ています。
(14ページの)「要援護者の避難への協力」については、「安否の確認」や「(災害状況や避難情報などの)伝達」などは、救い手側も非常にやるぞと言ってくれているのですが、「避難所までの避難誘導・補助」などについては、若干下回っていますので、このあたりの強化をしていかなければならないのではないか、と考えているものです。
「阪神・淡路大震災(の経験の有無)」、16ページですが、「経験していない」人が、約2割弱いるという状況です。逆に言えば、「経験した」人が、8割もまだ残っているということですから、これらの方々の(防災・減災)意識の継続を、しっかりと図っていくことが必要ではないか、と思っています。
私からは以上です。
記者:
コロナの関連について。営業時間の短縮要請について、まん延防止等重点措置となっている4つの市以外でも、今、21日まで営業時間の短縮要請をしていますが、21日以降の取り扱いは、どのように考えていますか。
先ほどの話では、まん延防止等重点措置への(追加)要請については、伊丹市、宝塚市、明石市で増えている実情があって、ここはもう少し把握するということですが。
それ以外の地域、この地域も含めて、21日以降の取り扱い、もしくは要請する地域を拡大することは、今のところどのように考えられていて、それは本部会議で決まる、という認識でよいのでしょうか。
知事:
まん延防止等重点措置対象地域以外は、21日までの要請をしていますので、22日以降の取り扱いをどうするのか決めなければなりません。今週中には対策本部会議を開いて、その方向を決めることになる、と考えています。
対象地域をどうするのか。まん延防止等重点措置の対象地域に組み入れるのかどうか、ということと、引き続きの(時短要請)対象地域としていくのかどうか、ということとセットで議論していかなければならないか、と思っています。ただし、まん延防止等重点措置の対象地域の拡大は、先ほども言いましたように、伊丹市、宝塚市、明石市については、状況をしっかりと把握していく必要がある、と思っています。
協力要請地域については、今のような状況ですと、やはり5月5日までを前提に協力を引き続きお願いしていくのか、いかないのか。そこをポイントとして、対策本部会議で議論をしていく、ということになると考えています。
いずれにしても、今週中に開く対策本部会議で決めたい、と思います。
記者:
今日、12日から、県内では神戸市と伊丹市で、65歳以上の高齢者のワクチン接種が始まりました。それについて、期待するところと。
先ほどの全国知事会でも発言があったように、県内41市町への1回目の配送、供給は、大体の目処が立っていそうですが。その後、順次どうしていくのかというところが課題になっているかと思います。
そのあたりの期待感と課題についての受け止めを教えてください。
知事:
今までは、コロナ対策をこの1年間ずっと奮闘してきましたが、なかなか、県民から見て、いつまでこれだけの対応や協力をすればよいのか、ということに対して、明確な答えが私たち自身も出せなかったのですが。
イギリス政府なども発表していますように、ワクチンを打った人の感染率が非常に低い状況が出ているようですので。ワクチンが接種されることが特効薬ではありませんが、非常に大きな力になる。県民とってみると、不安感を解消できる手段になる、ということですので、明確なスケジュールをできるだけ早く示していくことが非常に重要なのではないか、と思っています。
そのためには、政府のワクチンの配布スケジュールがしっかりと示されなければならないのですが。前回の対策本部会議の後、説明したように、連休明けにはかなりの数が配布される予定にされています。高齢者についても、5月から6月半ばぐらいまでかけて、大きな進捗を見ることができるのではないか。そのようなしっかりとしたスケジュールを、県民の皆さんにこれからも示していくことによって、あと自分たちがワクチンを打つまでどれくらいの期間、しっかりとしたコロナ対策の行動を取るのか。その心づもりのメドをつけてもらうという重要な機能を持ちますので、そのことを正確に、できるだけ伝えていけるようにしたい、と思っています。
記者:
先週の金曜日に対策本部会議を開いて、10日から自宅療養ゼロの方針を一部緩和して、軽症や無症状の一定の条件を満たした人に、自宅療養を認めるという話がありました。
それをしても、比較的医療ケアを必要とする人が、入院や宿泊療養施設の調整待ちになるかと思います。これが930人となっています。これはおそらく、自宅療養を認めた数を差し引いたものが930人、ということかと思います。
これについて、この数の受け止めと、今後の方針について教えてください。
知事:
この差は、入院調整をしている743人と930人との差。約190人が、どんな方々なのか、と質問されているとすると、これはほとんど調査中の人です。つまり、その人にとって自宅療養が望ましいのか、入院がよいのか、あるいはホテル等の宿泊療養施設がよいのか、調査をしている方々です。
記者:
自宅療養が今、482人ですが、この中に兵庫県が認めた自宅療養に切り換えた人が含まれているとすると。この入院または宿泊療養が必要な人930人は、兵庫県が(自宅療養を)認めた数を除いた上で、さらに930人がいるということでしょうか。
知事:
入院調整中で待機してもらっている人が743人いて、自宅療養をしてください、とお願いしている人が482人。それ以外の調整中、あとの190人ほどは、入院か、自宅療養か、ホテル等の宿泊療養施設で治療してもらうのがよいのか、現在、調査中という人たちです。
記者:
井戸知事は、うちわを会食の時に配る、との方針を示したかと思います。
この作成枚数と作成費用というは、だいたいどれくらいになりますか。
知事:
32万枚になります。1万6000店舗に各20枚なので32万枚。費用については、約700万円です。
うちわは、一種の見本です。このように使えますよ、という見本です。事業者の方で、マスク会食ではなく、うちわ会食の方がよい、と思われたら、協力してもらうことも考えられる、と思っています。
記者:
うちわ会食ですが、大阪ではマスク会食となっており、対比されるところもあるかと思います。うちわ会食自体に効果があるのか、と個人的には思うのですが。
そもそもその会食自体を減らすことを最重点(項目)に置いてやるべきだ、と対策本部会議でも話があった、と聞きました。これについて、うちわ会食にどれほどの効果がある、と知事は考えていますか。
知事:
ないよりはましです。マスクを取って会食をして、黙食をしなさい、と言っても、グループとなると、なかなか黙食は難しいでしょうから。そういう時に、扇子やうちわ、あるいはハンカチでもよいから、感染原因の飛沫が飛ぶのを防ぐという心がけを持つということは、非常に重要なことでないか、と考えられます。
マスクについては、いろいろと評価があって、かえって手や顔に、もしかするとウイルスをつけてしまう恐れがある。食事かすなどがマスクに付着して、不衛生になる、などとも言われてもいますし。一方では飛沫が防げる、という評価もあります。これも両端ありますので、どれを選択するのかは、少なくともお店なり、会食者の選択によるのではないか、と思っています。
兵庫県の場合は、扇子、マスクなどの飛沫対策をしてください、という要請をしているということです。
記者:
1店舗あたり20枚ぐらい配るとのことですが、どういった利用を店舗にはして欲しいと思って、配布を呼びかけているのでしょうか。
知事:
会食の際に、飛沫対策として、うちわを使ってでもやるということが考えられる、という1つの例示です。
記者:
20枚を(客に)配るのではなくて、どこか店舗に掲示をするなど、そういう利用方法はいかがでしょうか。
知事:
店舗によって、いろいろな利用方法が考えられるのではないでしょうか。一般的には、配るのかと思います。
人が使ったうちわを次の客が喜んで使うかというと、なかなかそうはいかないでしょうから。一般的には、扇子代わりであれば、持ち帰るということになるのではないでしょうか。
記者:
その意味でいうと、20枚では足りないのではないか、と思うのですが。
知事:
ですから、見本です、と言いました。事業者の皆さんに協力を、その後は、やってもらうための一種の見本です。そういう効果をねらって、お願いをしていきたいと思っています。
記者:
マスク会食について。兵庫県では、多人数・長時間を控え、グループ4人以下の会食と。会食する場合にはマスクあるいは扇子、という対策をとられていると思います。先ほどの知事会の会議でも、知事が大変な状況にあると言われていました。
フェーズが刻々と、急激に医療の逼迫度も増している中で。対策会議であったように、医療の逼迫の対策として、会食そのものを禁止する必要性が高まっているように感じるのですが。踏み込んで、会食を自粛するように呼びかけるなどの考えはありますか。
知事:
今の時点では、まん延防止等重点措置実施区域については、夜の8時まで、お酒は7時まで。その他の協力地域については、夜の9時まで、お酒は8時半まで、という要請をしています。
会食をやめるということは、それをゼロにしようということですから、そこまでの協力を求めていくのは、事業者の皆さんの営業努力との兼ね合いで、今の時点では難しいのではないか、と考えています。
記者:
現場の、店の中には、時短で、8時までになっただけで、相当の客が減るという話があります。例えば、家族に限るや個食に限るなどのやり方もある、という意見があります。そこまで絞ってしまうと、店の経営や営業に大きく支障が出る、ということでしょうか。
知事:
ですから、まん延防止等重点措置実施区域ついては、4万円と規模に応じてプラスアルファの協力金の措置を用意はしているわけですが、それで十分だと、我々は思っているわけではありません。
もっと徹底した協力を求めた方がよいのではないか、という意見も片方ではありますが、ロックダウンしているわけではありませんので。やはり、事業者の皆さんの営業活動とのバランスも考慮する必要があるのではないか、と思っています。
記者:
緊急事態宣言について。一部、した方がよいのではないかという議論も出ています。現時点で、知事はどのように考えていますか。
知事:
まん延防止等重点措置実施区域の効果を、もう少し見定めていかなければならないのではないか、と思っています。
4月5日からですので、4月5日の影響が反映するのは中旬以降ですので。今も中旬ですけれども、今週の後半以降の状況を見定めてみなければならないのではないか、と思います。
記者:
少し前の質問に戻ってしまうのですが、高齢者へのワクチン接種が今日から始まりました。兵庫県の香美町、新温泉町の2町と、その隣の鳥取市など、鳥取県の1市4町が、共同接種を計画している、という報道が先日ありました。
ただし、これについて厚労省は、県を跨いでの接種は想定していない、という回答があった、ということも報道でありました。これについて、鳥取県の平井知事は、柔軟な対応をして欲しい、ということを国に求めているようです。
兵庫県知事としての今の考えを率直に、お願いします。
知事:
柔軟な対応ということよりも、県境を跨ごうと、跨ぐまいと、協力関係ができて、そして規模の小さな市町同士ですから、一定の規模を確保して、接種をしていくということに対しては、積極的に協力していかなければならない、と思っています。
国がどうして駄目だと言っているのか、よく分かりません、理由が。何か、ワクチンの流用を心配しているのかもしれませんが、そのような心配をするよりは、早くワクチンが打たれるための心配(配慮)をした方がよいのではないか、と思います。
記者:
井戸知事は、県境を跨いでの接種もできれば(やる方向ですか)。
知事:
それが最適単位だと考えられるのであれば、進められるように、われわれも協力していきたい、と思います。
記者:
なぜ厚労省があまり前向きに進めていないのかという理由を、私も少し取材しているのですが。
混乱が生じてしまうかもしれないと。兵庫県にいくつ、鳥取県にいくつ、と今、都道府県単位で配っているものを、(県を跨ぐ)市町分を合算してしまうと、兵庫県の個数と鳥取県の個数が混乱してしまう。それを県民がどう思うか、ということを厚労省は心配していると。そういう見解が先ほど聞かれました。
これについては、どう思いますか。
知事:
よく分かりません。何を心配しているのか。
新温泉町単独で、あるいは香美町単独であれば何本いくのか、ということが分かっているのであれば。その範囲で互いに協力して、接種の効率を上げていこうという取り組みが行われても、少しもおかしくはない、と思うのですけれど。
何が混乱するのでしょうか。よく分かりません。
記者:
さらに、混乱がなければできるのか、ということを聞くと。そこは都道府県単位で、隣同士で協力して、混乱がないように体制を整備できれば、県境を跨ぐ接種も不可能ではない、と厚労省は言っていました。
知事:
それでは、最初からそう言えばよいのですが。
記者:
井戸知事は、兵庫県と鳥取県とで、知事同士で協力してやるということは、できそうだと思いますか。
知事:
いえいえ、それは現場で十分にやれる話です。知事が出張らなくても。
つまり、新温泉町と香美町と、隣の岩美町などが一緒になって、1つの単位として、効率的な接種体制をどう組むのか、という話に過ぎないので。1市町村だと思って対応すればよいだけの話です。
それを、こうでなければならない、と決めてかかる方が、余計に不効率を招く恐れがある、ということなのではないでしょうか。
記者:
それでは、厚労省が言っているような、知事同士で協力して体制を作るというのは、少し大掛かり過ぎる、というような意見ですか。
知事:
協力をすること、エールの交換はします。ただし、具体の協力関係は、十分に現場で話し合えば、できる話だと思っています。
もしも必要であれば、いつでも乗り出します。平井知事と私との関係ですから。
記者:
全国で初めての取り組みと。もしも成功すれば、(全国初に)なるということなのですが。
知事:
どうなのでしょう。もともと、特に新温泉町は、どちらかというと、鳥取市の経済圏なのです。鳥取市との関係が非常に深いところなので、そういう取り組みが考えられますし、その基盤もある、ということなのではないでしょうか。
そういうところが、もしもあれば、ほかでも取り組まれる余地は十分にある、と思います。
記者:
なかなか前例がない、というところで各都道府県は、少し横にらみなところもあるのか、と個人的には思うのですが。
兵庫県と鳥取県で、そこの壁を、一歩踏み出せそうですか。
知事:
やはり、ワクチン接種の単位の問題だと思うのです。
例えば、大阪府の豊中市と宝塚市や伊丹市というのは、接していますけれど、それぞれ、それなりの大きな単位ですので。十分に、それぞれの市町で取り組んだ方が効率的だ、ということだと思います。
置かれている状況によるのではないか。置かれている状況で、互いに単位として、協力し合おうということならば。そのような方向を是として、応援をしてもらうことが望ましいのではないか、と私は思います。
記者:
厚労省としては、応援するというよりも、知事同士で引っ張っていって、やって欲しい、というように聞こえたのですが、いかがですか。
知事:
もしも、そう言われるのであれば、十分にわれわれで調整します。
記者:
うちわ会食ですが、飛沫の感染防止に対して、疑問視する声もあるかと思いますが、知事はあくまで見本という言い方をされましたが。
知事:
うちわで覆うことで、飛沫を防ぎませんか。疑問視するということはどういうことですか。
記者:
例えば、うちわは仰いでしまう。我々は普段仰いで使うことが一般的だと思うのですが。
知事:
それは扇子でも同じで、仰ぐ道具ですけれども、飛沫防止のための道具としても使えるのではないでしょうか、という提案をしているわけです。
記者:
使い回しに関して、先ほど知事は基本的に持って帰ってもらうというような話をされたのですが。
知事:
もしかすると持って帰らないで消毒をして、使われるかもしれませんけれど。
そこは事業者の皆さんの使い方の問題だと思います。
記者:
そのあたり、何か専門家に効果などについては。
知事:
専門家の人でも意見が分かれるのです。マスク会食自体、意見が非常に分かれているのです。マスク会食も絶対ではないのです。
私もうちわや扇子が絶対だ、などとは言っていないので、飛沫を防ぐ効果があるのではないでしょうか、そういう使い方もあります、ということを言っているのです。
記者:
昨日、伊丹と宝塚市長選挙の投開票がありました。
伊丹市の藤原市長は5選目ですが、宝塚市の山崎さんは新人ということで、2人に期待されている部分はありますか。
知事:
藤原市長は5選目ですが、例えば病院の統合など、自分が始められて、見届けなければならないような業務を完成してもらう、ということが非常に重要な事柄になるのではないか、と思います。
宝塚は混戦になりましたが、中川市長に近い山崎市長が誕生したという結果になりました。宝塚の課題は何かと言うと、1つは、よく言われている教育問題でしょうし、もう1つは、私は、宝塚には中核市をしっかりと目指して欲しいと。つまり、中核市になるほどの、責任のある市の運営を目指していって欲しい、と思っています。
ですから、従来の福祉の充実はもちろんですが、あわせて、そのような将来方向についての、宝塚のあり方も、山崎市長には十分にリードしてもらえるとありがたい、と思っています。それを期待します。
記者:
一方で市長選では、知事が応援に入られた候補が落選ということになりましたが、このあたり残念だという受け止めはありますか。
知事:
森脇先生は、自分の主張を正しく主張されているのですが、なかなか市民の理解が得られなかったということ。内容はともかく、理解してもらえなかったということなのではないか。そのことは残念に思われているのではないか、と思います。
記者:
僅差ではありましたが、結果的に維新の兵庫県への進出を拒んだことで、ほっとした面はありますか。
知事:
私は、その質問には、コメントしません。ほっとするとか、ほっとしないとかという次元の話ではない、と思います。市民の選択の問題ですから。
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