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【発表項目】
(資料に沿って説明)
記者:
知事が、ゴールデンウイーク中の人の流れを止めようと(緊急事態)措置を実施されてから(4月25日から)、今日で12日が経ちます。
病床の逼迫は依然として解消されておらず、今日の時点での1週間平均の患者(新規感染者数)が384人と、いまだに300人を超える患者数が出ています。
この状況について、宣言の効果があったのかどうか、どう考えているのか、ということと、さらなる延長要請をした理由について、端的にお願いします。
知事:
要請した理由は、5連休が続いているのに、まだ(新規感染者数が)300人をオーバーする事態がずっと続いている状況だからです。絶対数が減らなければ医療の逼迫状況は解消しません。(新規感染者数が)300人ぐらいでは全然解消しないのです。
したがって、その医療逼迫状況の解消が見られるような状況が来るまでは、やはり継続的に、緊急事態措置を継続していかざるを得ないのではないか、と思っています。
緊急事態措置の効果ですが、(感染者数の推移の)グラフを見てもらうと分かるように、少なくとも今の状況では、ピークを過ぎているのではないか、という動きを示しています。これを見極めるために、(措置開始から)2週間後(の感染者数)となると、まだ数日の様子を見極めていかなければ。効果を評価するための材料がない状況ですので、もう少し見定めたい、と思います。
ただし、人の流れは、先ほど示したように、減っていること自体は、間接的にですが、効果があったのではないか、という指標になり得ると思っています。
記者:
県が政府に要請した宣言の延長の期間について。県民は、すごく関心が高いかと思います。
県から要請したその延長幅は、どれくらいの期間で宣言を続けてください、とお願いしたのですか。
知事:
延長幅については、どういう理由で延長するのかということとも関わりがあります。我々としても、具体の案を示して要請しているわけではありませんが、この流れを定着させるのにふさわしい期間は十分にとって欲しい、ということを要請しています。
そういう意味からすれば、(緊急事態措置が)25日からでしたが、25日から考えて1カ月だとすると、(あと)3週間ぐらいになります。そのあたりは緊急事態措置の趣旨である、特に連休の間の人の流れを止めるのだ、ということをどこまで重視するのかとも関わります。
これは、よく専門家の意見などを政府も聞かれるかと思いますので、そのような状況評価を踏まえて、よく協議をしていきたい、と思っています。
記者:
具体的な対策について。7日の国の方針を見て決める、と言われました。
県として現在の内容を維持したい、もしくは何かを追加、もしくは緩和するような措置を、現時点で考えているのか、このあたりについていかがですか。
知事:
これもすでに、いろいろな方面から意見も出ていますが、1つは路上飲み。「何とかならないのか」という意見は非常に強くあります。そうすると、コンビニなどに、「酒を売るな」とはなかなか言いにくいので、「買うな」と県民に協力要請をしていくことが考えられる、と思っています。
もう1つは、イベントなどでの無観客。どちらかというと、「人流をとめる」という意味で、因果関係があまり定かではないにもかかわらず、「人の流れを止めたい」ということで要請しました。このあたりは、検討の俎上に上がる話ではないか、と思っています。
あと、あり得るのは、家庭が感染場所として6割も占めているような状況ですが、その家庭への持ち込みがどこからなされたのか。これは、かなり多くの方々に確認をしても、「よくわからない」という話が非常に多いのです。
この「よくわからない」というのが少しでも解明できてくれば、その因果関係がもう少し明確にできるのです。このあたりは、もう少し疫学調査をしっかりとやっていく必要があると思っていますが、大変難しい課題です。
感染力が強いので、実際問題として、密になっていないにもかかわらず、感染している事例まであるそうです。たいへん原因究明が難しい事態が、今、生じていると言えます。
記者:
引き続き制限をされた生活を県民は送ることになると思います。これに対して、県民の皆さんへのメッセージがあれば、お願いします。
知事:
この事態は本当に危機的な状況です。連休も巣ごもり生活に協力してもらった県民の皆さんに、あとしばらく。変異株に対する対処ということで、自分がかかっても重篤化する可能性が非常に高いですし、ましてや人にうつすというと、自分が原因者になってしまうことになりますので。
「うつらない、うつさない、ということを基本にした行動をしっかりと取っていただきたい」、このことを強く要請したい、と思います。
記者:
宣言が延長ということで、聖火リレーをどうするのか、非常にかかわってくるか、と思います。
このあたりは、現状、何日までという期限がまだあるわけではないのですが、どのように考えていますか。
知事:
もうそろそろです。準備期間もあるため、行うのか、異なった形で展開するのか、を決めていかなければならない時期になりつつある、という認識は共通しています。
延長が、例えば、4月25日から1カ月間であれば5月25日までとなり、(兵庫県での聖火リレーは5月23日、24日なので、)緊急事態宣言の期間に入ってしまいます。そういうことも想定して、代替案というのも含めて、きちんと組織委員会と相談したい、と考えています。
考えられるのは、兵庫県下、五国があるため、五国それぞれで、何らかの代替事業ができるような対応をぜひ協議していきたい、と考えています。
今のは、断言したわけではありません。できない場合の案もしっかりと、詰めて相談をしておく必要がある時期になってきつつある、ということです。
記者:
五国での代替事業について。以前から知事がしばしば言及されてきましたが、どういうイメージのものなのか、少しイメージが湧きにくいのですが。
知事:
例えば、姫路と丹波篠山で。
隣県からバトンタッチして、初日(23日)にスタートして県内を回り始め、(1日目の)ゴールが姫路です。それから、最終のバトンを受けて、丹波篠山から京都にバトンタッチすることにしていたので、この2つは当然、何らかの対応ができる、準備も計画されてきています。
あとは、例えば、淡路や但馬、阪神間などをどうするのか。50年前の東京オリンピックの際に、嵐や台風で走れなかった方々がいます。その方々の代表も神戸で参加してもらうことを、事業の中に入れ込んでいました。そういう方々にも参加してもらえるようにと考えれば、五国で何らかの代替事業をやっていくことが適当ではないか、と現時点では考えています。
記者:
少なくともお客さんの見ることができる状態で、公道で、というのは厳しいのか、という印象ですが。
知事:
可能性は、ないわけではありませんが、かなり確率的には少なくなってきた、ということは言えるのかもしれません。
記者:
病床使用率ですが、先月に病床を96床増やしたと思いますが、あっという間に、8割近い水準に戻ってしまったことについての所感と。緊急事態措置解除には、どれくらいの病床使用率であることが望ましい、と考えていますか。
知事:
入院調整で自宅待機している方々が1800人ですから、病床使用率がもう満杯になって、例えば、退院された後の消毒などの作業を考えていくと、(使用率)100%はまず不可能です。ですから、現場の皆さんからすれば、ほとんど満杯状態で運用している、という悲鳴が上がってきているのが実状です。
前回の第3波の時は、病床使用率が50%以下、それからもう1つは、毎日の陽性患者の発生数が10万人あたりで10人以下。つまり、1日あたり77人か78人以下という指標で運用をしました。
今回は、まだそこまでの指標を議論するような状況に至っていません。1日の発症者数を下げる努力を、県民の皆さんの協力を得ながら進めていくことが、現時点での1番の課題である、と認識しています。
協力をお願いしたい、と思います。
記者:
先の質問とも重なりますが、イベント無観客というところを見直すかもしれない、と言われました。
知事:
いいえ。課題になることを言ったのであって、見直す、というような方向付けは話した覚えはありません。
記者:
例えば、国の対処方針がこのイベントの無観客を続けても、兵庫県が独自にそういうこと(見直し)を検討する可能性がある、という。
知事:
可能性としては難しいでしょう。極端に言えば、国の対処方針を守っていなければ、国としての応援措置、例えば、国が協力金の負担などしない、と言われると、兵庫県としてはお手上げになりますから。
対処方針の枠の中では選択の余地が、対処方針を上回ることはあっても、外す(緩和する)というのは難しいのではないか、と思っています。
記者:
そういう協議の中で、その課題として挙げる、という認識でよいですか。
知事:
そうです。
記者:
聖火リレーの開催可否に関して。先ほど言及されましたが、いつまでに判断するのか。
もう判断せざるを得ない時期に迫っている、と言われていましたが、スケジュール感として言えることはありますか。
知事:
現場もできるだけ早く、という気持ちだとは思うのですが。
私の気持ちは、できれば、沿道の観客を、札幌のハーフマラソンのような協力を得ながら、一般公道を聖火に走ってもらうことが、一番望ましいとは思いますが。
こういう状況ですので、しっかりとした代替案も検討して、相談をしておく必要がある、と思っています。
その代替案の具体の相談をするのには、もうぎりぎりになってきている、という認識です。
記者:
大型商業施設に対する休業要請について。こちらは、政府が連休中の人出を減らすことが主目的だったとして、緩和も検討されているという情報があります。こちらについて、どのように考えていますか。
知事:
人の流れを呼び起こすような施設には、連休の間は休業してもらおう、というのが政府の基本的な考え方でした。連休の間ということで、11日までというのは、そういう発想で少し広めの連休(対策)ということでした。それが課題だということは、私たちも認識していますし、政府自身も認識されているのではないか、と思います。
ただし、人の流れがそれで完全に止まったのかというと、1年前の時期と比べると大体2倍ぐらいの状況です。そのあたりをどのように評価されるのかにもよる、と思っています。
記者:
対策本部会議の話とは少しずれるかもしれません。
神戸市の老人保健施設でかなり大きなクラスターが発生して、10人を超える人が亡くなって。それについて、神戸市で作業が追いつかずに、結局、これまで公表していなかったということが、つい先ほど分かりました。
現場の、医療だけではなくて、入院調整など、保健所機能や疫学的調査なども含めて、かなり厳しい中で、このような事案が起きていることについて。
現場の負担軽減など、これからの大きな課題として、どのようなことが必要だ、と知事として考えていますか。
知事:
神戸市の老健施設の件は発表していたはずです。患者数には入っていましたし。
健康福祉部長:
クラスターとしては発表していなかった、ということのようです。患者としては当然、発表しているのですが。
神戸市としては、患者数の把握に時間がかかったので、近いうちに公表する、というような発表の仕方をしています。
知事:
これは、神戸市に聞いてもらった方がよいかと。
クラスターというのは5人以上ならば、クラスターということにしましょう、という一種の定義の問題です。それをもうはるかに(超えて)、1カ月ほど前からのはずなので。
患者さんとしては、クラスターかどうかの位置付けはともかくとして、陽性者が発生しているということは、ずっと公表されてきていました。それが事実です。なぜクラスターとして発表されなかったのかは、私に聞かれても、分かりません。申し訳ありません。
ただし、厳しいのです。これだけ毎日、毎日、4月の中旬から500人を超えるような、発症者数がずっとあり。そして、神戸市も200人や250人という状況が続いていましたから。
そういう意味では、現場はたいへん、人手不足もあったでしょうし。まずは、入院調整や自宅療養などの振り分けが必要であったはずです。重症者は、入院させて治療しなければならないと。そこが、優先せざるを得なかった、ということが、積み残しを生じてしまった要因であることは間違いない、と思います。
やはり、何度も繰り返すようですが、1日当たりの発症者数を抑えるということが、ある程度見えてこなければ。すべてがスムーズには転がっていかない、ということだと思っています。
記者:
明日も対策本部会議が開かれます。
明日の議題としては、基本的には、政府の対処方針を受けて、兵庫県としての、県民や事業者への要請内容を決める、という理解でよいですか。
知事:
はい、その通りです。
記者:
基本的には、国の対処方針に基づく形になろうかとは思いますが。
何か県独自の、先ほど、路上飲みに対して、お酒を買わないように、と呼びかけるようなことも、知事は言われました。
何か県独自の要請策として、現時点で考えていることはありますか。
知事:
今は、思いつきで言った、路上飲みをさせないために、酒の購入を控えてください、自粛してください、というような要請はしたい、と思っていますが。
他に、どんなことがあり得るのか。対処方針を確認した上で、対策本部会議でも議論してもらった上で、決めていきたい、と思っています。
記者:
聖火リレーについて、先ほどから、いくつか質問がありましたが。
オリンピックそのものに関しても、看護師を500人派遣するのはどうか、といった意見も出ていたり。かなり、開催に対しての批判的な意見も多いようなのですが。
知事としては、オリンピックの開催自体については、どのような考えを持っていますか。
知事:
開催は、是非ともしてもらいたい。無観客でも、開催すべきだ、と思っています。というのは、アスリートの皆さんの一番の目標がオリンピックである、と思っていますから。
1年延びて、また、コンディション調整をして、その上で「やめた」などという無責任な対応はいかがか、と私は思っています。
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