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更新日:2021年5月25日

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令和3年度6月補正予算(緊急経済対策)にかかる記者会見(2021年5月25日(火曜日))

【発表項目】

  • 令和3年度6月補正予算(緊急経済対策)案 

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知事記者会見内容

知事:

 すでに資料配布したかと思いますが、今日の新規陽性者数は139人でした。139人というレベルは、3月30日が176人で、その前日が70人。昨日が86人で本日が139人ですから、3月の末ぐらいの状況になってきたか、という期待です。しかし、3月末がどういう水準だったかと考えると、まさに、まん延防止等重点地区の指定を受けようとしている時期ですので、私たちから見れば、この水準自身は、まだまだ緊急事態宣言の解除にはほど遠いものです。
 前回の(解除)基準は、10万人当たり10人以下。重症病床使用率50%未満でしたので、それには全くほど遠い状況です。それらを踏まえた上で、明日の15時から開く対策本部会議で、検討することにしたい、と思っています。

 さて、6月補正予算を、6月1日から開かれる6月議会に提案します。資料1ページに書いているように、今のような、現下の状況を踏まえて、第1の柱は、「新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策の推進」として充実・強化するものです。第2の柱は、「収束後の地域経済の活性化・地域の元気づくりへの対策準備」です。収束の状況いかんによっては、予算執行(のタイミング)を十分に注意しなければなりませんが、コロナの状況がある程度の状況になった後の、地域経済の活性化や元気づくりを行うための準備をしっかりとしておこう、というのが第2の柱です。第3の柱は、「県民生活の安定化の推進」です。この3つの基本方針で、予算編成をしました。
 通常の6月議会は、組織議会ですから、重要な案件は、できれば9月に送るというのが、通常の議会と当局との関係ですが、今回はそのような状況ではありません。新型コロナ対策を中心に、しっかりとした議論をしてもらうべく、補正予算を編成した、ということです。
 財源は基本的には、(新型コロナウイルス感染症対応)地方創生臨時交付金と、(新型コロナウイルス感染症)緊急包括支援交付金の2つを活用することが中心です。一般財源が6億5700万円ありますが、一応措置されるであろうということを前提にした、特別交付税を財源に、予算編成を行っています。事業執行にあたっては、できるだけ効果を早く発揮させるための準備を進めます。

 2ページですが、補正予算の規模は約1875億円ということになりました。ご覧のとおり、そのうち約1845億円が国庫。そして約24億円が特定財源。一般財源が6億5700万円。この特定財源はご承知のように、市町との共同事業でやっていた部分は、(県と)市町と2時01分でしたので、その1部分をもらうものが、対象になっています。

 そして、施策体系ごとに各事業を並べていますが、早速に事業概要の説明に入ります。

 4ページは、「1.入院医療体制の強化」の「a)重点医療機関等の入院病床の確保」です。1200床程度の確保を目指していますので、そのための予算を入れています。
 5ページに、「e)重症患者に対応する医療従事者養成研修の実施」への対応費用を挙げています。そこにあるように、ECMOや人工呼吸器の研修を、医療従事者に対して行おうとするものです。
 6ページは、病床の目詰まりを起こす原因として、コロナが治っても、持病があるような方々が、転院できない、退院できない、という状況があるわけです。それに対する対応として、受け入れる転院病院などの体制を整備するという意味で、「(イ)転院受入の体制整備の促進」として1病床増加あたり600万円の補助を行います。また、「c)社会福祉施設等への応援職員派遣施設への支援」として応援職員1人当たり1万3000円支給する事業を、創設しました。
 7ページは、従来から述べている「d)宿泊療養施設の確保」として、最大1500室確保しようとするもので、「e)宿泊療養施設の健康管理体制の整備」は、宿泊療養施設のうち、医師の管理等を強化しようとするものです。「f)自宅療養者・待機者に対する往診への支援」の実施、さらに「g)自宅療養者・待機者に対するフォローアップ体制の強化」では、訪問による健康管理や食料品の配布などを行います。
 8ページ、「c)高齢者施設等の従事者への検査」は、昨年度の3月までの計画対象だけではなく、全県に、そして対象施設も拡充したので、その検査費用を計上しています。
 9ページ「7.保健所の体制強化」は、職員の強化は急にはできないので、民間の皆さんのお手伝いによる応援チームも、この4月から派遣をしています。それから「8.地域医療体制の確保・ワクチン接種体制等の整備」は、まず、「a)救急・周産期・小児医療機関の院内感染防止への支援」を予算化しました。
 また10ページの「b)時間外・休日のワクチン接種への医療従事者の派遣」は、時間外や休日に、従事してもらう場合の手当を時間あたりで、(医師の)補助単価7550円、看護師2760円という形で、対応しようとするものです。それから、「c)新型コロナワクチン大規模接種の推進」は、大規模接種にあたって、その手続きや会場、人員の確保などについての経費を挙げています。
 11ページは、「1.新型コロナウイルス感染症拡大防止のための県政の情報発信強化」です。従来から、「(ア)大型ビジョンを活用した啓発動画の放映」、「(イ)広報車を活用した啓発」を行ってきていますし、「(ウ)県民だよりひょうご臨時号の発行」もしていますが、今回、皆さんの協力も得て「(エ)新聞広告を活用した広報の実施」をします。半分ぐらいの欄の5段を2回できれば、と考えています。全面広告を1回するよりは、2回した方が、良いのではないかということで、そのように取扱いました。
 13ページは、「1.新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金の支給(飲食店等)」です。飲食店等に対する協力金の支給ですが、4月25日から5月31日が緊急事態措置実施区域として、この部分を中心に計上しています。予算全体としては、4月1日の分から入っています。もしも緊急事態措置が延長された場合は、その伸びた段階で考えますが、必要ならば6月9日までが、会期中なので、追加の補正予算をお願いすることもあり得ます。
 14ページは、「2.新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金の支給(大規模施設・テナント事業者)」の予算を上げています。「3.県内飲食店に対する休業・時短及びガイドライン遵守状況調査の実施」として、実態調査の実施も、同じく計上します。
 15ページの「4.酒類販売時業者に対する月次支援金の支給」ですが、国としての要件は、売上が50%以上減少しているところとしていますが、都道府県で要件緩和し、30%まで引き下げて運用するものです。それから「5.地域公共交通新型コロナウイルス対応型運行の支援」は、昨年もやりましたが、国の実証運行支援制度が、1カ月間なので、県としても単独で1カ月プラスし、国制度と合わせて2カ月間応援するものです。昨年は、国の制度が2カ月、県が単独で2カ月の計4カ月間を応援しました。
 16ページは、「6.タクシー事業者感染防止対策の支援」です。タクシーの事業者に対しては、自己防衛で、運転席を囲ったりしていますが、さらに、空気清浄器などを入れるような、国庫補助事業に協調した対応をしていこうとするものです。国庫が2分の1で、県が4分の1上積みをして、事業者負担を軽減して普及を図ろうとするものです。

 それから、「2 収束後の地域経済の活性化・地域の元気づくりへの対策準備」が次の柱です。

 最初は、「1.教育情報ネットワーク基盤の増強」ですが、これはホームページの管理やメールサーバーの増設など、学校の情報対応能力をアップさせるものです。
 17ページ、「1.中小企業への運転資金支援」です。経営活性化資金と借換等貸付資金については、9月30日まで延長されていますが、我々としては危機対応貸付などのさらなる延長を要請しています。
 18ページ、「2.中小企業の新事業展開への支援」です。国の制度は事業費150万円以上に対して、国庫が3分の2支援するという制度ですが、事業費150万円未満については制度がありません。県として50万円から150万円未満の事業費の範囲を独自に支援していくという制度で、補助金額は定額補助にしました。
 それから、「3.ひょうごの清酒消費拡大キャンペーンの実施」です。先ほど月次支援金の要件緩和がありましたが、消費拡大のキャンペーンも各組合に実施してもらいます。
 また、「4.県産農水産物の消費拡大キャンペーンの実施」について、「a)県産ブランド牛肉の消費拡大」、「b)県産水産物の消費拡大」も実施します。
 「c)ひょうごの酒欧州オンライン商談会の実施」は、商談会がブリュッセルで開かれるので、SAKE selection兵庫開催の機運を醸成するものです。
 さらに、食材について、「d)「御食国ひょうご」を活用した県産食材PR事業の実施」にも取り組みます。
 それから、「5.コロナ禍における消費拡大の推進」という形で、各消費関係団体の協力を得て、消費拡大の対応を県民運動として展開をしてもらいます。
 20ページ、「6.地域観光への支援」は、宿泊等で最大1人5000円を割引します。また、1万円以上の宿泊等をした場合に1000円、1万5000円以上の場合には2000円のクーポン券を配るという事業を、県内居住者に限り、展開するべく準備をします。資料にあるように、予約・販売したいと考えています。
 そして、「7.宿泊業者による前向きな事業継続への支援」は、宿泊事業者が事業継続のために展開する事業を支援します。例えば、CO2濃度測定器やサーモカメラ、ワーケーションスペース設置等の環境整備を行うなどの事業です。これも国が2分の1(支援する)事業になっていますが、県としても応援をします。補助率は大規模施設については10分の1、中規模施設については6分の1、小規模施設については4分の1を上積みするものです。ただし、すでに頑張るお店・お宿応援事業等をやっているので、これらで対象になった施設は、重複助成になるため、対象外とします。

 21ページ、「3 県民生活の安定化の推進」です。

 社会福祉協議会に貸付原資を助成する「1.緊急生活福祉資金貸付原資補助事業の拡充」ですが、約150億円を予算化します。
 それから、「2.ひとり親世帯の生活支援特別給付金の支給」は、1人当たり5万円を予算化して実施します。県が予算化するのは、福祉事務所設置市以外の町の部分です。それぞれの福祉事務所を持っているところは、市が予算化することになります。
 22ページ、「3.子育て世帯生活支援特別給付金の支給」です。これも、住民税均等割非課税世帯などに児童1人当たり5万円を支給するものです。事業の本体は市町が実施する事業であり、県は広報活動、データ提供等の事務的経費として2000万円ということです。
 また、「4.ひとり親家庭世帯住宅支援資金支援金貸付の実施」、「5.住居確保給付金の支給」などにも取り組みます。
 23ページ、「6.高等職業訓練促進給付金の支給」です。従来は、看護師や保健師など、1年以上の養成期間の方々を対象にしていましたが、今回、臨時的に令和3年度に限り、6カ月以上でも給付を行うことが可能になったので、これに対して応援をするものです。
 それから、「7.つながりサポート型女性相談支援事業の実施」です。本県も、全国的に、女性の自殺者が増えている現状を踏まえて、できるだけ孤独・孤立感の解消に繋がるような事業をNPOと一緒にやっていくものです。あわせて、男女共同参画センターの機能も、相談に応ずるように、強化します。
 24ページは、「a)私費留学生「学びの継続」のための緊急奨学金の支給」です。令和3年度に限り、100人の枠を設けて支援をしていこうとするものです。
 あわせて「b)大学連携組織を活用した県内大学生の地元就職促進事業の実施」は、大学コンソーシアムひょうごにおきます。マッチング事業を強化していくものです。
 「9.官民連携による消費生活推進事業の実施」は、徳島にある消費者庁の新未来創造戦略本部と連携して、消費者トラブルへの対応力強化のための教育研修やエシカル消費の普及の推進、インターネット広告を活用した若年者向け広報の実施などです。
 25ページ、「10.新型コロナウイルス感染症関連消費者トラブル防止のための情報発信・普及啓発」は、こういう時なので、消費者トラブル防止をやはり注意していく必要があり、対応するものです。
 「11.コロナ禍における県職員採用活動の強化」は、ウェブ就職セミナーに県としても参加しようとするものです。

 現在、年度途中なので、予算には上げていませんが、「県有財産使用料等の減免」や、「県立施設におけるキャンセル料の免除」の取り扱いについては、年度の最終補正予算において、状況が確定し次第、去年もそうでしたが、対応をすることになります。

 私からは以上です。

質疑応答

記者:

 今回の予算について、県民から知事の元へいろいろな要望書が提出されたり、酒類の事業者のものもあったかと思います。そういった内容が反映されていると感じたのですが、予算編成に当たっての思いを聞かせてください。

 

知事:

 (昨年度の)最終の補正予算から、4月、5月と2カ月が経過しました。その間で、何が一番大きな変化かというと、緊急事態措置が4月25日から発動されて、今に至っているという状況です。このような厳しい感染状況を踏まえた、医療や民間事業者の皆さんに対する協力、あるいは要請などについて、できるだけの対応を、この時点でできるような、そういう予算編成したということが、まず第一です。
 基本方針に関わりますが、2番目としては、当面のこのような対策はもちろんですが、コロナがある程度収束されるような状況の、後の対応というものを担う必要があります。後対策としての観光や事業者の皆さんに対する支援などを制度化しました。
 3つ目はやはり、こういう時だからこそ、いろいろな不安なり、孤立なりが生じやすいので、相談体制や消費拡大などの県民運動の推進などにも配慮した、ということです。現時点で対応できることをできるだけ、県としては積極的に対応するように努めた、と考えています。

 

記者:

 重点措置と宣言の見回り(14ページ)について、この見回りに2億1700万が計上されていますが、この数字について知事の受け止めをお願いします。

 

知事:

 延べ約4万3000店ある筈なのです。ただし、(お店を)開けているところは約1万5000店で、3割ぐらい。それでも数がそれだけあるので、チームを作って回ります。
 いつも職員が回るわけにはいかず、民間の皆さんの協力も得ました。そのような見回り体制の、民間の皆さんへの委託費も含まれていますので、それなりのコストがかからざるを得ないということです。

 

記者:

 これに関連して、ある一定数のお店が時短要請に協力をしていません。知事として、協力しない店舗について、強制力を持った対応を行っていく考えがあるのかどうか、この点について伺います。

 

知事:

 今はまだ、そういう意味では調査途上段階ですので、一定数の店に対しては、ぜひ協力して欲しいという文書での要請書を近いうちに、今日なり明日中に出すことになろうか、と思っています。
 若干、確信犯的なお店もありますので、それらに対して行政罰である過料の手続きに入るのか入らないのか、これは実効性がどこまであるのかということもよく考えなければなりません。なぜかと言うと、お店の従業員や個人ではなくて、法人なので、法人に対して過料がもし科されたとしても、あまり効果的ではないのかもしれません。それよりも地道な説得を重ねていった方がよいのかもしれません。そういうこともあるので、実態に応じた対応ができるように進めていきたい、と考えています。

 

記者:

 冒頭に本日の感染状況の話がありました。県として、国に宣言の延長を要請するかたちで対策本部会議に諮る、という理解でよいでしょうか。

 

知事:

 まだ方針を決めているわけではありませんが。先ほども触れたように、第3波の対策としての緊急事態宣言の解除を要請した時の状況に比べても、現状はまだまだほど遠いという状況にあります。
 しかも、感染力が強いという変異株に置き換わってしまっている状況も踏まえると、ここで解除を要請するという状況にはならないのではないか、と思っています。

 

記者:

 先ほどの質問とも重複しますが、コロナがある程度収束した後の事業についても予算化している、という印象を持つのですが、そのねらいについて、もう少し細かく教えてください。

 

知事:

 例えば、観光地対策などは直ちにはできませんから。例えば、事前の予約なども考えると。
 そうすると、Go Toキャンペーンが始まるまでの(期間の)兵庫県人による兵庫県内の観光については、国としても一定の枠の中で準備を進めることを事業化する枠組みを示されているので、それを活用して準備を進めていく。このような直ちにできないことがあるので、それを事前に準備するよう、経費は計上したということです。

 

記者:

 予算に関連して。「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」、いわゆる「コロナ交付金」と呼ばれていますが、この交付金がしっかりとコロナに関連したものに投下されていないのではないか、という声も聞かれています。

 

知事:

 例えばどういう事業でしょうか。

 

記者:

 例えば、徳島県では城のイルミネーション、兵庫県では災害対策(広域防災)センターのバギーの導入に1700万円が、コロナ交付金として予算を計上されたと思います。これが、コロナ交付金と果たして関連性があるものなのかどうなのか、適正に予算が投下されているのか、という意見があります。まず、その関連という部分について、知事の考えを伺います。

 

知事:

 バギーに関しては、こういう状況の中で災害が起こった時に、できるだけ早く現地に駆けつけて、障害物があっても現地を確認して、対応していくための対策です。これは関連性がないとは言えない、と思っています。
 本県の場合は、医療対策や協力金などを含めたコロナ対策に、ほとんどの事業を対象として絞っているので、交付金の性格から見ていかがか、というものに充てている例は非常に少ないのではないか。
 基本的には、コロナ対策に関連する事業に充てている、と思っています。
 「バギーはどうか」と言われれば、今述べたように、こういうコロナ下における、災害下における対応なので。迅速性がより望まれるし、(被災者を)放置すれば、もしかするとコロナにかかってしまうことも出てくるかもしれませんので。障害物があっても駆けつけられる対応を、実験的にする、ということです。

 

記者:

 バギー以外に、例えば、外国人に対する翻訳機、相談対応を行うような翻訳機なども、やはりコロナに関連して、という考えでしょうか。

 

知事:

 そうです。今、特に外国人の方々に情報が非常に伝達しにくい状況になっています。特に対面事業が縮小してきていますし、応対もオンラインになっています。オンラインもほとんどが、特定の機関以外は日本語なので、外国人対応に、生活上の不便、巣ごもり状態での生活上の不便に対する対応の一環として、対処した、と理解しています。

 

記者:

 「コロナ交付金」の使われ方が、なかなか見えないというような意見もありました。知事として、このコロナの臨時交付金について、どういった性質のもの、どういうものに投下していくもの、とお考えですか。

 

知事:

 これは、はっきりとしています。
 コロナは、対策すべき感染症に指定されています。国の指定伝染病なのです。したがって、国が基本的に責任を持たなければならない事業ですから、財源措置も国として措置されている。
 我々は、それを有効に活用して、コロナ対策を行っていくもの、と考えています。

 

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