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【発表項目】
(資料に沿って説明)
記者:
昨日、知事もポイントと言われた、酒類の提供について。一律に提供しない、という判断もあったかと思いますが。
重点措置の区域内では、土日祝日は提供しない、平日であれば19時まで、となった理由とその経緯を教えてください。
知事:
19時までというのは、例えば、大阪の人が勤務を終えて、兵庫県内に仮に飲みに来ようとしても、19時までであれば、あまり意味がない時間です。平日は19時までというのは、十分に、合理的な理由がありそうなので、国の方針とも合致しているので、取り入れます。
問題は、土日をどうするのか。土日は、特に昼飲みなどが、今までも目立つという指摘もあります。人の移動をできれば抑制する効果も合わせ持ちたい、と考えました。日曜日は、休んでいるお店も結構あるのですが、飲食店などは開けているお店もあるので、人の流れを促進しないという意味で、土日は、酒を控えてもらう措置を継続してはどうか、と考えました。
記者:
見回り活動の実施という記載がありますが、今、休んでいる店舗に対して見回りをする、ということですか。
知事:
19時まで、20時までの時短を、しっかりと守ってもらえているのかどうかを、見回ります。もちろん、土日のお酒の提供もその対象になります。
記者:
重点措置の区域ですが、昨日、大阪との交流が1つの大きなポイントになる、と言われていました。
期間中に、期限を迎えるまでに、この区域を柔軟に追加したり、拡大したり、縮小することは考えられますか。
知事:
追加することは、実態によって、考えられないわけではありませんが、可能性は少ないのではないか。
一方で、縮小する可能性が、保健所単位で見た場合に、先ほどの目安を十分にクリアしてしまっている状況が出てきた時に、どう取り扱うのかは、その時点で検討せざるを得ないと思います。
しかし、(まん延防止等重点措置の期間は)3週間です。大阪、京都、兵庫で、もう十分にリバウンドの可能性がない状況が、2週間ぐらいで達成できている状況だと判断すれば、3者で相談をして、早期解除を、国に対して相談していくこともあり得るかもしれません。
可能性がないとは言えません。ただし、状況をしっかりと見極めていかなければ、そのような行動には移れないのではないか、と思っています。
記者:
昨日、その財源措置を柔軟に行ってもらうように、国に要請されました。
少なくとも、協力金は国と連携して支給していくとの考えは、いかがですか。
知事:
支給はするのですが、問題は、土日の酒の提供(禁止)の取扱いをどうするのか。今まで、こういう例がありません。まん延防止等重点区域内は一律で、曜日を限ったことがありませんので。これについて、どのように取り扱うのか、少し検討していきたい、と考えています。
国に対しては、要請をしていきますが、どういう結論になるのか、まだ今は、見えていません。何らかの、やはり、上積み措置をせざるを得ないのではないか。
それは、今までずっと、協力に対して、平日も休日も含めて、1日あたり最低4万円。今度は、お酒のことが、国としては無くなりました。休日や土日抜きに、お酒の提供は19時までを国としては認めています。そして、単価が3万円になっています。
したがって、協力する側からすれば、「お酒を出すな」と言われて、出しているところと同じ単価で我慢してもらえるのか、というと、どうか、という問題があります。ここについては、何らかの措置が必要になるのではないか。
もしかすると、県単独でやらざるを得なくなるので、そうすると、従来通り、4万円を出せるのかどうか。3万5000円になるのかもしれません。その当たりも含めて検討していきたい、と思っています。
記者:
2カ月弱の緊急事態宣言が明けることに関する知事の所見と。
21日からまん延防止等重点措置へ移行することに関して、県民への呼びかけがあれば、教えてください。
知事:
最初に呼びかけしたつもりです。緊急事態宣言自体は解除されましたが、引き続き、国としてはまん延防止等重点措置区域として、段階的な対応というものを打ち出してきています。緊急事態宣言が解除になったとしても、(措置が)ゼロになるのではなくて、段階的な対応が不可欠だ、ということを言ってきました。引き続き県民の皆さんには、「しっかりと収束を目指してご協力をお願いします」ということがまず第1の呼びかけです。
緊急事態宣言については、大きな成果を上げることができたのではないか。緊急事態措置が発動された4月25日の状況は、新規陽性者が473人。そのあと、309人、503人、598人、532人と、500人台が続きました。そして、5月の初めに入り、5月1日が539人、2日は536人。連休の期間は、300人台になったのですが。また、連休明け(7日)で493人、567人というような形で、緊急事態宣言直後から2週間ほどが、本当にピークでした。それをきちんと、その後の対応で抑え込むことが、徐々にできてきて、今のような状況をもたらした、ということではないかと思います。
この緊急事態宣言下において、いかに県民の皆さんの行動自粛や、事業者の皆さんの協力が、感染機会を少なくすることに協力してもらった成果が上がってきた、ということではないか。
もう少し、もうひと頑張りしてもらって、リバウンドが起きないような水準、10万人あたり2人以下ぐらいの水準を、ぜひ達成するようにしていきたい。そう考えて、お願いをしている状況です。
記者:
飲食店への要請について。その他の区域にも、県独自に時短要請をしていますが、これはどうしてですか。
知事:
それは、バランスです。ただし、1時間の差は設けている、ということです。
記者:
バランスというのは、全面的に解除してしまうと、またリバウンドが起こるかもしれないことを懸念して、ということですか。
知事:
それと、まん延防止等重点措置区域との差が大きくなり過ぎる、ということです。
記者:
解除の目安について。「前回よりも厳しくする」として、「変異株等の影響も考慮し」というのは、第4波の感染拡大の主な要因として、変異株の影響が強かった、と考えているということですか。
知事:
明らかにアルファ株(イギリス株)が、1.5倍ほど感染力が強いと言われてきましたが、その影響が大きい、と考えられます。
特に、家族内感染が現象として多かったことは明らかです。以前ですと、家族の中でも全員が感染する現象はほとんどなかったのですが。今回の第4波は、家族が全員感染してしまうことがほとんどでしたから。その意味で、感染力が強いと言える。
だからこそ、家族対策が重要だということで、「持ち込まない」ということを是非にお願いしてきました。
今後、インド株(デルタ株)が心配なので。インド株に対する対応は検疫と、それから、検疫と協力した地域でのフォローアップ、が重要ではないかということで。知事会も、それから関西広域連合も、本県も、強く要請をしています。
そういう状況を考えると、従前は10万人あたり10人でしたが、従来の目安や基準よりは、大幅に強化をしていく必要があるのではないかということで、今回のような基準を目安にしたい、と考えています。
記者:
大阪が、今回、対策本部会議を翌日に延期したということです。京都も明日行う予定だと聞いています。
大阪と京都が明日することになったにもかかわらず、兵庫県が今日、対策本部会議を実施した理由は、どういったところにありますか。
知事:
予定通りに開催した、ということだけです。
記者:
仮に、大阪が、酒類提供の禁止を出してきた場合には、兵庫県に流れ込んでくる可能性も考えられるかと思います。
そのあたりについては、何か打ち合わせ等は(しているのですか)。
知事:
そのことを考えた上で、平日19時とすれば、わざわざ兵庫にまで飲みに来るような行動はしにくいであろうと。それから、休日と土日を酒類提供しないことにすれば、お酒の面での誘因効果はないことになるので、県境をまたぐ移動の促進には繋がらないのです。
大阪が仮に全面酒類禁止にしたとしても、平日19時の効果が機能してくれれば、お酒の面での移動、誘因はほとんど抑えられるのではないか、と考えました。
逆に、大阪がお酒を禁止しないことになったとしても、外出自粛の要請をしっかりとしていますから。県民の皆さんに、県境を越えてお酒を飲みに行かないでください、としっかりと呼びかけなければならない、と思っています。
記者:
関連して、土日祝日も(まん延防止等)重点措置区域外では、お酒提供の禁止を求めていません。先ほど知事は、重点措置区域内では、人の流れを促進しない意味で、と言われましたが、区域外では求めなかった理由は。
但馬などは観光地を抱えていますが、そのあたりについての判断は、どういったところに(ありますか)。
知事:
気になると言えば、例えば、淡路や丹波ですが、お酒を飲みにわざわざ淡路や丹波に来る人は少ないのです。もっと、観光目的などではないか、と思いますので、お酒だけの要因で、大きな誘因になることは、非常に少ないのではないか、と判断しました。
ただし、懸念はしています。したがって、もしも急速にそのエリアの感染者が増えていく状況が、現出するようであれば、まん延防止等重点措置区域に拡張することは、十分にあり得ます。
気になるのは丹波と淡路です。わざわざ豊岡、つまり但馬にまでお酒を飲みに行こうという人はいないだろうと思います。それから西播磨などもそうだと思います。
記者:
今回、酒類提供を一応解禁というのか、一部認めるという判断になりました。
この(コロナ対策の)効果として、知事は今まで酒類提供をポイントに挙げていたかと思いますが、今出された措置で、効果はあると考えていますか。
知事:
国の対処方針が、基本的にそのような飲酒について、19時までの対応に踏み切られています。国の対処方針を踏まえた上で、我々としても、独自の判断を付け加えていける部分に、付け加えようという検討をしました。
緊急事態宣言下における全面禁止と(比べて)もちろん効果は、減殺されるとは思いますが、まん延防止等重点措置区域としての効果に対する期待は、それなりにあるのではないか、と思っています。
記者:
酒の提供について。昼過ぎの時点では、一部報道で、神戸市と阪神地域などを念頭に置いている、とありましたが。
知事:
それは知りません。私に聞かれても、全く関知していないし、そういうことを言った覚えもありません。
記者:
酒の提供について、昨日から非常にポイントになるといわれていて、全面的に禁止を続ける選択肢から、全面的にOKという国の対処方針まで下げるという幅のある選択肢の中で、検討されたかと思います。
このバランスは、どのような点で決められたのか、その経緯を伺います。
知事:
国の考え方は、私に解説する能力はありませんが、国はいずれにしても、国民に、コロナ対策で我慢をしてもらう限度として、お酒をこれ以上、全面的に提供禁止にするのは難しい、と判断されたのではないか。
そういう国の対処方針の基本的枠組みをはみ出すわけにはいきませんので。県として、付け加えられる検討をして、土日のお酒提供をしないことを、独自にお願いしたということです。
先ほども少し言ったように、土日の大阪から兵庫へという人流が、休日に生じやすい面もあるので、そこを抑制する効果をねらっています。
記者:
例えば、平日もすべて禁止をお願いするというのは、やはり検討の結果、現実的ではない、というのが結論ですか。
知事:
それは、もう対処方針でできなくなりました。国の対処方針は、基本的に土日祝日も含めて19時まで、とされているので、全面的に酒類提供をやめるという話であれば、緊急事態宣言と同じです。
それならば、緊急事態宣言を延長する措置を取るはずですが、そうではなかったということは、何らかの違った対応で臨むことを判断された、と思われるので、やむを得ないのではないか。
記者:
酒の提供を一部認めることになると、今後、感染者数がまた上がってくる可能性が否定できないかと思います。
上がってきた場合に、緊急事態宣言や、措置を強める判断をする目安は、今のところ何か考えはありますか。
知事:
今はありません。リバウンドするようなことがないように、まん延防止等重点措置を適用することになりました。
従来、下り「まん防」(まん延防止等重点措置)はあり得ないのではないか、と言われていました。あえて、まん延防止等重点措置の適用に踏み切られたのも、リバウンド対策を十分に念頭に置いた上で、国として対応することにしたのだと思われます。
我々もそのような方向をしっかりと踏まえながら、県民の皆さんにも要請し、対応していきたい、と思っています。
記者:
資料(「緊急事態宣言解除後の対策」)の飲食店等への要請で、平日については、5時から20時まで営業時間短縮を要請となっていて、土日祝日については、酒類提供の禁止、となっています。
これは、(酒を)出さないように要請するということと、禁止という言葉というのは、何かこれは違いがあってこういう表現にしているのですか。
知事:
あまり違いはないのではないか。ニュアンスをきつくしたものです。
記者:
資料「行動制限解除の指標・目安」について。つまるところは、まん延防止等重点措置の指定解除の検討を始めるための目安という形にするのか。
それとも、今あるまん延防止等重点措置による規制がそれぞれの地域がありますが、そこの地域の制限等を緩める場合に使うのか。
知事:
その両面ある、と思います。
基本的には、まん延防止等重点措置の制度を前提にして、これ(目安)を作っているわけではありません。
まん延防止等重点措置の制度が適用されることになれば、それは期限が示されるはずです。一応その期限までは、まん延防止等重点措置区域での協力をお願いしていくことになる、一応の期限・目安は示されている。
しかし、それは期限の目安だけであって、どの程度になれば、ある程度の安心ができるようになるのか。どの程度になるまで協力すればよいのか、そういう意味での目安として、実質的な目安として、この新規陽性者数をベースにした、メルクマールを示そうとするものです。
(指標の)両方でもって判断をしていくのが、一番県民にとって分かりやすいのではないか。運用としては、基準が早く達成できれば、「もう、まん延防止等重点措置を解除してください」という動きにしていく可能性もないわけではない、と思います。
記者:
この基準は、重症病床使用率もありますが、例えば、新規陽性者数については、これを地域ごとで見ていくのか、それとも全県の感染者数なのか。
知事:
基本的には全県です。
記者:
今、話があった目安の話や、酒の提供を含めた時短要請の内容などについては、大阪府と京都府には、伝達済みなのか。済みであれば、いつぐらいに伝達したのか、教えてください。
知事:
こういう目安は、前もバラバラだったのです。そういう意味で、本県独自の行動基準として設定した、ということです。
私は、昨日の3府県知事会議の際に、既にこういうこと(内容)を言っています。正式な形で決めるとは言っていませんが。前回の基準がこうだったので、もうそれでは全然対応できないので、相当程度強化したい。その場合の目安として、第2波が一定程度落ち着いた時点ぐらいまでになってこなければまずい、という意味で検討しています、ということを話しました。
一応の方向付けは、メッセージとして出したつもりです。
記者:
お酒の扱いについても、例えば、土日は全て禁止するなどの話も、言ってあるのでしょうか。
知事:
そこは、大阪が、当時としては、全面禁止されるような状況下でしたので、それに対応して、「本県は、全面禁止は難しい」と。京都も、「より難しい」と。
しかし、「大阪からお酒のために人が兵庫に流れてくるようなことは、ぜひ避ける対応をしたい」と、「夜7時であれば、会社を終えてからわざわざお酒を飲みに兵庫に19時までの間に来る、ということは可能性が少ないのではないか」という話はしています。
土日をどうするのかについては、「今、検討中だ」という話はしました。
記者:
それに対しての、大阪、京都のリアクションは。
知事:
それは、それぞれが検討すべき課題なので、コメントは両知事からもありませんでした。
記者:
ワクチンの接種について、先ほど相生市の例や、それから(システムへの)入力が遅れているのでは、という話がありました。
この入力の問題以外で、接種が遅れている要因があるとすれば。もしくは市町からこういう理由で遅れているというような、何か報告があれば。もし知事の方で把握しているものがあれば、教えてください。
知事:
やはり、スタッフの確保などが、目処はつけているが、十分に実際の運用ができるかどうかの不安がないわけではない、というのはあります。
それ以前は、何しろ高齢者用のワクチンの量と供給を、明確に示さなければ、あとの対応ができない、というものが大きな不安だったのですが。それはもう、先ほど説明したように、第8クールまでで、全員分が各市町に配られていることになっています。あとは、国に言わせれば、「早く打て」という話だと思いますから、できるだけ早く進めていこう。
すると次の段階は、64歳以下です。国の大規模接種会場もそうですが、「(接種券が)無くても打ちますよ」とは言いながら、「接種券を持ってきてください」という依頼が多いのです。したがって、早く、次の段階の接種券を64歳以下に配布していくことが、市町村側の役割になります。
国の側は、先ほども言ったように、高齢者用以外のワクチン、ファイザー製は若干先細りのようですが、配付スケジュールと配布量を、できるだけ早く示すということを、我々は国に対して要請しているところです。
併せて、モデルナ製も活用しましょう、という要請をしています。ファイザー製の残余の配分が、第9クールであっても7割ぐらいになってしまっています。第10クールになっても同じような水準かもしれませんから。高齢者用に比べると。
そうすると、ファイザー製だけに頼るのではなくて、モデルナ製のワクチンの活用もしっかりと視野に入れて、市町としても対応して、職域接種や大規模接種の試みをしてほしい、という要請をしています。
記者:
週が明けると、県の大規模接種会場が、いよいよ西宮と姫路で開きます。
最初は地域が限定されていて、それからだんだんと(その他のエリアの)高齢者(への接種)が始まります。
他の地域の大規模接種会場では、予約が埋まらないということが出てきていて、そうすると下の方の年齢に開放する動きが、実際に自衛隊の大規模会場でも出てきています。
県の大規模接種会場も予約状況によっては、若い年齢にも開放していくことはありますか。
知事:
これは今、検討している最中です。例えば、警察官などに大規模会場で接種してもらうことも考えられる対応ではないか。そういう空きが出ないことを願っていますが、空きがかなり出てくれば。
特に、高齢者なので、いつでも地元の医療機関へ行けば打ってもらえるのだから、できれば近い方がよい、という選択もあり得ます。そのあたりも見極めた上で検討していきたい、と思っています。
記者:
大阪は今日、会議がなくて、兵庫が先に対応が決まっている状況です。
兵庫側にとって一番困るのは、大阪がどうするのかは分からないのですが、例えば、兵庫(の飲食店など)が土日休業しているのに、大阪は土日が開いていて、兵庫から大阪に土日に飲みに行こうかと。外出自粛は呼びかけていますが、行って戻ってきて、(ウイルスを)持ち帰ることが、一番、兵庫側としては困ることだと思います。
その点について、例えば、3府県知事の会議であったり、今、(措置内容を)伝えていないのであれば、事後的にでも、そういう懸念を大阪側に伝える考えはありますか。
知事:
ありません。お互いそれについては、十分に飲み込み済みの話です。
昨日も吉村知事は話の中で、我々(兵庫県)は大阪でうつることを前提にした議論をしがちですが、吉村知事流に言えば、「兵庫の人が持ち込むことだってあり得る」ということでした。それはみんな、飲み込み済み、前提とした議論だ、と思っています。
記者:
大阪が、先ほどの発言にもありましたが、昨日の段階では全面禁止のところ、今日になると一転して、兵庫のように全面ではなくて、認めるところも出そうか、というように考え方を変えています。
その点について、知事の受け止めがあれば、教えてください。
知事:
やはり、国の対処方針が、お酒の提供は全面禁止ではなくて、逆に、19時までであれば全面提供してもよい、という対処方針ですので。
そうすると、全面禁止をやろうとすれば、国の対処方針を全く無視することに繋がります。それは、大阪としても避けなければならない、と判断したのではないか、と想像します。
記者:
お酒の提供を認める時の、知事から冒頭で話のあった(店舗の)認証制度について。兵庫の場合は、先ほど紹介のあったステッカーをつける等の取り組みを行いますが。
国の示しているスキームとしては、先ほど言っていた(アクリル板が)何十センチなどというように、細かく示してきているのですか。実態にそぐわないような。
知事:
対処方針で示されている基準は、それほど細かな基準ではありません。
ところが、認証制度を受けようとすると、たくさんそういう細かな基準を満たさなければ認証しません、ということになっているそうです。
私は、あまり意味の無い資料は読まないことにしているので、自分では読んでいませんけれど。そういう細かな認証制度を運用しなければならないものかと。
我々はすでに、目視ではありますが、対策の内容が、きちんと取り組まれているかどうかのチェックをした上で、この認証店のステッカーを交付することにしています。飲食店に感染症対策の基準を守ってもらっている、という証明程度です。必要十分とは言いませんが、それなりの水準の対応になるのではないか、と思っています。
記者:
今回は、酒というポイントですごく悩んだ、ということでした。悩んだ点というのは、感染症を抑え込むことと、特に、飲食店の業界などとの調和を図っていくこと、そういう悩ましい部分がありましたか。
知事:
飲食店の経営上、もういつからやっているのかというと、時短は、もう11月の末ぐらいから始まっています。そして、まさに「酒を出すな」というのは、4月25日からです。それまでの間もずっと、20時であったり、19時であったり、お酒の時短は、もう6カ月、7カ月、飲食店の皆さんに協力してもらっていることになります。
結構、先ほども48店と言いましたが、我々の要請破りが出てきています。そういうことも勘案すると、もうそろそろ限界に、もう協力にも限度がある、そういう状態になりつつあるのではないか、ということもあります。
(それでも)もうあと3週間、本当に、県民の皆さんや事業者の皆さんには協力をお願いして、リバウンドさせないような水準にまで、抑え込ませてください。その協力をお願いします。という意味で、最初にメッセージを説明しました。
記者:
以前から言われているように、感染をしっかりと抑え込むことも、その経済対策に繋がると。
知事:
非常に難しいのですけれど。経済対策に繋げていこうとすると、やはりワクチンの接種率を上げていかなければ、楽観的ベースはできてこない、とは思っています。
しかし、(感染者数が)低水準にまで落ち込めば、今度、リバウンドを仮にしても、リバウンドしていくスピードが、ものすごく遅いのです。低水準にまで抑え込む、というのは第1の目標ではないか、と思っています。
記者:
酒類の提供について。「別途通知する一定の要件を満たす飲食店については。」という条件つきになっています。
この一定の要件について、まだその通知が届いていないので決めようがない、というのが大阪の説明のようです。
この別途通知は、届いているのでしょうか。
知事:
届いていません。
別途通知するとは言うものの、(おそらく)どういう対応をしているか、という内容であって、その内容は今までに言われてきた感染症対策の項目なので。特に、認証店などは、対処方針で言われている項目については、対応していると考えられるだろう、と思っています。
記者:
21日以降の酒類の提供ですが、この(認証)ステッカーがなければ提供できない、というわけではないのですか。
知事:
そんなことは言っていません。実地検証をして、「チェックを受けている店です」という証書です。「お酒の提供ができる店です」という意味ではありません。
記者:
間もなく宣言解除、というタイミングで、今回の第4波についての現時点での総括をお願いします。
関西では、変異株が先行拡大して。医療逼迫も神戸市を中心に重症者も入院できない状況で。県としても自宅療養ゼロの方針を(一時)撤回したこと。死者についても2月末で530人だったものが、神戸市がまとめて発表したということもありますが、現在1200人を超える状況です。
こういった現状を踏まえて、改めて、振り返りというか、総括をお願いします。
知事:
やはり、変異株の感染力の強さに対する対応が、一応の対応はあったにしても、手遅れになってしまった。つまり、かなり感染者数が増えだしてから、対応し始めたので。そこをやはり、次の教訓として生かさなければならない。
それともう1つは、兵庫の場合は、年齢別に亡くなった人を分析してみると、高齢者が非常に多いのです。したがって、いかにクラスターを起こさないか、が非常にポイントになります。
言われたように、自宅療養の選択をせざるを得なくなったのです。入院、宿泊療養施設が、途中でボリュームが足りなくなって、自宅療養を認めざるを得なくなりました。今の段階で、その3者の運用の適切な組み合わせを検討しておく必要があるのではないか。今のような小康状態に近くなっているような状況で、この期間にその3者の組み合わせ、運用の仕方、を検討しておく必要があるのではないか。
例えば、この程度の数や状況になれば、自宅療養に踏み切るなど。また、自宅療養から、例えば、宿泊療養への転換をどうするのか。入院する人はこういう症状で、こういう人を中心にしていくなど。運用の基準みたいなものを、組み合わせのようなことを、前もって定めておく必要があります。
非常に(感染者数増加の)スピードが速かったのです、第4波の。波の大きさも高かったのです。それだけスピードのある、大きな波を経験しているので、少なくともその経験をしっかりと生かして、次なる第5波が生じないようにしなければなりません。また、生じた場合でも、第4波の経験を生かす対応をしていく必要があります。
記者:
第4波まで、波のたびに高さが大きくなることが、この1年あまりで続きました。第4波も、本当に想定を超えるようなものだったのでしょうか。
知事:
もう、かなり超えています。我々は、基準を作りましたが、(新規感染者が)55人以上あたりからが「感染拡大特別期」で、100人を超えるようなことはなかなか想定していなかったのです。それがピーク時には600人を超えてしまったので、まさに想定を超えるような、新規陽性者の発生でした。
医療も危機的状況になるのは、それだけのボリュームが新規陽性者として発生すると、もう耐えきれなくなるのは、当然のことでした。そういう状態を経験したからには、「備え」は、しっかりと事前に考えておく必要がある、と認識しています。
記者:
少し対応が手遅れになってしまった部分があるということです。4月上旬に、まん延防止等重点措置を取って、その後に、なかなか感染者を抑えきれない中で、(緊急事態)宣言を出さざるを得ないという状況になりました。まん延防止等重点措置、そして(緊急自体)宣言を出したタイミングは、もう少し早い方がよかった、という考えですか。
知事:
3月の下旬ぐらいに考えなければならなかったのかもしれません。1週間から10日ぐらい時期が遅れたのかもしれない、という思いはあります。
それが、人の動きの多い年度末と年度初めに重なってしまったので。これからも、そういう人の動きの激しい時期をどう乗り切るのか、ということも視野に入れておく必要があります。
5月の連休を緊急事態宣言でカバーしたことは、非常に効果があった、と事後的には評価できます。
記者:
現時点において、再拡大した際に、どれぐらい再拡大すれば、宣言をまた出さなければならないのかというのは。
知事:
分かりません。今の時点では、仮定の問答をするような余裕はありません。
記者:
五輪後の8月に、また再拡大するのではないか、との指摘もあります。
それに備えて、今後、基準を検討する予定は。
知事:
今のところは、そういう想定をして、検討しようとする気はありません。
まずは、先ほど説明したような状況を目指して、しっかりと取り組んでいくことが課題だ、と思っています。
記者:
緊急事態宣言に格上げする基準はない、ということでした。
(一方で、)今回のまん延防止等重点措置の解除の目安を、7月11日時点で満たしていなかった場合には、国にまん延防止等重点措置の延長を要請することもあり得えますか。
知事:
これは、すごく低い基準です。これを満たしていないからといって、国が「まん延防止等重点措置を解除する」と言われているのに、「延長して」と言えるのかと。少し、言いにくいのではないか。
どちらかというと、早めに達成して、「もうよいのではないか」というメルクマールとして使いたい、と思っています。
延長措置を要請するためのメルクマールという用途は、今の指摘で、「そういう考え方もあるのか」とは思いましたが、少し難しいのではないか。
この水準はすごく低い水準なので、国としては、もし延長の要請をしても、相談には乗ってくれない水準の議論になってしまうのではないか、と思います。
記者:
今回、県内を2つの地域に分けた根拠について。分ける上で悩んだ点や、あるいは自治体から、まん延防止等重点措置区域に入れてほしい、あるいは除いてほしい、という要請はありましたか。
知事:
そういう要請は、私は直には聞いていませんが、すでに4月の初めに、まん延防止等重点措置区域に姫路、阪神北などを(県独自措置区域として)追加しました。そういうエリアが中心で、(今回)1つだけ除いているのは中播磨保健所の管内、神崎郡だけです。この間は、神河町は今まで誰も発症したことがありません、と言われたぐらいなので。
前回のまん延防止等重点措置区域になっているところを中心に整理をしていきました。その実態を見てみると、大阪との関係も深いし感染状況もある程度のボリュームが出ている地域です。
感染率だけで見ると丹波や淡路も高い時があるのですが、ボリュームとしてはすごく少なくて1桁程度なので、それらを総合判断して、決めました。悩んだのは、どこまでにするかという時に、姫路まで入れるのか、入れないのかでしたが、すでに1回追加した地域なので、含めました。
記者:
結果的に、全県で感染防止対策を、県要請によるものを続けることになりました。
先ほどの説明では、人の移動を県内で過度に起こさないための、バランスを取る方策として、但馬や丹波でも制限を設けた、ということですが、これが一番の理由と解釈してよいのですか。
知事:
あまり大きな差が出てくると、周辺部に広がってしまう恐れがあるので、それを抑制したい、という思いです。
それが、バランスを取る必要がある、という説明に繋がっています。
記者:
県全体の対策として、県内で極端に制限に差を設けないことで、感染拡大を広げないようにする、ということですか。
知事:
白紙状態にしてしまうと、意識の問題や、行動などの協力についても、もうしなくてもよい、というメッセージを発してしまう恐れがあります。
そうではない。「県の中で若干の違いはあるけれども、まだ、全体として取り組んでもらわなければならないような状況なのです」というメッセージを、そのような(全県の)協力をもらうことに繋げています。
記者:
まん延防止等重点措置区域以外の対応は、県独自で、法律の措置ではない部分で、独自に要請しています。それでも協力金の支給等をこれから国に要請していくのでしょうか。
知事:
国としても、時短の協力には協力金が出る。国としても措置をすることが、従来からされていました。それを前提に、まん延防止等重点措置の区域は3万円。それ以外の区域は2.5万円を基準に、協力金を算定することにします。
従来は4万円だったのです。それは緊急事態宣言下における暫定措置なので、今度は、まん延防止等重点措置の原理原則に戻って3万円。その3万円との比較で、2.5万円になる。このような状況です。
関連資料
(参考:6月21日追加資料)
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